XI[sai] JUMBO ノルマアタックRTA 解説 第1回(ノルマ編: 基本ノルマ)
本記事は、 XI[sai] JUMBO ノルマアタック RTA 解説の第1回です。各回の目次はこちらより参照できます。
初回である今回は、 XI[sai] JUMBO における基礎的な動作が要求される次の4種類のノルマについて考えていきます。本解説ではこの4つのノルマを基本ノルマと呼びたいと思います。
「~個消そう」ノルマ
「~点とろう」ノルマ
チェインノルマ
CS ノルマ
基本ノルマのタイム短縮についていえば、最も寄与が大きいのはチェイン動作の速度上昇になると思います。そのため、最終的にはタイムリミテッドなどで培われる「地力」(と呼びうるもの)が重要になってきます。しかしながら、基本とは言っても4つのノルマで意識する点は少しずつ異なり、 RTA 向けに考察すべき点もございますので、その辺りで気づいた点などを書き留めておきたいと思います。
以下では、それぞれのノルマについて、いくつかのテクニック(と言うまでもないものもありますが)という観点から見ていきたいと思いますので、まずは登場するテクニックについて紹介しておきます。
テクニック紹介
通常チェイン
基本ノルマを達成するための最も基礎的な手段です。基本ノルマに関して言えば、単純にチェインをつなげることである程度スムーズな達成が可能です(それゆえ走者の間では、これらのノルマは「癒やし枠」と呼ばれることもあります)。しかしながら、タイム短縮の観点からチェインを考える場合、通常チェインと予約チェインの選択、あるいは「同時消し」(固まっている目をばらさず消す)とチェインの選択が生まれる場合があり、個々の短縮事例としてはわずかな差でも、全体としては大差になることもあり得ます。
(通常・予約にかかわらず)チェインを行った瞬間には、沈んでいく最中のダイスが若干「浮き上がる」動作が生じます。この「浮き上がり」によってチェイン時間の猶予が生まれるわけですが、同時に沈みかけのダイスが盤面を占有することで、新規ダイスは発生しにくくなります。つまりチェインとダイスの関係を長期的に見た場合、概して
の関係があります。タイムリミテッドではチェインしたそばからダイスが生成しますが、ノルマアタックでは沈下中のダイスは残存していると数えられ、その分新規ダイス発生が遅くなるため注意が必要です(特に2Pノルマアタックだとこの効果は顕著です)。
予約チェイン
予約ノルマの達成には不可欠なテクニックですが、基本ノルマの時間短縮を目標とする場合、使いどころが難しいテクニックともいえます。そもそも予約チェイン自体がある程度考えなければできない動作ではあるので、慣れないうちは通常チェインを多めに行うほうが良いかもしれません。予約を行うメリット・デメリットは以下のようにまとめられます。
時間差ジャンプ
このテクニックに関しては、定まった名称があるかどうか存じ上げないのですが(とりあえず時間差ジャンプと呼んでおきます)、持ち上げたダイスを下ろす直後、適切なタイミングでジャンプを行うことで短時間に2チェインを稼ぐテクニックがあります。ダイスを下ろす代わりに2段目から押す場合でも使えます。
これは限られた状況でのみ行える動作に見えますが、意外と活用できるタイミングは多いです。今回は時間差ジャンプの使えるタイミングを探すという視点もあわせ、一観点として項目に加えました。
持ち上げ対象のダイスは自力で用意してもよいため、沈みかけのダイスからちょうど1マス離れている同じ目のダイスがあるなら、時間差ジャンプが使える可能性を意識してもよいと思います。
ということで、そろそろ本題のノルマ解説に入っていきたいと思います。
「~個消そう」ノルマ
各レベルの先頭ノルマがこの「~を~個消そう」のタイプです。チェインや点数は一切関係なく、単純に特定の目を指定数消すことが求められます。とはいっても、次ノルマが「~点とろう」ノルマであるため、これを素早く達成するためには、チェインを切らないことはほぼ必須になります。
このノルマに関しては、後半レベルでは「同時予約バグ」を活用するほうが短縮になります。これについては「積み込み編」で触れるため、今回はバグを活用しないで達成する場合を考えます(私の現在の走りでは、バグを使用せず達成しているのはレベル3までです)。
通常チェイン(チェイン数関連)
RTA 的にはチェインを切らないことが必須であると書きました。それでは「チェイン数を増やしたほうがいい」かというと、そうとも言えないでしょう。というのも、浮き上がりで新規ダイスが生えにくくなるのはもとより、基本的にチェイン動作自体にも時間がかかるからです。そのため原則としては、できるだけチェイン数を増やさないという意識で問題ないと思います。例えば、同時消しで自然に消せるような配置があった場合、あえてチェインに崩す必要はありません。
チェイン数を増やす一応のメリットとして、次ノルマ「~点とろう」で得られる得点が増えることが挙げられますが、このノルマは基本的に数秒で終わるため、あまり短縮には寄与しないと考えてよいと思います。
予約チェイン
予約についても積極的に狙う場面はないと感じます。予約チェインはリンク数を増やさない分、盤面のダイス数が増えないという面では若干有利かもしれませんが、通常チェインより手間がかかることや、一瞬硬直が入るデメリットのほうが大きいと感じます。二段目にダイスを置くことで進路の妨げになる場合もあります。
時間差ジャンプ
チェイン数を増やさないという意識通り、時間差ジャンプは行う必要がありません。むしろ時間差ジャンプを行える場合、既に盤面にノルマで指定された目のダイスがあるわけなので、できるだけ動かさずに消す方法を採用するのがよいと思います。
以下、レベルごとにこのノルマを見ていきます。
前半戦(レベル1~レベル3)
このレベル帯では要求数も少なく、あまり新規ダイスの発生を考えなくてよいため、見えたダイスから順次消していって問題ありません。次ノルマの要求スコアはそれほど大きくないため、盤面次第では単発バニッシュを活用してもよいと思います。途中でチェインが切れてしまう場合でもそれほどロスになりません。
後半戦(レベル4~レベル10)
後半になるにつれ、ダイスの要求数が増え、盤面に収まらない数のダイスを消去する必要が出てきます。すると新規ダイスの発生速度の問題が大きく効いてくることになります。
ノルマアタックの場合、「ダイス数が x 個を下回ると、 x 個に到達するまで急激な新規ダイス発生が起こる」という値が各レベルに対して存在します(ここでは、ダイスの最低個数と呼んでおきます)。ここでは沈みかけのダイスも残っているという判定を受けるため、チェインで「最低個数」以上のリンク数を保ち続けてしまうとダイスが枯渇することになります。
この場合、沈みかけのダイスを自発的に踏みつぶすなどして、最低個数を下回るようにリンクを切るなどの動作が必要となります。特にレベル9はダイス発生が少ない(周辺ノルマの最低個数が25個なのに対し、レベル9は20個です)ため、リンクを切るようにダイスをうまく踏みつぶす、あるいは「もろいチェイン」に向けた工夫(ダイス追加をばらけた位置で行うなど)が必要になります。
レベル7「1を30個消そう」
このノルマだけ少々変わっており、特にチェインという概念がありません。基本的には、1の目の同時消しノルマと同様、たくさん1の目のダイスを集めてから消すことを行います。しかし30個という数が微妙で、完全に集めきってから消去するとやや手間取る場合が多いように思います。私は20個くらい集まった場面で1度目の消去を行うことが多いのですが、どういった方針が最適かは今一つ分かっていません。
レベル7開始時のダイスの最低個数は25個なので、1度目の消去後にこの数を下回っていれば大量発生が起こります。そのため、ここで発生するダイスに1の目があることを期待してもよいのですが、確率は1/6なので1つも生えないことも多々あります。
「~点とろう」ノルマ
各レベルの2番目のノルマがこのタイプです。特定の目で獲得した合計スコアを指定値以上にすることが求められます。 RTA の場合、レベル7以外は直前のノルマで行ったチェインを引き継ぐことになります。直前のチェインを引き継げていれば数秒で終わるため、特筆して解説することはありませんが、強いて言うならば後述の「CSノルマ」と似たような方針をとることになると思います。ちょうどノルマの切り替わりタイミングを見計らって1チェイン目を行うなど、細かい意識でも10問あれば多少タイムに影響するかもしれません。
レベル7「2で3000点とろう」
レベル7だけはチェインを引き継げないため、自力で3000点稼ぐことになります。これも特に解説するほどではないのですが、基本方針はチェイン回数を最大化することだと思います。予約は時間がかかるので狙わなくてよいように思います。時間差ジャンプはチェイン2回を高速に行えるため、ロスなくできる盤面なら狙いましょう。
チェインノルマ
以降は出題順が固定されていないノルマとなります。まずはチェインノルマですが、このノルマでは特定の目で指定されたチェイン数を達成することが求められます。要求されるチェイン数は最大でも30チェインで、盤面が埋まることはあまり考えなくてよいため、どれだけ高速にチェインできるかの勝負になります。
予約チェイン
チェインが2増加するため、このノルマでは有用です。しかしながら場合によっては短縮にならないこともあるので注意しましょう。消去直後のダイスの上にダイスを乗せた場合、予約成立までは約4秒かかります。ここに通常チェインもあわせて行う場合、予約成立までの時間はさらに伸びます。そのため、10チェイン程度のノルマでは、予約を待つよりも通常チェインのみで達成するほうが結果的に早い場合が多いです。
同様に、10チェイン以上を要求される後半戦ノルマでも、残り数チェインというところで予約ダイスを乗せるのはあまり意味がないため、予約の用いるタイミングが重要になります。基本的には予約チェインはそのノルマの前半で行うと考えてよいでしょう。
逆に、10チェイン前後のノルマでも、複数個の予約ダイスを乗せられる場合は予約を行ってもよいと思います。これは1チェインごとにかかる待ち時間が相対的に短くなるためです(結局は準備速度との兼ね合いになります)。
時間差ジャンプ
チェイン2回を高速に行え、チェイン1回あたりの時間としてはかなり短い部類なので、時間差ジャンプが可能な盤面では狙いましょう(ただし、後半レベルにおいては、そのダイスを予約に回したほうが良いことがまれにあるかもしれません)。
レベル10「3で30チェイン」
制限時間は 42.5 秒しかなく、ノルマアタックの最難関ノルマと言って差し支えないと思います。正直なところ失敗してもタイムにそれほど支障がないため、 RTA 的な攻略優先度は低めです。結局チェインの速度という話になってしまうため、今回の解説記事では上達という点であまり触れられませんが、極端な時間設定の厳しさから「未来予知編」では詳しく取り扱うノルマの一つとなります。
CSノルマ
特定の目で指定値以上のチェインスコア(1チェインごとのスコア)を達成することが求められます。達成が厳しいノルマはあまりありませんが、タイムという観点では他ノルマと等しく重要になるため、できるだけスムーズにチェインを進めたいところです。
予約チェイン
チェインノルマとは異なり、CS ノルマでは予約はほぼ必要ないと言ってよいと思います。チェインスコアの計算式は次で表されますが、例えば 6×10 より 8×8 のほうが大きいように、リンク数とチェイン数を同時に増やしていくのが効率が良いためです。
通常チェイン(踏みつぶしなし)と予約チェインにおいて、リンク数とチェイン数の変動は次のようになるわけなので、動作にかかる時間も考慮するとほとんどの場合で通常チェインのほうが効率が良いと思われます。当然ながら、リンク数を減らさないようにできるだけ消えかけのダイスを踏みつぶさずにチェインを行うのを心掛けたいです。ただし配置上難しい場合は、ダイスの浮き上がりを優先してリンク増加のないチェインでも行ったほうが効率的には良いと思われます。
時間差ジャンプ
時間差ジャンプに関してはデメリットはほぼなく、かなり優先して行う意識でよいと思います。全ノルマ中で時間差ジャンプが最も効果的にはたらくノルマといえるでしょう。
まとめ
以上で基本ノルマに関して一通り考察しました。以下にチェイン方法の観点から見たそれぞれのノルマに対する考え方をまとめました。
以上で、第1回の基本ノルマ編は終了です。次回はノルマアタック特有の動きが要求されるノルマについてまとめます。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。