Vol.3 提携出版社との初回打合せ①~どんな本にしたいか~
メールをいただいた企画担当の方との打合せでは、「一次選考でこの作品を読ませてもらい、最後まで残っているといいな、と思っていたら受賞されていたので、よかった、と思ってたんです」と言われました。
「実は私の母も似たような体験をしていて、他にも同じような体験をした方がいるんだなって思って…。私の母の場合、夜中に親に連れ出されて暗い夜道を歩いている時に、親から一緒に死のうって言われて『嫌だよ、死ぬならひとりで死んでよ』って言ったそうで…。そこで祖母がハッとして思いとどまったってことで、こんなに美しい話じゃないんですけどね」と。
状況は異なるものの、「自分は死にたくない」という子どもの思いは共通だよな、と私もその話には共感を覚えました。
そう、親と子は別個の人間。子どもには子どもの気持ちがある。訴えたかったのはそこだったからです。
そして、絵本にするならどんな大きさでどういう装丁にしたいかを聞かれ、どちらかと言うと大人に読んでもらいたい絵本、ということもあり、本棚に収まりやすいA5サイズがよいだろう、といった話にまとまりました。
そして、誰か絵を描いてくれる人はいるか、と。結局、そこはこちらで探さねばならないということなのか、と、正直、この時点でかなりがっかりしました。
「先日のアンケートにも書いたが、ストーリー部門で募集するならば、『受賞した場合、こういった方が絵をつけてくれる』というところまで提示してもらえると良いと思うのだが」といった話をすると、「そういったご意見については今後の参考にさせていただきます」と。
とりあえず、今回、絵をつけてくれそうな方については、思い当たる人が何人かいるのでちょっとあたってみる、とのことで、その点については一旦、棚上げということになりました。
そして、先方からは、絵本出版賞が提携する出版社の各レーベルと、出版部数、費用概算についてのざっくりとした話が、ここでやっとありました。