刀神(とうしん)5
いつか自分の手に負えない刀神に出会うとは思っていた。
あまりにも強い意思と想いが漂っている。
強烈な吐き気、立っているのさえやっと力のなさに愕然とする。
旅先で見つけた古民家、風情があり庭先の山茶花に気を取られ、わからなかった。
何も無い場所で、けつまづき転びそうになる。自分のうっかりを笑う。
??妙だな、静かすぎる。ふと気づいた違和感。
思わずそばの木扉に触れた瞬間、全身総毛だったのがわかる。凄まじい想いが伝わる。
うっ、どうすればいい?昨日ホテルで見たパンフレットには、日用品等で刀剣類の表記はなかったはず
どうする、気づかれないうちに逃げて仕舞おうか・・・"怯えてはならない"
誰かの声が聴こえた。
そうだ、間違いなくいずれは越えなきゃならない。強い思念だが、私に向かってではないのはわかる。
判断を誤れば自分が我を喪う。
同情せず客観的に話を聴く。さっきの声のおかげで冷静になれた。
思念が強すぎて近寄れない。
呼びかけてみよう。ふと、そう思った。
(僕に力になれることがありますか?)
(誰だ、ここは・・・苦しい。出してくれ。)切れ切れに聞こえる
(教えて下さい。あなたは誰ですか?)
(私は、・・・
ここまで
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