ぼくは魔法使いになりたかった27

ボーっとしていると、後ろに人の気配がする。白く煙ったもやの中言い合う声が聞こえる。

「この子に関わらないで下さい。私たちにあなたの援助はいりません。」きつい声音の女性

「だが、どうやって育てる」男性の声が少し震えている。

「私がきちんと育てます。」

田舎の小さな家と暖かい人のぬくもり、なんとなく覚えている。

そのあとの記憶がない?

「あの人がお母さんかな?じゃあ、お父さんは?」

ぼくのつぶやきに答えたのはハルクだった。

お前の父親は記憶に問題があった。そして、妖精の力が強くて、お前の世界で暮らすのは無理だった。ハルクはそう言った。

だから今も、この世界にくらしていると

「オレは会ったことがある。一生懸命生きていたし、本当に助けてもらった。」

ハルクは、懐かしそうに話す。

「じーちゃんはなにしてたんだろ。」

「本人に聞くといい」

ハルクの気配は消えた

これは、夢の中じゃない。きっと、じーちゃんの作った空間?話をするための。

「よくわかったな。」

やっとじーちゃんが現れた。とは言っても気配だけ

「実体じゃないんだね。」妙に納得した。

「何がききたい。彼方?」優しい気配がする。

「ぼくはずっと1人だった。お母さんも誰もいなくて・・・」

あとは声にならない。

「それは、お前の父親の件で動き回っていたら、お前の母親はお前をつれて逃げてしまった。」

悔しそうにする

ハルティファナフティお前の父親は妖精の血を強く持つ。お前の母親に起きることを何か言ったのかもしれん。つらそうに少しずつ話す

それが引き金になったのだろうと。

逃げて、逃げて事故にあったらしい。身元のわからぬ親子をみんな途方にくれただろうと思うが、助けてやれんかった。

こちらの世界ならわかる気配も、魔法のないお前の世界じゃ全然わからん、お手上げだと

それから、何年も探したという。

「そのうち、探しかたを変えた。お前なら、わしの血を引くものなら、必ず魔法に反応するはず、あらゆる魔法の使えるゲームに仕掛けた。」

力のあるもの、スキルの高いもの、まず、この世界へ送った。と

とんでもないことを言ってるきがする。

「じゃあ、どの位送ったの?」恐る恐る聞くと

「はて?どの位かの?」とぼけた。

「うわぁ、違ったら大変じゃないか」信じられない事を聞き驚愕する。タヌキだなぁ。

「仕方あるまい。ワシも必死じゃ。ファランまで、行ってみたいと言い出した。魔法が使ってみたいと・・」

「ファランティンのこと?」

思わず聞き返す

「言ってなかったな、お前のイトコになるな。得意な魔法は風雷水・・」

ここまで聞いてつい言った

「風神・雷神かすごいな」二人で笑う。

「気にしとる。回りに魔法使いが、いなかったからと・・」今どうしてる?聞きたいがぼくがきいていいのかなぁ?

いま、ファランは?たずねたみたが

ハルクに言わないか?念を押される。

「なんでだよ。しりたがってたよ。」

「心を病んでな、静養しとる。わしがハルクと無理矢理離したからじゃ」

後悔しているように聞こえる。

「そんなぁ~」

どうしようもないのかな、ぼくに何か出来ないかな?そう思ったとき

「・・・頼みがある。」

じーちゃんが言った

ゾッとした。このタヌキが頼み?

ぼくは、ミエナイ気配を探した。

第27回ここまで

あっ?もしかしたら、気がつきました?そうなんです。番外編はこれの裏?表?なんです

わからん、なんだって、方は
→ぼくは魔法使いになりたかった番外編ハルクの師へ

つまらない、あきた、どうでもいい、
→ぼくは魔法使いになりたかった28へ

気長に待つという優しいかたは
→ぼくは魔法使いになりたかった番外編ハルクの恋2へ

題名ながっ😅

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