より“エコ”に絵本を作る方法
絵本の作りにも何通りかありますが、大きく分けると、全ページが厚紙でできているハードタイプの本、表紙だけが固い作りで、中は普通の紙のタイプにまずは二分できます。前者は小さい子向けの本に多く、背表紙のところで糊付けする方式です。後者は、中綴じと言って、真ん中のページのところで綴じて作るのが一般的です。
私の本の場合、大人向けのエッセイ絵本のような感じなので、作りとしては後者で、あとはページ数、紙の種類や厚さ、カバーをつけるかつけないか等で、費用が変わってきます。ページが少なければ使用する紙も少ないので、費用はその分、安くなるし、カバーもない方が安くなります。
「それに、絵本というのはカラーが多くなるので、どうしてもモノクロ印刷よりも費用が高くなってしまうんですよね」
三恵社の担当さんが言うその言葉はもっともで、カラーページというのは非常に高くつく、というのは、私もこれまでの経験上、理解していました。二色刷り位までに留めれば割と安くできるけれど、フルカラー印刷はべらぼうに高い。でも、絵本である以上、フルカラー以外の選択肢はありません。
「でも、ページ作りを工夫することで、コストダウンを図ることはできるんですよ」と言って、担当さんにサンプルとして見せられた過去の作品は、見開きの左ページに文、右ページに絵、というシンプルな構成でした。そしてページをめくっていくと、真ん中のページから後半部分は、逆に左ページが絵、右ページが文、という風に、ページ構成が反転しています。
「これ、どういうことかと言うと、印刷する時にカラーページとモノクロページを分けることで、インクの無駄を減らすことができるってことなんです。モノクロとカラーが同じページに混ざっていた場合、そのページはカラー印刷の扱いになってしまう。でも、モノクロだけのページを作ってモノクロはモノクロ、カラーはカラーとまとめて印刷すれば、黒一色で刷れるページが増えるので、その分、安くできるんですね」
私も一瞬ではすべてを理解できなかったのですが、つまり、例えば40ページの本を中綴じで作る場合、実際に刷る際は1ページ目と40ページ目が1枚の紙に印刷されることになる。同じく、2ページ目と39ページ目、3ページ目と38ページ目が同じ紙の上に印刷される。すなわち、上記の本で言えば、1ページ&40ページの用紙はモノクロ、2ページ&39ページはカラーとして1枚の紙上でまとめることができるので、全体の半分のページは一色刷りで刷れることになる訳です。
私は元々、片ページに絵、もう片方のページに文、見せ場のシーンだけ見開きカラーというイメージで考えていたので、ページ割りを工夫すればこの方式でいけそうでした。「あと、印刷時は4ページ分を1枚の紙として刷るので、総ページ数は4の倍数にしてもらわないとならない」とのことで、まずは36ページにするのか、40ページにするのかを決め、ページ割を考えないとならない、ということで、文章についても多少、リライトして調節を図ることにしました。
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