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忘れっぽい私のための(適当な)短い読書 32-1
建築家たちが考えているほど、建築の設計は高尚でも知的でもない。縄文時代の人でもよくしたし、いまの人もよくするし、私すらする。
もし二一世紀になって建築に重大な意味があるとしたら、このだれでもできる常識の延長という一点にかかっているんじゃあるまいか。現代の文明を支えている諸物のなかで、だれでもできるものなんて建築以外にない。車もカメラもなにもかもエレキが入ってしまい、素人には手に負えない。
数日前読んだ小文のなかで伊藤豊雄さんが、「藤森さんの建築は素人の建築なんです」。そして昨日ひさしぶりにお目にかかった石山修武(おさむ)さんは、「オマエのやってることはガーデニングだぜ」
素人、ガーデニング、さすがによいことをいってくれる。”素人の心持ち””ガーデニングという思想”、なんだか明るい気分になってくるではないか。
タンポポ・ハウスのできるまで 藤森照信
(*太字は当方による)
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