Leap MotionのARグラス「North Star」に触れて感じた初期ARグラスのキーファクター
先日、Leap Motionが発表したARグラス「North Star」の世界最速体験会に参加してきました。
North Starは個人的にARグラスが普及するきっかけとして一番期待していて、実際に体験会で触れた際にも強い感動を覚えました。
今回は「North Star」がそもそもどんなものなのかや、体験会でNorth Starに触れてみて感じたARグラスが普及するために大切なことについてまとめてみました。
North Starを発表したLeap Motionについて
Leap Motionは元々はハンドトラッキングを可能にするハードウェアを開発しているスタートアップでした。
そんなLeap motionはハンドトラッキングの精度もかなり高かったこともあり、革新的なハードウェアを作ったスタートアップとしてその名を業界に知らしめることができました。
しかし当時はまだVR/ARもあまり普及していなかったため、デベロッパーも少なく、実用的な用途で使われることはそこまで多くありませんでした。
その結果、近年はあまり名前を聞くことがなくなってしまっていました。
突然のデモ動画公開
しかし、今年の2月にLeap motionで働かれているKeiichi MatsudaさんのツイートがAR界隈の人間を大きく沸かせることになりました。
動画を見ると、どうもメガネのようなガラス板を通して手を確認するとデジタルオブジェクトで表現された手がリアルの手をほぼ遅延なく追従している様子が伺えます。
「これはもしかして、、、ARグラスを作っているのか?」
多くのAR業界の方々が憶測をする中、Keiichi Matsudaさんのデモ動画公開がいくつか続きました。
特に最後のデモ動画は自分はとても興奮しました。
そして今年の4月にLeap motionが公式に「Project North Star」というARグラスを作っていることを公表しました。
衝撃的だったのはこのヘッドセットをLeap motionはオープンソースで公開していること、そして記事でも言及されていますが量産ベースであれば100ドル以下の単価でヘッドセットを作ることができるということです。
現段階で発表されているものはまだプロトタイプ段階のものだと考えれますが、デモ動画を見るとARグラスでやりたかった様々なことができそうだと夢が膨らみます。
世界最速体験会へ
そして先日、日本で最速の体験会が開催され、自分も参加し一番最初に触らせていただきました!
ちなみにこの体験会はPsychic VR LabのCTOがソフトウェアを担当し、exiiiのCEOがハードウェアを担当して作ったことで実現したそうです。(本当にありがとうございます!)
見た目は多少ごついですが、プロトタイプであることを考えれば許容される範囲だと思いますし、
予告されている価格とハンドトラッキングの精度を考えればARグラス普及の足がかりに繋がる可能性はかなり高いと考えています。
そして僕が今回実際にデモ機を触って感じたのは、Leap Motionが得意とするハンドトラッキングこそ初期ARグラスにおいて重要なUIであり、ファクターなのではないかということです。
ARグラス普及のキーファクター
ARKitをはじめとする多くのARエンジンでは平面検知や周りの環境認識などできるだけ広い範囲をカバーできるようなARを実現することを目指しています。
しかし、それらはポケモンGOを始めとするようなARゲームでは活用できても、(特に初期のARグラスにおいては)普段使いするようなサービスにおいてはキーファクターではないのではないかと考えています。
それよりも自分の目の前にスマホのディスプレイサイズの制約に縛られない量の情報が広がり、その中の情報を自らの手を使って操作する。
そのほうがARがより普段の生活に浸透していくための重要なファクターになると僕は考えています。
まずは自分の顔の近くに情報を表示させ、それをまるでリアルなオブジェクトであるかのように手で操作できるARが浸透し、技術の進歩とともにだんだんとARで扱える現実の情報範囲が広がっていく。
そういう順序でARが広まっていくとしたら、情報を操作するARグラスのUIを握るLeap motionのARグラスは低価格なことも合間って、ARグラスの普及に一役買う可能性はかなり高いと考えています。
Leap MotionのAR普及に対する立ち位置と戦略
また彼らは必ずしもARグラスそれ自体を作るのではなく、ARグラスを作る開発者にARグラスのUIとしてLeap Motionのハンドトラッキングを使ってもらうことでARグラスの普及に一役買おうとしている可能性も高いと考えられます。
実際にARグラスを製作しているDigiLensもハンドトラッキング技術の部分はLeap Motionを使って実現しています。
荒削りな部分もある内からNorth Starの設計図をいち早く公開し、Leap Motionの技術をARグラスに組み込む方法を提示することで、ARグラスのUIであるハンドトラッキングのポジションを取りに行っているのではないかと考えられます。
今後もLeap Motion自身からもNorth Starはアップデートされると思いますし、オープンソースであるのでデベロッパーの皆さんからも様々な改良がどんどんされて行くと思うので、Leap Motionの動向にはこれからも目が離せません!
Keiichi Matsudaさんのコンセプト動画
ちなみに先ほどツイートを紹介したKeiichi Matsudaさんは「Hyper Reality」という若干ディストピアとも取れるARが普及した未来の生活を描いた動画も公開しています。
ご興味がある方はぜひご覧ください。
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