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【No.8】奥尻島で経験したキセキの10日間
8日目
明日は朝一番で帰路に着く。つまり、この日が実質活動最終日。
朝、6時前から動き出す仲間たち。目的は…釣りだ。今日も食料調達に向かう。(自給自足生活2日目。笑)
自分は朝食の料理担当だったため、みんなが釣りをする様子を台所から眺めていた。なんとも平和な光景から一日がスタートする。
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午前中は自由時間。何をしたかというと、imacocoの看板作りだ。昨日、完成した…はずだった。
一晩経って絵具の乾き具合を確認すると、全く乾いていない大事件が発生。
フレーム部分の金属と油絵具の相性が良くなかったのが原因だとわかり、対処法を考えた結果、浜砂を散りばめることに。ついでに、フレームの隙間を接着剤で埋める作業も行う。最後の最後まで手を抜きたくない一心だった。(ちなみに駐車場のスロープ制作班も補強作業をしていた。)
最後の仕上げが終わり、お世話になったcocokaraの掃除を始める。
心を込めて、来たときよりも綺麗にする気持ちで。せっかくやるならと、どんどん掃除箇所が増えていく。当たり前のように始めた掃除だったが、誰も文句を言わずに黙々と働くみんなの姿が誇らしく思えた。なんでも勝手にやってしまう…最後の最後まで自分たちらしかった。
昼食を食べた後は、居間で昼寝。
早起きして、釣りに行って、魚を捌いて、制作物の手直しをして、掃除をして、動き続けたみんなの体は限界だったようだ。
昼時の温かな日差しと心地よい子守唄(?)が居間を包み込む…本当に幸せな空間だった。この時間がずっと続けばいいのにと思いながら、自分もうとうとしてしまう。
午後は、夜実施される送別会の準備に取り掛かる。
前日の夜から10日間の感謝を伝えるための方法を考えていたが、なかなか着地点が見つからずにいた。悩みに悩んで辿り着いたのが「奥尻島ありがとうMAP」の作成。
みんなのアイデアと得意を掛け合わせ、思い入れのある場所にメッセージを書き込んでいく。
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送別会が始まる直前まで、会場と扉一枚挟んだ部屋で作業を進める。
披露した際、ほとんど完成していたが、まだ未完成の状態だった。納得するまで書き続け、結局出来上がったのは日付が変わってからだった。
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送別会では、ゆうとさんご家族、アニキさん、imacocoアシスタントのももちゃん、離島仙人でお世話になった枝松さんが集まる。
朝釣れた魚やご近所さんからのいただきものを使って、夕食の料理担当が作った料理に、お世話になった方々からの差し入れが加わり、豪華な食卓に。人数の多さ、料理の品数、まるでお正月の親戚の集まりだった。
終盤、ゆうとさんが突然ギターを持ち込んでくる。
何が起きるのかと思ったら、一夜限定(?)のユニット「心のシャッター(ゆうとさん&ももちゃん)」が平井大さんの『「いつも通り」のキセキ。』を歌い始めた。
歌詞の一部にみんなの名前が入り、教えてもらった大事な言葉も込められた一曲。涙を流しながら、一生懸命に気持ちを伝える姿を見て、感極まって泣いてしまった。だが、そこには笑顔の自分がいたと振り返る。
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「心のシャッター」が生歌を披露していたcocokaraの空間は、世界中のどこよりも温かい想いで溢れていたに違いない。その場にいた全員の心がひとつになっているように感じられた。
当時の動画を数え切れないほど見返しているが、あの場で感じた空気感には勝らないなと思ってしまう。
そのくらい、特別な夜を過ごした。