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そうだ、鶏を飼おう。

フリーダムグループに参加して、二年が経とうとしています。
グループ内のメンバーも様々です。
人種をはじめ、政治思想もライフスタイルも宗教観も十人十色。
その中に60代のKさんが居ます。

Kさんは数年前に奥様を亡くし、生き甲斐を無くしていました。
小さな農地(と言っても10エーカー、約1万2千坪w)に牛を数頭、鶏を40羽ほど持っていましたが、コロナパンデミック詐欺に巻き込まれてお注射を二回打ってしまいました。
子どもに恵まれなかったKさんにとって、牛と鶏は大事な子どもたちのような存在でしたが、お注射の後もれなく体調が悪化し、世話も難しくなっていました。
二回目のお注射から5か月後、Kさんは心臓発作で倒れます。
ペースメーカー手術を受けて復活したものの、体調はまだすぐれません。

術後の療養中、牛と鶏を手放しました。
副業の仕事もロックダウンで続けられなくなり、コロナ騒ぎの後、Kさんに残ったのはお注射でダメージを受けた身体と、空っぽになった農地、そして鶏小屋でした。

空っぽの鶏小屋上でクシャミ中のマンゴーさん

Kさんの家の横には大きな倉庫もあります。
フリーダムグループの皆で中を掃除し、しばらく集会やイベント会場として使わせてもらっていました。
その間にガーデングループが立ち上がり、Kさんの裏庭に野菜を植え始めました。別区画部分には果樹を植える計画もあり、メンバーが毎週末、道具持参で出入りしています。

エレクトロカルチャーの実験も少々。

そんなこんなで、人が出入りするようになったKさん宅なのですが、ある時、ボンヤリと鶏小屋を見つめているKさんに気付きました。
放置されていた鶏小屋は、廃墟寸前の状態です。
ガーデンの方も落ち着いたので、今度は鶏小屋グループを立ち上げる事にしました。

鶏小屋のリフォーム
残っていた牛舎エリアもリサイクルする事に。

鶏小屋グループの主な目的は、小屋と飼育エリアの設置方法や鶏の飼育方法を実践しながら学ぶ事としました。
飼育開始後に手に入る卵は、あくまでも最終報酬であり、第一目的ではない事を時々喚起しながら修理と設置作業を開始。
私自身を含め、近い将来、自宅での鶏飼育を考えている人が集まって、無理の無い範囲で少しずつ作業できるようになりました。

ほんの数年で周りの杉の木が茂り放題に。エリア周辺の伐採作業から。
以前より広いエリアにフェンスを設置。

ニュージーランドは、天敵動物の少ない国です。
ヘビも居ませんし、鶏を狙うキツネやクマも居ません。
毒蜘蛛なども非常に少ないので、キャンプ天国とも言えます。
国鳥のキーウイは翼部分が退化した鳥ですw

NZ国有種。他にも飛べない鳥が数種類居るNZ。

とはいえ空には鷹が飛んでいるのと、迎え入れる鶏たちは羽根切りなどもしていない半野生状態なので、天井にもしっかり網を張る事に。

黙々と網を針金で固定していくメンバーの皆さん。

鶏だって立派な鳥なんですw ちゃんと囲っておかないと飛んで逃げちゃうんです。

元牛舎部分も鶏小屋仕様に変身。

NZの冬(6~8月)は、日本の梅雨のように雨が多い季節です。
水溜まりの状態を見ながら、あちこちに排水用の溝を掘ったり砂利を敷いたりしました。
フェンスや金網以外の材料は、敷地のあちこちから集めてリサイクルしています。
秋(4月)の半ばから始まって、冬を超え、雨もやっと落ち着いた春(9月)の半ばにやっと鶏さんたちを迎えられる状態に。

鶏さん到着。

鶏の飼育者は、ほぼ原生林に囲まれた敷地内のあちこちを回って、20羽の雌鶏を捕獲してくれました。
原生林で勝手に増えた、半野生の鶏です。予防接種など一切受けていない、マジもんのオーガニック鶏。ありがたいです。

到着したケージを、まるでクリスマスプレゼントのように開くKさんの表情は、見ているこちらも嬉しくなるものでした。

新居を探索する鶏さん御一行
とても大きくて健康そうな鶏ばかり。
新居で落ち着くまでは、そこら辺で産んじゃったりするので足元注意です

我々グループのメンバーで、これから餌や掃除の手伝いをしていきます。

季節柄か、次の日からしっかり卵を産んでくれている鶏たち。

Kさんはしょっちゅう、フェンスの中に入って鶏を眺めています。
雌鶏だけだと、とても静かで平和な光景です。
Kさんにとって、大事な瞑想タイムにもなっているようです。

接種者にありがちですが、Kさんも歩行困難になってきているため、鶏小屋への行き来が少しでも心と身体のリハビリになるといいなと思っています。

マンゴーは立ち入り禁止。


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