『対談 美酒について 人はなぜ酒を語るか』吉行淳之介・開高健(1985)|読書感想文
【本の紹介】 25年来の知り合いという純文学作家で対談の名手の吉行淳之介と元寿屋(現:サントリー)社員で海外体験記も多く執筆してる作家の開高健が、酒について、女について、自身の戦争体験や共通の友人たちについて、芸術や海外の文化について大いに語り合います。
感想
あの時の酒事情
対談では、こんなところでこんなお酒を飲んだ、あのお酒を飲むとこういう気分になる、あのお酒は年々味や飲み方が変わってきたなど、たくさんの飲酒体験が語られます。海外での飲酒体験が語られているときは、その国に行った気分になりました。戦争を体験している人たちなので、その時のお酒事情なども聞けて興味深かったです。
お酒と女
やっぱりお酒と女は切っても切り離せないものなのですかね。二人はいろいろなエピソードを話していました。昔はどこの国でもやっていたという、女たちがクチャクチャ噛んでプイッとやってお酒をつくるという話では私は映画『君の名は。』を思い出しました。お酒の話からヒモの話になり、カワイイ論にまで発展していたのには驚きました。
自分に合うお酒を見つけたい
この本にはワインやビールはもちろんのこと、ウイスキーや焼酎、ウォッカなどなど、多くのお酒が登場します。世の中にはこんなにも多くの種類のお酒があるのですね。内向的な性格のため飲酒の機会がなかなか無いので知りませんでした。深い世界で面白そうです。お酒に強いわけではありませんが、最近、地元の醸造所が、観光客向けに工場見学を盛んに行っていることもあって、気になる分野ではあったので、いろいろ試してみたいなと思いました。
最後に
二人とも博識で、しゃべり上手で、いろいろな話題が出てきておもしろかったです。お酒が好きな人もそうでない人も楽しく読めると思います。
巻末の【銘酒豆事典】には、対談で出てきたお酒の詳しい解説が載っています。発酵して作っているところなど、お酒づくりは、パンづくりと少し似ているなと思いました。
今回の本
何かの本で紹介されていて読もうと思ったのだけれど、どの本だか思い出せない。
おまけの一冊
女性のみがぶどうを踏んでお酒をつくるという方法があるよ、という話しがどちらの本にも出てきます。