アメリカで盲導犬の子犬を育てる話その2:お迎え編
前回までの話はこちら
その後、少し時間が空きましたが、盲導犬の2024/6/28に我が家に生後11週子犬がきました!
子犬の受け入れの様子はショート動画にしました。
今回の記事では受け入れ直後の様子を記録します
受け入れ日
実は受け入れるまでに2回延期がありました。
理由は子犬の体調不良です。(1度は下痢で、2回目は手を怪我しちゃったとのこと)
本当はPuppy truck という車で数匹まとめてくることになりますが、それに出遅れたので2週間遅れて飛行機で来ました。
名付けについて
子犬の名付けは兄弟姉妹同じアルファベットで始まる名前になっており、アサインされる時点でうちはVから始まるイエローラブの女の子だよ!と連絡を受けておりました。我が家ではVから始まる名前をいろいろ考えており、その中でもVanillaとかも可愛いかなーと候補に考えてましたが同時期の協会のSNSの投稿ですでにVanillaがいることがわかり、Viviという名前が次にいいなと考えていました。
受け入れ当日、子犬とワクチン接種記録などの書類を受け取り、不思議なことが起こりました。なんと協会には伝えてないはずのViviの名前がすでに書類に記載されているのです!どうして協会は知ってるんだろう、と思って一緒に来てくれたクラブリーダーの方に聞いたところ、私たちは勘違いしていて名前はブリーダーが決めるんだよ、とのこと。偶然私たちが考えていた名前と同じ名前で名付けされていたようです。(ちなみに一緒のタイミングできたもう1匹のゴールデンレトリーバーの子犬はSunshineって名前だったり、数ヶ月前に同じクラブにアサインされたブラックラブの子犬はPierogiというポーランド餃子の意味の名前だったりするので、当てるのは難易度が高っかったんじゃないかと思ってます。)
初対面のViviは小さくて真っ白でたくさん水を飲んでくれて、とってもいい子。すぐに私たちが呼ぶViviの名前にも慣れてくれました。
我が家に慣れるまで
貨物のケージから降りてからすぐに人懐こく慣れてくれたように見えましたが、私たちの車のケージに乗ると寂しくなってしまったのか悲しい声で鳴いてしまって途中おしっこもしてしまいました。まだ車には慣れてなかった様子です。
夜も私たちの寝室とは別のリビングの子犬のスペース(なぜかYes spaceと呼ぶ)で寝ることになりますが、朝方など1人でいるのが怖いのか悲しそうに鳴くのが3日ほど続きました。悲しい声を聞いていると近くに行ってあげたくなるのですが、慣れてもらうためにカメラで危険な状態でないことを確認しながら落ち着くのを待ちました。(たまにうんちやおしっこをして汚していたりしていたり、自分を落ち着かせるセルフエンターテインするためのおもちゃが外に出てしまってパニックになっていたりしました。)
最初はこの朝鳴きもあったりしてトイレの失敗もたくさんありましたが、トイレマットのおしっこの匂いなどで慣れさせるところから始めて、また、トイレに行きたいそぶりを感じ取ったりして積極的に外に行くようにして、大体1ヶ月くらいでほとんど外でトイレができるようになりました。外でのトイレは"Do Your Business"(以下DYB)というコマンドで駐車場などのコンクリート地面でする、というトレーニングが必要ですが、たまにお散歩中でもコンクリート地面に着いた瞬間におしっこしてしまうことがあるのでまだまだトレーニングが必要です。
トイレやご飯スケジュールは慣れるまで試行錯誤していましたが、Dognoteという記録アプリを使って傾向を調べ、使っていないAndroidスマホをタイマーにして1日のスケジュールを作るようにしたら犬との共同生活としても楽になりました。スケジュールはご飯(1日3回の学校チャイム)、トイレ(5時間おきくらいに鳩時計とDYBタイムと発話させる)、歯磨き(夜にお母さんといっしょの「はみがき上手かな?」)の3種類を毎日鳴らしています。
1ヶ月くらい経って現在生後4ヶ月目のViviは賢くコマンドをいろいろ覚える一方、少し反抗期なところもあり、外にトイレに行く時になかなか動いてくれなかったり、家族以外の人に撫でられたり声をかけられるのに興奮しすぎてしまうのが最近の悩みです。。
Socializationのトレーニング
盲導犬として生活するために、協会からはできるだけいろいろな場所に一緒に行くことを推奨されています。
最初の16週ごろまではワクチン接種が済んでいないので他の犬がいるようなところは歩くのを避けたりしなければならないので行く場所も限られますが、ベビー用のストローラーの下の段を子犬用にして一緒に行けるようにしたり、地域のボランティアコミュニティの集まりなどから行けるような場所を探っていき、徐々にスーパーやレストランやパブ、犬を飼っていない友達のお家のお庭やさくらんぼ狩り、お祭りなどのイベントにも一緒に行ってみました。
今住んでいるアパートは犬を飼っている人も多く、他の犬に吠えられたりするのも大人しく待っていられるようにトレーニングしたり、「撫でてもいい?」と聞いてくれる人にジャケットしている間はサービスドッグのトレーニング中なので少し待ってね、と説明したりしています。オレゴン州ポートランドは特にPet friendlyな雰囲気があって、たくさん声をかけられたりお店の人に説明したりすればお店にも入れる配慮をいただけます("Service animal only"などお店の前に書いてあったりするので事前に調べたりします)。本来はViviの社会化トレーニングのためですが、いろんな人と話すことで私たちの英語のコミュニケーションのトレーニングにもなっているような気がします。
家族がさらに増えるまでの準備
前回のNoteに少し書きましたが受け入れから2ヶ月くらい経つ8月の終わりに我が家の第一子となる赤ちゃんの出産イベントもあります。
出産準備をしながらの子犬の受け入れについては「6月に受け入れをしたら子犬のワクチンも8月の出産時期までには間に合うし、生活習慣も慣れるだろうし、地域のサポートもあるから大丈夫だよ!」と協会に言われており、それならこのスケジュールで子犬の受け入れをしたい、とお願いしていました。
妊娠中の子犬の受け入れとして、まず相談したのはかかりつけの妊婦健診でのリスクの確認でした。婦人科の先生は子犬が来るというと「いいね!お腹を蹴られないようにだけ気をつけていれば大丈夫よ!」ととても明るく受け入れてくれました。(もし猫だったら感染症とか気をつけなければならなかったと思います)
次に、子犬の受け入れ資料を見ながら、生活スケジュール変化をガントチャート引いて、出産・赤ちゃんの受け入れスケジュールと照らして部屋割りや家族の生活スケジュールを考えました。出産少し前までViviはリビング中心に生活をし、徐々に夜は寝室で寝れるように移行させていくこと。(それまでに夜にトイレをしない生活習慣に持っていく必要があります。)産後は赤ちゃんの授乳・夜泣きの対応をリビングで行い、今度は赤ちゃんがリビング中心になるように生活する予定です。赤ちゃんの睡眠の本など読んで、寝室に遮光カーテンをつけたりベビーベットはいずれ寝室とリビングを行き来しやすいようにキャスターつきのものを購入するなどしました。
我が家はフローリングでテレビとソファのエリアだけ絨毯を引いているのですが、Vivi受け入れ直後のおしっこやうんちがなれていない時期は絨毯を片付けて、1ヶ月くらいしてから絨毯を戻しました。産後おむつ替えや授乳で床に座ることも多くなりそうだったのでそれに慣れるためです。Viviは最初1回おしっこをしてしまいましたが、その後は大丈夫そうです。
6月にはアメリカの出産前パーティー"Baby shower"もあり、Viviは当初そのパーティーの前に来る予定でしたので、地域のコミュニティに相談したところPuppy sitterをグループ内で手配しよう、という話になりました。
結果的にViviの到着は延期されたので不要になりましたが、4時間を超える1人でのお留守番の場合は誰かに預けれるように準備をするよう、ボランティアメンバーがいつでも受け入れるよ!と出産時にも心強いサポートだと感じました。
出産前パーティーのBaby showerとは事前にゲストにWish listを送ってBaby用品などプレゼントもらうのですが、その際もらったプレゼントで、Baby用のカメラやお尻拭きワイプはすぐにViviの受け入れの時にも使えて、大変重宝させてもらいました。中古で購入した赤ちゃん用のストローラーや抱っこ紐もワクチン未接種時期に移動するのにとっても便利で、少し噛まれてしまったりしましたが中古で購入しているので気になりません。
最初1ヶ月はトイレに外に出るにも抱っこしていたので、妊婦にちょうどいいスクワット運動になっていたように思います。臨月に入るとお腹も大きくなってきたのと、Viviも13kgを超えてきて抱っこがきつくなってきましたが、ワクチンも済み、Viviも階段を降りれるようになってきたので、Viviのお世話でしゃがむくらいは継続しつつ、あとはたくさん歩くのもViviとの散歩でできているように感じます。
2人目などの出産の妊婦さんは上の子のお世話をしながら妊婦生活をするので体力もあって1人目の出産よりも安産傾向にあると聞いたことがありますが、Viviのお世話が同じような働きをしてくれるといいなと思ってます。
出産まであと少し。子犬と赤ちゃんとの生活はどんなものになるだろうかといまから楽しみです。