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ロンドン回想①夫婦で6ヶ月住む賃貸契約した話

(この記事は2020年11月にイギリスにいたときのことを思い出しながら、妻が書いています)

前回三体を読みながらアメリカ移住をした記事を書きました。

今回は過去編ということで、アメリカ移住前にロンドンに住み始めた話について書きます。
(調子がついてきたら入居編・滞在編・退去編の3部作にしたいと思っています)

イギリスに住むことになった経緯

結婚してしばらくの頃、横浜の三ツ池公園のカフェでお茶をしながら、
自分たちの今後について話す機会がありました。
色々な私たちのやりたいことの中に「アメリカに住んでみたい」というものがあり、2人でどうやったら海外生活ができるかなと話したものでした。
その中には夫婦でワーホリに行った漫画家のさわぐちけいすけさんの話がでたりして、アメリカだけでなくとも他の国でも生活をしてみるイメージが浮かんだのでした。

月日は流れ、アメリカに住みたいと思う一方で英語のスキル不足を感じていた妻の私はイギリスワーホリで英語修行に行くことに。
途中、アメリカ企業に転職した夫はアメリカで働くビザの準備ができるまでアメリカでの就業時間と無理のないタイムゾーンの国を転々とノマドする生活をしており、その間の滞在地としてイギリスにも6ヶ月滞在することとなりました。

最初に住んだところはこんな感じの団地が多かった

イギリスで家探しをする

夫が11月に来ることが決まり、先にイギリスで学校に行ったり仕事を始めた私が現地で家探しをしました。そのころ、妻の私は日本人とのルームシェアで共同生活をしており、夫はAirbnbなどでアメリカに滞在していました。

妻「いまキッチンやバスルームがプライベートに使えるような物件で、通勤に問題なさそうなところで探しているんだけど、なにか条件ある?」
夫「うーん、食洗機とディスポーザーと洗濯乾燥機があったほうがいいかな〜」
いやいや!そんな物件ないよ!!

その時は信じられなかったんですがアメリカでは食洗機大体ついているんですね。。
夫の期待値を下げつつ、物件アプリで物件を探し、連絡しまくる日々を1ヶ月くらいしました。
最初はいくつか内見にもいきましたが、日程調整が直前に決まるので予定が立てにくく、基本的にビデオチャットでしていくように作戦変更しました。
(余裕があったら内見で決めたかったのですが、そうもいってられないくらい最後スケジュールに追い詰められた。)
なぜこんなに大変だったかというと、我々の条件がわるかったのです。
・短期滞在過ぎた
 夫はビザなし6ヶ月滞在だったので、Minimum rent 6ヶ月以下のShort stayの物件を探さないといけなかった。
・収入証明が難しかった
 私はワーホリの給料で、夫と合算で証明が必要だった。
・物件が少ない
 大体我々のような20代の移住者が住んでいるのは複数人で住むFlat shareで、プライベートの空間が取れるような間取りのところ(Studioなど)はそもそも少なく、賃料も高めになってしまうのです。
とはいえ、6ヶ月の生活をする場所なので何が何でも探す勢いで片っ端から連絡し、さまざまなAgentと出会い、物件選ぶことができました。

候補となった家

①ベッドが収納できるワンルーム

線路から近いエリアのワンルームのアパートでしたが、
ワンルームホテルのようにダブルベッドを壁に収納すると机がでるようなつくりでした。
夫の仕事は時差があって夜中に仕事をするため断念。。

②壁に共用部が見える穴が空いてる家

ここは立地も良くて、歩いて大きめの駅やスーパーに行けたり、
住宅街の雰囲気も良かったので家に入るまで期待大だったのですが、
内装が古くて前の方の生活の痕跡がやけに残っていたので少しゾッと。
しょうがない範囲ではありますが、水圧が低くかったのと、
それでも、穴が空いているのはちょっと流石に、、と思い残念ながら断念しました。

③古いけどここなら..!と思えた家

②の家の隣の駅で、条件が合致している物件を見つけることができました。
そちらの駅の方が本数が少ない小さな駅なので賃料も安くなるようです。
よし、ここで内見して今度こそ決めるぞ..!と意気込み、ビデオ内見の予約をしました。

ビデオ内見で家を決める

私が初めてロンドンで住んだ家は日本からビデオ内見して決めた家だったのですが、今回は英語で内見をしています。
見せてもらいたいものの指示や水圧とかのチェック、入居前に設備してもらう家具の確認、ゴミ出しのルールなど聞きたいことをあらかじめメモして臨みました。
ドキドキの内見の時間、Facetimeで繋ぎ、初対面のAgentと対面です!
ところが、内見が進むにつれて私はある違和感に。。
なんと、③の部屋の内見なのにすでに現地で見ている②の部屋を案内されているのです。(違うAgentなのに偶然のミス!)
Agentは慣れた様子で案内して、私は一度聞いた説明をもう一度聞いて、
やっぱり同じ物件だよなあと確信に変わり、切り出しました。

妻「この物件は問い合わせた物件ではないようなのですが..」
Agent「君たち6ヶ月なんでしょう?もっと別のも紹介したいけれどもっと長い契約期間が必要なんだ」
いやいや、問い合わせの時にレントタームも確認しているのでそんなわけありません。

妻「そうじゃなくて、私が問い合わせた物件はこのAA駅の物件ではなくて、隣のBB駅の物件だって書いてましたよ。いまリンク送りますから場所が違うこと確認してみてください!」
Agent「え?そうなの?ちょっと確認してみるからまた連絡するわ」
電話を切って数分後、SMSでAgentから
Agent「この物件はまだ空いてて明日⚫︎時から内見できるよ」と連絡が来ました。
そんな対応にもやりましたが、もう頼れる人はこの人しかいません。秒で了承の返信をしました。

次の日、昨日と同じくFacetimeを繋ぐと、
Agent「鍵間違えちゃったから遅れるね」と連絡があるなどしましたが、
なんとかビデオチャットも始まり、物件状況も問題なさそう、ということがわかりました。
よし!ここなら住めるかもしれない..!と思い希望を抱きましたが、
家賃という大きな出費を現地見ずに決めるのも気が引け、
その時たまたまBB駅近所に住む同じくワーホリ仲間の友人とミュージカルに行く予定があったので、ミュージカルの前に彼女を迎えに行きがてら物件をみることにしました。

当時駅の近くに住んで近くのお店で仕事をしていた友人Tちゃんと歩き、
思ったより駅から近いぞ?とか、バス停目の前だったのか!とか、
最終的な決め手はTちゃんが引っ越してその近辺に住むと聞いて、
もうここに決めない理由はありませんでした笑

家からバス停が目の前に見える近さでした

ついにFlat契約・最初の住居の退去へ

Agentに正式に契約を進めることを伝え、契約手続きへ。
契約には収入審査も必要だったので、バンクステートメントやそれぞれの会社の上司に在籍証明の書類を依頼したり、署名を依頼したりしました。
当時住んでいた家には退去の連絡をして、次の人の募集の手伝いをしました。私が入居した時のようにMixBという日本人掲示板で募集をするつもりで準備していたのですが、Twitterで家の近くの写真をあげたらそれだけでたくさん応募が来てしまい、合計6名が内見して次の人にお渡しすることができました。
内見の時期が10月末でハロウィーンだったこともあって、イベント盛りだくさんで、、時間なさすぎてその後行くハロウィンパーティーの格好で内見を案内したり、11月最初の日曜がサマータイムであることを忘れてて日本からのオンライン内見の時間をセットして時間を間違えたりなどありました。

余談ですが、サマータイムの切り替わりはナイトクラブでのハロウィンパーティーで過ごしたのですが午前3時解散かと思ったら1時間延びるので「え、お得じゃん。。」などと眠い頭で思ってました。ロンドンは夜中でもナイトバスで帰れるのでなんとかなります。

ホラー映画みたいだと思った入居日

退去が決まり、その頃ハロウィーンもあって公開が始まったロンドン舞台のホラー映画の「Last night in Soho」をフラットメイトと見にいきました。
この映画はロンドンにデザイナーの夢を持って上京した女の子がロンドンのキラキラした世界やディープなカルチャーに呑まれながら、60年代ロンドンの夢を見てホラーな体験をしていく映画なのですが、
住んでいてすごく共感できる部分が多くて、また、物件探しは大変だ..という気持ちもあって、数日映画に気持ちを持っていかれてました笑

入居日は仕事のある時期だったので本格的な引っ越しは後日として、
仕事終わりに不動産屋に鍵を受け取りにいって鍵の確認だけするような日にしておりました。
11月の仕事終わりでだいぶ暗かったのですが、共用部の入口と廊下が真っ暗で非常灯だけが途切れながら緑についていて、、めちゃくちゃ怖かったのを覚えています。
家に入るのも初めてなので、本当にここに住むのか。。!?とビビりながら家に入り、逃げるように家を出ました。
翌日は私の仕事中に夫が到着なので、鍵をTちゃんに渡し、次の日Tちゃんの働いている店で受け渡しをすることとなってました。
あの晩ホラー映画のせいでめちゃくちゃ怖い気持ちだったのでTちゃんに会えたことで一旦気持ちが落ち着きました。。感謝しかない。。

ガイ・フォークスデーでの再会

すいません 花火の音がうるさくて
なんでも国会議事堂の爆破事件が未遂に終わったことを記念したお祭りだとか
いや 400年以上も昔の話ですよ

NANA16巻より倉田のセリフより抜粋

昔読んでいたNANAにこんなセリフがあったんですが、
10月くらいから花火が鳴っていて、近所友人にテレビを運びに行った帰りに
「国会議事堂爆破テロが基になってる行事らしいですよ」と言われて記憶が蘇りました。
後にシンちゃんが英会話のアクセントで発見するイギリスの重要な伏線になっていたシーンだったのだと、この時初めて気づきました。

イギリスでは今でも毎年11月5日にガイ・フォークスデーとして花火がいたるところで打ち鳴らされます。
偶然ではありますが、私たちの数ヶ月ぶりの再会の日はこの日となり、
無事一緒に家に帰ることができました。

夫視点でのガイ・フォークスデー

ヒースロー空港に到着した夫はその日、滞在用の荷物を持って最寄駅へ。
初対面のTちゃんが働いているアジアンスーパーで鍵を受け取り、
初めてのロンドンの住居に足を踏み入れることに。
時差ぼけもさることながら、その日うちに布団を準備しないと家で寝ることができません。
イギリスのFlatは基本的な家具は貸主が用意するので、ベッドはありましたが、布団やリネンは各自用意する必要があります。
一旦荷物を入れた後、もう一度出かけ、しまむらのような激安ファッションブランドPrimarkで布団を買ったり、激安スーパーTESCOで細かなものを買ったりなどして、大きな荷物を抱えてイギリスのダブルデッカーバスで帰ってきました。
妻が最寄の駅に着いたのはその買い物帰り。枕などが入った大きな荷物を持って、ようやく再会ができました。

入居したFlatのご近所さんについて

夫と入居したフラットのある地域はこんな感じの家が多かった

無事に入居もできた家についてご説明します。
最初に住んだところは団地が多いエリアでしたが、
今回すむことになったエリアはイギリスに古くからあるような一戸建てを複数人数で入居できるようにした住居で、日本のアパートでいうところの内廊下付きの少人数向けアパート、みたいな感じです。
部屋によって大きさはまちまちで、居住者はこんな構成でした。
まず1階に4部屋
-  犬を飼ってる男性(わんちゃんがかわいい)
-  30代くらいの独身女性(後述するやばい人)
-  中年くらいの女性(親切)
-  裏庭側に住む老夫婦(おしゃべりが好き)
階段の折り返しの中2階に1部屋
- お子さんと住んでる家族(よくお子さんと散歩してる)
我々が住む2階に3部屋
- 私たち
- 40代くらいの女性(フレンドリー)
- そしてお孫さんをよく家で預かっているおばあちゃん(超フレンドリー)
と、このようなメンバーで住んでいました。

日本人は私たちだけですが、おそらく全員イギリス人ではなくて、中東だったりヨーロッパだったり、さまざまなところから来ている人で構成されていたと思います。
入居した方全員にすぐに挨拶に回ったわけではありませんが、
入居してすぐの頃、夜中に火災報知器が鳴って全員が玄関に出ることがあって顔を合わせることになったのでした。
実は1階に住む30代くらいの独身女性はこの家のトラブルメーカーで、この火災報知器事件もこの人が酔っ払って鳴らしてしまったみたいです。
みんなが玄関にでてきたとき、「ドライバーがいる!」と言って彼女は包丁を持って出てきて、火災報知器のパネル装置を包丁で無理やりこじ開けようとしていました。(怖すぎる。。)
それが配電盤とかのパネルだったので、夫が「それじゃないからやめて!危ないよ!」と止めて、女性を落ち着かせて部屋に戻し、老夫婦のおばあちゃんがその間に火災報知器の解除のボタンを押して事態は収束しました。
その時、住人の方に「あの人はいつも酔っ払ってこうなのよ」と言われ、
このトラブルメーカーの女性がやばい人だということがわかったのでした。
(ここまで書いておいて申し訳ないのですが、妻はこの事件のとき爆睡してました。こんな怖い現場を夫1人にいかせてまじでごめん。。)

次回、このフラットでの生活についてを書いていきます。
お楽しみに。


>続きの話はこちら


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