サクラノ刻感想
面白かった。が…という作品だった。
前作であるサクラノ詩は個人的に88点くらいの感覚だったが、今回は78点くらいだろうか。
長い作品の宿命ではあるが、作品の畳み方において文句がつかないことはないと思っている。なんとなくやっていて思ったのは東京喰種っぽいなってことだった。まぁあの作品は比較するまでもなく終盤がグダっていて期待値が下がってはいたが、ご都合主義というか、甘ったるいな~という感覚が似通っている気がする。
以下はネタバレを明確にしない範囲でよかった点と悪かった点を挙げていく。
良かった点
前作で気になっていた部分がほとんど回収される
前作の真琴ルートにおけるどゆこと?が分かる、というか作品のキー設定になっています。基本的な期待された箇所は網羅されていてイイっすね。
派生ルートが前作より面白い
これは続編が存在する前提だからこそできたのかもしれません。前作の欠点は明白でした。派生ルートがつまらなすぎます。里奈ルートは結構面白いんですが、それ以外は飛ばした人がそこそこいるんじゃないですかね?僕も稟ルートは駆け足で読んだ覚えがあります。今回はすっきりまとまっていて、ちょうどよかったです。
正直、すかぢ先生の書く文章はシナリオの完成度はともかく、そこまで上手くないと思っていました。でも、真琴ルートの飲酒対決は単体でよかったですね。王雀孫を読んでる感じでした。
終わり方がハッピーエンドである
なんだこいつ最初に言ってたことと矛盾してるじゃなぇか、と思うでしょうが聞いてください。なんで金払って不快にならなきゃいけないの?ってことなんですよ。これはパワポケシリーズの白瀬ってキャラが言ってたセリフをうろ覚えで真似したんですが、真理を突いてませんか?
適当にバッドエンドにしておけば鬱ゲーの良作として、Youtuberとかに話題にしてもらえるんですよ。それをちゃんと綺麗に終わらせたのは良いポイントだと思います。
あまり良くなかったと思う点
短い!もっと丁寧に見せてくれ!
これに尽きます。どうなんですかね、プレイヤーの視点なので作り手の視点ではこれ以上長くすると採算が取れないとか、脱落率が増えるとかあるのかもしれませんが、あと一章ほしかったなぁと思います。
体験版やらなかったらちょうどいいんだろうなぁ~と今になって思って後悔してます。
前作からの稟の力量の描写の変化
なんつーか、弱くなってね?って思っちゃったんですよ。
前作に88点付けた理由の一つに、圭と直哉が競って到達した作品を悠々と超えてしまう稟のあっけなさみたいなものがあったんですよ。
まぁそれは僕の勘違いというか、圭の作品を稟が超えたわけではなかったという事なんでしょうが…
前作で繰り返し出てくる表現に「薄っぺらな天才は、才能が透けて見える。」といった描写があり、その対となる表現に「天才は、才能を忘れさせる」が来るんです。前者は恐らく稟、アリア、心鈴で、後者は直哉、そして圭なのでしょう(恥ずかしながら僕は圭を前者だと思い込んでいました)
つまり「因果交流の光」である直哉と、それに必死で食らいついていった圭の二人に対していわゆる「天才」たちは対比される存在のように僕は感じていたのです。彼女らを敵と捉えていたのです
ただ実際は全員、櫻の芸術家が走り出すような作品を作り出そうと躍起になっていただけなのでした。というのを知った時にあぁ…甘ったるいな~と思ってしまったのでした。
特定の声優さんの声変わりすぎ問題
すんません、まぁこれ入れるのもどうかとおもうんですけど
掠れすぎだろ!!
ちょっとの加齢のレベルじゃないよ。まぁ仕事から離れていたようなので仕方ないんでしょうが。
まとめ
前作をやって面白いと思ったならやって損はない気がします。少なくともガッカリすることはないでしょう。
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