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Apple Vision Proのアプリ開発者必見!アイデアを考える際にまず体験してほしいおすすめアプリ5選
こんにちは!空間コンピューティング技術で人々のまなざしを拡げるMESONの小林です。
ついに6月28日から、日本でもAppleが空間コンピュータ「Apple Vision Pro」を発売開始しました!
MESONでは、日本でももっとApple Vision Proが注目され、人々にそのインパクトを知ってもらえるように、Apple Vision Proに関する記事をMESONのメンバー全員で1ヶ月連続で投稿するアドベントカレンダーを実施しています!
昨日はMESONのエンジニアのひーさんがvisionOS 2のRealityKitのアップデートについて、気になる点をまとめてくれました!
本日はアプリ開発者の方に向けて、Apple Vision Proを購入したらまず体験してほしいアプリを5つご紹介しています。
おすすめのApple Vision Proアプリを紹介する記事はいくつか出てきていますが、それはアプリの体験が純粋に面白いものを中心に取り上げられているものが多いように思います。
この記事では、アプリ開発を行う方を対象に今後新しいアプリアイデアを考える際のヒントになるようなアプリをご紹介します。
また、この記事はあくまで今回の日本発売時にApple Vision Proを購入した方を対象にしているので、すでに一定期間Apple Vision Proを使っている方には既知のアプリもあるかもしれません。その点はあしからず!
FaceTime:物理的な距離を0にするコミュニケーションを体験する
まずなによりもアプリ開発者の方に体験してほしいのはFaceTimeです。自分はApple Vision Proの標準機能の中でも特にこの機能がもっともインパクトの大きな体験でした。
FaceTimeのビデオコール自体はiPhoneやMacbookにも実装されていますが、Apple Vision Proでは他のデバイスにはない機能を使うことができます。それが「Spatial Persona」です。
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Spatial PersonaはApple Vision Proに搭載されているカメラを使って自身の顔をスキャンすることで、自分の顔に似たアバターを作り出すことができる機能です。
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Apple公式アプリのFaceTimeではこのSpatial Personaを使って、「オンラインでもまるで対面で会っている」かのようなコミュニケーションを行うことができます。
言葉だとわかりにくいので、以下のツイートに添付された動画をご覧ください。
やっとApple Vision ProのSpatial Personaを試すことができた!
— ARおじさん / MESON CEO (@AR_Ojisan) April 5, 2024
with @shmdevelop @nkjzm @edo_m18
この2ヶ月でApple Vision Proの凄さに慣れた気でいたけど、また大きなインパクトを生んでくれた
このSpatial… pic.twitter.com/NtkDBaSB9M
こちらはMESONオフィスでSpatial Personaを使ってビデオコールをしている様子です。その場に通話相手は物理的にはいないのですが、Spatial Personaを使うことでまるでオフィスの中に通話相手がいるかのように会話することができます。
これまでもZoomなどオンライン上でコミュニケーションできるツールはありましたが、どうしても「対面で会った」までの感覚を得ることは難しかったように思います。
自分はこのSpatial Personaを体験したときに初めて「オンラインだけど対面で会った」という感覚を得ました。
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Spatial Personaは顔だけではなく、手の動きも再現してくれるので、以下の動画のような身体を伴ったコミュニケーションも実現することができます。
Apple Vision Proで懐かしい遊びもしてみる実験
— ARおじさん / MESON CEO (@AR_Ojisan) April 5, 2024
Spatial Personaは手の動きも同期されるので、こういう身体性を伴う遊びやコミュニケーションもオンラインでできちゃう
これはもう本当にオンラインだけど対面で会っていると言ってもよいと思う
ちなみにこの遊びの名前は知らない笑 pic.twitter.com/M3rY1sNhuq
Spatial Personaを使ったコミュニケーション体験はまだFaceTimeのみでしか使うことができず、開発者向けにAPIなどは提供されていません。
しかし、通話相手とアプリやコンテンツをシェアする「SharePlay」を前提としてアプリを考えることでアプリの可能性を一気に拡げることができます。
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また、いずれこのSpatial Personaは開発者が創るアプリの中でも使えるようになるはずです。それらを前提にして、自身が創りたい未来やアプリを想像するとアプリアイデアの幅ももっと拡がることでしょう。
Disney+:世界観に没入するエンタメを体験する
続いてご紹介するのが、Disney社が提供する動画ストリーミングサービスのDisney+です。
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基本的にサービスの中で鑑賞できる映画やドラマは、スマホやPCで提供されているものと同じものになります。しかし、Apple Vision Pro向けのDisney+には空間コンピュータならではの機能が実装されています。
Apple Vision ProでDisney+を起動すると、左下に山のアイコンのボタンが表示されます。このアイコンをクリックすると4つの選択肢を選ぶメニューが出てきます。
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例えば、「アベンジャーズタワー」を選択すると、トニー・スタークがアイアンマンの拠点として使っているアベンジャーズタワーの中に実際に自分が没入することができます。
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「タトゥイーン」を選択すると、スター・ウォーズに登場する砂漠の惑星に自身が降り立つことができます。
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そして映画の世界に入り込んだまま、Disney+で放映されている映画やドラマを鑑賞することができます。
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この機能は映画ファンの人たちにとっては堪らない体験でしょう。
Apple Vision Proでエンタメコンテンツを作ろうと考えたときに、どうしても360度動画やフルイマーシブなコンテンツをつくることをイメージしがちですが、そういったコンテンツは制作コストが高いですし、ユーザーにとっても体験するハードルが高いと感じてしまいます。
Disney+の体験を通して、動画のような既存コンテンツと360度の静的なCG空間を組み合わせるだけでも今のApple Vision Proで充分楽しめるエンタメコンテンツを創ることができることを知っていただけると思います。
GUCCI:映像を超えたブランドコミュニケーションを体験する
空間コンピューティングを活用したブランドコミュニケーションに興味があれば、GUCCIがリリースした「Gucci」アプリを体験してみることをおすすめします。
このアプリはGUCCIのファッションショーを開催するまでの舞台裏を紹介するドキュメンタリー視聴体験です。
ドキュメンタリーと言っても、実は視聴できるのは映像だけではありません。基本は映像を中心にストーリーが進むのですが、ストーリーとともに映像の中のモノや空間が映像から飛び出して表示されます。
例えば、映像の中でたくさんの風船が飛んでいるシーンがあるのですが、そのシーンが流れるのと同時にApple Vision Proを使っているユーザーの部屋の中にも風船がたくさん表示される演出をみることができます。
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また、映像の中でとある建物に入るシーンが流れると、空間全体がその部屋となり、自分自身もその部屋に入り込んだような体験になります。
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動画の中でGUCCIの商品が登場すると、その商品が3Dモデルとなって表示されます。ユーザーは動画を止めて、商品を好きな角度からみることができます。
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このようにエンターテイメントだけではなく、顧客と企業のブランドコミュニケーションも今後Apple Vision Proの登場で新しいフォーマットが生まれていきます。
GUCCIアプリはそんな新たなフォーマットの最初の試みとして、とても示唆に富んだアプリです。ぜひご自身で新たなブランドコミュニケーションを体験してみてください。
Quick Look Gallery:商品を手に取れるECを体験する
次にご紹介するのはアプリではなく、「Quick Look Gallery」というWebサイトです。
本Webサイトではページ内に複数の3Dモデルが埋め込まれており、Apple Vision Proで選択するとすぐにその3Dモデルを表示することができます。
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元々このページはApple Vision Proの標準機能として実装されている「Quick Look View」を体験するためのApple公式のデモページです。しかし、このWebページ内での一連の体験は空間コンピューティング時代のECサイトを考えるうえでヒントになると考え、ご紹介しました。
既存のECサイトでこの機能を活用すれば、これまで平面でしか表示することができなかった商品情報を立体的に表示することができます。
先日、Apple Vision Pro標準のWebブラウザ「Safari」で更にWebXR機能も充実されていくことが発表されました。
今後、Apple Vision Pro向けのアプリだけではなくWebサイトもApple Vision Proに最適化されていくことは間違いないです。その最初のヒントとしてぜひQuick Look Galleryを体験してみてください!
SunnyTune:アプリがインテリア化する未来を体験する
最後にご紹介するのは弊社がApple Vision Pro向けにリリースしている天気体感アプリのSunnyTuneです。
SunnyTuneを起動すると、眼の前にスノードーム上の空間が現れ、その中に現実世界の天気が再現されます。
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現在はNiantic社の公式キャラクターであるPeridotとともコラボしており、SunnyTuneの中にPeridotが登場して、天気に応じて様々な表情を見せてくれます。
例えば、最近は暑い日が続いてますが、そんな暑い日にはPeridotはパラソルの下に隠れて涼んだりします。
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また風が強い日には風に飛ばされないように必死に地面にしがみつく、珍しいPeridotを見たりすることもできます。
今日の東京は強風ですが、Apple Vision ProでSunnyTuneを起動してもらうと場所によっては風で飛ばされそうになる珍しいPeridotを見ることができます🙌
— ARおじさん / MESON CEO (@AR_Ojisan) June 30, 2024
Apple Vision Proを購入した人はぜひSunnyTuneダウンロードしてみてください!#AppleVisionPro https://t.co/1z9HIEUI97 pic.twitter.com/3PJ8RypKkc
そしてこのアプリを設計するうえでこだわった点の一つが、他のアプリと併用することができるという点です。
Apple Vision Proのような空間コンピューター向けにアプリを創ることを考えるとフルイマーシブなコンテンツを作りがちですが、Apple Vision Proの特徴の一つは様々なアプリを併用して現実世界に表示できることだと考えています。SunnyTuneはそんなApple Vision Proの特徴を活かしたアプリとして設計しました。
そしてSunnyTuneの開発を進めていくなかで一つたどり着いた未来があります。それが「アプリがインテリア化する未来」です。
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近い将来、私達はアプリをいちいち起動したり消したりすることをやめて、空間の中にインテリアのようにアプリを常に起動して置いておくようになると考えています。
壁には時計やカレンダーなどのアプリを常に表示して、日付や時間を確認します。机の上には写真立てが置かれ、大事な家族の写真を常に表示します。
やがて我々の部屋にはリアルなインテリアがどんどん減っていき、Apple Vision Proで表示されたデジタルなインテリアで代用されていくようになると考えています。
このコンセプトの話は先日取材頂いたWIREDの記事でもお話しているので、こちらも併せてご覧ください。
SunnyTuneはそんな「アプリがインテリア化する未来」の一端を垣間見ることができるアプリです。ぜひSunnyTuneをダウンロードして、ご自身のApple Vision Proで体験してみてください!
以上、Apple Vision Proを購入して、これからApple Vision Pro向けのアプリを開発してみたいと考えている方におすすめしたいアプリ5選をご紹介しました!
これからアプリアイデアを考える際のヒントになったなら幸いです!
自分のnoteでは今後も空間コンピューティング技術やApple Vision Proに関する情報を発信していきます。ご興味ある方はぜひnoteのフォローをお願いします!
Apple Vision Proについてより深く知りたい方へ
7月3日(水)にMESON主催のセミナー「Ready for Vision Pro」を開催します。本セミナーではMESONが独自に調査し、作成したスライドを活用しながら座学でApple Vision Proに関する知識を得ることができます。
Apple Vision Proを使った新規事業を検討したい、もしくはアプリ開発に取り組みたい担当者の方はぜひ本セミナーにもご参加ください!
Apple Vision Proアプリ開発の相談はMESONへ
MESONでは企業様とのApple Vision Pro向けアプリ開発も積極的に行っています。
❏ Niantic様とのPeridotコラボ
❏ 東京ガス様との3Dモデルビューワーアプリ開発
上記の取り組み以外にもいくつかの企業様とはApple Vision Pro向けアプリの開発を進めており、今後開発したアプリを発表予定です。
ぜひApple Vision Proを活用したアプリ開発に取り組んでみたいという方は以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
MESONについてもっと知りたい方はぜひ以下の公式ホームページを御覧ください!