見出し画像

治験初めて受けてみた


治験を知っているだろうか?

このうち「薬の候補」を健康な成人や患者に使用して、効果や安全性、治療法(適正な投与量や投与方法)などを確認する目的で行われる「臨床試験*」のことを「治験」といいます。

国立成育医療研究センター 
https://www.ncchd.go.jp/scholar/clinical/chiken/patient/about.html


新薬やジェネリック医薬品を発売前にテストするもので、安全性が保証されていないものなので危険だけどその分高額の報酬をもらうことができる。

この報酬に目が眩んで治験に参加してきた。

報酬は治験の種類によって様々みたいだ。以下のサイトに登録すると報酬額を見ることができる。(勧誘リンクとかではないよ!)


このような治験情報のサイトが5個くらいあって、ここには1万円〜60万円くらいの幅広い報酬額の治験が掲載されている。
低いものは1日で終わるサプリメントなどを飲んで様子を見るものからアルツハイマー病の新薬や抗がん剤など心配になりそうなものまで様々あるらしい。
サイトを適当に見てみると日焼け止めを塗るテストで2万円貰えるものがあった。他には湿布貼るテストで10万ほどもらえる募集などがある。
日焼け止めや湿布と聞くとそこまで危険なイメージがないので結構良さげに思える。
別のところを見てみると60万円近くもらえる募集がある。
60万はちょっとヤバそうだ、一体何の薬を投与されるのか.….
ちなみに薬の内容などは実際に申し込んで事前の健診に行くまでわからない。
この中から選んで自分の日程に合いそうな試験に応募した。金額は書けないが松竹梅でいうと竹くらいだ。真ん中なら大丈夫だろうという安直な考え。
鰻屋さんがよく使ってる戦略だ。

治験を始めるときに知り得たテスト内容を漏らしていけないことになっているので流れだけ書くとこんな感じ。

サイトから応募

事前健診

合格通知

入院

退院

事前健診

申し込んだだけで治験に参加できるわけではなくて、まずは事前健診を行う。
事前健診で血液などを測定して治験に適した健康状態であるかを確かめるようだ。
自分が唯一自慢できることが健康体であることなので健診には自信があった。きっと大丈夫なはず!
そしてなんとこの事前健診に行くだけで健康状態の良し悪しに関わらず報酬の一部をもらうことができる!
平均5000円くらいのようだ。健診するだけで5000円貰えるんだったら結構良いバイトなんじゃないかな。
健康面に問題がなければ無事通過となり後日合格通知が来る。
ちなみにタトゥーはNG。タトゥー入れてなくてよかった。


合格通知&入院

入院日当日にも検査が行われてここで引っかかったらアウト。
治験には参加できないここで引っかかるとかなりキツい。前々から予定をおさえた上でやっぱりナシ!となったら明日からどうすれば良いのか。
何とかそれも無事合格して入院することになった。入院して10日前後病院に篭りきりになる。
健康なら誰でもできるわけではなくて決まった人数だけが選ばれる。より健康的な人が選ばれるのか抽選なのかはわからないが選ばれない場合もあるということなので新規一発目で受かった自分は運が良かった。

入院するとずっと病室のベッドの上で過ごし、薬を投与して採血などを含む色々な検査を何度も行う。
入院中についてはかなり自由な時間が多かったという印象。
採血などはかなり頻繁に行われるものの、それ以外は病室内という制約つきだが何をしてても良い。
周りの人を見ると資格勉強してたり本やSwitchなどを持ち込んでいるようだった。
自分も勉強中の単語帳やブックオフで買った本を読んだりパソコンで映画観たりして過ごしていた。


注射が痛い!

ワクチン用の針が極細で痛みを与えないように作ってあるのに対して採血用の針は血液成分を壊さないように太めに作ってあるので結構痛い。
1回ならまあ良いけど何回も何回も注射されるの嫌だなーと思っていたら留置針っていうものがあるらしい。
人生で一度も入院したことのない自分は知らなかったんだけど点滴とかする人向けに針を刺しっぱにできる器具があるそうで、これがあれば最初の一回針を刺すだけでOKになるそう。
何度も針刺されるのは嫌だったので人類の叡智に感謝だ。
ただ留置針も悪いところはあって採血針よりも痛みが強い針を4cmくらいとかなり深めに腕に押し込むようにして刺すので初回は結構痛いし、留置針つけてる間は手を動かしたりすると肉の中で針が動いて鈍痛がする。
あと留置針うまくいかない人もいて、その人は何度か別の場所刺された挙句結局無理になって通常の採血になってて結構痛そうだった。


食事面

若干キツかったのが食事面。食事は全員同じ条件で薬をテストするために管理された同じものが決まった時間に出される。食事の量が少なく腹が減って仕方なかった。自分は大食いではないが1日4食食べたり間食をすることがあるのでそれができない環境はちょっと大変だった。
お菓子とか食べてるのが見つかると追放&出禁になるそう。

ただこれは悪いとは言えなくて体に良かったんではないかと思ってる。
普段自分は満腹(100%)になるまで食べてしまう傾向がある。
今までの生活が寮生活でご飯おかわり自由みたいな感じだったので結構な量食べてしまってた。満腹になるまで食べてめっちゃ眠くなるみたいなとても体に悪そうな習慣だった。
これに対して治験中の食事は量が少なくて満腹の65%くらいしかなかった。すると物足りなさは残るものの食後の怠さ、眠さが全くなくて全ての物事に頭スッキリした状態で取り組めるようになったので勉強も捗るし本読んでも文章が頭にスッと入ってくるしで良いことだらけだった。
今まで食後は眠くなるもんだと思って食事量について余り考えたことなかったけど食べ過ぎなければ怠くならないという人によっては当たり前に思えるかもしれない気付きを得た。
腹6.5分目はちょっとやりすぎだけど腹8分目くらいは続けてみようかなと思ってる。
完全に管理された環境に身を置くことでこういう発見もあったので良い経験だった。



治験参加者はどんな人たちか?

治験は日程の不安定さが大変だと感じた。
治験に参加できる人ってどれほどいるのかな?
基本無職と日雇いバイトで生活してるような人しか無理なんじゃないかな。
あとは完全にPC作業のみで仕事できるような人。
まず日程が10日連続入院だったり4日入院を2回に分けて実施とかだったりして普通の社会人には無理だ。
自分は無職の身で海外旅行の合間に治験やってみたけどそれでも予定立てづらいと感じた。
治験に合格する前提で予定を立てるものの、検査と合格通知と実際の入院日が数週間と微妙な感覚で空いているので住み込みバイトとかもやりづらいし合格通知や検査日程の調整、入院当日の入院可否など全ての予定が直前に決まるので数日先の予定も立てづらい。
日雇いバイトなんかも直前では申し込みが難しかったりするので予定が宙ぶらりんになるのがやりづらかった。
無職の自分ですらこのような状態なのでまともに仕事してる人だと無理だと思う。
治験中他の参加者と会話することはなかったので皆何をしてる人なのかわからないが変なロン毛の人(ハイキングウォーキングみたいな)が多くてお前ら何の仕事してんだよと思った。

終わってみて

無事治験の日程が終了して思ったのが、1日中ゴロゴロしてちょっと検査するだけでこのお金が貰えるのはあまりにも簡単すぎて罪悪感抱くくらいだということ。
食事、宿泊も無料だし清潔なベッドに寝られるのは幸せだった。
ただこれは素人の自分が目先のものだけ見た感想であって他のリスクについてしっかり考えたわけじゃない。
医療関係者でない自分には薬のリスクの評価ができないしやるかどうかは結局自分の直感と報酬額のバランスかなと思う。
金で健康を売ってるわけなので危険性のことは忘れないようにしたいし、今後もまたやるかどうかはわからない。
いくら金をもらったって死んだら元も子もない。


最後に心を引き締める回文を紹介して終わります。

「内科では薬のリスクはデカいな」

(回文クラウドさん作)
https://kaibun.jp/works/2380/


いいなと思ったら応援しよう!