35.SMAの手術を受けようと消化器外科を受診してきた時の話
このままじゃ治らないなら意を決して手術を受けようと、かかりつけ医に紹介状を出してもらい、消化器外科を受診したので、その時の経験を書きます。
まず基本的な方針として、嘔吐してしまう、食べられなくて体重が減少していく、胃や十二指腸の拡張があるといった状態でなければ、手術しましょうということにはならないようです(先生によって差があるかもしれないけど)。
私は一応食事はとれて、体重も維持しているけど、食後の苦しさがあるので、胃カメラを使った検査を受けました。
十二指腸に空気を入れるとふくらむ。空気の圧はそれほど強くないので、空気が通るなら食べ物も通るし、ガストログラフィンという造影剤を入れて、これが通るか見る検査もしたけど、きちんと通過した。
たしかに私はふだん戻してはしまわないのだから、空気も造影剤も通るのは当然だと思う。
そして、十二指腸が通る状態なのであれば、手術をしても今の症状があまり楽にならないかもしれないし、手術をしたことでかえってお腹の状態が変わって変になってしまったと感じる可能性もある。結果、手術をする必要はないという判断になりました。
解決しなかったのは残念だけど、治らない、改善しない方法では無意味だし、まして手術は大変で、一度やったら、元の何もしていない状態には戻せないわけだから、慎重になるのも当然…。
私の場合、「SMAの可動性」ということがキーワードになるのではないかと思いました。
CTの所見で幅や角度は狭くなっているけど、通過は一応保たれているから。
つまり、何も入ってない時はぺたんとしているけれど、食べ物が通る時には上腸間膜動脈(SMA)を押し上げて、やわらかくふくらんでくれるから通るのではないか?ということ。
とはいえ、食事直後にお腹の苦しさはあるのだから、やはり普通の人より通りにくいということはあるのではないか?という疑念はぬぐえないけど。
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ちなみに、ガストログラフィンは、検査後、けっこうな下痢を起こしたので、受ける日は他に予定を入れずゆっくり過ごせるようにした方が良いと思います。私は他の予定はなくてよかったけど、事前に言われなかったので驚いたから言っておいてほしかった…。
検査直後からけっこうな量の下痢が出て、心配なので1時間半くらいトイレ近くの待合室のソファに座っておさまるのを待った。
だんだん間隔があいて、量も少なくなっていったので、困ったらすぐ降りられるように各駅停車で帰宅した。
無事に帰れたけど、家についてからもまだ下痢は続き、結局、翌日の朝までに計8回くらい下痢をして、やっとおさまった。
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手術をしてくれる病院については、もちろんかかりつけ医とも相談したけど、自分で大きな病院に問い合わせてもみた。回答は大きく3つに分かれる。
①「対応していません。」→それならば仕方ない。それならどうせここに行っても、「できない」とかまた「他の病院へ」となるのだから、事前に聞いたおかげで無駄足を踏まなくて済んでよかったかもしれない。
②「診察してからの判断になります。」→「そんなのわかってる。そうじゃなくて、そもそもSMAの手術をできる医師や環境があるのかを聞いているのに」という感じですよね。できるかどうかはっきりしないから微妙だ。
③「できないことはないが、症例は少ない。」→たぶんこれくらいが精一杯なんだろうと思う。元々患者数が少ないから、「よくやってますよ」なんていうところはたぶんないだろうから。
私のかかりつけ医も、「SMAの手術を多くやっているというところは基本ないから、そうすると、消化器系の手術を多く行っている大きな病院という観点で選ぶしかない」ということだったので、③に該当する大きな病院を受診しました。
私の場合は、手術の適用にならなかったですが、こういうケースもあるという参考までに。