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Photo by
debupinoko
Driving rainとレインコート
21時すぎ、横殴りの雨の中、家にたどり着いた。
玄関には、一足先に無事戻った娘の びしょ濡れのスニーカー。
「塾に行くときのほうが10倍大変だった。ズボン濡れたまま授業を受けたんだよ、最悪」受験生の娘が言った。
「レインコートを着たらいいのに」
「ヤダ、格好悪い」
なぜ? ウィンドブレーカーでも羽織っていけば、
横殴りの雨でも、服まで濡れずに済むでしょう。
「レインコートなんか、誰も着ないよ?」
「え? 大人だってスーツ濡らさないように着てるでしょ」
「大人は分かるけど、私たちは着ない」
確かに!
娘が幼稚園の頃までは、サイズアウトするたびに雨合羽を新調してた。
色とりどり、見ていると明るい気持ちになる子供用の雨合羽。
最後に購入した、今でも着れるはずの160サイズは、
数年前に突如、お役御免になってしまった。
親が選んだ雨合羽を喜んで着た子供時代が終わり、
通勤スーツを濡らさないために自分で選ぶようになるまでに、
レインコートと無縁の時期があるんだと、
気づかされたDriving rainの夜だった。