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笑顔は正義

極度の人見知りで、いわゆるコミュ障な私ですが、第一印象はわりといいようです。
「会った瞬間、癒される」と表現した人もいましたが(女性です)、初対面の人にも会った瞬間、好印象を与えるようです。

その要因は「笑顔」。これに尽きますね。

思い起こせば、小学生の頃からまわりの子たちに、

「朝霧って、いつも笑ってるね」
「朝霧さん、なんでいつも笑ってるの?」

と、言われていたものです。
大人になってからも会うたびに、

「朝霧さん、ほんとにいつも笑ってるね~」

と言う人。

「ウチの旦那が、朝霧さんっていつもニコニコして感じいいねって言ってたよ」

と、近所の奥さんから言われたことも。

正直、知り合いに会えば誰でもニコッとするでしょうし、仏頂面している人なんてそうはいません。
だから、「いつも笑っている」と言われる理由が、自分ではまったくわかりませんでした。

ところが、今から7~8年前のある日のこと。
地域の行事のポスターが公民館の前に貼り出されたのですが、その中の写真に私が写ったものがあったのです。
前年の同じ行事で、保育園児の息子と一緒にお遊戯している写真でした。ほかのママさんと子どもたちも何人か写っています。
その写真を見た時に、

「こういうことか…」

と、ようやく理解しました。

ほかのママさんたちは、なんとなく微笑んでいる程度。
なのに、私だけが満面の笑顔。
もう、お遊戯が楽しくて仕方ないという雰囲気なのです。

案の定、そのポスターを見た夫や知人からは、

「満喫しすぎ」
「すごい楽しそうだったね」

と、笑われましたが…。

そしてまた、私自身、誰かの笑顔に元気をもらうこともあります。
仕事の途中、ちょっとひと息つこうと近くのカフェに入った時のこと。
席についたあと、

「いらっしゃいませ」

という声がして振り向くと、羽生結弦選手をもう少し幼くしたような顔立ちの店員さんが、ニッコリ笑いながら私の顔をのぞき込んでいるではないですか。
飲み物を注文している間も、終始ニコニコしながら私の目を見つめてくるのです(見つめてない、多分見てるだけ)。

あまりに可愛らしい笑顔に、仕事の疲れも吹っ飛びました。
帰り際、ニコニコと見送ってくれる彼の笑顔を見て「また来よう…」と、素直に思えましたね。

数か月後にまた、仕事の合間にそのカフェを訪れましたが、羽生君似の彼には出会えませんでした。

男の子でもこうなんです。
笑顔の素敵な女性は、もう最強ですよ。

はるか昔、人材派遣の営業をしていたことがありました。
受付案内の仕事に応募してきた、1人の女の子。まだ20歳の子でしたが、この子がとても可愛かったんです。
美形という意味では、もっときれいな子はほかにもいたでしょう。日本人離れした美人も何人かいました。
だけど、糸のように目を細めて笑うこの子の笑顔にかなう女性は、ほかには1人もいなかったと思います。
仕事中に突然、若い男性客に抱きしめられて頬にキスされるというセクハラを受け、辞めてしまいましたが…。

ここ数年の間にも、私の中に強い印象を残した女性が2人います。いずれも、お客さま。

1人は20代半ばくらい。キレイな顔立ちでしたが、飛び抜けて美人というわけではありませんでした。
だけど、彼女はいつ見てもニコニコ笑っているのです。
ご主人と一緒に打ち合わせをしていても、多くを語るわけではなく、いつもニコニコしながらご主人の話を聞き、顔を眺めているような女性でした。

あ~…カワイイな~…。

ご主人も比較的イケメンでしたが、奥様の可愛らしい笑顔の方が、見ていてずっと楽しかった。

そして、もう1人。
最初の方の打ち合わせはご主人ひとりで対応し、何度目かの打ち合わせから奥様も参加されました。20代後半くらいかな?
ものすごい美人ではありません。というか、一般的に「美人」とか「キレイ」と表現されるタイプではなかったように思います。
やや長めの、うりざね顔。蒼井優ちゃんを、もう少し大人っぽくした感じ?
この彼女、大げさでなくずっと笑っているんです。それはもう、とろけるような笑顔で。
笑っているというより、ああいう顔なのだと思わせるような笑顔。

普段の打ち合わせでは、どちらかというとぶっきらぼうなご主人でしたが、奥様が一緒の時は体ごとガッツリ奥様の方を向き、奥様の顔をのぞき込むようにして、

「ね、オレが言ってたとおりだったでしょ?」
「これでよかったんでしょ?」
「オレの説明、何点? 90点? 100点?」

と、いつもとは別人のような甘えた態度。
奥様のこと大好きなんだな~。でも、わかる! すっごくわかる!!
声を大にして言いたいほど、彼女は魅力的でした。
一度しかお会いしていないにも関わらず、彼女のとろけるような笑顔は今も私の脳裏にしっかりと焼き付いています。

笑顔は正義。

彼女の笑顔を思い出すたびに、しみじみ思うのです。

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