27.機能性ディスペプシアと食事③(その他)
①で炭水化物、②でたんぱく質の話を主に書いたので、それ以外の話をしていきます。
《野菜》
・種類:これは自分が食べられるもので良いと思います。刺激が少なく食べやすいのはやはり、キャベツ(胃粘膜の保護に良いことは有名ですよね。実際食べても刺激が少ないですし)、レタス、白菜などの葉物野菜。大根は消化酵素を含むから良いと言われていますよね。大根おろしの状態だと辛くて刺激が気になるかもしれませんが、細切りにしたサラダや、加熱すると酵素は壊れちゃいますが、やわらかく煮ても食べやすいですね。
ほうれん草や小松菜といった青菜も、茹でてやわらかくすると食べやすいし、栄養もあるし。回復してきたら、きゅうりやトマトも食べられるようになりました。前述した通り、にんじんやかぼちゃは野菜の中では糖質が多いのでエネルギー補給もしてくれますし。
さすがに、ごぼうやれんこん、たけのこといった固いものは、調子が悪い時には無理して食べなくて良いと思います(そもそも食べたい気持ちにならないですよね)。生きていくために必須のものではないと思うので、元気になってから食べれば良いと思います。
・生か加熱か:一般的には、「生野菜より加熱した方が消化に良い」と言われていますよね。でもローフード推しの人など、「酵素を含む生の方が消化に良い」とか「食べ物を加熱するのは人間だけ。生で食べるのが正しい」といったような主張をしている人もいますよね。これもまだ現時点では、はっきり決着がついていないということなのだと思います。なので、これも自分が食べやすい方で良いと思います。生でさっぱりひんやりしたものがほしい時もあれば、加熱したやわらかいものを食べたい時もありますよね。
たしかに、人間以外の動物は食べ物を加熱なんてしませんね。とすると、本来は生で食べるのでよかったはずです。しかし、人間が煮炊きをして食べ物を加熱して食べるようになってから、地球の歴史に比べれば微々たるものですが、人類の歴史の中ではまぁまぁ長い期間が経っていますよね。もし加熱が悪いことであれば、もっと早くやめていたでしょうし、メリットがあるから続けてきたのではないかと考えられます。昔は寄生虫とか多かったでしょうから、加熱して殺菌消毒といった効果もあったでしょうし、加熱することで食べられるor食べやすくなるものもあるから、それで食べられるものの範囲が広がり、栄養をとりやすくなったとか、生だとすぐ傷むものも保存が効くようになったとか。
つまり、加熱が絶対悪いとか生が絶対悪いという理由は今のところなさそうなので、どちらかに限定する必要はないのかなということです。
《果物》
・果物も消化に良いと言われていますよね。繊維は含むけど、たしかに穀物よりもたれにくいと感じました。糖質も含むので、穀物があまり食べられない時にエネルギー源として助けてもらいました。
・種類は、これも野菜と同様、自分が食べられるもので良いと思います。柑橘類などのように酸味があるものは、刺激になるので避けるように言われていることもあると思いますが、私はあまり気になりませんでした。
《油》
・胃の調子が悪い時には、油っぽいものって食べづらい、食べたくならないですよね。でも決して、「油は胃に悪い」とか「油はとらない方が良い」ということではないと思います。油は本来、体に必要ななものなので、油が悪者なのではなく、「油をうまく消化できずにもたれるようになってしまっている体の状態を治していきましょう」ということです。
・いきなり炒め物とかじゃなくて良いと思います。私は、食べられそうだなと思う時に、お魚やお野菜に少しオリーブオイルやアマニ油をかけるというところからリハビリ(笑)しました。最初はほんの、小さなスプーン1杯程度から。だんだんかけても大丈夫そうだなと感じられるようになったり、むしろおかずに脂が少ない時はもう少しオイル足したいなと思えるようになっていきました。
・生でかけて食べる場合は、味を感じやすいので、品質の良いものを選んだ方が良いと思います。オリーブオイルだったら、エクストラバージンで価格の安すぎないもの。アマニ油だったら、コールドプレスで未精製のものだと加工の度合いが低くて良いです。ただし、アマニ油やエゴマ油などのオメガ3の豊富なオイルは、酸化しやすいため早めに使うことが推奨されるので、まだあまり油をとれない時には無理して買わなくて良いと思います。高かったのになかなか使いきれないということになってしまうので。
・また、揚げ物は、元気になっても無理に食べなくて良いと思います。油が酸化しやすいですし、炭水化物(中が野菜やたんぱく質でも、衣は小麦粉や片栗粉ですよね)を高温調理するとアクリルアミドという発がん性物質が生成されると言われているので、好きな人は食べたいかもしれませんが、あくまでも”スナック菓子のような嗜好品”といった認識にとどめておいて、食べたくなければ食べなくて全然OKな、もしかしたら食べない方が良いくらいの存在かもしれません。
《飲み物》
・基本的に、1番安心な飲み物は水でしょう。私は元々、普段の飲み物がお茶やコーヒーではなく水の人だったので、その点は苦ではなかったです。ペットボトルの軟水か、浄水器を通した水道水で良いと思います。硬水が良いのかははっきりしません。ミネラルが豊富なので良いかと思って飲んでいた時期もありましたが、軟水に戻した方がお腹の調子が良く感じられたりしたからです。
・お茶(緑茶、ほうじ茶、ジャスミン茶、ウーロン茶、紅茶)、コーヒー:これらが胃に対して刺激になることは実感している人も多いことと思います。私もお茶を飲むとキリッキリ胃が痛みました。特に空腹時、空きっ腹で飲むとてきめんに効きますよね。避けましょう。こわいので、私はFD回復した後も飲んでいませんが。
コーヒーはデカフェなら大丈夫説もありますが…、そもそもこれを機に「コーヒー依存」「カフェイン依存」から脱してしまった方が良いのではないかとも思います(余計なお世話だったらすみません)。せっかく今やめていても、胃が治った後にまた「コーヒー飲まないとやってられない」状態に戻ってしまうのがもったいないと思うので、治った後も「ときどき楽しむ」程度でキープした方が胃の平安が保たれそうだと思います。
・ノンカフェインのお茶やハーブティー:これはお茶やコーヒーが飲めない私でも飲めました。夏だったらさっぱりしたハイビスカスティーやペパーミントティー、冬だったらほっこりする黒豆茶、ごぼう茶、あずき茶など。お茶やコーヒーが飲めなくなってさみしい人は、こちらに移行すると種類も豊富で楽しめて良いかもしれません。
・お酒:言わずもがなですね。好きな人も「元気になったら飲もう」というモチベーションにして、治療に取り組みましょう。
《おやつ》
・一度に食べられる量が少ないと、エネルギー切れちゃってふらふらするように感じられたりしますよね。そんな時の対処法です。
・あまり調子が良くなくて食べるのがこわい時や、ごく軽く済ませたい時は、果汁100%のフルーツジュースで糖分を補給していました。
・少し食べたいなと感じる時は、出先にも持ち歩きやすいドライフルーツやナッツを活用しました。できるだけ砂糖で味つけされていないものを選んでいました。胃の調子が悪いと油があまりとれないと思いますが、ナッツなら油っこさを感じずに食べられるので脂質の補給もできるところが良いと思います。ただし、味のついていないナッツだけだと糖分は少ないので、エネルギー補給したい場合は、ドライフルーツとミックスされているものが良いと思います。
・食べる煮干し、食べる小魚:FDの知覚過敏や不安症状をやわらげるためにはミネラルバランスを整えることが必要だと考えたので、これらもおやつに食べていました。「アーモンドフィッシュ」は砂糖が使われていますが、味のついていない「食べる小魚」なら塩だけでなく砂糖も不使用です。
お医者さんもここまで教えたり考えたりしてくれる人いませんよね。どんな食品で胃痛が起きやすいかは、もしかしたら個人差もあるかもしれませんし、これはあくまでも自分で試行錯誤した結果なので、絶対の正解とは言えません。でも、自分もFDで苦しんでいた時、調べても、昔ながらの「消化に良い、悪い食品」の表くらいしか出てこなくて、あまり参考にならなかったり、他の人はどんなもの食べているのか聞きたいと思ったので、参考になるように書きました。自分1人では気づかないこともあると思うので、何かヒントが見つかれば幸いです。