アンパウパーをやらないか?
最後に有料部分がありますが、中身はありません。投げ銭したい方のみどうぞ。
アンパウパーって?
アンパウパーとは!エニィ・ターゲット(twitter @AY_TT_Vt)さんが発案したMTGAでアンコモンで収録されているカードのみを使用できるフォーマットである!!
使用可能なのはアリーナのどこかでアンコモンで収録されているカード。
(例:強迫は基本セット等ではコモンだがミスティカルアーカイブでアンコモンなため使用可能。)
禁止カードは以下の通り。
・夏の帳
・荒野の再生
・広がりゆく海
・ミシュラのガラクタ(ここまでヒストリック禁止アンコモン)
・解体爆破場
・廃墟の地
・幽霊街
・不安定な断層
・砦への門
・シータワー地区への門
・タンブルタウン地区への門
・ブラックドラゴンへの門
・マナーボーン地区への門
土地破壊のできる土地と、バルターズゲートの門サイクルが禁止になっている。
この門サイクルは基本土地タイプがついているため、イニストラードを覆う影のシャドウランドの関係上色の組み合わせによる格差が起こさないために禁止されている。(シャドウランドもアリーナではアンコモン)
なぜこれほどまでに追加で土地が縛られているかというと、
レギュレーション上、基本土地が禁止されているからである。
他のフォーマットでなかなか類を見ないこの禁止こそがアンパウパーの辛いところであり、醍醐味でもある。
アンパウパー基本の「き」
ではこのフォーマットを知るためにまずは赤単を組んでみよう。
土地がタップイン祭りである。
ヒストリックのアンコモンなだけあって火力や生物の質はスタンダードやパイオニアと比較してもそう遜色ないが、この入っている五種類の土地のうちアンタップインするものはラトナプの遺跡たった一種類。速度勝負の赤単でこれは致命的だ。
砂漠で色マナを出すために1点ダメージを受けながらもアンタップインであることに感謝の涙を流すことができる。
このようにアンパウパーとは相手とではなく自分の土地基盤との戦いなのである。
しかし基本土地が全くないというわけではない。《竹林の神》や《ノーンのフェッチリング》のような基本土地を創出するカードがあるためである。
これらに加えて先ほど紹介したシャドウランドを使えばタップイン祭りで苦しんでいる相手を横目に快適な土地ライフを送ることができる。
どれだけスムーズに動けるか。それを考えるのがアンパウパーにおけるデッキ構築の第一歩だ。
大会
デッキ作成
使用したデッキはこちら。青緑マーフォークである。
まず部族デッキは《手つかずの領土》と《閑静な中庭》という二種類のアンタップインランドを使用することができるため、下馬評ではトップメタとされていた。当日も吸血鬼、エレメンタル、天使など様々な部族がいた。やはり土地との戦いである。
他の部族と比較してマーフォークが優れているのは《海辺の斥候》を採用できる点だ。
MTGアリーナ専用カード
Shoreline Scout / 海辺の斥候(青)
クリーチャー — マーフォーク(Merfolk)・スカウト(Scout)
海辺の斥候が戦場に出たとき、あなたはあなたの手札にありマーフォーク(Merfolk)か土地であるカード1枚を追放してもよい。そうしたなら、あなたの手札に《熱帯の島/Tropical Island》のカード1枚を創出する。
このターンにこれでないマーフォークや島(Island)があなたのコントロール下で戦場に出たことがあるかぎり、海辺の斥候は+1/+0の修整を受ける。
1/1
基本土地もレアも禁止だと言われているのになぜかトロピを使ってよいらしい。なんで??
さらにクリーチャーデッキなため《古代の聖塔》が採用できることや嬉しいことに古いマーフォークは多くがウィザードであったため《ベースキャンプ》も無理なく採用できた。(《ベースキャンプ》はもともとタップイン土地だが、再調整によって現在のヒストリックではアンタップインするようになっている。)
《アトランティスの王》や《真珠三叉矛の達人》は使用できないが、青緑であればロードの数は十分だ。
個人的な話だが昔ヒストリックでマーフォークを使って遊んでいた経験が活きて少し嬉しかった。
これほどのマナサポートがあるおかげで当日色に困ることはほとんどなかった。多色デッキの方が単色デッキより土地基盤がしっかりしているのはなんでなんだぜ?
また、さらに予想外の追い風があった。
もともとこの大会は10月に行われる予定だったが、アリーナのマッチングバグの影響で1月に延期になった。そのおかげで「イクサラン」「アルケミーイクサラン」「タルキール覇王譚」のカードが使用可能になり、カードプールが増えた。特にマーフォークの多いイクサラン次元のおかげでマーフォークが増えたのだ。
優秀な1マナ域である《陥没穴の偵察》も嬉しい1枚だったが、特に強力なものは《マーフォークのトンネル案内》で、すでに完璧に近かったマナ基盤を更に強固なものにしたうえにドローの質を高め、疑似的なロードでもある究極生物だ。
そして《古代の聖塔》、《ベースキャンプ》が存在するため、《反社反射魔道士》が無理なく入った。
そして当日
R1呪禁オーラ〇〇
R2ハンマータイム〇〇
R3エレメンタル〇〇
全て事故を起こすことなく一本も落とさず3-0できた。
環境
ただ、これだけ読んでもすぐに新しいフォーマットをやろう!とはならないと思われるので今回の大会で見られたデッキからいくつか紹介しよう。
デッキレシピは大会で使用されたものから少し手を加えてある。リストは画像のALT欄からコピーもできるはずだ。
デッキ1 マーフォーク
大会のリストでは非生物のダブルシンボルが出にくいという反省があったことと、たまたま当たらなかったがエンチャントやアーティファクトを使用したデッキ(下で紹介するデッキや魂込めを使用したデッキなど)が多かったためサイドボードに対策を追加した。《反射魔道士》は名誉マーフォークだ。部族土地の指定もたまにマーフォーク以外の方がよいかもしれない。
デッキ2 ハンマータイム
モダンのハンマータイムがアリーナのアンコモンだけで再現できちまうんだ!
ハンマータイム特有の引きムラをサーチや抽出により安定化させている。ヒストリックのカードが使えるアンパウパーならではだ。
デッキ3 ザンダー動物園
何がしたいリストなのか、なぜこれほどにピン刺しが多いのか、初見では理解できないだろう。
このデッキは《動物園の管理者》と《ザンダーの目覚め》を駆使し、リソース勝負をするデッキなのだ。
こんなデッキ、どうやったら思いつくのだろうか……。
デッキの中のカードの種類だけでなく、ザンダーの目覚めの呪文書の中身も記憶する必要があるので最初に試すのにはおすすめしない。しかしこのデッキも今大会で3-0しており、デッキの地力は確かだ。
デッキ4 エレメンタル
部族デッキから二つ目の紹介。エレメンタルだ。オムナスはいないが、《発現する浅瀬》と《ゼンディカーの乱動》による半無限コンボが搭載されているほか、《洞窟探検》により《発現する浅瀬》でめくれた土地がアンタップインするようにもなっている。
終わりに
いかがだっただろうか。他にも様々なデッキが活躍していたので気になった方はエニィさんのアーカイブを見てみてほしい。
また、今後も開催されるそうなのでよければ次回参加してみてはいかがだろうか。
アンパウパーの魅力のすべてをお伝えできたかは分からないが今回はここで筆を置こうと思う。もし質問等あればtwitter @aquaharuka_game まで気軽に聞きに来てほしい。
では、また。
蛇足というか今回のオチ
そういえば大会時点では知らなかったがミドルインカムというフォーマットがあるらしい。
ミドルインカムもアンコモン限定構築ではあるが、使えるカードはスタンダードのもののみらしく、昔のカードが使えるだけでなく創出や抽出、再調整などアリーナでしか存在しないカードが使えるという点でアンパウパーはミドルインカムと住み分けが出来ているのではないだろうか。
アリーナ版ミドルインカムと説明すれば分かりやすかったのかもしれないと反省しているところだ。(ミドルインカムというフォーマットの知名度はさておき)
パウパー(貧しい人という意味)とスタンダードの中間でミドルインカム(中所得者)というのはなかなか洒落た名前だと思う。
……ところで
先ほどからデッキリストのカードで未所持のものが多いのにお気づきだろうか。
タイムレスとアンパウパーをやりすぎてパウパーになってしまった僕を誰か助けてくれないか?
ここから先は
¥ 300
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?