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2000年問題

佳哉と付き合い始めて、初めての年越しは一緒に過ごす予定になっていたが、あのパソコンが誤作動するかもという2000年問題で、イケちゃんもヒカル君も佳哉も会社で待機となっていた。
仕方ないので、私は佳哉の車で1人で海空先生と思い出の海浜公園で、ボーっと海を眺めていた。

2000年になり、30分ほどして佳哉からの電話。
会社のパソコンが誤作動しなかったから、25時には解散になるとのこと。
私は会社へ迎えに行った。
玄関前にはイケちゃんも一緒に待っていた。
「あけおめ~
 今年もよろしくね!」

イケちゃんはニヤッとしながら、
「センパイの奥様、あけおめ!」ってご挨拶。
それを聞いて、1人で照れるアホな佳哉。
イケちゃんは、会社から1番離れている駐車場に車を停めているとのことで、佳哉がそこまで乗せていくと約束していたらしい。
私は急いで助手席へ移動しようとしたら、イケちゃんが後部座席に乗るときに、佳哉が気が付かれないタイミングで囁いた。
「今度、2人で会おうよ!」
私はイケちゃんにウィンクして
「メールする」
と、小さな声で返事をした。

イケちゃんを駐車場へ送り届けてバイバイしたあと、初日の出を見ようとドライブへ。
「稀琳は、年明けのタイミングはどこにいたの?」
信号待ちで私の顔を覗き込みながら聞いてくる。
「いつもの場所で海を見てたよ!
 1人だったから寂しかったんだよぉ~」

甘えて、キスをおねだりする私。
「次からはずっと一緒に居られるからね。
 今回は仕事になっちゃってゴメンね。」
と、軽くキスをしてくれた佳哉。
「仕事だったんだから仕方ないよね~」

ちょっと不貞腐れてみた。
その後、渋滞にハマり途中で引き返してきて、初日の出は拝めず。
佳哉は会社の上司のお宅に、新年のあいさつに行かなくてはいけないため、10時過ぎに帰宅した。

帰宅後、イケちゃんにメールをした。
 1月から無職だから、ハローワークに行かない日は暇だよ。
 いつでも会えるから、連絡してね。

さすがにイケちゃんも家族と過ごしていたので、すぐには返信は無かったものの、翌日には電話がかかってきた。
「奥さん、遊んじゃっていいんですか?」
「えぇ~、そんなこと言われてもねぇ~
 私の身体が満足できてませんわよ!」
「センパイと身体の相性、悪い感じ?」
「そんな感じだね~」
「わかった! 満足させてあげましょ!
 俺にも責任はあるからね!」
「イヤ、最初からそのつもりで紹介したんでしょ?!」
「そうだったっけ?」

笑ってごまかすイケちゃん。
私はこんなイケちゃんが“人として大好き”なんだよな。
元から妻子のいる人に“恋愛感情”ってないんだけどねぇ。

これは1999年12月31日~2000年1月のエピソード。
この頃から、私の感覚が一般の方とはズレてきていたのかな。
ちなみにダンナは、私とイケちゃんの関係について付き合う前から気が付いていたらしい。
まぁ、この後の出来事で完全にバレたんですけどね。
それでも私と結婚したいと言ってくれたわけですが・・・
やっぱり今回も、吐き気を催して5回くらい途中保存しながら書きました。

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