私とアンジェリーク
3歳からのゲーマーと言っても、やるゲームはもっぱらRPG。それもドラクエ4〜6とかFF4〜6とかの古き良き時代のRPGばかり。
家でのゲーム時間制限もキツく、昔からゲームをやってる割に触れてきたゲームの数は多くない。そんなゲーマーだった私が、初めて自分のお小遣いを貯めて買ったゲーム、それがアンジェリークSpecial2だった。
中学生になり小学生時代より親の制限が緩くなり、お小遣いやお年玉も全然使わないから溜まる一方。ゲームといえば誕生日かクリスマスに買って貰うものだったのだけど、貯金箱の中身を見てふと思う。
「これくらいお金貯まってるなら、ゲームの1本くらい自分で買えるんじゃないか?」
でも初めて自分で買うゲーム、何にすべきかわからない。FFやドラクエとか、他の家族もやるゲームは何か違う気がする。自分だけが楽しめるゲーム、と思って、当時ファミ通を愛読していた親友(2024年現在30年来の友人)に何かおすすめない?と聞いたところ、
「君の好みかはわからないけどこれ!面白いと思うからやってほしい!」
そうやって勧められたのがアンジェだったのだ。
正直な話をすると、いわゆるりぼんっ子で、目の大きな少女漫画に慣れきった私には、由羅先生のイラストの良さは最初わからなかった。はっきり言って好みではなかったのだ。でも、彼女が言うなら、とそれを買った。
ほー、これがライバルキャラ。いい感じにむかつくな(*今は大好きです)
あ、でも手加減してください。とりあえずまずは真面目に女王ED目指そうか。なるべくバランスよく少しずつ力を送ればいいのかな…?
あれ?なんか、レイチェル強くねぇ?
手加減頼んだよな?いや私デートより女王になりたいんですけど、お話とかより育成。育成頑張ってるのにアルフォンシア全然育たないんだが???
なんの前知識もなく始めた私は、同じ力送る方が効率良いなんて知らず、馬鹿正直に少しずつ全部の力を送っていたのだ!
そりゃアルフォンシアも育たんわ。
そしてデートでレイチェルに煽られイライラ。公園デートが効率がいいこともわからず、相性が重要なこともわからないから占いの館にも全く行かず。無駄にエルンストとばかり親しくなる日々。
やってられっか!
投げ出しそうになったけれど、でも、自分で買ったソフトということが私を踏みとどまらせた。
翌日。私は本屋に向かい、『アンジェリークSpecial2SweetGuide』を手にしていた。
これで!打倒レイチェル!!
そして読んだ情報に唖然。一つの力送り続けてよかったのね!?そして、何人か味方を作らなくちゃダメだったんだな!?ほう、なるほど、相性が重要。
この時の私には一週目の失敗プレイの知識がないので、「最初のプレイでレイチェルに貢ぎまくったマルセル様とクラヴィス様を味方につければ勝てる」と思い込んでいたが、プレイごとに仕事好きか嫌いかも、レイチェルとの相性も変わるだなんて知らなかったのだ。
とにかくも、正直誰が好みというよりも、女王になるのに有利そうな相手から片っ端からラブラブフラッシュで落としていった。そしてガンガン親密度を上げてプレゼント育成をしてもらって、希望通り女王への道を邁進したけれど、その最中には当然恋愛イベントが発生していく。
あれ?この人たち結構面白いな?あれ?あんな塩対応だったのに、こんな甘いセリフ言うようになるの?あなた最初、用件、早く言ってくれる?とか言い捨ててたよね?
最初塩対応だった人たちほど、恋愛イベントの甘い台詞での変わりっぷりがクセになる。ちなみにプレイ前にいいなと思っていたのはティムカ様だったのが、気付いたら、何がお嬢ちゃんだよwと思っていたオスカー様にハマり、喧嘩売ってんのかと思ったセイラン様にトキメキ、オリヴィエ様の口調に影響され。
さらに、関西弁スキーの血が騒ぎ、商人さん落とせるの!?と気付き。そしてどんどん楽しくなり、気付けば。
15股かけてました。
全員と親密度200相性100、余裕の達成。さらに全性格でクリア。1本のソフトをこれほど遊び倒したら、もう実質無料だよね。
散々遊び倒してハマりまくって、その頃に、本屋で見つけたラブラブ通信。
「流石にこういうグッズまでは手は出さないよw」
そんなこと言っていた私が。『アンジェリーク初のRPG 天空の鎮魂歌』の煽り文句に釘付けになり。
ふぁんデラを買い、ラブ通を買い。ラブ通も、天空の鎮魂歌情報が載っている分だけ、と思っていたのに、気付いたらそれから発刊されるたびにアニメイトに走る女になりましたとも。
パソコンを覚えてからはアンジェリークの小説メインのサイト(しかもNLサイトとBLサイト2種類運営)を作り、もう生活の中心がアンジェ。イラストもちょっと描いてたし、初めて同人誌を買ったのもアンジェリーク。
東京ゲームショーもコミケも、アンジェのために初めて足を踏み入れた。(それぞれ2回ずつだけど)
ふしぎの国のアンジェリークとかスウィートアンジェとかも随分やり込んだし、もちろんSpecial無印の方だってやった。楽しかった。全員の誕生日や好物をそらで言えたし、CDだって随分聞いた。テスト勉強のお供にひたすらアンジェCDを流し続けていた。
ただ、高校2年くらいになると、流石にゲームばかりしてはいられなくなった。大学受験が迫っていたのだ。内部進学をする人も多い高校だったけれど、私が希望する学部は内部進学先の大学にはなかったから、がっつり受験対策が必要だったのだ。それでも、最後の追い込みの高3の冬までは、学校や塾のの行き帰りで、単語帳をめくりながらもアンジェCDを聴いていることが多かった。
努力は実り、自分の偏差値からしたら無理目であった第一志望校に合格。志望校の合格発表から帰った私に、父が「欲しがっていたし、絶対合格すると信じていたから」と、合格祝いにプレステ2とアンジェリークトロワを出してくれた。合格を信じてくれていた気持ちが嬉しくて、その晩はほとんど徹夜でトロワをやった。
夜を徹して水分補給もしないでトロワをやったら、最後口が乾燥しすぎて血が出て、「血を吐くまでアンジェをやってしまった…」と言って親友に呆れられたりもした。
その後発売になったエトワールもやったけれど、大学生になり、勉強に実習にと忙しく、あと普通の大学生に擬態してリア充っぽいことも色々してたので、Special2や天空の鎮魂歌の時ほどはできず。
買い続けていたラブ通も、定期発刊が終了となり、いつのまにかゆっくりと、アンジェリークを思い出すことが減っていった。サイトは、大学受験の前に休止してそのままだ。
けれど、カプチーノといえばオスカー様、エスプレッソといえばジュリアス様。白檀の香りがすればクラヴィス様と、ふっとその存在を思い出すことはその後もあって、自分に根深く根付いているのを感じてはいた。
大学を卒業し就職し、プライベートでは結婚もして。ゲームも滅多にすることはなかったけれど、それでもアンジェリークルトゥールやネオアンジェリークも購入はして、ある程度はやり進めたけれど、やっぱり昔ほどの情熱を持ってやり込むことはできなかった。
お金は格段に使えるようになったし、夫もオタクに理解がある人ではあったけれど、単純に当時はブラック職場で疲弊していたし、他の趣味もあり時間が前ほどは取れなかったのだ。
それが変わったのは、結婚から大分経ってからの出産。育休中、授乳しながら読んでた町田粥先生の「マキとマミ」でアンジェのことを読んで懐かしくなり、そこから「アンジェリーク ルミナライズ」に興味を持った。
私にとってアンジェリークは由羅先生のイラストあってのものだったから、最初、由羅先生のイラストでないアンミナには興味はなかったのだ。
けれど、マキマミの丁寧なPRで、
「…子供もちょっと育ってきたし、もしかしてゲームくらいできるんじゃない?」
育休なのをいいことに、子供が寝る時間を狙ってアンミナ開始。
楽しかったのだ、これが。
私の知ってる守護聖様たちじゃない、けど、これは確かにアンジェリークだ!
しばらくやってみて、彼らが神鳥の守護聖様たちの話をしてくれるのを知った時は柄にもなく泣きそうになった。
ああ、私が大好きだったあの世界観が、ここにちゃんと繋がってた。
その後。出産を機に時間がかかる趣味をやめた私は一次創作企画にハマり、アンジェリークのHP以来のSSを書き始めた。それもまた楽しかった。SSは子供が寝てからの隙間時間とかで書けて、育児の片手間の時間でもできる趣味としてとても良かったのだ。
そしてその頃に、TLで目にしたのが(お名前出してごめんなさい)AK壱乃さんの「さいちゃんと私」
そのお話は、私にアンジェを勧めてくれた親友と自分を彷彿として、あの頃のアンジェの二次創作していた自分を思い出して、ああ、またやりたいと思ったのだ。
そして、勢いでこのアカウントを作成。アンジェリークの他に、ハマり始めていた葬送のフリーレンとか、他も色々書いていて、数としてはそちらの方が多いけれど。
でも、二次創作を再開した原点は、やっぱり今もアンジェリークなのだ。
アンジェリーク30周年おめでとうございます!
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