会いたい
4月になり、あの“海の見える高校”に入学した。
点滴のおかげで大事に至ることもなく、私は元気に登校していた。
ただ、どうしても入りたいと言っていた部活には、体力的に問題があると思い、音楽の先生に相談し『合唱同好会』を作ることになった。
この高校は、海空先生のお気に入りの場所の近くだった。
近くと言っても、歩いて15分くらいかかる。
放課後、まだ明るい時間にその場所まで行ってみた。
ファーストキスを思い出して、涙がこぼれてしまった。
海空先生に最後に会ってから、もうすぐ3か月経とうとしていた。
やっぱり、海空先生のことを諦められない、忘れられない私は、謝罪と高校合格について手紙を書くことにした。
会ってもらえないことを覚悟しつつ、会いたいという事も書いた。
海空先生へ
先生に会えなくなって、もう3ヶ月が経ちますね。
元気にしてますか?
以前のことを謝りたいし、第1志望の高校に合格したことを
お伝えしたいので、先生にお会いしたいです。
実は3月末に塾へ行って、直接お話ししたかったのですが、
私が体調を崩して行くことが出来ませんでした。
4月25日に▲▲駅の海側ロータリーで
13:30に待っています。
勝手に日時を決めてごめんなさい。
来てくれるまで待っているつもりです。
稀琳
これは1993年4月上旬~中旬のエピソードです。
以前、先天性心疾患があることを伝えたことがあったので、体調を崩したことについては詳細を書きませんでした。
海空先生に心配をかけたくなかったので。
ちなみに私の心臓は、発熱と齲歯だけ気を付ければ、運動も健常者と同じようにできるので、幼い頃から1年ごとの経過観察以外は受診の必要がありませんでした。
まぁ、高熱が出たら点滴だし、抜歯するときは抗生剤の予防投与が必要だし、齲歯も気を付けなきゃだったけど。
ちなみに子どもたちを出産する時も、抗生剤の点滴に繋がれてました。
現在も、本来なら経過観察を継続してもらわないといけないのです、紹介先のクリニックの院長が最低な医師だったので、既に5年以上診察してもらっていません。
そろそろ成人の先天心疾患を専門に診てくれる病院を受診しようと考えています。
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