◤遠隔◢違う空間、同じ時間 リモートパーティの週末
リモートパーティ
今月になって、
大学時代のサークル仲間と毎週「リモートパーティ」を開催している。
メンバーに事前にSNSで告知、
アプリのインストール方法などを伝達、
時間内であれば出入りは自由……。
はじめての「ZOOM飲み」幹事は、オフライン飲みと違って集まる空間がない分、事前に描けない部分が多く、果たして間がもつのか……、一抹の不安を抱えながら、会の〝回し〟こそが幹事の務めなのだと気付く。
隣も端っこもない宴席
先輩・後輩・現役生が揃った異色な宴会には、上座も下座も、隣も端っこもない。
皆が対面に映る新鮮なパーティだ。
和歌山の実家でマスクを縫う後輩、
熊本の夜道をそぞろ歩きする先輩、
横浜で夫の帰りを待ちながら夕飯を作る同級生……。
離れていながら、
それぞれの生活を覗き見しながら、
それぞれの生活を晒し出しながら。
そんな同じ時間を共有する様は、
ニュースキャスターと中継先のリポーターのような、
バラエティ番組のワイプ芸のような、
不思議な高揚感があった。
便利な時代だからこそ
スマホやPCで、
かつての仲間と簡単に繋がれる便利な時代。
LINEやDMで一言メッセージを送るだけで、次会う約束が生まれるのに、便利になりすぎた途端、再会を果たすことが後回しになっていたかもしれないと痛感する。
いつまでも「昔は良かった」と過去に沈殿するつもりはないが、ステイホームは眠っていたたくさんの思い出に目覚ましをかけてくれた気がする。
「新しい生活様式」とともに、
段々に緩和されていくこの国の自粛ムード。
新しい飲み会スタイルを通して、今度は皆が集まって、乾杯の音を鳴らせるよう誓った。