オレゴン州で日本の運転免許を無試験でアメリカの免許に書き換える
無試験で運転免許の書換が可能に
2022年11月から、日本とアメリカ・オレゴン州間での運転免許試験の相互免除が始まりました。オレゴン州に合法的に居住していて日本の運転免許があれば現地の運転免許を無試験で取得する事ができます。※視力検査は免除されません。
書き換えができる免許と車両の種類
普通自動車免許
普通自動車免許以上を持っていれば、オレゴン州の Class C Licenseに書き換えができます。Class C Licenseで運転できる車両は以下となります。
二輪免許
普通自動車免許と同時に申請する場合に限り、日本の二輪免許をMotorcycle Endorsement(二輪承認)という形で Class C免許に付随させる事ができます。
このMotorcycle Endorsementでは、すべての二輪および三輪車両を運転することができます。
詳しい分類はこちらより確認できます
書類を準備する
Real ID 法に準拠した運転免許証を発行するには、身分証明1点と住所証明を2点 (非Real IDの免許証の場合は1点)用意する必要があります。
多くの渡米直後の日本人の場合、身分証として パスポートとI-94* が使え、
DMVが認める住所の記載がある居住証明2点(非Real ID申請の場合は1点)は以下のいずれかの書類が用意できると思います。
USPS/FedEX/UPSで信頼できる会社もしくは政府機関から届いた郵送物 (郵送されてきた状態のSSNカード等)
銀行から発行された書類 (Bank Statementやデビットカードが届いた時の郵送物)
契約者に申請者本人の名前と住所が書いてある賃貸契約書 (Leasing Agreement)
社宅の場合は 会社から発行された「会社が所有している物件に申請者が住んでいる事」を証明するレター (会社のレターヘッドが必要)
他にも有効な書類はこちらで確認できます
※ I-94はオンラインで取得して印刷できます
申請方法
日本の免許からの切り替えに限らず、オレゴン州で新しく免許を取得する場合の情報はすべて上のページにまとまっていますので、一読しておく事をお薦めします。
オンラインで仮申請書を提出する
まずは下のページより必要な情報を入力して仮申請書(Pre-Application)を作成します。
Pre-Application 抜粋
Pre-Applicationが完了すると上の画像のような確認書類がPDFが送られてくるので、DMVで提出できるように印刷しておきましょう。
予約を取る (任意)
こちらよりDMV(運転免許センター)の予約を取ることができます。最寄りのDMVでなくても、オレゴン州内のDMVではあればどこでも受付可能です。
ただし、2ヶ月先まで予約が一杯だったりするので、その場合は予約なしでDMVに直接行ってもよいかもしれません。
DMVで免許の書き換え
持ち物
チェックリストで記入した身分証明(パスポートおよびI-94)と居住証明、運転免許書、Pre-Applicationの確認書類、視力矯正器具(メガネやコンタクト/必要な場合) を持ってDMVに行きましょう。
また、担当者が日本との相互制度を知らない場合に備えて、ポートランド領事館が出しているこちらのページや以下のPDFを印刷して持っていくことをお薦めします。
https://www.portland.us.emb-japan.go.jp/files/100414118.pdf
DMVのオフィスで手続き
Google Map等でDMVを調べて向かいましょう。オレゴン州内のDMVであればどこでもOKだと思います。
私が行ったDMVの場合はまず受付があり、そちらで要件を伝えると受付番号が発行される仕組みでした。受付の人に日本の免許を書き換えたい旨を伝えても、「そんな仕組みは無いよ」と言われる可能性もありますが、交渉してまずは受付番号を発行してもらいましょう。この時にPre-Applicationと同じようなフォームに手書きで記入するように求められる場合もあります。
しばらく待つと受付番号を呼ばれますので、呼ばれた番号のカウンターに向かいます。
ここで日本の免許書をオレゴンに書き換えたい旨を伝え、Pre-Applicationの確認ページや確認番号を手渡します。担当者が制度を知らない場合もあるので、その場合は領事館の資料などで説明します。
日本の運転免許の読み方資料はDMV側で持っているようです。もし日本語で読めないと言われた場合には、自分で説明するか資料を探すようにお願いしましょう。
(余談:お隣ワシントン州の場合はシアトルの日本領事館で運転免許の翻訳文書を発行する必要があるので、それが不要な分オレゴン州での手続きはかなり便利です)
二輪免許の書き換えについては、オレゴン州が認める運転免許試験免除国の中で日本が初めてのケースのようです。おそらく担当者は外国免許から二輪免許の書き換えはできないと思っているので、持参した資料等を使って説明しましょう。DMV側の資料にも二輪の書換えに関しての説明はあるようです。
手続きを進めていくと、手元の端末でいくつか質問に答えるよう促されます。例えば「メガネやコンタクトの視力矯正器具を使ってもなお運転に影響があるか」→ 矯正視力に問題がなければ NOと答えるべき や「アルコール、薬物や大麻の影響により日常的に運転に支障があるか」等、基本的にNOと答えることを期待されている質問です。 (質問は変わり得るのでよく読んで答えてください)
視力検査もカウンターで行います。機械を覗き込むよう促されたら機械を覗き込み、額を押し当てると機械の中が光ります。アルファベット表があるので、指定された列を指定された順(左から右等)に読みます。最後に視界の端のオレンジ色のライトが点滅するので、左・右もしくは両方が点滅しているかを答えます。
また、免許書に記載されるサインも端末で署名します。
交付手数料
無事手続きが終われば、交付手数料の支払いです。
私の Read ID, Class C + Motorcycle Endorsement は $ 139、妻の Non-Real ID, Class Cは $60でした。
※ 知り合いの場合 Non-Real ID, Class C + Motorcycle Endorsementで $144だったそうです。私の場合はビザの関係で期限が短い免許証になったのでその関係もあるかもしれません。普通車のみの場合 $60前後、二輪もつけると $140前後になる模様。
支払いには現金(極力お釣りの無いように)、デビットまたはクレジットカード(非接触決済も可)が使えます。AMEXは使えないので注意。
写真撮影
支払いが終わると、写真撮影のブースに案内されるので、名前が呼ばれるまで待ちましょう。
写真撮影はメガネ着用禁止、笑顔はOKです。
無事写真撮影が終わると、暫定の紙の免許書がその場で発行されます!
プラスチックの免許書は10営業日程度で自宅に送られてきます。
こぼれ話
限定免許の取り扱い
アメリカ、少なくともオレゴン州の運転免許にはAT限定免許や、二輪の排気量ごとの制限がありません。そのため書き換えを行うと
普通自動車免許(もしくは上位免許)はAT限定記載ありでも制限のない Class C License に
二輪免許(普通自動二輪・大型自動二輪)はATもしくは小型限定記載ありでも、制限のないMotorcycle Endorsementに
書き換わるようです。
実際に、妻の準中型免許(AT限定)が Class C License、私の準中型免許+普通自動二輪(小型125cc AT限定)はClass C License + Motorcycle Endorsementになりました。ハーレーに乗れますね。日本の免許に書き戻すとどうなるんでしょうか?
SSNが取得できない人
Real IDでの運転免許証の発行にはSSNもしくは、当人がSSNの取得できない事を記した Denial LetterをSSAより発行してもらう必要があります。
一方、従来の Non-Real IDはSSNやDenial Letterは必須要件ではありません。
ズートピアのこのシーン
映画ズートピアのこのシーン、実はDMVのお話なんですね。DMVの手続き時間が長い事をネタにされているようですが、たしかに時間がかかります。余裕を持って1時間以上は掛かると見込んだほうがよいでしょう。
経験談募集
他にもオレゴンで日本の運転免許をオレゴン州の免許に書き換えた方がいらっしゃれば、ぜひ経験談をコメント欄にお寄せください。