京都人が岩手の八幡平市へ移住するってどういう状況?
父「崇博、ちょっと話あんねん」
家族で京都に住んでいた高校3年の時、父から言われたこの一言が忘れられません。
ちょっと声のトーンが低くて、険しい顔してて神妙な雰囲気があったので、あ、これは相当深刻なことやなって分かるじゃないですか。例えば離婚するとか、破産するとか。
もう、覚悟しましたね。そしたら。
父「岩手に家を建てたから」
僕「なんやて?」
建てた。これは日本語の文法的には確か過去形やな。意味はしっかり分かったで。
人って、想像の範囲を超えすぎると意外と冷静になるもんですね。まず頭の中で岩手の位置を学校で習った日本地理の知識の中からなんとなく把握して、過去2年分くらいの父の行動を思い返しながら捜査官のような一言を発しました。
僕「動機は?」
父「ええとこやから」
いや、普通は事前に相談するよね?会社で部下の人に事後報告していいとか教えてんの?報連相って知らんの?アホなん?
と、パワハラ上司のごとく頭に色んなことが浮かびました。
しかし冷静な僕は
「小遣いは増やしてもらうで」
これは勝てる交渉やと踏んだので相手の弱いところを的確に突きました。鬼のようですが、こちらは遊びではありません。青春という戦場にいるので。
とりあえず僕が大学を卒業するまで母が残ることになり、無事青春を謳歌しました。しかしそれから18年経って、僕も岩手に移住して、「ええとこやわ」って言いながら一緒に酒を飲むことになるとは。人生って読み通りにはならない、という話でした。
しかし親が出ていくパターンで強制的に一人暮らしさせられるとはね。あ、ちなみに小遣いは増えました。
#Aqsh
握手で、きっかけを。