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ビリヤードと出会い

イケちゃんの愛人となった私は、カラオケのバイトを辞めた。
イケちゃんが毎月の支払いの30%程度を援助してくれた。
月に3~4回、ホテルや海近くの公園の駐車場などで身体を重ねた。
イケちゃんは、海空先生のSEXと似ていて心も身体も癒された。

残暑が酷しい9月、派遣社員として勤務している会社のおじさま達と居酒屋で飲み会をしていたら、イケちゃんからの着信。
「昨日も会ったのに、どうしたの?」
おじさま達は、彼氏からかぁ~?とニヤニヤ。
慌てて居酒屋の外に出た私。
「今日って、これからヒマ?
 会社の人と飲んでるの?」
「お酒は飲んでないから、車でそっちに行けるよ」
「無理ならいいんだけどさ、
 ビリヤードのメンバーが足りなくてさぁ、
 一緒に遊ばない?」
「ビリヤードなんてやったことないよ!
 イケちゃんが教えてくれるなら、行くよ!」
「おぉ、教えてやるよ!
 じゃあ21時に、会社近くの●●公園のとこに来てよ」
「わかった~」

電話を切って店内に戻ると、おじさま達がデートか?って笑ってる。
友だちにビリヤードを教えてもらうんですよ~って、にこやかに答える。
だってイケちゃんは彼氏じゃなく、“セフレ”というか“パトロン”的な人だもの。

この頃は、私的な飲み会も会社の経費が使えた時代。
私はいつもタダ呑み(ノンアルコール)で、ご馳走になっていました。
おじさま達にお礼を言って、私は待ち合わせ場所へ愛車を走らせました。

公園横に路駐していると、私の愛車とナンバーが近い車が前に停まり、その車からイケちゃんが降りてきた。
そして、いつものように助手席に乗ってきて、前の車に着いていくように言われる。
私は素直に追走していく。
5分ほどでビリヤード場の駐車場に着いた。
前の車からは、背の小さい人と、もう1人は野球部のメンバーが降りてきた。
イケちゃんが私を紹介してくれて、即席のクジでペアを決めた。
イケちゃんがビリヤードを教えてくれる約束だったはずなのに、私は背の低い方とペアになってしまった。
特に会話もなく、ルールや打ち方を教えてもらうだけ。
ハッキリ言って、つまらなかった。
1時間半ほど遊んで、お開きになった。

いつものように私がイケちゃんを実家に送っていくことになった。
でも、約束が違ったと私が不貞腐れていたので、イケちゃんと2人でファミレスにスイーツを食べに行った。
その後、イケちゃんが私の愛車を運転して夜の海へ。
「そんなに俺とビリヤードやりたかったの?」
「だって、教えてくれるって言ってたのにさ…」
「センパイ、教え方ダメだった?
 てか、あの人と付き合ってみない?」
「暗そうで、なんか嫌だなぁ~」
「センパイ、仕事に対して真面目だけど、
 女の経験が少ないんだよねぇ~
 空気を読むのも苦手だしさ~
 でも、ホントに悪いヤツじゃないから
 センパイと付き合ってみない?」
「あの人と付き合っても、
 イケちゃんとはこのままだよね?」
「そうだよ~
 稀琳がセンパイと結婚しても、今のまま。
 万が一、俺の子を妊娠してもバレないよ。
 センパイと俺、血液型が一緒だから!」

笑いながらVサインするイケちゃん。
「ナニそれ~」
と大笑いする私。
そんな私を抱きしめてキスしてくれる。
海空先生と同じように、優しく舌を絡みあわせてとろけてしまいそうなキス。
そのまま愛車の中でSEXして、イケちゃんを実家に送ってから帰宅したのでした。

これは1999年9月のエピソード。
ここから半年くらいビリヤードにハマったのでした。

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