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【Netflix】「地面師たち」の大ヒットに隠された5つのリアリティ
2024年7月25日(木)に配信されたNetflix「地面師(じめんし)たち」がヒットしている。
全7話。実際にあった、積水ハウスが地面師グループにより約55億5千万円を騙し取られた事件がベースとなっている。
積水ハウス地面師詐欺事件(せきすいハウスじめんしさぎじけん)は、2017年6月1日に、積水ハウスが地面師グループに土地の購入代金として55億5千万円を騙し取られた事件[1][2]
そのヒットの理由かいろいろと分析されているが、
私も同様に5つほど理由を挙げていきたいと思います。(かぶるところもあります)
1.ハリソン山中の勿体ぶった言い回しと狂気
「最もフィジカルで、最もプリミティブで、そして最もフェティッシュなやり方でいかせていただきます」
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) August 4, 2024
ここテストに出ます📝#地面師たち #TokyoSwindlers#豊川悦司 pic.twitter.com/UV9b53NPXy
ってXでNetflix公式(!)が、「ここテストに出ます」ってありましたが、映像をみると「ここ夢に出ます」って内容でした。
映画『ダイ・ハード』(1988)の悪役ハンス・グルーバーについてハリソンが言及する場面もそうだし、全て敬語で他の地面師たちに指示や命令を出すところが、リアルなようであり、不気味でした。
2.「STOP!地面師詐欺」の屋外広告にみるリアリティ
注意喚起の屋外広告が、ドラマの話なのかリアルな話なのか、区別がつかない。
ハリソン山中という名前が、なんだ「ハリソンって」と思ったら、実際の事件の主犯格「カミンスカス操」容疑者だったりと、現実がドラマを超えていたりする。
3.その後の「積水ハウス」がドラマみたいな展開
阿部氏は社内で、自身の責任が追及されると、事件の真相解明に積極的だった和田勇会長(当時)を、失脚に追い込んだことで知られている。
積水ハウス元社長で地面師事件当時の決裁権者だった阿部俊則氏が、会長になるという、ドラマの続きのような展開。
こちらに詳しく書かれています。
4.ピエール瀧+石野卓球=電気グルーヴのMVのようなハマり具合
石野卓球が劇伴音楽を担当。最終的に制作した楽曲の数はなんと40曲近くにも達したという。1話なんかはまるで、MVのように音がなり続く。
全体的に「不穏な感じで」というのが、監督のリクエストだったそう。
また、本作を観た、原作者・新庄耕は「朝から夕方まで、でたらめに乱れる心臓の音を聞きながら、最後は時間も忘れて食い入るようにスクリーンを見つめていた。とにかく、もう一度観たい」とコメントを寄せた。
5.舞台となるお寺の駐車場がVFXだと気がつかない
VFXで大変だったのが、地面師が狙う寺ですね。あの寺は実際港区高輪にあるわけではなくて、郊外にあるまわりに何もない寺と駐車場に高輪の背景を合成したんです。
モデルとなった事件は旅館であったが、お寺にすることですこしリアリティとは逆の方向に作用していったが、そのVFXのクオリティの高さに、「本当のお寺では?」とストーリーにもリアリティが増していった。
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https://note.com/arai0903/n/nbff232a4494c
p.s. これを書いていたら、岸田総理が次の総裁選に出馬しないというニュースが飛び込んできました。