目指すは、徹底的に“エコな出版”
私がかねてから思ってきたこと。それは「出版って、全くもってエコじゃないよな」ということでした。
出版社が編集し、印刷会社が印刷。そして取次が間に入って書店に納品。売れなかった本、破損した本は返品され、その運搬費もかかる。そして売れなければ倉庫に保管する費用もかかってくる。本当に日本の出版システムってムダが多いよな、もっとなんとかならんのかね、と思っていたので、みらいパブリッシング社での打合せでも、「そもそもそういう返送にかかる費用等ももったいないと思うので、できるだけ無駄のない部数を刷りたい」という話をしていました。みらいパブリッシング社の担当者からは「こちらの返品費用のことまで考慮していただいて、ありがとうございます」と言われましたが、そもそも、売れなければ刷った本自体が無駄紙になってしまうので、“紙代の高騰”といった話をされる前から、私自身は真剣になるべく無駄のない部数を刷りたいと思っていたのです。
一度にたくさん印刷した方が、1冊あたりの単価が下がってに安上りなのはわかります。でも、どれだけ売れるかどうかわからない本をたくさん刷って、売れなければ結局、多くの無駄が出ることになります。
みらいパブリッシング社でひとつだけ素晴らしい試みだと思ったのが、「絵本を作る際に裁断して無駄になる端っこの部分を利用して、栞などにして販促グッズ等に利用している」という話でした。
捨てる部分の紙を活用しようという発想は素晴らしい、と大いに賛同し、「自分の本を刷る時も是非」という話をしたところ、「やるかやらないかはデザイナーさん次第」で、「デザイナーさんがやりたいとなった時にやる感じなので、絶対できるかどうかはわからない」と言われてしまい……。
こっちがお金を出すのに、部数も方針も「向こうの判断」で決まるというのは、なんか納得いかない、という決断の後押しにもなった一件でしたが、できるだけ「エコな出版」というのはこの時から頭にありました。
そして、調べる中で見つけたのが「絵本出版工房」を主催する三恵社さん。私がそもそも考えていた「印刷会社」が母体の出版社であり、絵本出版のノウハウもある。なんと、定期的に「無料出版キャンペーン」も行っているということで、とりあえず、作品のコンセプトとページ数等、伝えた上で見積り依頼の連絡をしたところ、すぐに返信をいただき、一度、直接会ってお話しをしましょう、という流れになりました。
そしてこれが、私の求める「エコな出版」を具体化していく第一歩となりました。
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