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まなみのりさ12周年ライブ「これまでも、これからも」

8/8に行われたまなみのりさ12周年ライブ「これまでも、これからも」。2年前に活動休止からの復活の地だった渋谷duo。「これまでも、これからも」のタイトル通り、復活して2年間のこれまで、そしてこれからのまなみのりさが進むべき方向性、みたいなものを2時間弱にギュッと凝縮した濃密なライブだった。

duoといえば逆襲の地であり反逆の地。4年前のファーストduoでは、邪魔な2本の柱を逆手に取ってポラリスサークルダブルタイフーンで「逆襲」を果たし、2年前の復活duoでは持ち曲7曲というハンデを逆手にとって「リハ&本番」いう名目で2回回し、さらに過去曲が使えないというハンデを「ポラリスAb」のフリ完コピである「bye bye バイナリ」という奇襲で反逆した。

今回はそういった奇をてらった「伝説」こそなかったものの、2年間のまみりの歴史と成長を示す、これもまた「伝説のduo」だったな、と今となっては思う。余分なところがほとんどない、にも関わらずおなか一杯になる感じ。足さない、引かない。

前半7曲は2年前の復活のduoセトリ。「もう一度、まなみのりさを始めます」の言葉で時が動き出したあのライブを観ている身としては万感の思いがあった。いきなりの復活ライブで旧体制のベストアクトを軽く超えてきたあて度肝を抜かれた、というのは当時書いたが、あの頃と比べても同じセトリでも格段にレベルアップしてるのが歴然。 

そしてこのブロックでは、当時の衣装を3人それぞれが着てくるというね。みのちゃんはその復活duoで初披露した白衣装。復活して広島に拠点を移すまでの1か月はずっとこの衣装だった。まなさんはその広島に帰る前に開催されたmorph4回回しの時に初披露された紺衣装。白衣装と紺衣装はその後の広島拠点活動での定番衣装だった。そしてりっちゃんはフェニックスホールで初披露したワインレッド衣装 。ここから6月の広島クアトロで「たいせつな…」のジャケット衣装が披露されるまではずっとこの衣装だった。フラワーフェスティバルのスペシャルゲストとしてメインステージに上がった時もこの衣装だったし、マウントレーニアホールでのアコースティックライブで一夜限りこの衣装を復活させたのも記憶に新しい。これもまた、まなみのりさの歴史を語る上での粋な演出。

それにしても、紺衣装といえば思い出されるのが、まなさんがこの衣装のジッパーを壊して、その後りっちゃんに直してもらったというエピソード。よりによってその紺衣装がまなさんかよ!よ思ったさ(笑)案の定、というか裏は安全ピンで止めていることをMCで暴露。

そんなほっこりエピソードも入れながらのMCで、当時を知らない新しいファンのみなさんにもまなみのりさの歴史を垣間見せるようなステージだった訳だが、このブロックラストの「ORION」で一旦ステージをはけて、改めて新衣装の白のロングドレス(バナーの衣装ね)に着替えての再登場からのステージは正に「今のまなみのりさ」を魅せるステージに雰囲気がガラッと一変した。

introductionからの「ウソ」「オレンジ」「knock」。いわば新生まみりの第二章を彩るこれらの曲は、今や新生まみりの代表曲として欠かせない存在。

そして改めて思ったのは、復活duoの7曲って、今考えるとかなり旧体制のまみりに寄せて違和感ないように作ってたんだなぁ、ということ。復活するにあたってファンに気を遣ってそれまでのまみりの雰囲気をあえて殺さずに、それでも幅を拡げてる感がでるような楽曲を敢えて揃えて来たんだな。と。いきなりの方向転換ではなく、それまでの蓄積があったからこそ、の楽曲群。そしてそれがフェニックスホールでの「オレンジ」「knock」披露の布石を経て、満を持しての「ウソ」や「花びら」につながっていったんだな、という段階的なアプローチをとってきたことがわかる。これもまた、復活してからのまなみのりさを語る上で重要なエピソードになるんじゃないだろうか。

そして、いよいよの新曲披露は、今のまみりの世界観をさらに広げる「かかとを鳴らして」。これ、掛け値なしに個人的に今回のベストアルバムの新曲4曲の中で一番気に入ってて、ライブまでに何度もエンリピして聴き込んでた曲なんで、これが次のまみりの推し曲となるであろうポジションというのは嬉しかったな! この曲については別エントリでもっとガッツリ語りたい(笑)。

このあたりからが「これからのまなみのりさ」を指し示すようなブロックだったのかな、と思う。一服的に「ココロト」を入れてきたのも、気を張ってばかりじゃなく緩く楽しんでもいくよ、という表れだったともとれる。

そして安定の「花びら」はその前のintroduction2のダンスから。和テイストのSEで優雅に、かつガッツリ踊る3人からの花びらは、introduction1からの「ウソ」ともまた違ったテイストの、踊るまなみのりさの新たなる魅力を魅せて貰った。

そして締め曲はベストアルバムのラスト曲でもある「黄昏とは」。これは直前のセトリ予想でも予想していた通りなんだけど、3人とも低音から始まる難しいこの曲を、最後はみのちゃんがアカペラで歌いあげて締めるという凝った演出。初回だっただけにまだまだ緊張感もあったと思うけど、それでもスケールが感じられ、難易度が高いだけにこれから歌い込めば更にどんどん良くなりそうな予感。

惜しむらくは新曲披露が4曲中2曲だったということ。今回4曲全部披露されるのかと期待していただが、まぁお預けを食らった分だけ次はどこで披露されるのか?そして振りはどんな感じになるのかな、といった楽しみも膨らむというもの。

それでも遅い時間から全16曲、introductionを含めると18曲のパフォーマンスを披露した訳で、わずか2時間弱にこのボリュームなら大満足、の内容。MCパートも3か所のみ。個人的には必要最小限のMCに留めてきた感じ。思いをMCで長々と語るというよりは、歌とパフォーマンスでそれを魅せる、という感じ。アカペラで絞り出すように歌った最後のみのちゃんの「黄昏とは」は正にそんな感じだった。

その必要最小限のMCの中で、彼女たちは「今が一番楽しい」と言い切った。たしかに今まのまみりのステージは本当に楽しいし、本人たちも楽しんでるのがビシビシ伝わってくる。そしてその輪が確実に広がっていることを肌で実感する。この日も結果的に当日券でduoソールドアウトを達成した。結成12年でもまだ伸び代があるんだ、という自信の表れがポジティブスパイラルとしてどんどん拡がっている感じ。

それはライブ終わりの飲み会でも感じた。平日の夜遅い時間から夜通しでまみりのことを語り明かしても全然足りないくらいに話が尽きない。基本的にまみりヲタの人たちっていろんなところからいろんな人が集まってて、考え方や好みも違えば今後のまみりの展望に関する見方も違うけど、みんなが概ね今のまみりの活動に満足してる、ってことだけは感じとれた。これって今の活動が基本的に順風満帆であることが大きいよね。そして素晴らしいステージを観れた事も。

そして昔からまなみのりさを知っているファンだけでなく、つい最近まなみのりさのファンになって、あるいはまなみのりさのことを知って今回のライブに参加した方々にとっても、知らない歴史をこのライブを通じて肌で感じることができたんじゃないだろうか。

自慢していいと思う。あなたはこのまなみのりさ12周年の渋谷duoに居たことを、そしてこのステージを観た、ということを。

惜しむらくは、最近知ってチケットを買った方は、ギュウギュウの渋谷duoではパフォーマンスも観づらかったと思う。幸いなことに次のワンマンライブ「1000」はヒューリックホール。着座ホールでどの席でも見やすくなっております。こちらに是非!

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