コロコロ変わる名探偵 #ショートショートnote杯
学校から帰ってきたら、妹が面白そうなテレビ番組を教えてくれた。
クイズ番組の2時間特番で、「名探偵スペシャル」というタイトルらしい。
僕は、妹と一緒に期待に胸を膨らませて番組を見始めた。
司会「第1問 ミステリーに登場し、情報や証拠を入手して推理を行い、事件を解決へと導く者を何という?」
A「探偵」
司会「惜しいですが、バツです。この番組のタイトルを考えてみてください」
B「名探偵」
司会「正解です!」
司会「第2問 great detectiveは、日本語で何という?」
C「名探偵」
司会「正解です!」
司会「第3問 明太邸(めんたいてい)を入れ替えると何になる?」
D「名探偵」
司会「正解です!」
「問題が違うだけで、全部、名探偵が答えじゃん」
妹がそう言ってチャンネルを変えようとしたので、僕は「まさか」と言いながらリモコンを奪い取って番組を見続けた。
それから2時間、僕は、妹が名探偵であったことを思い知らされた。