第28回TSUTAYA松山平井店CS準決勝
伝書鳩 vs 蒼井
「おふたりが宜しければ、この卓の対戦を書かせて頂きたいのですが、」
伝書鳩「いいっすよ!」
蒼井「大丈夫です!」
伝書鳩「お互いいい試合にしたいっすね!」
蒼井「そうっすね、っしゃぁぁぁぁぁ!」
筆者の確認後、元気に言葉を交わし気合を入れる伝書鳩と蒼井。
その表情は、お互い獲物を狙う肉食獣のようなぎらぎらと、それでいてこれからの対戦を楽しもうとする無邪気さが窺えた。
伝書鳩「本戦来てから2ペア3ペアであんまし初手よくないんすよね〜」
蒼井「僕に任せてください、4ペアにしてお返ししますよ」
お互いのデッキをシャッフルしながら、そんな他愛のない会話が聞こえる。
そして、先攻を決めるじゃんけんの前に、お互いに指をポキポキとならす。
すでに熱気で満ちたこの対戦卓は、蒼井の先攻で幕を開けた。
先攻:蒼井
ゲームが始まると即、蒼井は《ジョジョジョ・ジョーカーズ》で《ヤッタレマン》を手札に加えると、次のターンにそのまま《ヤッタレマン》を召喚する。
蒼井のデッキは【ジョーカーズ】。ドリーム英雄譚デッキと《ゼロの裏技 ニヤリーゲット》の殿堂解除により環境に躍り出たデッキだ。
後攻の伝書鳩は2ターン目に《ルピア&ガ:ナテハ》を召喚しリソースを稼ぎに行く。
伝書鳩の【ファイアー・バード】と蒼井の【ジョーカーズ】、どちらも出力も展開力も申し分の無いデッキだ。
それぞれの力のぶつけ合い、どちらが制すのか。
蒼井の3ターン目、《パーリ騎士》を召喚し、増えたマナで《ベイビーポンの助》を召喚し、伝書鳩の動きを牽制する。
そして伝書鳩のターン、これまでノンストップで動いていた伝書鳩の動きが止まる。
盤面を眺め、マナチャージするカードを精査する。
2,3ターンと展開を行った蒼井の手札は1枚。
伝書鳩は《ハッター・ルピア》をマナに埋めると《ハンプティ・ルピア》を繰り出す。
そして蒼井の手札で発進準備をしていた《ヘルトッQ》が叩き落され、蒼井の手札は枯れてしまう。
ターンが帰ってきた蒼井だが、山札の上で勝負することしかできない。
引いてきた《ジョジョジョ・ジョーカーズ》をマナに埋めると、渋々ターンを返す。
《ヘルトッQ》も《ゼロの裏技ニヤリーゲット》もない現状はかなり苦しいか、
伝書鳩の4ターン目。
【ファイアー・バード】における4ターン目は《アリスの突撃インタビュー》が手打ちできるようになる非常に大きなターンだ。
そして伝書鳩の手からは待ってましたと言わんばかりに《アリスの突撃インタビュー》が唱えられ、《龍后鳳翔クイーン・ルピア》が捨てられて、《ベイビーポンの助》と《ヤッタレマン》が破壊される。
そして邪魔者が焼き払われた場に《龍后鳳翔クイーン・ルピア》が降り立った。
そして間髪入れずに《龍后鳳翔クイーン・ルピア》で攻撃!
ここから《アリス・ルピア》や《雷炎翔鎧バルピアレスク》に繋げて展開していくと思われた矢先。
伝書鳩「革命チェンジで」
伝書鳩の手から飛び出したのは《時の法皇ミラダンテⅫ》。
《龍后鳳翔クイーン・ルピア》は”ドラゴンの花嫁”のため問題なく革命チェンジができる。
予想できなかったであろうカードの登場に観客もざわつく。
そして《時の法皇ミラダンテⅫ》の登場時効果により《アリスの突撃インタビュー》を唱え、蒼井の場を更地にしつつ《雷炎翔鎧バルピアレスク》を着地させる。
効果の処理が終わりT・ブレイク。
蒼井はシールドから《王道の弾丸ジョリー・ザ・ジョニー》を公開し、G・ストライクで《雷炎翔鎧バルピアレスク》の動きを封じて後続の展開を阻止する。
G・ストライクにより生き延びた蒼井のターン。
《時の法皇ミラダンテⅫ》の効果でコスト7以下のクリーチャーは召喚ができない。
小型を並べて大型に繋ぐ【ジョーカーズ】には相当な痛手となる制約だった。
蒼井は《勝熱と弾丸と自由の決断》で《ルピア&ガ:ナテハ》を山札下へと送るとターンを終了する。
しかし蒼井は伝書鳩をまっすぐ見つめ、残された2枚のシールドを指さす。
蒼井「残り2枚の盾、あるんで」
日頃から使っているのだろう【ジョーカーズ】にここ一番の信頼を寄せる蒼井。
そんな真っ直ぐな蒼井の目を見て伝書鳩は不敵に微笑む。
伝書鳩のターン、先程手札に戻ったであろう《龍后鳳翔クイーン・ルピア》を召喚すると、攻撃時に革命チェンジの宣言をした。
そう、《時の法皇ミラダンテⅫ》が出るならば、彼女も出てくる。
革命チェンジ!《音卿の精霊龍ラフルルラブ/「未来から来る、だからミラクル」》
呪文を封殺するドラゴンの降臨。
蒼井の祈りを砕いたそのドラゴンは、ドラゴンの親友とされる鳥たちと共に主である伝書鳩を決勝の舞台へ連れて行くのであった。
蒼井「ありがとうございました!!!」
WINNER:伝書鳩
テンプレとは少し異なった【ファイアー・バード】の蹂躙によって伝書鳩が決勝進出を果たした。
お互い精一杯楽しんだのか笑いあって感想戦を終えると、隣で佳境を迎えるミクロマン vs アポロ田中の対戦に目をやる。
程なくしてミクロマンが制圧し勝利をすると、決勝のため席の移動が行われる。
蒼井「決勝、頑張ってください!」
伝書鳩「おう!!」
準決勝で殴り合った2人は拳を交わすと、それぞれの席へ向かうのであった。