『落下の解剖学』 ~落下したのは、、、~
フランスの静かな山あいに建つ山荘
ある日そこから男が転落して死亡する
なぜ、どうやってこの家の窓から落ちたのか
映画はこの男の落下の背景を探る物語である
落下した男、サミュエルは夫であり父
そして第一発見者は視覚障害のある息子ダニエル
転落は事件の可能性もあるとされ妻、サンドラに疑いの目がむけられる
真相を究明する裁判でつまびらかにされていくのはふたりの関係
ときめきと尊敬に満ちていた出会い、結婚
作家として成功するサンドラ、仕事にいきづまり家事中心の生活を鬱々と
過ごすようになるサミュエル
やがて起こるダニエルの事故
強い負い目を感じ夫婦生活も送れなくなるサミュエル
浮気にはしり、身体の関係だけと言いきるサンドラ
気まずさを上回る険悪な日々
すべてを一新するためのフランスへの引っ越し
そこで起きた「落下」
違う母語(ドイツ語、フランス語)を持つ結婚のストレス
妻のベストセラーのアイディアが夫のものだったことも明らかになるなか
サンドラはいう
結婚は「chaos」と
カメラは一転、傍聴席にいた人たちを写す
そこにあるのは諦観したような顔、顔、顔
誰ひとり驚かない、責める気配も反論の表情もみられない
ここではっきり気づいた
『落下の解剖学』(原題:Anatomie d’une chute)
落下=chuteしたのは(ふたりの)結婚、だったと
サンドラはひとり、
chuteしないでchaosを抜けでたのか
結婚って大義、とじわった ☆☆☆+
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