【No.2】奥尻島で経験したキセキの10日間
2日目
朝からEバイク(電動自転車)に乗って島を一周。
幼稚園に通う頃から長らくスポーツに打ち込んできた自分にとって、体を動かせる1日は最高だった。
約40kmの道のりを進みながら、奥尻島の魅力を五感を使って吸収していく。
目に映る緑の山・青い海、耳で聞く波の音・鳥の鳴き声・地面と擦れるタイヤの音、肌で感じる坂下りのスピード感…自転車を使ったからこそ感じ取れたことが沢山ある。坂道の傾斜によるEバイクのモード変更は、奥尻島の地形を自分の身で知ることにもつながった。
車が1台分しか通れない道も身をもって確かめた。これにより車同士の譲り合いが自然と生まれるのだ。
最初に訪れたのは、奥尻島のシンボルである「鍋釣岩(なべつるいわ)」。
自然が作り出した不思議な形の岩に釘付けになる。ライトアップされた夜の幻想的な光景も見てみたい。
ここの浜辺でカメラ好きの仲間が撮影してくれた写真は、一生の宝物だ。
みんなで手を繋ぎ浜辺を歩く、なんとも微笑ましい光景がそこにはあった。
彼はみんなの笑顔を引き出す達人だったと思う。
昼食は、フェリーターミナルの2階にあるイタリアンレストラン「Bella Vista(ベラ ヴィスタ)」でいただく。
奥尻島を味覚で感じる一品を無心で頬張る。これまた絶品だった。
次、奥尻島に行った際には、ウニのクリームパスタを食べると決めている。
道中、稲刈りをしている場所の横を通ると、どこか懐かしさを感じた。育った場所で漂っていた匂いと同じであるため、一瞬にして故郷の光景を思い出したのだった。
五感を研ぎ澄ませていると、こんなことも体感できるかと思い、新しい発見をする。
ゴールまで残り600mの場所にある「北追岬公園」で最後の休憩。
ここには、戦争で北方領土を追われ、奥尻島に入植した人たちが故郷を見つめる姿を表現した石彫作品がある。
あと一踏ん張りというところで見た、みんなの疲れ果てた姿は、今でも鮮明に覚えている。日陰で寝てしまった仲間を見て、クスクスと笑い合った。
この日は料理担当の日。
夕食を作っている際、cocokaraの住民アニキさんと一人暮らしの話で大盛り上がり。共感できて嬉しいと、肉野菜炒めの隠し味にオイスターソースを追加してくれた。
たまに食卓に出てきたアニキさんの特性手料理、美味しかったなぁ。またお願いします。(笑)