31.SMAと薬
上腸間膜動脈症候群(SMA症候群)用の薬というものは特にありません。なにせ、内臓脂肪が減りすぎて十二指腸が圧迫されているという物理的なことが原因なのですから。「内臓脂肪を増やす薬」なんてものもできなさそうですよね。どういう仕組みで働くのか見当がつかない。
私が飲んでいる薬も、SMAだと診断されたから処方されたものではなく、それ以前の原因不明だった頃から飲んでいたものを継続しているだけです。
そのため、こちらのnoteも食事と同じく、「これで治りました」ではなく「こんなもの使ってしのいでます」というお話です。他の患者さんはどうしてるんだろう?
《大建中湯、アコファイド、セレキノン》
腸の動きを良くする薬です。SMAは通過障害であって運動障害ではないですが、飲んだ方が楽になるかなと感じているので続けています。
《モビコール、酸化マグネシウム》
便秘薬です。SMAの主症状が便秘というわけではないですが、おそらく、輸送に時間がかかることや、食事量が少ないこと、繊維をあまり多くとれないことから、便秘をしやすくなってしまうと思います。私も、便秘気味になるとますますお腹が苦しくなってしまうことから、便秘にならないよう、これらの薬を使っています。
モビコールは、粉状で水に溶いて飲むというちょっと変わった薬です。このモビコールに含まれる「ポリエチレングリコール」という物質が、腸の中で水分を保持して、やわらかくスムーズに運んでくれるという作用があります。浸透圧を維持するために、ナトリウムやカリウムなどが添加されているため、少ししょっぱいです。ポカリを甘くなくしたら、こんなふうにしょっぱいのかもしれません。
「ポリエチレングリコールは体内に吸収されずに排出されるから安全」ということらしいですが、極めて人工的な物質という感じがするし、ちょっとしょっぱい変な味がするので、あまり飲みたくはないなぁと思うのですが、たぶん飲んだ方がスムーズに運んでくれるおかげで少し楽かなぁとか、たしかに便秘はしづらくなったなぁと感じるので、少なめの容量(1回1包、1日2回)で続けています(効果に応じて増減できる薬なので)。
また、就寝前の酸化マグネシウム1錠も併用しています。これで固すぎずやわらかすぎずの範囲にだいたいおさまっていて、モビコールをあんまり増量したくないなぁと思うので、酸化マグとの併用にしています。
《リンゼス》
こちらも便秘薬です。ただし、私にはけっこう効果が強いので、モビコール+酸化マグだけでは不十分だったかな、まだお腹苦しいなと感じる時に時々使う“リセット薬”の位置づけです。
1日1回食前に服用する薬です。最初、成人の基本容量1回2錠で飲んだら、5回くらい下痢してしまい驚きました。「これじゃ外に出られない…」と。
そこで次は1錠に減らしてみましたが、それでも3回くらいは下痢してしまい、まだ強いなぁという感じでした。
効果には個人差もあるし、その日の体調にもよるのだと思います。SMAだけであれば、大腸には問題がないから効きすぎるのかもしれませんし、当たり前ですが、出ずに残っていた分が少なければ下痢も少なくて済むわけですし…。
(ここからは先生の指示ではなく、自分で勝手に試しただけですが)
1錠でもけっこう効くので、ナイフで錠剤を半分に割って、1/2錠飲んでみました。これでもまだまぁまぁ効くなぁ。
そこで次回は、さらに割って、1/4錠にしてみました。これでもまだちゃんと効果があって1-2回は下痢する。でもさすがに1/8は小さくて割りづらいから、これで良いかなと1/4錠ずつ飲んでいます。
個人差あると思いますが参考までに、私は(1日2食しか食べられないので)朝食前10時頃飲んで、食後に2回くらい出て、15時くらいになると落ち着くかなという感じです。お水を飲んでしばらく(30分くらい)するとトイレに行きたくなるので、それで様子を見て、落ち着いたなと思ったら出かけるようにしています。なので、初めて試す方はくれぐれも、ゆっくりお家にいられる日にした方が良いと思います。
薬を飲めば治るという病気ではないので、難しいなと思いますし、正直、かかっている先生も難儀していると思います。
そもそも防げるのが一番ですが、無理なダイエットをしたわけでなくても、私と同じように、別の病気で痩せすぎてしまったという人もいることと思います。効率良く内臓脂肪を戻せる方法が解明されれば良いなと思います。
SMAだとわかってからは、栄養補助剤もとってみたりしたので、味などの感想はこちら。