「まみりなりの」フラワーフェスティバル
大変私事ではあるのですが、先日母が他界しまして、その四十九日が明ける5/5まではライブへの参加を自粛しておりました(とはいえ、4/15および4/17についてはのっぴきならない事態、と勝手に判断して2日間だけその禁を破っておりましたが(笑))。
ということでゴールデンウィーク前半は基本家に籠もっていたのですが、まぁ外出や旅行を自粛してる訳じゃないので、5/6に休みも取れて6連休になったということもあって後半は少し遠出をしてみようか、と、5/5はあてもなくぷらっと旅行に出かけた訳ですよ。
で、気がついたらいつも見慣れた広島駅のホームに到着しておりました。駅前から地下に降りていくと、南口地下広場(エールエール)に何だか見慣れた顔が何人も居るわけですよ。そして柱にはこんなものが!なんとここで16時からまなみのりさがDVDのリリイベを開催する、というではありませんか!
さて困りました。自分は本日まではライブ自粛中の身。ライブに参加することはできない。いや、2回も禁を破ってるんだからもう一回くらい良くね?という意見もあるのでしょうがそれではあまりに節操がないのではないでしょうか!(笑)
…と、ここである考えがよぎりました。実は母親がなくなった時刻は15時15分。ということは今日の15時15分で四十九日の期限は切れている。16時からならセーフじゃね?と。
いやいや、そういう数え方はアリなのか?とすぐに思い直したものの、考えてみればDVDを「購入して」ライブイベントに参加するのはアウトでも、とくにDVDを購入せずに観覧エリアの外から「たまたま」ライブの様子を見かける、ということはあくまでも旅行の範疇では?ということで、あくまでも「たまたま」見かけるという体でリリースイベントが始まるのを待っていたのです。そしてその後、驚愕の光景を目にすることになったのです!
てな訳で、ここまでの文体メチャクチャですが(笑)そんな無理矢理な屁理屈をこねくり回してでもこれは観ておきたかったのですよ。なんてったってまなみのりさにとってはこれが「最後のフラワーフェスティバル」なのだから。
毎年5/3~5/5の日程で行われる「ひろしまフラワーフェスティバル」だが、ここ数年はコロナ禍の影響を受けまくっている。一昨年はコロナ禍で中止。昨年は中止こそ免れたものの無観客での開催。今年は3年ぶりに有観客開催もステージは3つだけ、という縮小規模での開催となった。
来年4月に解散前のまなみのりさとしては、今年は最後のフラワーフェスティバル出演のチャンスだった訳だが、残念ながら出演は叶わなかった。2018年にはスペシャルゲストを務めるまでの功績がある彼女たちが何故呼ばれない⁉と憤るような意見もあったが、その3ステージのタイムテーブルを見てまぁまぁ納得。主に広島を地盤としている「フラワーフェスティバル常連」のアーティストですらほとんど名前をみることができないんだから仕方ないよなぁ。で、そういうアーティストさんたちは何をしているかというと、GWに広島のライブハウスでライブやってたりする。まぁ「自分たちなりのフラワーフェスティバル」ということだろう。
個人的には関東人である自分には馴染みのなかった「フラワーフェスティバル」というイベントを知らしめてくれたのはまなみのりさだった。ゴールデンウィークの集客としては「博多どんたく」に次ぐ全国第2位の規模のイベントにもかかわらず関東ではほとんどその存在を知られていない。例の「2番じゃダメなんですか⁉」じゃないけど、1位は良く知られていても2位は知られていない、という典型的なイベント。関東からだと距離的に微妙な遠さである広島、ということもあるし、とくにゴールデンウイークは交通機関が割高だったりということもあって、広島の人たちにはおなじみなこのイベントも関東からだと機会がなければわざわざ行かない、という人がほとんどだ。
まみりと出会って、まみりの出演した2016年、2018年、2019年に参加したけど、実際に行ってみるとあちこちのステージから音楽が聞こえてきて、それに引き込まれるように人が集まってくる。正に花と音楽の祭典。たくさんのアーティストを輩出している「広島」というお土地柄が溢れた素晴らしいイベントだと思うし、それに出会わせてくれたまみりの3人には感謝しかない。
さて、規模を縮小してのフラワーフェスティバルに呼ばれなかったまなみのりさ、昨年、そして今年のゴールデンウイークにはそのフラワーフェスティバルの宿敵である「博多どんたく」の地である福岡遠征、というのは何とも皮肉なもんだなぁ、とは思いつつも(笑)、先述のとおり今年は最終日5/5は広島に戻って広島駅南口地下広場エールエールでリリースイベントが行われた。
エールエールと言えばコロナ禍前のフラワーフェスティバルでは「デイジーステージ」として会場となっていた場所。本家フラワーフェスティバルが規模縮小ということで今年はステージとして選ばなかった場所を、同じく規模縮小によって出演が叶わなかったまなみのりさが押さえてイベントを実施する。そしてそれを本人たちが「まみりなりのフラワーフェスティバル」と言っている。これはなかなかに「攻めてるな」と(笑)。見方によっては本家に喧嘩売ってるようにも見えかねないからね。
いやまぁ恨みつらみ、というのとは違うと思うが、そうは言ってもこれまで常連だったフラワーフェスティバルに、たとえご時世による規模縮小とはいえ最後に出演できなかったことについては、彼女たちの中にも忸怩たる思いはあったのだろう。「まみりなりのフラワーフェスティバル」と敢えて言ったのは彼女たちの「魂の叫び」だったのではないか。
決して喧嘩を売ったわけではない。「変わらなきゃ」の歌詞のように、明日の私に届くように、聞こえるように叫んだ結果が「まみりなりのフラワーフェスティバル」だったんだ。
そして、こういう「場所がないなら自分たちで作り出していこう」という姿勢こそか、新生まなみのりさの真骨頂ではなかったか、と改めて思い起こさせてくれた。半年間の活動休止を経て持ち曲ゼロからのスタート、新曲7曲をリハと本番の体で2回回ししてワンマンの形を作り、過去曲を使えないというハンデを過去曲の振り付けを使った「bye byeバイナリ」という奇襲作戦で復活したduo、コロナ禍で人数が入れられないなら13周年だし13回やっちゃえば良くね?という13周年のmorph、縦長の会場でどうやったら観客に近いステージが作れるか?としてセンターステージにした14周年の神田スクエアホール。まなみのりさは逆境を乗り越えていくタイプのアイドルだ、ということを。
では、そんな「まみりなりのフラワーフェスティバル」はどんな感じだったのか。改めて振り返ってみたい。まずはそのセトリから。
実はリハーサルの段階で、今回の7曲のうち6曲を披露。「リリイベは4曲と決まっておる」といういつものみのちゃんの言葉に、それでも広島だから特別に5曲、いや6曲、という願望は誰もがあったと思うが、リリイベの段階でこれは6曲はやってくれる、という期待感を膨らませてくれた。
それに呼応するように、見る限りざっと100くらい用意された座席は開始前にはほぼ埋まっていた、観覧エリア外にも人がちらほら。
そしてステージが始まると、その歌声に引き込まれるように人が集まってくる。どこからともなく聞こえてくるステージの歌声が人々をそこへ引き寄せる、これこそがフラワーフェスティバルの醍醐味じゃないか。この瞬間、公式にはステージに選ばれなかったエールエールには間違いなくフラワーフェスティバルがあったんだ!
それを裏付けるかのように、手拍子と拍手の圧はスゴかった。実際に埋まった人数以上ではないかと感じさせるような大きな手拍子であり拍手だった。エールエールというロケーションも良かったな。オープンスペースにもかかわらず地下広場なので歌声が反響するし、手拍子や拍手もより反響するから相乗効果でどんどんまみりのステージにみんな引き込まれていく。
そして最後はリハで演らなかった「ひろしまVOICE」のサプライズでの締め。まなみのりさの名前は知らなくても「『ひろしまVOICE』の娘らじゃろ?」と言われるという逸話が語られるほど、地元広島では知名度の高い曲。まみり自身も復活後の新体制でもフラワーフェスティバルでは良く歌っていた曲だけに、この曲こそまみりのフラワーフェスティバルには欠かせない曲でもある訳だ。
なので「まみりなりのフラワーフェスティバル」と銘打った時点で「ひろしまVOICE」は当然演るだろう、と期待はしていた。ところがリハーサルで6曲もやってしまったために、時間的にもこの曲を演る余地はないのでは?え?演らないの?とちょっと残念に思っていたし、半ば諦めていたのも事実。なので、最後のMCでもう終わりだな…と思ったところにこの曲のイントロが流れて来たのは本当にサプライズだった。同じように思った人たちも多かったみたいで、この曲でウルッときてしまった、という人も多かったみたいだ。
自分も、せっかくの「まみりなりのフラワーフェスティバル」のラストを飾る曲なのだからできるだけ笑顔で、と思ってはいたものの
の歌詞で思わず(´;ω;`)ブワッときてしまったよね。
こうして「まみりなりの、最後のフラワーフェスティバル」は幕を閉じた。もう一度繰り返して断言する。あの時、あの30分間、エールエールでは間違いなくフラワーフェスティバルが開催されていたんだ!と。
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