美人はみんな同性から妬まれ、嫌われるものなのか？

いえ、そんなことはありません。男性にモテる美人でも、【同性からも好かれる人】と【同性からは嫌われる人】がいますよね。
あれ、何の違いだかわかりますか？

以前、こんな記事を書きました。

40歳で中学校の同窓会に出席したら、妙にモテてしまったという話です。

実は、この同窓会には学年一の美人といわれたすみれちゃんも出席していました。
すみれちゃんは誰もが認める美人さんだったので、当然、中学時代から目立っていましたが、本人まったく自覚なし。
中学時代、すみれちゃんには好きな男の子がいました。野球部のエースです。
その気持ちを隠すでもなく、雨の日に野球部が廊下をランニングしていると、吹奏楽部でトランペットを吹いていたすみれちゃんは「見ていいですか？」と先輩に断って、教室の窓から廊下を走る野球部員（エース）をじっと眺めていたそうです。
すみれちゃんは中学を卒業するまで、彼一筋でした。告白したのかしていないのか、付き合うことはなかったようですが。

そんなすみれちゃんと、20代の頃に一度だけ、街中でバッタリ会いました。
後ろから「朝霧さん？」と呼ばれて振り向くと、そこには少し緊張した面持ちのすみれちゃんが立っていました。
「あの、私、中学校で一緒だったんだけど、覚えてる？」
私の目をじっと見ながら、顔を赤らめ、恥ずかしな笑みを浮かべて問いかけてくるすみれちゃん。
「もちろん、覚えてるよ。すみれちゃんでしょ？」
と答えながら、私は内心とても驚いていました。
だって、学年一の美人で有名だったすみれちゃんです。覚えていないわけがありません。
むしろ、コミュ障で友だちの少なかった私をすみれちゃんが覚えていて、しかもこんなふうに緊張しながら話しかけてくるなんて……。
すみれちゃんは、自分が『美人で目立つ』自覚がないんだなと、私はこのときふと思ったものです。

そして、40歳で同窓会に現れたすみれちゃんは、やっぱりすみれちゃんでした。派手でもなく、地味でもない、素の美人。
それなのに、すみれちゃんのまわりには男子がひとりもいません。
当然です。すみれちゃんのまわりには、中学時代のように女の子の輪ができていて、男子の付け入る隙などなかったのです。
昔から人気者だったもんね。すみれちゃんも、女の子たちに囲まれてとても楽しそう。
実際にすみれちゃんを知らない人でも、こんな美人なら嫌われるわけがないとわかりますよね？

そして最近、仕事関係の由比さんという男性から似たような、でも全然違う話を聞きました。
由比さんは同級生同士で結婚したため、高校の同窓会にも夫婦で出かけたそうです。
同窓会には、高校のときからモテモテだった女の子も出席していたそうですが、彼女は40歳を過ぎた今でも可愛くて、その日もひとり男子の輪に中心にいたそうです。
もともと「私、男子と一緒にいる方が楽なの」というタイプだったそうで、本人はサバサバ女子を気取っているのでしょうが、
「その子、昔から女子に警戒されてましたよ。女の人って本能でわかるんですよね。この人は、人として異性と接しているのか、女として異性と接しているのか。ウチの嫁さんも『あの子は危ない』って言ってたし」

【同性からも好かれる人】と【同性からは嫌われる人】の違いって、こういうところなんですよね。

私も今でこそ「美人」だの「目立つ」だのいわれますが、いまでもコミュ障の感覚が抜けていません。
知り合いを見かけて、
「あ、〇〇さんだ。挨拶してこようかな。でも、私のこと覚えてるかな」
などと言っていると、一緒にいる人はいつも、
「覚えてるに決まってるじゃん、朝霧さんみたいな目立つ人」
「覚えてなかったら、むしろ向こうの記憶力を疑うよ」
と、笑います。
でも、私は本気で言っているんです。自分はおとなしくて目立たないから覚えてもらっていないんじゃないかと、本気で思っている。
ちなみに、女同士でワイワイするのも（相手によりますが）すごく好き。
むしろ、男性に囲まれていると気をつかわれているのがわかるので、かえってリラックスできません。
変に疑われても困るので、相手が異性の場合は親しくなっても、ある一定の距離は保たなければなりませんしね。
男性に囲まれてうれしそうにしているとか、特定の男性とべったりくっついているとか、そんな噂が立つことは、むしろ女として恥だと思っていますから。

こういう異性に対する姿勢とか距離感（身体的距離、精神的距離ともに）って、女性はとてもよく見ています。
だから、私は同性からまったく警戒されない。
子どもが小さかった頃は、
「私が仕事のとき、何かあったら主人に連絡して」
と、ママ友のご主人と連絡先を交換させられたことも何度となくありました。
もちろん、連絡を取り合うのは、子ども同士で勝手に遊ぶ約束をしたときや「明日、遊べますか？」というお誘い程度。もちろん、遊ぶのは子どもだけですよ。

この女は危ない。

と思っていたら、わざわざ自分の夫と連絡先なんて交換させませんよね。
信頼されていると思えば、ますます裏切るようなことはできません。
女性の皆さんは、きっと私のこういう生真面目な性格も見抜いているんだろうなと思います。

ちなみに、すみれちゃんは私と違って、昔から明るく社交的な女の子でした。
そんな彼女が無自覚なまま大人になったのは、美人すぎて、しかもいつも同性に囲まれていたせいで、告白する度胸のある男子が少なかったせいなんじゃないかな？　と、ひそかに思っています。