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成長 ~大人になる~

さすがに15歳の私、こんなホテルに来て大丈夫なのかと、不安とドキドキの中、海空先生に手を繋がれて部屋へ向かった。
部屋に入ってドアを閉めると同時に抱きしめられた。
私は、ものすごく幸せだった。

「稀琳、先にシャワーを浴びておいで」
海空先生に手を引かれてバスルームへ向かう。
「海空先生も一緒に入ろうよ~」
と無邪気っぽく言う私に、ちょっと照れたように
「稀琳の身体をあとでゆっくり見たいから、先に入ってきて」
って、優しく答える海空先生。

シャワーを浴びてバスタオルに包まり、部屋に戻った私。
海空先生は微笑みながら抱きしめてくれた。
「俺も急いで浴びてくるからね!」
と、キスをしてバスルームへ消えて行った。
私は、ドキドキが止まらない。
ベッドの端に座って、海空先生が戻ってくるのを待った。

5分くらいで部屋に戻ってきた海空先生。
座っている私に「こっちへおいで」と言ってベッドへ誘う。
すごく優しく、でも濃厚なキス。
バスタオルから露わになった私の胸に触れながら
「手術になったら、この辺に傷が出来ちゃうのか・・・
 こんな可愛い、キレイな身体なのに辛いよな。
 手術になんてならないといいけどな」

と言いながら愛撫してくれた。

ティーン雑誌の読者投稿を読んで、頭の中で勝手に抱いてイメージとは違っていた。
大好きな海空先生の腕の中は、とても心地よかった。

「痛くないようにするから、力を抜くんだよ」
海空先生は優しく、耳元で囁く。
「ウン」としか答えられない私。
でも、かなり力が入っていたようで、海空先生の右手の人差し指を私の口元へ持ってきて、
「俺の指を咥えてごらん、力が抜けるから」
言われたとおりに人差し指を咥える。
そしてやっと、繋がることが出来た。
私が“少女”から“女”になった瞬間だった。
「もっと声を出してもいいんだよ」
海空先生に言われるが、なぜか声の出し方を忘れてしまったかと思うほど、声を出せず、首を横に振るばかりの私。
海空先生にしがみついたら、強く抱きしめてくれた。

海空先生の身体が離れたとき、2人とも汗がすごかった。
海空先生に腕枕してもらい、海空先生の寝顔を見つめている時間が愛おしかった。
ずっとこのままでいたいと思うほど、時間の流れが憎かった。

目が覚めた海空先生が、私を見つめながら言う。
「俺も成長させてもらったよ」
私も海空先生の目を見つめながら
「先生のこと大好き! 愛してる!
 先生の側にずっといたいから、先生のためにいろいろ頑張る!」

海空先生は頷きながら抱きしめて、また濃厚なキスをしてくれた。

これは1993年4月25日のエピソードの一部。
まだ続きます。

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