RPAとSelenium

2025年1月25日 09:35

RPA（Robotic Process Automation）とSeleniumは、いずれも自動化技術として注目されていますが、目的・機能・適用範囲において明確な違いがあります。以下では、両者の特徴を比較し、具体的な差異を整理します。

1. 目的と主な用途

RPA
主に定型業務の自動化を目的とし、データ入力、レポート作成、システム間連携など、バックエンドの業務プロセスを対象とします。例えば、ExcelやERPシステムとの連携、メール処理、請求書処理など、人間が行う繰り返し作業をソフトウェアロボット（ボット）が代行します2411。
- 例：財務部門での月次決算処理、顧客データの一括転記911。
Selenium
Webアプリケーションのテスト自動化に特化しています。ボタンクリック、フォーム入力、ページ遷移など、フロントエンドのUI操作をプログラムで再現し、機能テストやクロスブラウザテストを効率化します256。
- 例：ECサイトの購入フローの動作検証、ログイン機能のエラーチェック48。

2. 技術的な特徴

項目RPASelenium自動化対象デスクトップアプリ、Web、ERP、Excelなど多様なシステム間連携46Webブラウザに限定（Chrome、Firefoxなど）28プログラミングノンプログラミング（GUI操作やドラッグ＆ドロップが主流）410プログラミング必須（Python、Javaなど）25柔軟性業務フロー変更に柔軟に対応可能2WebページのUI変更に弱く、スクリプト修正が必要49データ処理構造化データと非構造化データの両方を扱える711Webページ上の構造化データに特化69

3. 導入コストと運用

RPA
- メリット：ノンプログラミングで導入可能なツールが多く、業務部門主導で運用できる410。
- デメリット：商用ツール（UiPath、Blue Prismなど）はライセンス費用が高額な場合があり、複雑なプロセスには専門知識が必要38。
Selenium
- メリット：オープンソースで無料。開発者向けの柔軟なカスタマイズが可能25。
- デメリット：環境構築やメンテナンスに技術スキルが必要で、人件費がかかる49。

4. 適応シナリオ

RPAが向くケース
- 複数システムを横断する定型作業（例：CRMからExcelへのデータ転記）711。
- 非技術者が主体で自動化を進める場合410。
Seleniumが向くケース
- Webアプリの機能テストやクロスブラウザ検証58。
- 開発チームがスクリプトベースで高度な自動化を実現する場合26。

5. 将来性とトレンド

RPA：AIや機械学習との連携が進み、より複雑な判断を伴う業務（例：顧客問い合わせの自動応答）への適用が拡大711。
Selenium：DevOpsやCI/CDパイプラインとの統合が深化し、継続的テストの基盤として進化58。

まとめ：選択のポイント

RPAを選ぶ場合：
→ 定型業務の自動化、非技術者の運用、多システム連携が必要な場合。
Seleniumを選ぶ場合：
→ Webアプリのテスト自動化、開発チームの技術力活用、コスト削減が優先される場合。

両者は補完的に利用されることもあります（例：RPAでデータ収集 → SeleniumでWebテストを実行）911。目的に応じた適切なツール選定が重要です。