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XI[sai] JUMBO ノルマアタックRTA 解説 第2回(ノルマ編: 特殊ノルマ)

本記事は、 XI[sai] JUMBO ノルマアタック RTA 解説の第2回です。各回の目次はこちらより参照できます。


前回に引き続き、ノルマごとに RTA 中の思考を述べていきたいと思います。今回は、ノルマアタック特有の動きが要求される次の3種類のノルマについて考えていきます。この解説ではこの3つのノルマを特殊ノルマと呼びたいと思います。

  • 同時消しノルマ

  • つなごうノルマ

  • 予約ノルマ

通常のチェインではあまり意識しない動作を要求されるため、慣れないうちは難しいノルマだと思います。早速、ノルマごとの解説に入っていきたいと思います。


同時消しノルマ

特定の目で指定された数のダイスを同時に消去することが求められます。基本的には一度のバニッシュで指定数のダイスを消すことになりますが、厳密にはリンク数が指定数以上増加した際に達成とみなされます。例えば、1チェイン目が2リンク、2チェイン目が6リンクであれば「4個同時」の条件を満たします。リンク数が条件のため、ハッピーワンを利用して達成する場合は完成形がひとつながりでなければなりません。

前半戦(レベル2~レベル7)

前半戦の同時消しノルマは単発バニッシュで達成可能です。理想的には盤面状況から最適な消去形を選びたいところですが、なかなか難しいと思います。現実的には、指定の目を集めるよりも前に発火点を決めてしまうのがやりやすいと思います。発火点を決める際には、

  • できるだけ盤面中央付近にする

    • 四方に伸ばすダイスのスペース確保のため

    • 特にレベル6は中央 3×3 から選ぶことが必須

  • 大雑把にみてダイスの多い位置を選ぶ

    • 足場の確保のため

を指針とすると良いと思います。発火点を決めた後はその場の形に応じて周囲にダイスを集めていくことになりますが、発火点の斜め4方向のマスは置くとダイスの配置可能数が減ってしまうため、ここだけ避けるように意識したほうが良いと思います。

発火点の斜め4マス

レベル6「4を12個同時に」は、発火点から隣接4方向に4の目を伸ばす形になります(上図)。それ以外のレベルは3方向でも達成可能です。リンク数を毎回数えると大変なので、あらかじめ理論的な最大数からいくつ欠けがあって良いのか把握しておくと良いと思います(例えば、3方向に伸ばす場合「4を9個同時に」は1つ欠けがあって良い、「5を13個同時に」は欠けがあってはならないなど)。

レベル8「2を7個同時に」

ハッピーワンが必須のノルマです。基本的な配置としては、2つの1の目を1マス離れた位置か斜めの位置に置き、その上に2の目を乗せる形になると思います(下図)。ダイスが少ないと2段目に置く際に苦労するので、こちらも基本的にはできるだけダイスの多い位置を選んで作りましょう。このノルマでは割と特殊な動作・思考を要求されますが、他モードでも似た条件で練習しやすいのでスムーズにできるよう予習しておくと良いでしょう。慣れていないと制限時間1分も厳しい設定だと思いますが、最速だと20秒前後での達成も可能になってきます。

「2を7個同時に」積み込み

最初から盤面に2が3つ以上つながっている場合、位置によってはハッピーワンを行わずノルマを達成できる場合があります(下図)。

運が良いパターン

この形を運よく引けた場合は若干の短縮になります。「3を20個つなごう」など大量消しノルマ直後の出題の場合は、発生中の2の目を強引に3つつなげられることもあるのですが、これも結局は運になります(個人的には、 RTA 開始当初はこのパターンを割と引けていた印象なのですが、最近はあまり見かけていないので、それほど気にしなくていいのかもしれません)。

レベル10「6を25個同時に」

こちらもハッピーワンが必須のノルマです。盤面状況を見て不定形に積み込むのが理論上は早いと思いますが、安定させるのは困難と感じます。こちらも基本的には積み込み形を固定してしまったほうがよく、私は外周に敷き詰める形を採用しています。ノルマ 100/100 を目指した方にはおなじみの積み込みかもしれません。

「6を25個同時に」積み込み

盤面の四隅にL字またはW字の形で6の目を配置します。各辺中央に1の目を置き、その上に6の目を乗せます。そのままハッピーワンを行うと24個なので、余分な6の目を1つ以上(1の目に隣接させるのが楽)用意してからハッピーワンを行いましょう。

6の目を置ける位置

6の目を置いてもバニッシュしないのは上のひし形部分なので、ダイスを乗せる際はこの領域に6の目を一度準備してから持ち上げて押していくとやりやすいと思います。四隅の形状はL字やW字以外でもいいですが、6の目を置ける位置の選択肢が狭まるのでバニッシュに注意しましょう。

1の目ノルマ(レベル1, レベル5, レベル9)

1の目の同時消しは他の目とはかなり異なる趣旨となっています。指定数以上1の目を準備してからハッピーワンを行うことで達成でき、位置の制約は受けません。レベル1と5は指定数が多くないので、1の目の数を数えつつ準備し、指定以上になったタイミングでハッピーワンを行うことになります。

私はとりあえずノルマ表示を見たら最優先で盤面の1の目を数え(10個など多そうな場合は適当でいいです)、そこから自分で1個準備するごとにカウントを増やすような形で数えています。自然発生する1の目についても視界に入れば数えますが、結果多くなるだけなので数えにくい場合は気にしなくても問題ないと思います。ハッピーワン時に足元のダイスが消えないことには注意しましょう(たまにハッピーワン判定が完了する前に1の目に乗ってしまうことがあるので、最低でも1個は余分に用意したほうが良いです)。

問題はレベル9で、40個ものダイスを要求されます。盤面上のダイス数という意味で言うと、レベル前半から後半になる際にダイスの「最低個数」が増え、またそれに伴ってダイス発生速度も増大することに注意が必要です。

レベル前半のダイス発生が遅いタイミングでこのノルマを引いた場合、そもそもダイスが40個発生するまではノルマを達成できません。だいたい残り30秒台まで待つことになるため RTA 的には外れですが、達成自体はしやすいかと思います。誤バニッシュでダイス数が減ってしまうとさらにロスが大きくなる(40個以上になるのが遅くなる)ため、多少時間がかかっても落ち着いて1を作るほうが良いと感じます。

逆にレベル後半で引いた場合、ダイスの発生が早く、1段目が埋まってしまう危険性も高まります。理想的には1段目だけで足りるよう速やかに準備したいところですが、盤面が埋まりそうな場合は持ち上げで2段目に逃がすことになります。行動の邪魔にならないよう盤面端に向かって持ち上げましょう。後半でこのノルマを引いた場合は残り40~50秒台で達成可能なことが多く、 RTA ではこちらのほうが有利です(ただし、最終ノルマの場合はかなり注意が必要です。この点は「全消し編」で触れます)。

つなごうノルマ

特定の目のリンク数を指定数以上にすることが求められます。基本的にはチェインの連続でリンク数を増やすことになります。

前半戦(レベル1~レベル5)

これらのレベルでは要求数が多くなく(逆に時間は短いです)、とにかく横に広げていくようにチェインができれば問題ありません。方針としては「~個消そう」ノルマとほぼ同じで、同時消しができる場合は使っていくことになります。

後半戦(レベル6~レベル10)

レベル6からは一気に要求数が増え、ノルマ達成自体の難易度が上がります。通常プレイでは、指定の目のダイスをある程度先に準備(積み込み)すると達成しやすくなりますが、 RTA 的に短縮を目指す場合、やはりある程度アドリブチェインでつなぎ切る必要が出てきます。とはいうものの、積み込みを利用するよりも圧倒的に難易度が高いため、最速を狙うことよりも、一度のチェインで達成できるような安定性を重視する必要が出てきます。

そのため、前半戦では同時消しを主とする方針でしたが、後半戦ではチェイン頻度を少しでも増やしてダイスの浮き上がり量を増加させる(沈まないよう延命を図る)ほうが良いように感じます。予約チェインはリンク数が増えずあまり意味がないため、意識としては CS ノルマと近く、時間差ジャンプなどが可能なら狙っていく形になります(といっても素早くチェインすることが最優先なので、無理に行う必要はありません)。

各レベルの前半にこのノルマが出題された場合、盤面のダイス数が要求数に足りるか足りないかという程度しかない場合もあります(レベル9が顕著です)。この場合はチェイン開始を数秒待ち、その間に指定の目をいくつか積み込んでからチェインを始めるのが良いでしょう。

対して、各レベル後半では上から降ってくるダイスに邪魔されるのが難点です。ダイス数が「最低個数」を割った際には降るダイス数も多くなるため、直前ノルマの大量消し後にこのノルマを引いた際には、すぐチェインを開始せず、沈み切ってダイス発生が落ち着くのを待ったほうが無難です。盤面上に必要なダイス数はそろっている場合が多いため、発生が落ち着いたらすぐ消し始めてもダイスが枯渇することなくつなぎ切ることができるはずです。

以上のことを注意しても、特にレベル9と10ではなかなか達成が安定しないかと思います。とりあえず私が思いついたものとしては、以下のようなポイントが挙げられるかと思います。参考になるかはわかりませんが、この辺りも加えて意識すると良いかもしれません。

盤面端のダイスはある程度丁寧に処理する
 ・中央付近の消しやすいダイスから先に消去してしまうと、
  後に遠い配置のダイスが残りがちなため
 ・あまりに消しにくいものは無視してよい
  (指定数が達成できるかの見極めが重要)
盤面右下(画面手前)から消していく
 ・細かいことだが、画面手前のダイスを消すとその奥のダイスの側面が
  見え始めるため若干情報が増える
 ・「3で30チェイン」など他の厳しめのノルマにも共通して言える
チェインの最初のほうで遅れた場合、やり直すことも検討する
 ・「25個つなごう」の5チェイン目あたりで降るダイスに邪魔されたなど
 ・最初にバニッシュしたダイスが沈み切るまでが勝負のため、
  そこに間に合いそうにないなら一度諦めて盤面を整えたほうが良い

この辺りの難関ノルマに関しては、積み込みを十分行ってからチェインを開始するのでも大きなロスとはならないので、最終的には安定を取るのが最も大事だと思います(ただし、レベル9「2を22個つなごう」は積み込みも大変ですが……)。

予約ノルマ

特定の目で予約チェインを指定回数以上行うことが求められます。下段の目が異なる場合でも、上段ダイスが指定の目であれば問題ありません。このノルマに関しては、指定の目の大小で方針を変えたほうが効率がいいように思います。その前に、ジャンプによるダイスの沈下テクニックについて触れておきます。

ジャンプによるダイス沈下

沈下中のダイスの2段目に乗り、垂直ジャンプを行うことでダイスの沈下をわずかに早められる仕様があります。2段目に自ら乗って予約を行う、いわゆる「飛び乗り予約」の場合、垂直ジャンプを何回か行うことで予約成立までの時間を短縮できます。しかしながら、予約判定タイミング(半分の高さになる少し前)には静止していないと成立しないため、適切な回数で止める必要があります。この辺りはある程度経験的に把握するしかないと思いますが、私の場合、本当に最速で乗れるケースのみ3回ジャンプ可能(下図のような場合)、遠回りがなくすぐ乗れる場合は2回、それ以外は1回~0回になると考えています。

予約の最速ケース

2や3の目の予約

指定の目が2の目の場合、効率的な達成方法として交互に「飛び乗り予約」を行う方法があります。バニッシュした2の目の片方をA、もう片方をBとした場合、次のように互い違いにジャンプをすることで沈下を早めていく形になります。

・バニッシュ
・A に乗って 2~3 回ジャンプ→予約
・B に乗って 0~1 回ジャンプ→予約
・A に乗って 0~1 回ジャンプ→予約
……(以下交互に行う)

交互予約にするためには最初のダイスで2~3回ジャンプするのが重要です。1回だとBに乗る際の猶予が短く、最速ケースに近くないと成立が厳しいです。下の動画の「2で10個予約」(30:32~)の部分が典型的な交互予約の流れになります。うまくいくかどうかは近くのダイス配置にかなり左右されるため、実際にここまで途切れずに予約できることはまれですが、理想的にはこのような予約方法を意識できると良いと思います(ただし絶対的なものではなく、他に早い手段があればそれを採用します)。

3の目の場合、もう1つのダイスを適宜チェインなどで補わないと予約が成立しませんが、ある程度似た動作が可能なことが多いです。対して4の目以上ではやや困難になってくるので、次節で説明するような方法を取るのがよいでしょう。このように「飛び乗り予約」が主として利用できるのは、要求数の少ないレベル1やレベル2と、指定の目の小さいレベル3、レベル4、レベル7、レベル10辺りとなります。

4以上の目の予約

4以上の目の予約では、ダイスをダイスの上に置く一般的な予約、いわゆる「持ち上げ予約」を積極的に行っていくのが良いと思います。レベル5「5で5個予約」とレベル6「6で6個予約」については「要求数=目の数」なので、1段目でバニッシュした全ダイスに予約を行うのが一つの方法です(下図)。先にダイスを全て乗せると2段目で消えてしまうので、1つ残しておいて最初の予約が成立した直後に乗せましょう。発火タイミングに関しては、予約準備が間に合いそうなら多少ずらしても構いません。私の場合は3~4個乗せたタイミングで発火することが多いです(その後うまく予約ができなかった場合でも、残り2個程度なら飛び乗り予約で達成できるためです)。

全ダイスに予約を行う

レベル7「4で7個予約」とレベル9「5で9個予約」はさらに難しくなりますが、基本は前述の「全ダイスに予約」を行うのが比較的安定しやすいかと思います。全部の予約が終わった後、ダイスの高さが平坦に近くなるため、バニッシュ直後と同様の動作がとりやすいというのが理由です。その後はアドリブで残り3~4個の予約を行うことになります(この個数なら交互飛び乗りも使えます)。

その他テクニック

その他、すでに予約済みダイスがある場合、そのダイスの予約成立の直前より、直後に飛び乗ったほうが引き続き予約として判定されやすいなどのテクニックがあったりします。予約に関しては判定が解明されていない点も多いため、さらなる検証が待たれています。

また予約チェインに関連して、1つのバグが発見されています。予約の成立タイミングは1段目ダイスのバニッシュから約4秒のタイミングですが、この寸前に2段目のダイスを取り除くと、予約が成立するはずだったマスに「予約判定」だけが残り、次回そのマスでチェインした際に予約が繰り越されるという現象が報告されています。現時点ではこのバグを使って安定して短縮する方法は知られていませんが、使い方によっては RTA に利用できる可能性も残されています。

まとめ

特殊ノルマについての解説は以上となります。以下に各ノルマの方針や考え方をまとめました。

同時消しノルマ
 
・ハッピーワン不要ノルマ:先に発火位置だけ決める
 ・ハッピーワン必須ノルマ:やりやすい積み込み形を決めておく
 ・共通:ダイスが多い位置を見定める
 ・「1を40個」:ダイス発生速度(前半/後半)が重要
つなごうノルマ
 
・前半戦:「~個消そう」と近い意識でチェインする
 ・後半戦:CS ノルマと近い意識だが、安定が最重要
予約ノルマ

 ・2や3の目:交互に飛び乗り予約を行うのが有用
 ・4以上の目:全ダイスへの持ち上げ予約が有用

以上で第2回の特殊ノルマ編を終了いたします。次回は各レベル最後に登場する全消しノルマとレベルアップまでのインターバルについてまとめます。ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました。

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