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【No.1】奥尻島で経験したキセキの10日間
1日目
午前中は、時間を気にしない生活をした。
お腹が空いたらご飯を作って食べ、何もしないで自由に過ごす。またお腹が空いたらご飯を作って食べる…
普段、時間に追われる生活をしていると、意識的に何もしない時間があるだけで、自分の中で何かがリセットされる感覚になり、穏やかな気持ちで生活ができると知る。"何もしない時間"がいかに大切かを学んだ。
何もしない時間は、仲間と海を眺めて過ごした。波の様子が昨日と違い、自然は日々変化していると知った。
そして、目に入ってきたのは漂流するプラスチックゴミ。遠くから見れば青く美しい海なのに、近くで見ると美しさの中に紛れ込んでいるものがある。視点を変えることで見えた海の現実だった。
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午後、ビーチコーミングを経験した。
経済学部生として、授業で学んできた「共有地の悲劇」による環境問題を目の当たりにし、百聞は一見にしかずとはまさにこれだと思った。何事も実際に経験することには代えられないと学ぶ。
夕方前、フェリー組が到着し、ようやく参加者全員が揃う。
たった1日しか到着は変わらないのに、島民になった気持ちで、これでもかというほどの歓声と拍手で出迎える。無事に参加者が集まれた…これもキセキだと感じられた。
夕食は、浜辺で食べた。
10人の仲間に加え、お世話になる島民の皆さんも一緒に焚き火を囲みながらカレーを頬張る。巡り合わせで出逢った人たちが勢揃いする中で食べたカレーは、一味違った。
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食事を済ませた後、参加者ひとりずつ自己紹介や奥尻島に来た理由、活動中の目標を話し、島民の皆さんからも紹介を受ける。
ゆうとさんから活動を通してお願いしたい、3つのことを言われたのもこのときだった。
自分の思いを言葉にし、その場にいた全員に伝えたことで、より一層気持ちが引き締まる。ここからが本当の始まりだと感じた。
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夜、奥尻島唯一の温泉ソムリエであるまじまちゃんから「神威脇温泉」についてのお話を聞く。
歴史を知ると学べる、感じられることがあり、当たり前に入れる温泉があるのは、当たり前ではないと思い知らされる。
40年以上前から今日まで、変わらず温泉に入れているキセキの裏側には、神威脇温泉を守ろうと懸命に活動する沢山の人たちの努力があった。
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この日のミーティングで聞いたのは、島のあらゆる現状。
ゴミ問題、温泉の経営…奥尻島に来て直接話を聞かないとわからない課題がいくつもあると知る。複雑に絡み合う問題を今後どのように解決していくべきなのか、考えさせられる夜だった。