第15回オレタン松山CS 全勝卓カバレージ

スイスドローの最終戦、それは実質の決勝戦。

 スイスドロー6回戦の開催のみとなったオレタン松山CS、その最終戦で1番テーブルに座るやーパパ。とたけのこ水煮はお互いニコニコしながら各々のデッキをシャッフルしていた。
 最終戦の1番テーブルに座っているということは現在全勝中で優勝の可能性があるということ。一般的な予選のスイスドローで決勝トーナメントのマッチングを決めるCSならば、ここに座る二人は予選通過は確定かつ順位先行がもらえる大会ならほぼ確実に先行だろうと気楽に対戦できるであろう。しかし今日はこの対戦で優勝が決まる、そんな緊張感のもとシャッフルする二人の様子を見ていると、

 やーパパ。「キルターンは…」
 たけのこ水煮「マーシャルは…」
 
…思ったほど緊張は感じず今話題の【マーシャルループ】の話をニコニコとしていた。
 そんな中、ヘッドジャッジから現在の勝利数や2敗ラインのプレイヤーのうち何人がベスト8プロモを貰えるかのアナウンスが行われる。
 シャッフルが終わり、シールドと手札を準備し、じゃんけんが行われる。
 
 両プレイヤー「じゃーんけーんぽい!」
 たけのこ水煮「あいこーで」
 やーパパ。「ちょっと待って、一回ずつ行こうか」
 両プレイヤー「じゃーんけーんぽい!」
 たけのこ水煮「よしっ!」

 じゃんけんに勝ちガッツポーズをするたけのこ水煮。彼が今日握るデッキはぜひとも先行がほしい対面だったのかもしれない。
 両者対戦前に軽く挨拶をすると、決勝の火蓋が切って落とされた。

試合開始 先行:たけのこ水煮

 何としても手に入れたかった先行を得て、たけのこ水煮は初手を見つめ考える。少し考えた後にマナチャージしたカードは《龍后凰翔クイーン・ルピア》。さっそくたけのこ水煮が【ファイアー・バード】を持ち込んだことが覗える。返しのやーパパ。は《絶対華麗!マーシャル歌劇団》をチャージ、こちらもおそらく【マーシャルループ】であろうマナ置きだ。

 DMGP2024-2ndを機に増えたであろうこのマッチアップは【ファイアー・バード】側がプレイを理解していれば五分という通説だが、果たしてどうなる。

 2ターン目、たけのこ水煮は《アリスの突撃インタビュー》をマナチャージ、多色を置いてしまったが故に【ファイアー・バード】の黄金ムーブである2コスト鳥+《ハッター・ルピア》の動きは取ることができない。3ターン目に理不尽を押し付ける難易度は上がった。やーパパ。は《邪魂転生》をマナチャージするとそのままターンエンド。こちらも2ターン目に進化元を出す動きは無いようだ。

 どちらの盤面も更地のまま先行3ターン目、たけのこ水煮は《アリス・ルピア》をマナチャージするとついに《ハッター・ルピア》を放つ。しかしハイパーモードを開放する仲間はおらず、一旦これでターンを返すことになる。
 《ハッター・ルピア》を立てられたやーパパ。は少し悩み、手札と相談した結果《深海の伝道師アトランティス》をマナチャージ。そしてこちらも手札から《エメラルド・クーラー》を召喚。【マーシャルループ】の手札が減らない軽量進化元であり、この上に《マーシャル・クイーン》が進化すればそのままゲームが終わりかねない。

 続く4ターン目、たけのこ水煮は《ハンプティ・ルピア》を召喚すると、やーパパ。の後続を討ち取りに動く。公開された手札は《マーシャル・クイーン》が2枚《逆転の影ガレック》、《邪魂転生》と《キール・ロワイヤル》。ここはノータイムで《逆転の影ガレック》を墓地に落とすと、役目を果たした《ハンプティ・ルピア》をタップして《ハッター・ルピア》のハイパーモードを開放し、そのままプレイヤーを攻撃時メクレイド。ここも悩むことなく《アリスの突撃インタビュー》を使用。手札から《龍后凰翔クイーン・ルピア》を捨て《エメラルド・クーラー》を破壊し、墓地からたった今切った《龍后凰翔クイーン・ルピア》を出す。《ハッター・ルピア》メクレイドの押し付け、【ファイアー・バード】のよくある強力な動きだ。
 たけのこ水煮は少し祈ると「真ん中で!」と《ハッター・ルピア》でやーパパ。のシールドをブレイク。ここで《カシス・オレンジ/♡応援してくれるみんなが元気をくれ〜る》がトリガーする。先程のハンデスを補う手札補充だ。

 わからない手札は2枚、しかし走り出したら止まる訳にいかない。《龍后凰翔クイーン・ルピア》で攻撃時、自身を破壊しメクレイド。山札の3枚を見たたけのこ水煮は少し俯き考える。そして意を決して送り込んだのは《雷炎翔鎧バルピアレスク》!

 さらに《雷炎翔鎧バルピアレスク》の攻撃時に手札から《アリス・ルピア》!!その効果で山札をめくると《コッコ・武・ルピア》と《マジシャン・ルピア》そして2枚目の《雷炎翔鎧バルピアレスク》!!!
 ここまでの大展開で安心したか、たけのこ水煮は最初の一点よりも落ち着いてシールドをブレイクする。ここでは《学校男/ゾンビ・カーニバル》がトリガーするが、《コッコ・武・ルピア》によって墓地は掃除されている。やーパパ。はS・トリガーを空打ちすると、この後に備える。
 たけのこ水煮はエクストラターンの取得を考える。早期の踏み倒しとエクストラターンが【ファイアー・バード】が現最強デッキである理由の一部だが、砕くクリーチャーや捨てる手札の管理を怠ると後々リソース不足に陥り負けうるデッキでもある。ここは慎重に考えると、攻撃を終えた《雷炎翔鎧バルピアレスク》と《ハッター・ルピア》以外を破壊してエクストラターンを獲得した。

 迎えたエクストラターン、先行5ターン目。たけのこ水煮は《ポッピ・冠・ラッキー》を召喚すると、そのまま《ハッター・ルピア》のハイパーモード開放のためタップし攻撃に移る。まずは《ハッター・ルピア》で攻撃、メクレイドは《龍后凰翔クイーン・ルピア》!そのままシールドをブレイク!
 ここでこれまで表情の変わらなかったやーパパ。の動きが止まる、ブレイクされたシールドを確認すると、盤面を数え、考える。そして


やーパパ。は《深海の伝道師アトランティス》を力強くバトルゾーンに叩きつける。先に《ハッター・ルピア》の効果で破壊され《深海の伝道師アトランティス》の手札に戻す効果を使う。しかしたけのこ水煮は迷わず《雷炎翔鎧バルピアレスク》を盤面に残すと、そのまま攻撃時に《龍后凰翔クイーン・ルピア》を再度放つ。そして《雷炎翔鎧バルピアレスク》のシールドブレイクで《影世界のシクミ》がトリガーする。ここで墓地にパーツを落としつつ進化元の展開ができれば最後のシールドからの逆転も十分に狙える。やーパパ。はまずは山札から3枚を墓地へ、《影世界のシクミ》が2枚と《冥土人形ウォカンナ・ピエール》が落下する。進化元は墓地にはいない、そして手札と少しにらめっこすると《キール・ロワイヤル》を出した。

 やーパパ。はバトルゾーンに出た《キール・ロワイヤル》の効果で最後に残ったシールドを確認すると、すぐに手札に加え山札からシールドを追加する。ターンが帰ってきたとしてもマナは3枚しか無い。この《キール・ロワイヤル》は失う事はできない。今追加したシールドを信じることしかできない。

 そしてたけのこ水煮は《龍后凰翔クイーン・ルピア》で攻撃、最後まで役目を終えた《雷炎翔鎧バルピアレスク》を破壊してメクレイドに臨む。そして山札から飛び出たのは


 3枚目の《雷炎翔鎧バルピアレスク》だった!
《キール・ロワイヤル》でブロックすれば返しのターン《マーシャル・クイーン》の着地は不可能。つまりジャスキルの打点が揃った。

たけのこ水煮「通れ!!!」

 祈る最後のシールドブレイク、やーパパ。はゆっくりとシールドを確認する。そして





 最後の《影世界のシクミ》がそこには眠っていた。
「まじかぁぁ…」と項垂れるたけのこ水煮、しかしやーパパ。の表情は変わらない。呪文の能力で山札を3枚めくると《深海の伝道師アトランティス》、《逆転の影ガレック》そして《キール・ロワイヤル》が墓地に落ちる。少し考えて墓地から《冥土人形ウォカンナ・ピエール》を蘇生するとたけのこ水煮の山札上をチェックするが《ハッター・ルピア》のため盤面には触れず処理が終わる。

 浮かない顔のたけのこ水煮は恐らく手札にスピードアタッカーがいないのだろうか。《雷炎翔鎧バルピアレスク》でダイレクトアタック時に《ポッピ・冠・ラッキー》をバトルゾーンに出すが、当然その攻撃は《冥土人形ウォカンナ・ピエール》に阻まれる。あと一歩、届かないままエクストラターンを終える。

 生き延びたやーパパ。の最後のターン、やーパパ。は開始時のドローでふふっと笑うとマナチャージを真剣に考える。選択肢がたくさんあるのか、何枚かカードを伏せながらこの後の展開を精査する。もう祈るしか無いたけのこ水煮も真剣にマナ置きを見つめる。そして、考えた末《邪魂転生》をチャージすると《キール・ロワイヤル》を召喚し、前のターンを生き延びた《キール・ロワイヤル》のハイパーモードを開放する!

 このハイパーモードはメクレイドにすべてを委ねたということ。ハイパーモードを開放した《キール・ロワイヤル》で攻撃する前にたけのこ水煮のクリーチャーのパワーを確認する。そして、意を決し《雷炎翔鎧バルピアレスク》に攻撃!メクレイド!!!
山札の上から3枚を確認する。そして、バトルゾーンに出たのは







やーパパ。「おーわり」
大一番のメクレイド、無常にも捲れたのは《エメラルド・クーラー》であった。1枚ドローするとそのままバトルが終わり、たけのこ水煮にターンが渡る。

祈りのターンを終えたたけのこ水煮は最後まで油断せず《アシステスト・インコッピ》を並べ、《龍后凰翔クイーン・ルピア》でダイレクトアタックを宣言するのであった。

WINNER : たけのこ水煮

やーパパ。「あそこのメクレイドがマーシャルクイーンなら勝ちだったな〜(笑)」
たけのこ水煮「いやほんとに、メクレイドが強すぎた。」

DMGP2024-2ndが終わって県内最初のCSは【ファイアー・バード】が【マーシャルループ】を貫く結果になった。しかし何か一枚違えば、どちらかが2ターン目に動き始めていたら分からない本当に五分な試合だったように感じる。GPで判明した新デッキが、どれほど影響を与えるのか改めて楽しみだ。
たけのこ水煮、優勝おめでとう!!

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