ANATOMICA(アナトミカ)の618 MARILYN(マリリン)と、618 MARILYNⅡ(マリリン2)を解説します。
618 MARILYN(マリリン)は、ANATOMICA(アナトミカ)というブランドが女性のファッションマーケットに認知されるきっかけとなりました。
今回は、MARILYN(マリリン1)とMARILYN2(マリリン2)の下記の点を解説します。
・誕生について
・形について
・サイズの選び方
・生地について、生地の伸びについて
・裾上げの必要性
最後に、身長164cmの女性が着用したコーディネートの例を数点ご紹介します。
*ANATOMICA(アナトミカ)のブランドについてご興味あれば過去に書いた記事を参照ください。→ANATOMICAの歴史はこちらから。
誕生について
■618 MARILYN(マリリン1)の誕生
618 MARILYN(マリリン1)の完成は、2015年。当時わたくしは製造元の35SUMMERSにて ANATOMICA(アナトミカ)の卸売りを担当しておりました。この頃のANATOMICA(アナトミカ)は、男性にはコアなファンが存在しつつ、日本での取り扱いも拡大しているところでしたが、女性向けには商品企画がされていなかったのもあり、アパレル業界以外の方には知名度がほとんどない状況でした。
MARILYN(マリリン)はリリースの1年以上前から構想があり、 ANATOMICA(アナトミカ)のパリの代表であるピエール氏と、35SUMMERSの代表である寺本氏の間で、女性向けのジーンズの企画が進んでおりました。
ここで元ネタとなった目指すべきシルエットが、Marilyn Monroe(マリリン モンロー)さんが好んで履いていた、LEVI’S(リーバイス)の701というジーンズでした。寺本氏の所有するVINTAGEのLEVI’S(リーバイス)701のジーンズを徹底的に研究し、生地の開発から、どのようにしたら綺麗なシルエットが出るのか何度もパターンの修正を行い、ようやく完成したのが618 MARILYN(マリリン1)でした。
今でこそANATOMICA(アナトミカ)レディースの代表作である618 MARILYN(マリリン1)ですが、発売当初の展示会では数える事ができる程度のオーダー数でした。しかし翌年は倍、その次にはさらに数倍と増え、世に広がっていくこととなりました。
きっかけとしては、ドラマ内で女優の綾瀬はるかさんが着用した事や、雑誌・SNSでの広がりによるものでした。上記の通り、構想から時間をかけて作りこんだクオリティーの高いデニムであり、一度認知されてからのスピード感はすごいもので、発売から5年近くたった今でも継続して売れ続ける大ヒット品番になりました。
■618 MARILYN 2(マリリン2)の誕生
MARILYN(マリリン1)のリリースから少しして、次のジーンズの開発に乗り出します。MARILYN(マリリン1)がLEVI’S(リーバイス)の元ネタだったことに対して、次は同じ年代頃のLEE(リー)のVINTAGEに着目し、MARILYN2(マリリン2)というモデルを誕生させます。
こちらは、同じく股上の深いパンツですが、腿周り裾幅が異なるもので、バックポケットのディティールもLEE(リー)を踏襲しています。
形について
■618 MARILYN(マリリン1)の形
腰の一番くびれている高い位置をウエスト位置として、そこから下に向けて丸みのある綺麗なシルエット。女性らしい丸みのあるヒップを演出できます。股上がとても深く、お尻周りにたっぷりとゆとりがあるので、体型を選ばず履きやすいのが特徴です。
■618 MARILYN 2(マリリン2)の形
MARILYN(マリリン1)が女性らしく丸みのある綺麗なシルエットに対して、MARILYN2(マリリン2)はよりすっきりとした大人っぽい印象のシルエットになっています。股上が深いので今までにない履きやすさがあり、ヒップがキュッと上がって見えるため、足が長く見える効果があります。
618 MARILYN 1・2のサイズ選びの方法
MARILYN1と2では、股上の深さに違いがあるため、ウエスト位置が変わってきます。よって同じサイズを選べばぴったりかと言うと、そうはならないケースが多いです。過去に書いた特集記事にサイズチャートや、サイズの選び方についての詳細を載せていますので宜しければご参照くださいませ。→MARILYNシリーズのサイズ感とサイズ選び
生地と裾上げの必要性について
■MARILYN(マリリン1)の生地と裾上げの必要性
コットン100%の当時の生地を完全再現した、ピンク耳の柔らかいデニム素材。厚みは11オンスで、一般的なジーンズより少し薄めの設定にしており、柔らかさと履きやすさを生み出しています。履きこんでいくとウエストが1cm前後伸びる傾向がありますので、ジャストから少しきついくらいのサイズを選んで頂くことをおすすめしてます。
レングスは長めに設定しておりますが、多くの方がカットせず、ロールアップして履かれています。上記の通り生地が薄く柔らかいため、2~3回ロールアップしても裾がごわつかないのが特徴です。
1、2ロールアップが良い、という方はご自身の身長に応じてカットし調整すると良いかと思います。
■MARILYN2(マリリン2)の生地と裾上げの必要性
MARILYN(マリリン1)と同じくコットン100%ですが、こちらは日本製の13.5オンスの生地を採用しており、MARILYN(マリリン1)に比べると肉厚でよりアメリカのジーンズに近い雰囲気です。
こちらも同様レングスは長めの設定で、生地の厚みが少しあるので、1~2回のロールアップ、もしくは裾上げされるケースも多いです。MARILYN2(マリリン2)は裾幅が狭いので、裾上げされたほうがすっきりと綺麗なシルエットが出て良いかと思います。
コーディネート例
■ MARILYN(マリリン)1のコーディネート例
身長164cm。2ロールアップしています。着丈の短いVINTAGEのブラウスとポルセリのバレエシューズを合わせてフェミニンな印象に。
身長164cm。2ロールアップしています。RockyMountainFeatherbed(ロッキーマウンテンフェザーベッド)のベストを合わせて。ビルケンで動きやすく。
身長164cm。2ロールアップしています。スニーカーを合わせてもかわいい。
デニムなのでコーディネートの組みやすさは抜群です。タックイン、または着丈の短いトップスに合わせて頂くことで、ウエストからの美しいシルエットが際立ちます。
MARILYN (マリリン)1は太く丸みのあるシルエットで裾幅もあるので、スニーカーなどヒールのない靴に合わせる方が多い印象です。
■ MARILYN(マリリン)2のコーディネート例
マリリン2は裾幅が細いので、スニーカーはもちろんですが、ヒールのある靴や革靴等で合わせることでかっこよく着用して頂けます。
身長164cm。裾はカットしているイメージです。RockyMountainFeatherbed(ロッキーマウンテンフェザーベッド)のダウンコートに合わせて。革靴を履いてすっきりと格好良く。
身長164cm。裾はカットしているイメージです。シティースワッガーコートと合わせて、大人っぽい雰囲気に。
身長164cm。裾はカットしているイメージです。柄もののVINTAGEトップスにも良く合います。
以上、ANATOMICA(アナトミカ)のレディースを代表するモデルMARILYNシリーズの解説でした。今シーズンでは618MARILYN(マリリン)と同型の、イギリスのコーデュロイ生地を使った618 MARILYN CORDUROYも非常にかわいいですよ。ぜひA'r139Kamakuraオンラインショップにお立ち寄りくださいませ。