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エクアドル・キト(&ロサンゼルス、マイアミ)旅行記/旅行ノウハウ考察&実践例集

2024年4月17日から27日にかけて、南米エクアドルのキト市へ旅行に行ってきた。経路途中に米国ロサンゼルス(以下LA)及びマイアミでも滞在した。本記事はその旅行記である。

旅行記というとどこに行った/何を見た食べた、のようなものを思い浮かべがちだが本記事はそうではなく、計画や準備の段階も含めて、旅行のためにふだんの生活と異なる事をしたこと/考えたことはできるだけ漏らさず書き留めるようにした。特に、旅行をトラブルなく快適なものにするためにしたこと/考えたことは細部まで記述している。そのためかなり長文になっている。旅行記というより「旅行ノウハウに関する考察&実践例集」という方が近いかもしれない。

このような記事を書いた目的は、主に私自身が今回やった事をメモして次回の旅行の参考にするためである。私以外にもこのレベルの旅行のディテールの情報を欲する人はおそらく一定数いると推測する(少なくとも旅行前の私はこういう情報を事前に知りたかった)。

本記事の内容はあくまで「私が今回(たまたま)こうやった」ということであり、これが唯一の正しいやり方だ、などと主張するつもりはもちろん毛頭ない。結果的にそこそこうまく行きはしたが、もっとよいやり方はあるかもしれないし、旅行スタイルが異なればベストなやり方も変わってくるだろう。叩き台として参考にしてもらえれば、というくらいのつもりである。

これからキトへ行かれる方は、「キト最新公共交通事情」の章だけは目を通すことをおすすめする。日本語のエクアドル旅行ガイドブックというとおそらく「地球の歩き方」くらいしかないと思うが、2024年8月現在、地球の歩き方エクアドル編の最新版は2019年発行とかなり古く、次版発行時期は未定となっている。その後キトの交通事情にはいくつか大きな変更が入っており、当然ながら最新情報は載っていない。知らずに行くとかなりとまどうと思われるので、これに関しては参照しやすいよう独立した一つの章としてまとめておいた。


旅行の概要

はじめに、日程について。飛行機と宿泊に関しては以下の通りだった。

4/17(水) 家出発、成田ホテル宿泊
4/18(木) 午後成田空港発、(時差-16時間)午前LA空港着 LA泊
4/19(金) 午後LA空港発、夜マイアミ空港着 マイアミ泊
4/20(土) マイアミ観光
4/21(日) 午後マイアミ空港発、夜キト空港着 キト泊
4/22(月) キト観光
4/23(火) キト観光
4/24(水) 午後キト空港発、夜マイアミ空港着 マイアミ泊
4/25(木) 午後マイアミ空港発、夜LA空港着 LA泊
4/26(金) 午後LA空港発、(時差+16時間)翌日午後成田空港着

なぜこのようなプランにしたかについては後ほど書く。

旅のスタイル/自己紹介

ひと口に旅行といってもいろいろなスタイルがある。仕事での出張か個人の観光か、一人旅か連れがいるか、正装の機会はあるか、外国語はどのくらいできるか、過去の海外旅行/生活の経験は、等々によってかなりスタイルは変わる。その辺りの説明を兼ねて、今回の旅行の基本スタイルと合わせて私(筆者)のスペックとバックグラウンドについて書いておく。

私は2024年4月の旅行時点で60歳代前半、男性である。2年前にリタイアして今は無職。今回の旅行は個人の観光旅行である。時間的制約がないので、旅行の時期や期間はかなり自由に決められる。家族はいるが、仕事があったり旅行がそれほど好きでなかったりするため、今回の旅行は(というか旅行に行く時はたいてい)一人旅である。

海外旅行の経験はまあまあ豊富な方だと思う。学生の時はヨーロッパとアメリカをそれぞれ約1か月かけて周遊した。1996年から5年間、仕事で米国に出向で住んでいた。出向から戻った後も2007年くらいまでは米国・中国・韓国・台湾等に時々出張していた。その後しばらく海外には行かなかったが、2018年にバンコク、2019年に大連へそれぞれ1週間行った。定年も近いしこれからは好きな旅行を存分にしよう…と思っていたところコロナになって4年待たされ、諸々の状況が戻ってきた2024年、ようやく海外旅行を再開した、という次第である。

そんなわけで、英語は比較的できる方である。空港やホテルでの旅行会話程度ならほぼ不自由はない。アメリカのTVを見ると、ニュースは9割方聞き取れるが、ドラマだと半分もわからない、という感じである。ただスペイン語(エクアドルの言語)は全然できない。旅行前にひと月ほど付け焼き刃でほんのさわりだけ勉強した、という程度である。

ヨーロッパやアメリカを周遊したときのはいわゆる貧乏旅行で、「地球の歩き方」が主な情報源だった。今でも旅行というとバックパッカー的なものが基本スタイル、という考えがしみついている。ただ年をとって体力は落ち、一方経済力はそれなりについた今、無用な労力やトラブルが金で解決できるならそれもありか、という考え方にはなってきている。

貧乏旅行なので、ドレスコードのある高級レストランに入ったりすることは当然ない。つまり、正装を持参する必要はない。この点は荷物選びに大きく影響する。あと、いたって健康であり、常用している薬等はない。

計画・準備

旅の目的と候補地・時期選び

今回の旅の目的だが、実はキトに特別見たいものがあったわけではなく、「南米大陸に行った」フラグを立てたい、というのが主な動機である。国内に関しては、10年ほど前から「47都道府県全てに行く」というのを目標にしており、それまでほとんど行ってなかった北陸・山陰・四国などを回るようにしていて、今は目標達成まで沖縄と佐賀の2県を残すのみ、となっている。で、今年初め頃から「次は海外どこ行こうか」と考えはじめた時、世界190+か国全てに行くのはさすがに無理そうだが、「五大陸全てに行く」ならできるな、と考え、これを目標にすることにした。欧亜・北米・豪は既に行った(豪は新婚旅行で行った)ので、残るは南米とアフリカ。この先体力は落ちていくだろうから、先により遠い南米をクリアしておこう、ということになった。

【チリ案】

去年末くらいから南米のことをぼちぼち調べていたが、やはり治安はけっこう悪いらしい。スリくらいなら気をつけてればある程度防げるが、強盗の出るようなところには行きたくない。で調べてると、チリは南米の中では治安がいちばんいいらしいということで、最初はチリのサンチアゴに行こうかと考えていた。

チリに行くとして、いつ頃行くべきか?サンチアゴは南緯33度、東京のほぼ反対である。片方の夏は片方の冬で、夏冬に行くなら冬の服装と夏の服装両方がいる。すると荷物が増える。それは避けたいので、春か秋にしたい。ということで、2月頃には「3月か4月出発」を想定していた。

しかしながら次の2つの点から、最終的にチリは候補から外した。

ひとつは、遠いこと。まあ南米はどこも日本から遠く、日本からは南米のどこにも直行便は1本もないのだが、LA経由で行くとしてLA-サンチアゴがまた機内泊になる。東京-LAも機内泊で、60代の身に機内2連泊はちょっとつらいな、というのが正直なところ。

そう感じていたところへ追い打ちをかけるように入ってきたのが、バルパライソの火事のニュースである。いちおうサンチアゴに行くつもりでプランを立てていて、サンチアゴから1時間ほどのところにバルパライソという街がある。世界遺産であり、インスタ映えで有名な所だ。サンチアゴに泊まり、日帰りでここに行くつもりでいた。ところが2月に、バルパライソで大規模な山火事発生というニュースが入ってきた。

このニュース、みなさんご存知だろうか?いちおう日本の新聞でも超小さいながら記事は載っていたが、まあ普通に読んでると目に止まらないレベルの扱いだった。いつぞやカリフォルニアで山火事があったが、その時より全然小さい。私はたまたま旅行計画中だったためバルパライソという単語に反応して「おっ!?」となったが、たぶんたいていの人は気づいてないだろう。

南半球なので2月は真夏。チリでも異常な熱波で、そのために火事になったらしい。で、バルパライソの街は被害が大きく、治安も悪化し、観光どころではない、という状況になってしまった。これを見て私も「どうしよっか…他の場所も検討してみるか…」となったのであった。

【ペルー案】

で次に考えたのがペルー。チリより近いし、観光的にはマチュピチュやナスカ等もあり有名だろう。だがマチュピチュやナスカに行くにはリマから更に飛行機を乗り継がなければならない。日程的にかなり長くなるし、何より治安面で不安要素が増える。マチュピチュやナスカ、興味がないわけではないが、前述のように今回の主目的は「南米タッチダウン」であり、ぜひ見たいわけではなかった。「なぜ***なのか?我々はその謎を探るためマチュピチュに飛んだ」というネットミームをリアルでやりたいかもとはチラッと思ったが、治安リスクを増やしてまでやるほどではなかった。というわけで、ペルーならリマのみ訪問、という線で考えはじめた。

【エクアドル案】

リマもけっこう検討して悪くはなかったのだが、やはりまだ遠い感はある。LA-リマのフライトが8時間あまり。シニアにはちょっと疲れるかなーという感じなのである。でもうちょっと近くにならんかな、てことでキトも検討しだした。それでわかったことが2点:

ひとつは、キトもリマもサンチアゴも、元はインカ帝国の大都市で、スペイン占領後植民地支配の拠点として栄えた街であること。市の中心部に16世紀の植民地時代の教会とかがあって世界遺産になってて観光の目玉、というのはこの3市に共通していて、かなりテイストが似ている。だったらいちばん近いキトでいいじゃん、というのが一点め。

もう一つは、LA-キトは直行便がなく、マイアミなどを経由することになること。今までLA-南米は直行便で行くことしか想定してなかったのだが、LA-キトでフライト検索すると乗り継ぎしか出てこない。最初は「やっぱキトはだめか」と思いかけたのだが、よく考えたらこれ逆にいいんじゃね?となった。LA-マイアミ、マイアミ-キトはそれぞれフライト5時間程度。間にマイアミで一泊すればだいぶ楽だ。新幹線で東京-広島くらいはけっこう乗ってて、それと同じくらいならそれほど体力的に負担でないことはわかっている。たしかに、直行便で行く必要はないのだ。東京-LAは間が海なのでどうしようもないが。デメリットとしては日程が伸びることと宿泊代がよぶんにかかることだが、まあ日程2日くらいなら許容範囲だし、ホテル代は体力消耗を避ける必要経費と思おう。5時間x2なら間に一泊せず乗り継ぐという選択肢を取る人もいそうだが、私は体力温存を優先してこのチョイスにした。

ということで、行き先はキトに決定。南米の地図を見ると、近いところとしては他にコロンビアとベネズエラもあるが、コロンビアは治安が悪いイメージがあって避けたい。ベネズエラは…まあ現時点では論外でしょうw パナマというのはいちおうちょっと検討した。地理的には、パナマ運河より南はいちおうテクニカルには「南米」なんだそうである。ただパナマに行ったことをもって「南米行きました!」というのは、胸を張って言えるだろうか…と考えるとやはりもやもやするだろうな、と考えて却下した。あと、メキシコもついでに行けないかなーなどとちょっと考えて検討した。これも日程が伸びるため却下したが。

治安に関しては、たしかによくはないのだが、有名観光地や空港に限って言えば警察官がかなり多く見回っているらしい。観光収入は国にとって重要なので、観光地で観光客が襲われたりすると観光客が減って収入減になる、それを避けるためこうなってるらしい。これはエクアドルに限らずペルーとかもいっしょの模様。それでもスリはけっこう多いらしいのだが、まあスリは対策でなんとかなる、強盗がなければいいや、ということで、空港とホテルと観光地以外は行かないということでよしとした。

エクアドルというと何を思い浮かべるだろうか?普通の日本人だとほとんど接点はないかもしれない。頭に浮かぶといったらコーヒー、カカオ、バナナ、エビくらいだろうか。ガラパゴス諸島は一応エクアドル領だが、距離が離れているのでエクアドルのイメージとはまた別だろう。しかし私のような一部のシニアオタクには、ある重要な接点がかつて存在したのである。

1970年代半ば、BCLブームというのがあったのをご存知だろうか。BCL=BroadCasting Listening、だったかな?ラジオの短波放送を聞くことを指す。インターネットのない時代、海外から直接届く情報は一部の人にはとても魅力的に思えていた。

日本語の放送では、モスクワ放送、北京放送、オーストラリア放送、BBCといったところがメジャーだった。南米からは唯一「アンデスの声」という放送局が日本語で放送しており、これがキトにあったのである。南米からの電波なのでモスクワや北京よりは届きにくく、天候次第では聞きづらいこともあったが、おおむねよく聞こえた。

当時のBCLではベリカードという文化があった。放送を聞いた後、「xx年xx月xx日xx時xx分-xx分、聞こえました。電波状態良好」のようなエアメールを放送局に送ると、放送局からベリカードというハガキが送られてくる。元々は電波の届き具合を確認するためのものだったようだが、まあ半ば記念スタンプのようなものだ。で、いろんな放送局を聞いてこのベリカードを集めるというのがBCLマニア達の楽しみだったのである。ちなみにエアメールというのは航空便で送る郵便のことで、送るふりだけして送らない、ではない。

私はマニアというほどではなかったが、アンデスの声はベリカードをもらった覚えがある。たしか1975年、私が中一の頃である。親にねだってナショナルクーガという短波ラジオを買ってもらったのだった。3万円くらいだったか?今思えば海外に興味を持って海外旅行が好きになるのはこの辺に萌芽があったのかもしれない。そのベリカードは、その後引っ越しを重ねるうちにどこかに行ってしまい今は手元にないのだが。

そんなわけで、私にとってエクアドル、キトというとまず「アンデスの声の本拠地」なのである。

フライト及びホテルの予約

みなさんは旅行の手配はどのようにしているだろうか?私は、たしか2007年頃までは旅行の手配は全て旅行代理店に依頼していたと思う。国内旅行に関しては、いつ頃からか正確には忘れたが、2010年代のどこかから、フライトもホテルもすべてネットで予約するようになったと記憶している。2018年のバンコクの時は、海外旅行が久しぶりだったこともあって代理店に依頼したが、2019年の大連の時はフライトもホテルもネットで予約というのを海外旅行で初めてやってみた。そこでいちおう経験値を積んだので、今回もフライトもホテルもネットで予約、というのが既定路線。というかバンコクの時に頼んだ代理店はコロナの間に閉店して今は代理店が近所にない。

まず問題になるのは、サイトどこを使うか、ということ。国内だと大体宿はYah*o!トラベルとかじゃ*んあたり、飛行機は航空会社のサイトを使っているが、海外ではあまり参考にならない。たしか2019年の大連ではTrip.comを使ったように記憶している(ややうろ覚え)。とりあえず「海外旅行 フライト予約」とかでネットで検索して結果を見たりしていろいろ調べる。ざーっと見てなんとなくわかったのは、

・フライトなら expedia とか trip.com とか
・ホテルなら booking.com とか hotels.com とか

あたりがメジャーらしい、ということ。自分が特に詳しくないのなら、なんだかんだ言って大手はそれなりに安心、という面はやはりある。あとホテルに関しては、booking.comだと5泊すると会員ステータスが上がって割引になるそう。というわけで、最初はとりあえずフライトはexpedia、ホテルはbooking.comで予約するか、くらいのつもりでいた。

前節の候補地選定のところでいろいろフライト情報を参照しているが、そのときもexpediaを主に使っていた。あと、どこの空港からどこへ飛んでいるか、それは何曜の何時か、という時刻表的な情報もプランを立てるうえで必要になる。この点に関しては https://www.flightsfrom.com/ というサイトを使っていた。(このサイトももちろん検索しているうちに見つけた。)expediaだと、出発地目的地と日時を指定して検索するとそれに合うフライトが出る、という形式だが、それだと「そもそもどんな選択肢があるのか」を網羅的に調べたい、という用途では非常に使いづらい。その点flightsfrom.comはかなり有用だと思う。

それで2月頃は、東京-サンチアゴとか東京-リマとかをexpediaでいろいろ検索していた。そうしてるうちになんとなくわかってきたことは、

・フライトの値段はとにかくころころ変わる。ある日に7万円だったのが次の日に11万に、とかいうのはざら。そして、何がどういう理由で変わるのかさっぱりわからない。それに比べるとホテルは、週末は高くて平日は安いとか、何かイベントがあると高くなったりすることはあるが、変動幅はフライトよりはだいぶ小さい

・メジャーな路線ほど割安、かつ変動幅も小さい。たとえば東京-マイアミの場合、経由地としてはロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトル、ヒューストン等いくつか選択肢がある。1本だけだが直行便もある。だが価格を見るとLA経由がたいてい最安になる。需要の多いところは競争も激しい、ということだろうか。

先に書いたとおり、体力的な理由でひとつのフライトで長時間になるのはできるだけ避けたい。その意味では東京の次の経由地としてはLAよりもサンフランシスコ、サンフランシスコよりもシアトルの方が望ましい。東京-LAは10〜12時間かかるが、東京-シアトルはそれより2時間以上短い。しかし価格的にはLAの方がだいぶ安い。シアトルの方が距離も時間も短いのに、である。いろいろ考えたが、ここは体力より価格の方を優先し、最初の経由地はLAとした。

LAからキトへは直行便はないので乗り継ぎは必須である。1stopか2stopかというのも選択肢があるが、2stop以上は乗り継ぎ待ち時間で日程が伸びるのでできるだけ避けたかった。1stopだとキトから直行便のある都市、ということになる。この条件を満たすのは、ヒューストン、マイアミ、アトランタ、の3つだった。このことを調べるのには、先ほど書いたflightsfrom.comがおおいに役に立った。

米国の国内便に関しては、LAからはこの3都市のいずれへも数多く出ており、まあ何とかなりそうである。各都市とキト間の便をflightsfrom.comで調べたところ、1日数便あるのだが、できれば午後に出て夜に着く便がいいと思っていて(この理由は後述する)、それを満たすのは行き(米国->キト)はマイアミ発のLATAM LA1453便、帰り(キト->米国)はマイアミ行きのAmerican AA2162便であるとわかった。で、便としてはこれらにほぼ決定。あとは何日に行くか、である。ホテルよりフライトを先に決めて、その後でホテルを決める、でいいかなと思っていた。

「地球の歩き方」には、その土地の年間の気温と降水量の推移が載っている。キトは「永遠の春」と言われてるそうで、年間を通して15-20℃程度だそう。降水量は4月は多いようだがまあ東京の梅雨と大差ない程度なのでなんとかなるだろう。東京の夏冬を避ければ春の服装オンリーで行けそう、ということで、3-4月頃出発ならどこでもよさそう。

以上のような状況の元で、何日に出発すべきだろうか?ということになるのだが、これに関して、数学で「お見合い理論」というのがある。次々にいろんな人とお見合いしていく。会うたびに、その人と結婚した場合の「満足度」がわかり、結婚するかどうか選択する。一度選択すると後から変えることはできない。満足度を最大にするにはどうすればよいか?という問題である。

これの正解は、証明は忘れたがたしか「最初の2,3回はとにかく見送る。でその後、それまでよりいちばんよい相手が見つかったらそこで決める」だそうである。まあ直感的にも理にかなっていそうである。今回の場合だと、最初数日はとにかく様子を見て、相場を知る。その後、相場と比べて割安そうな日があったらそこで決定、とすればよいわけである。これはたしかによさそうだな、と思い、そうしようと思っていた。ところが現実にはそうは行かなかった。

3月中旬頃からマイアミ-キトの往復便の値段をexpediaでチェックしていた。だいたい6-9万くらいが相場らしい、とわかってきた。で、安めの6万台くらいが出たらそこで決めるか、と思っていたところ… 3月20日、突然値段が38万とかに上がった。!?!? これにはあわてた。え、え、何が起こった!?expediaが何かおかしくなったかと思い、trip.comもチェックしてみたが、やはり同じ。

他のフライト予約サイトはあったかな、そういえばbooking.comにもホテルだけでなく航空券のメニューもあったな、いちおう見てみるか、まあダメだろうけど…と思って見に行ったら、ここは~7万円だった。

ここで思案。booking.comだけ桁違いに安いが、大丈夫なのか?こういう特別に安い話は罠があることもあるし…などと迷ったが、38万 vs 7万はやはり大きいというのと、まあ大手なのでいちおう信頼していいんじゃないか、ということで、目をつぶって予約を決行。もたもたしてるとbooking.comも38万になりそうな気がした。

これでマイアミ-キト往復の日は決まった。あとは自動的に他のフライトや宿泊の日も決まる。また突然値上がりされたりしてはかなわんと思い、すべてのフライトとホテルを、値段が今くらいのうちに、と思ってその日のうちに予約した。3/20の夜に始めて、全部予約終わったのが深夜4時頃。

結局フライトもホテルもすべてbooking.comで予約した。ホテルは元々そのつもりだったし、航空券の値段も(キト以外は)expediaと大差なかったのでまあいいか、となった。後で気づいたが、全部一箇所で予約すると、予約の確認等もすべて一箇所で済むのでこの点は楽になった。

先ほど書いた「こんなに安くて大丈夫か」の件だが、予約した後は航空会社のサイトで自分の予約を確認できるようになっている。ですべてのフライトをチェックしたが、全部ちゃんと予約されていた。(最初の成田->LAのフライト予約に関しては実は後でちょっとしたトラブルに会うのだが、また後述する)

【キャンセル可/変更可オプション】
booking.comやexpediaで予約すると、お目当てのフライトを選択してクリックすると更にチケットの種類の選択肢が出てくる。たいてい、(1)キャンセルも変更も不可 (2)キャンセル不可だが一度だけ便変更可 (3)キャンセルも変更も可、の3通りがある。当然後のものほど高い。(2)は(1)より1-2万高い程度だが、(3)は大体桁違いに高い(5倍とか)。あと、便によっては(2)はないものもある。

そこでどうするか?値段的に、(3)はほぼ対象外である。(2)がない場合は(1)にするしかない。問題は(2)がある時に、(1)か(2)どちらにするか、つまり、多少のプレミアを払って便変更可のオプションをつけるか、である。

これを決めるために考えるべきことは、「旅程を変更する可能性がどれだけあるか」、である。絶対変更しないというなら最安の(1)変更不可にすればよい。

私の場合は無職なので、用事で行けなくなることはたぶんない。が、諸々の事情で突発的な用事が入る可能性が全くないとまでは言えない。あと、体調を崩して行けなくなる可能性はある。これらの確率をどう見積もるか、である。

全てキャンセル不可にして、予定が変わったら古いチケットは捨てて新しいチケットを買い直す、と割り切る手もある。ただ今回の場合、成田-LA-マイアミ-キト往復のフライト代で、最安でも30万円ほどする。これを全部捨てるのはかなり手痛いな、という気がした。

それで結局、(2)一度だけ変更可があるものは全てそれにした。そうでないものは(1)変更不可。

ただbooking.comの場合は、全ての便ではないが時々「一度だけ、同じ航空会社の同じ航路の別の便に変更できる」オプションを買えることがある。これは上記の(2)とは別で、(私が理解したところでは)上記の(1)-(3)は航空会社が用意するチケットの種類だが、booking.comが保険のような形で提供する、つまり、航空会社から見ればいったんキャンセルの後買い直しになるが、その代金をbooking.comが負担する、というものらしい。

これも使い勝手がいまいちわからず、実際にキャンセルになったときに本当にうまく使えるかも若干不安はあったのだが、まあ保険として入ってもいいかと考え、変更不可の便でこのオプションがあったものはつけた。…つもりだったのだが、後で確認したら、一つの便ではチケットが一度だけ変更可なのにそれに更にこのオプションをつけていた。これは完全に無駄である。前述の理由(値段が急に変わらないうちに全予約を済ませたい)で一晩のうちに全て片付けようとしていたので、どっかであせって間違えたらしい。もったいなかった。

…という次第だったのだが、後で冷静に考え直してみたら、実は全部最安の変更不可にしてオプション何もつけない方がよかったんじゃないか、と思えてきた。オプションをつけたことで、最安より2割程度金額が上がった。用事/病気/トラブル等で行けなくなる確率がどのくらいあるかといったら、2割まではない気がする。ならば期待値としては全部最安にする方が得である。

まあ過ぎたことはしかたないが、次回からはこの教訓を生かそう。

なお以上はフライト代の話だが、ホテル代についてはほとんどは前日まで無料でキャンセル可だったので、行けなくなって無駄になるという心配はほとんどなかった。マイアミのホテルだけは3日前までキャンセル無料、それ以降はキャンセル代がかかったが、マイアミは4/19,20と4/24泊なので、仮に出発当日の4/17に急用が入ったとしてもキャンセル代は4/19の1泊ぶんで済む。それ以前のキャンセルなら無料だ。

最終的に予約したフライトとホテルの値段を書いておく:

フライト:
成田-LA往復     ¥176,318
LA-マイアミ往復   ¥ 81,971
マイアミ-キト往復  ¥ 67,179
 フライト計32.5万円

ホテル:
4/17 成田 ¥6,120
4/18 LA $184.01
4/19,20 マイアミ $591.43
4/21 キト空港近く $119
4/22 キト市内 $118.40
4/23 キト空港近く $119
4/24 マイアミ $203.01
4/25 LA $167.18
ホテル計$1,502 (23.6万円) + 6,120円 ≒ 24.2万円

フライトとホテルだけで57万円。今までの人生でこんな高額の旅行は初めてである。バンコクや大連の時はたしか15万円程度だったはず。やはり遠く南米まで行くだけでこうなるのか…ちなみにフライト・ホテル以外の費用は全部合わせても5万もかかってない。

日程計画立案プロセス

先に書いた日程(何日めにどこからどこに移動するか、どこに泊まるか)の決め方についてもう少し詳しく書いておこう。日程を決めるうえでの基本スタンスとして、以下の2点を頭においていた。

  1. 朝はゆっくり寝れるように

私は2022年3月にリタイアして無職になって以来、目覚まし時計というものを基本使っていない。寝たいだけ寝て、自然に目が覚めたら起きる。こういう生活をしている。寝てる最中に無理やりアラームなどで起きると頭が痛くなるし、不機嫌にもなる。旅行に際してもこのポリシーはできるだけ変えたくなかった。

東京<->LAに関しては12時間程度のフライトにならざるを得ないしそもそも時差もあるので睡眠パターンに影響なしというわけには行かないが、5時間程度のフライトなら、たとえば14時発19時着だとしよう。現在米国発の国際便ではセキュリティ等のチェックが非常に厳しく、空港には出発時間の3時間前に着くことが推奨されている(国内便は2時間)。すると11時に空港に着かねばならない。空港近くの、空港への送迎があるホテルに泊まれば、10時に出発すれば間に合う。これならまあ朝はゆっくりできるだろう。フライトが12時発だとホテル8時出発で、これだと目覚ましをかけることになってしまう。かといって18時発23時着とかだと逆に寝る時間が遅くなってしまいこれはこれでまずい。したがってフライトの出発時間はできるだけ13-17時くらいの間に限定したかった。

2.トラブルでの遅れは発生するのが前提

私は旅行にはトラブルがつきもの、遅れる可能性を常に予想しておくべし、という認識でいる。実際今回の旅行中でもフライトが2時間遅れたり、入国手続きの行列で2時間並んだこともあった。今回はなかったが、悪天候でフライトが1日止まることもあるだろう。先日はWindowsのバグで全米のフライトが一日止まった、ということもあった。もちろん可能性と言い出すならテロで何か月も止まったり、パンデミックで数年止まったりすることもあるわけだが、そこまで考えてもさすがにしょうがない。「ある程度確率の高い」トラブル、という意味で、フライトが1日遅れる程度までは考慮しよう、そうなってもその後の旅程に大きな支障の出ないようにしよう、というスタンスであった。

対策としては具体的には、「日程に余裕を持たせる」に尽きる。たとえば東京->LA->マイアミ->キトと3回飛行機に乗るのに、3日連続で予約したとしよう。つまり、1日めに東京->LA、2日めにLA->マイアミ、3日めにマイアミ->キト、である。(東京->LAは時差の関係で、だいたい午後出発、当日午前着、くらいになる。)ここで東京->LAの便が悪天候で1日遅れたとする。おそらくLA行き自体は、航空会社が代わりの便を用意してくれるだろう。だがそれに続くマイアミ行きとキト行きはキャンセルせざるを得ない。格安航空券はだいたいキャンセル不可なのでお金がかかるのはもちろん、1日ずれた便をその時にとれるかすらそもそもわからない。最悪、LAまでは飛んだがその後キトまでのフライトが取れず、南米タッチダウン未達成のまま引き返す、ということになりかねない。これはなんとか避けたいのだ。

そこでどうしたかというと、マイアミには2泊することにする。1日めに東京->LA、2日めにLA->マイアミ、ここまでは同じで、マイアミ->キトは3日めでなく4日め、とするのである。するとどうなるか。先ほどと同様、東京->LAの便が悪天候で1日遅れたとする。2日めにLAに着き、1泊する。3日めにLA->マイアミへ行く。2日めのLAの宿と3日めのフライトに余裕があることはネットで確認できてるので、そうなってからでも予約できるだろう。こうして3日めのマイアミ泊と4日めのフライト、及びそれ以降の旅程は予定通りに行く。

1日めと3日めで両方フライトが遅れたらどうするんだ、と思う人がいるかもしれないが、その時は「運が悪かった」とあきらめる、である。しかしこうなることは確率が非常に小さい。あるフライトが1日遅れる確率を仮に1/100(百分の一)としよう。2つのフライトが同時に遅れる確率はその二乗、1/10000である。確率1/100の事象は想定して対処しておく、1/10000の事象は対処は用意せず、遭遇したらあきらめる、というのは合理的な判断である。1/10000が仮に起こったところで、多少お金が無駄になり、私の南米行きというまあ言ってみれば大したことのない欲望が満たされないというだけで、大惨事になるわけではない。

以上は行きだけで、帰りに関してはこうした対策はしていない。キト->マイアミ->LA->東京、3日連続のフライトである。仮にキト->マイアミが1日遅れて、その後のマイアミ->LA、LA->東京がキャンセル&予約取り直しになったとしよう。せいぜい飛行機で10万円、ホテル2泊で6万円くらいの出費が増える程度である。その後の旅程に響くわけでもない。確率1/100で16万円、くらいはまあ許容範囲である。というかここで予定を一泊伸ばして+3万円とするより、出費の期待値としては対策しない方が安い。そもそもマイアミまで来てしまえば、あとは米国と日本だけならまあなんとかなるのである。やはりそういう意味では先進国は安心感があるのだ。

あとはキトでの滞在日数である。「地球の歩き方」を読み込み、2日くらいあれば回れそうかな、と判断。ただ、キトは空港が市街から30km以上離れていて、移動に1.5-2時間程度かかるらしい。空港-市街間の移動もいくつか不安要素があったので、フライト当日の移動は避けようと考えた。そこで、キトに着く日を1日めとすると、

1日め:空港近くのホテルに泊まる
2日め:空港近くのホテルから市街へ移動し、観光。市街のホテルに泊まる
3日め:観光後、市街から空港近くのホテルへ移動し、そこに泊まる
4日め:空港へ行き、帰りのフライト

という感じでキトに3泊、とした。前述のようにキト着が1日遅れる可能性はあるが、それでも2泊3日あれば多少急ぎ足ながらも最低限市内を見ることはできる、というところまで見越してこうしている。

治安対策

私は非先進国というくくりでは以前インドやタイは行ったことがあり、その時もいろいろ気をつけて行ったのだが、南米はやはり格が違うという感じで、治安面の心配の度合いは格段に大きい。そこで少しでも安全を確保できるよう、いくつか対策を検討した。

【その1:対スリ防御】

前述のとおり、キトの治安は「強盗もいるが、有名観光地や空港は警官が多くいて比較的安全。ただしそれでもスリはいる」という具合だそう。強盗は会ったらもうどうしようもないのでとにかく危なそうな所には近づかないことにして、あとはスリやひったくりの対策である。

まず、盗まれて本当に困る物は何と何か、と考えたところ、(1)パスポート (2)財布(含クレカ) (3)スマホ (4)めがね の4つだろう、となった。(1)と(2)はまあわかるだろう。(3)は、たとえばクレカをなくした場合、カードを止めたり等いろいろ連絡しなくてはならないが、その連絡手段がないとお手上げである。また知らない土地を歩く際、スマホのマップは必須とは言わずともかなり便利である。(4)は、私は裸眼だと両目とも0.04程度というど近眼なので、街に出ると看板等の文字が読めない。貴重品というわけではないが、言語の通じない街でめがねを新しく作るのはかなり難しい。

逆にこの4つ以外は、まあ万一失くしてもそう困らないだろう。服や洗面具くらいなら外国でもたいてい買える。そこで、この4つをどのように盗まれないように持ち歩くか、また万一盗まれたらどうするか、を考えることにした。

旅行用品店に行くとその類の商品がいろいろ売っている。パスポートを入れるための首から下げる袋が目につき、これがいいかと思って買ったりしていた(たしか2千円弱)。しかしよく考えると、ひもが切れるかもしれないとか、暑くてTシャツ一枚になったりすると丸見えであまりスリ対策にならなそう、かと言ってTシャツの中に入れるのはさすがに…等々あったのだが、何よりも「普段と違う持ち方をする」と何か間違いをしでかしそうで気が進まなかった。でこれは結局買ったものの使わなかった。

私は普段国内で出歩くときは、ズボンの左右の前ポケットに鍵と財布をそれぞれ入れ、かばんにスマホとめがねを入れている。鍵と財布は時々ポケットを上から触り、落としてないことをチェックしている。スマホとめがねはかばんの外側の小さなポケットに入れ、これも時々開けてチェックしている。神経質なのかもしれないが、まあ気になるのでしかたがない。とにかく、旅行もこれとできるだけ近い感じがいいだろう、と思った。

旅行には鍵は持っていかない(帰る時は家族に開けてもらう)ことにした。そうすると、鍵とパスポートを入れ替える感じで、パスポートと財布をポケットに入れるとすると普段とほぼ同じなのでよさそうに思える。その線でスリ対策はと考えると、まず「ズボンのポケットにジッパーのような蓋をつければよいのではないか」という発想は自然に出てくる。

手始めに近所のヨーカドーの服売り場に行ってそういうズボンがないか聞いてみたのだが、置いてないとのこと。そこでまた思案。ダブルクリップでポケットを止めたらどうか?などと考えてやってみたのだが、やはり感触が気になるしへたに転ぶとけがしそうだし、でボツ。あきらめかけたのだが、そういえばジョギングで使っているジャージはポケットにジッパーがついてるのを思いだした。

私は5年ほど前からジョギングを始めており、当初は普通のジャージでポケットにティッシュを入れて走っていたのだが、走り終わるとティッシュをどっかに落としてなくしていた、ということが数回あった。それでスポーツ用品店に行き、ポケットに蓋のつくジャージがないか聞いてみると紹介してくれて買ったのだった。

さすがにジャージで街中を歩くのはちょっと気が引けるのだが、何かそういう線でポケット蓋の需要のあるような界隈ならあるかも…と考えたところ、近くにモンベルという登山用品店があるのを思い出し、行ってみた。ここで目当ての物を発見。ポケットにジッパーのある登山用ズボン。見た目もジャージっぽくはなく、普通のカジュアルな服装という感じ。1本約8千円。これを2本買った。旅行中洗濯しながら交代ではくつもり、である。

実際にこれで旅行してみて、これは大正解だった。対スリの面で安心感が全く違う。これから治安悪めの国に行く方には、ポケットジッパー付きズボン、超オススメである。スリ対策以外に想定外のメリットとして、このズボン、軽い。登山という用途ゆえだろう。おかげで荷物の軽量化にだいぶ貢献してくれた。

とはいえ、登山用品店というのは全国津々浦々にあるわけではないか。他にあるとすればどこだろう… ワークマンとかだとあるのか?私自身はチェックしてないのでなんとも言えないが、必要とされる方は探してみてほしい。

【その2:二重化】

前述の守るべき物4つのうち、パスポート以外の3つ(財布・スマホ・めがね)は、金銭的損害に目をつぶれば、代替さえあればよい。(スマホやクレカは止めるとして。)そこで、一つ盗まれても支障ないよう、二つずつ持っていくことにした。二つ盗まれたら?というのは前述の議論と同じで低確率なので無視する。スマホやめがねは、盗まれる以外に壊れるという可能性もあるので、その意味でも二重化はしておきたかった。

まず財布(とクレカ)。一つはズボンポケットに入れるとして、もう一つはかばんに入れておこう。せっかく二つ持っていても、両方とも同じかばんに入れておき、かばんごと盗まれたというのでは二重化の意味がない。別々の場所にしまうことは必須である。ちなみに持ち物について詳しくは後述するが、持つのはキャリーケース(機内持込み可サイズ)と小さめのかばんの2つである。ここでは小さめの方を指す。スリにせよひったくりにせよ、ポケットとかばんと両方やられることはないだろう(無視できるほど低確率)、という前提である。かばんに入れる方は財布である必要はないので、荷物を小さく薄くするため、封筒に現金(紙幣のみ)とクレカ1枚を入れ、かばんに付いているジッパー付きポケットに入れる。

ちなみにクレカはもともと2枚あり、VISA提携のとマスターカード提携のと両方あるので、その2枚でいいかと思っていた。が、その後アメックスも持った方がいいか、となり、急遽作って合わせて3枚持っていった。ズボンポケットの方に2枚、かばんに1枚。この件も後述する。

スマホは、ふだんはかばんに入れているが、ズボンのポケットに入らなくはないので1台はポケットに。もう1台をかばんに入れることにした。キャリーケースには入れない。飛行機では天井のストレージに入れるので目が届かなくなるし、観光時はホテルに置いておきやはり手元になくなるからだ。ポケットとかばんにひとつずつ、としたかった。ちなみに私はスマホはもともと2台持っていた。スマホに関しても別途後述する。

めがねもできればポケットとかばんにしたいのだが、めがねケースはズボンのポケットに入れるとちょっとかさばりすぎる。それで、ベルトポーチを持っていき、めがねケースはそこに入れることにした。ベルトポーチはふだん使っていないのだが、一時期ジョギングに小銭やおやつを持っていってた時期があり、その時に持ち物を入れるためにスポーツ用品店で買ったのがあり、それを使った。もう一つのめがねはかばんに。

私のめがねの使い方としては、かけないと看板の字等は読めないが、かけていると目が疲れるため、ひんぱんにかけたり外したりする。飛行機の中だと、映画見るときはかけるが、それ以外は(読書でも)外す。観光中はあたりをきょろきょろ見るためほぼかけっぱなしになる。かけてる時はベルトポーチに入れるのはめがねケースだけなので、まあケースだけ盗まれても大したことはないだろう、ということで、「ふだん使い通り」の原則に反するが、めがねにはベルトポーチを使うこととした。ちなみにめがねももともと2つ持っていた。

最後にパスポートである。当然ながらパスポートを2つ持つことはできないので、「仮に盗まれたとして、その後の処理を楽にする」ことを考えた。パスポートを盗まれたらどうすればよいか、は検索するといろいろ出てくる。また、旅行出発の少し前にツイッターで以下の記事を見かけた:

海外でパスポート・カードの盗難に遭った方による一連のツリーが参考になる
https://togetter.com/li/2339147

このあたりを参考にして、まず戸籍謄本(全部事項証明書)を取りに行った。私は東京在住本籍川崎なので、このために川崎まで行った。もっと遠くなら、今はマイナンバーカードでコンビニで取れるそうである。あとパスポートの写真のページもコピーを印刷した。ネットで見た情報によると大使館にはスマホは持って入れないそうで、写真とるだけでなく紙に印刷しておくのは必須なんだとか。宿泊地近くの日本大使館/領事館のアドレスと電話番号をテキストにまとめ、それを印刷した。なおこのテキストにはその他クレカ会社と保険会社の電話番号、航空券(eチケット)の予約番号等も書いてある。大使館/領事館は地図で場所も確認しておく。

LA・マイアミ・キトはいずれも大使館or領事館がある街で、この点は楽であった。もっと田舎に行くと苦労しただろうな… いや待てよ、というか、米国ではパスポート(身分証明)がないと国内線でも飛行機に乗れなかったような。米国人も免許証を見せていた。領事館のない街でパスポートをなくしたら一体どうするんだろう?

ちなみにこのtogetterの記事、盗まれたのが南米ペルーとのことで、やはり南米は…となっていた。

旅行保険とそのサービス

海外旅行保険は何かしら入る必要がある。これも検索すればいろいろ情報が出てくるしガイドブックにも書いてあるのだが、クレカに付帯する保険というのもあるがそれでは不足なことも多いということで、とりあえず入ることにした。今までの海外旅行でもだいたい入っている。

でまずは例によって検索である。「海外旅行保険 比較」とかで検索するといろいろ出てくるので、いくつか見てみた。その中でエイチ・エス損保というのが目についた。これはHISがやってる保険ということで、HISは海外旅行代理店としては有名なので安心かなと思い、また軽くネット上で見積もりしたところそこそこ安かったので、まあここでいいかと思い手続きを始めた。

手続きを進める中でひとつ疑問点が出てきたので電話で聞こうとした。電話をかけると自動音声で、よくある「**の方は1番、**の方は2番、…」というやつになる。ネットでの契約手続き中のここの欄に何を入れればよいのか、という話なのだが、該当すると思われる番号を選択していくと、「その件については当社ウェブサイトのお問い合わせコーナーからお問い合わせください」と言われて電話を切られてしまった。

これじゃあダメだな、と思い、エイチエス損保はやめた。電話サポートの人件費を極力減らしてそのぶん保険料を安くしているということなのだろうが、旅行中にトラブルなり病気で電話した時に電話がつながらないのでは困る。というか保険の意味をなさない。いくら安くてもこれではダメなのである。

それでまたネット検索に戻って他の保険会社を探しはじめた。その中に東京海上日動もあった。ここは私は以前から自動車保険に使っているところで、電話サポート等まあまあしっかりしていることは知っていた。ただ大手なのでお高めなのだろうなとは思ったが、ネットで見積もりしたところ、エイチエスが6千いくらのところ東京海上は9千いくらで、まあ高くはあるもののそう大した額ではない。エイチエスで電話対応でトラブったり他の保険会社の検討等で1,2時間余分にかかるなら、私の手間に相当する人件費を考慮するとむしろ東京海上の方が安いくらいだ。

というわけで東京海上にする。ここも手続き中疑問点が出てきたので電話で聞いたが、こちらはちゃんとつながり解決できた。で無事契約完了。¥9,820。契約後、これこれこうしてくださいというのがメールで送られてくる。まず契約書を紙に印刷。現地で病気になったときに病院に見せるためである。あと各地での電話連絡先一覧があるので、米国とエクアドルのをテキストにメモして印刷。このテキストはスマホにも入れてるのだが、印刷するのはスマホが壊れるかもしれないからである。更に、電話でなくLINE通話もできるということなので、LINEで友だち登録しておく。

東京海上の電話/LINEサポートは、病院にかかる時だけでなく海外旅行での各種トラブルの相談にも乗るそうである。パスポートなくした、とか。たしかエイチエスも似たようなサービスをすると書いてあった。実際に使うかどうかはわからないが(というか今回は使わなかったが)、こういう相談先があるというのは安心材料のひとつではある。

アメックスのサービス

ネットでいろいろ海外旅行情報を漁っているうち、「アメックスのオーバーシーズ・アシストが便利」という話を見かけて、調べてみた。ざっくり言うと、アメックスのカードを持つと、海外旅行サポート専用の電話番号があって、たとえばパスポートをなくした等のトラブルの時に日本語で対応してくれる、というサービスらしい。レストランやコンサートの予約などもやってくれるそう。

これを自分が使うかというと、レストランやコンサートの予約はまずしない。パスポート紛失は気になるけど東京海上も似たようなサポートを謳っていててかぶる、というのもある。そしてアメックスなので、年会費7,700円、ゴールドだと34,100円だそう。うーん…

…と考えたのだが、結局入ることにした。ゴールドは年金暮らしの身だと審査通らないかと思ったので普通カードの方。この手のサービス、宣伝文句通りに使えるかどうか、実際に使ってみないと本当のところはわからないのだ。東京海上で似たようなサービスがあるといっても、実際に使い物になるかはわからない。もちろんアメックスの方だってわからないわけだが、まあ2つあればどちらかが使い物になる可能性は増えるだろう。おぼれそうになった時つかむわらは1本より2本の方がよい、という程度だが、少しでも安心材料を増やしておくという意味である。

そういうことなので、アメックスに関しては他人にお勧めする気は全くない。あくまで情報として、今回私はこういう風に考えてこのようにしましたよ(間違ってたかもしれないけどね)、というご参考である。

あ、普通カードと書いたが、正確に言うと「ANAアメックスカード」というANAと提携しているカードである。今回ANAにも乗るし、ANAマイルが多少多くたまるらしいのでこうした。まあマイルもそんな期待してるわけではないのだが。

キャリーケース選び

booking.comでフライトを予約すると、予約の詳細についてメールが来る。その中に、持ち込み可能手荷物のサイズ制限が書いてある。これをよく見ると、航空会社によって微妙に許容サイズが異なることに気づいた。

United: 25x40x55cm
American: 23x36x56cm
LATAM: 25x35x55cm
ANA: 25x40x55cm

私がそれまで持っていたキャリーケースは、「機内持ち込み可能」と謳っていたのを買ったのだが、気になって測ってみると25x40x55で、AmericanとLATAMではサイズオーバーだった。

ここでまた思案:キャリーケースを買い直すべきだろうか?サイズオーバーといっても数cmだし、今までの経験からすると、空港で持ち込み手荷物のサイズを測ってチェックしているところは見たことがない。買い直す必要あるだろうか… 

…と迷ったが、結局買うことにした。たとえ今までokでも、海外の、特に米国の会社はルールがころころ変わり、そして変わった以上ルールを厳格に適用されることもある。サイズオーバーとされた場合、乗れなくなるということはないだろうが、手荷物持ち込み料金として数十ドル余分に取られるというのはそこそこ可能性がある。何より、面倒なトラブルが発生する芽は極力つぶしておきたかった。

それで、旅行用かばんを売っている店をいくつか回った。上記のサイズ制限をすべて満たそうとするなら、23x35x55cm以下が必要であるが、そういうかばんは数軒回ったがなかなか見つからなかった。それもそのはずで、キャリーケースの性質上、決められたサイズ制限の中でできるだけ容量を確保したい。25x40x55を23x35x55にするとそれだけで容量が2割減るのだ。そのぶんかばんとしての使い勝手は悪くなり、商品価値は下がるのだろう。

かなり店回りで苦労したが、5軒めくらいでようやく23x35x55のかばんを発見。このかばん、車輪ロックがない、横持ちができない、等それまで使っていた物に比べてやや使い勝手が劣るのだが、このサイズの物はとにかくこれ以外になさそうなので購入。たしか1万円弱だった。

なおサイズ制限を回避する別の手段として、ハードケースでなく、ボストンバッグのような柔らかい、形の変わるものにしようかとも考えたが、これは店員に「やめた方がいいですよ」と言われた。海外だと、かばんを切られて中身を盗まれることがあるのだとか。

後で実際に旅行したかぎりでは、結局ケースのサイズを測られることはなかった。ただ、搭乗口のところに「持ち込み手荷物はこのサイズまで」と書かれた空き箱のような物があり、それに入らないかばんはダメ、と言えるような体制にはなっていた。明らかに大きい荷物を持ってるような客にはこれをタテに断るのだろう。ただ、ちょっと越えてるかなくらいのかばんはほぼノーチェックのようだった。まあ、今回は、の話で、いつ変わるかはわからない。

スマホ回線

スマホを海外で使えるようにしなくてはならない。スマホは2台持っていく。1台はiphoneで、つい最近auからpovoに変えた。こちらがメイン機。もう1台はAndroidで、会社員時代会社用に使っていたものだが今はいちおう予備として回線だけは維持しているがほとんど使っていない。日本通信というMVNOの¥290/月のプランを使っていた。

【povoで通話】
まずpovoの方。povoは海外で通話もデータ通信も対応しているとのこと。まず通話の方から。国内で通話ができている状態なら特に手続きせずに海外でも通話できるそうだ。使い方を確認する。povoのサイトを見たのだがいまいちよくわからないので、サポートページにチャットの画面があったのでチャットで質問してみた。相手が A)日本 B)今自分が滞在してる国 C) そのどちらでもない第三国 のそれぞれについて、1)受ける時と 2)かける時 にどうダイヤルするのか教えてほしい、と。そしたら回答してくるのだが、受ける時は、自分の日本での電話番号が090-xxxx-xxxxだとして、相手がかけるのは「+(滞在国の国番号)-90-xxxx-xxxxです」と言ってくる。??いやいや、そんなはずはないだろう。それではその国の090-xxxx-xxxxの人にかかってしまうではないか。それおかしいんじゃないの?と言ってみたが「いや、これで正しいです」と譲らない。別の人にかかると指摘したのだが、「番号が衝突する可能性はないので問題ありません」と言い放った。そんなわけあるかー!何なのこの人?!ちょっとキレかけたが気を取り直して「あなたは理解してないようなので、きちんと理解している別の人と代わってください」と言うと、しばし考えた(相談した?)後「後日メールで回答します」と来た。で数時間後。別の担当者から「先ほどは誤った情報をお伝えして大変申し訳ございません」とメールが来た。何だったんだ一体…

私は20年ほどauユーザだったのだが、電話サービス自体には大きな不満はないものの、何かの手続きでauショップに行くと大体何かしら不快な思いをしていた。なんでauの顧客対応はこんなにひどいんだ…とずっと思っていたのだが、この点はpovoになっても変わってないらしい。今回の件で私が得るべき教訓は、サービス運営会社のサポート窓口の回答でも間違ってることがあるので二重三重にチェックすべし、ということだ。

話がそれたが海外での通話のしかたについて結論を書くと、まず電話を受ける際は、かける方は私が日本にいる時と全く同じにかけるそう。つまり日本国内からなら090-xxxx..だし、海外からなら+81-90-xxxx..、だ。すると日本から海外にいる私のスマホへ転送される。その際転送されるぶん通話料金は高くなり、そのぶんを受ける側(つまり私)に課金される、ということだったかと思う。まあ旅行中電話を受ける予定はないし、かけるのはホテルに空港シャトルをリクエストする時だけ、あとは万一の時の連絡用、なので料金は特に気にしていない。家族との連絡は、ホテルのWiFiでLINEオーディオ、の予定である。

こちらからかける時は、相手がどこの国だろうと(滞在国だろうと)+国番号-国内の番号(必要なら0除く)、である。チャットしていた時そう説明され、「'+'ってどう入力するのか、キーパッドにはないだろう」と聞いたら、「0(ゼロ)を長押しすると+になる」と言われた。実際スマホの電話アプリでキーパッドを開くと、たしかに0のキーに小さく+が書かれている。で長押しすると0が+に変わった。なるほど〜 0033だの001だの覚えなくてもよいらしい。なおこれはau/povoの場合で、ドコモでは滞在国にかける時は+国番号がいらない、みたいな話もネットで見かけた。au/povo以外の方はそのキャリアの情報を確認していただきたい。

かけ方と受け方は以上だが、この他にスマホでの使う前の設定として、現地でキャリアを選択する必要がある場合がある。povoのサイトによると通常自動で選択してくれるとのことなのだが、今回は米国でもエクアドルでもこのキャリア自動選択がうまく動かなかった。スマホ画面の上の方に通常は電波強度アイコンとキャリア名が表示されてるが、飛行機が着陸して機内モードをオフにした時、キャリアが表示されず、電波も来てない状態になる。

こういう時は「設定」-「モバイル通信」から「ネットワーク選択」を選ぶ。「自動」となってるのをオフにすると、その国で使えるキャリアがいくつか表示される。これらの中からひとつひとつ選んでみて、動くかどうか試すことになる。LAに着いたときは、最初Verizonを選択したら、電波は来たが、ブラウザは動かない、つまりデータ通信ができなかったと思われる。次にAT&Tを選択したところ、データ通信もできるようになった。エクアドルでもやはり自動選択は動かず、3つくらい表示されたキャリアのひとつ(Movistar、だったかな?)を選択したら通話&データ通信できるようになった。

結局今回の旅行中、電話で通話したのは空港からホテルに送迎シャトルを頼んだ2回だけであった(行きと帰り、1回1分足らず)。

【povoでデータ通信】
以上は通話の話で、データ通信はまた別である。観光中に街中でブラウザを開いてネットを見たり地図を表示したりするにはデータ通信が必要になる。

povoの場合は海外用トッピングというのを購入することになる。スマホのpovoアプリから購入できる。カバーする地域や期間によっていろんなトッピングがあるが、今回は

  • レギュラー 3GB 7日間 ¥4,280 (米国もエクアドルもカバー)

  • アメリカ 1GB 3日間 ¥780

を使った。海外用トッピングは一度に一つしか買えないので、まずレギュラーの方を買う。日本にいる間は期間はカウントされず、米国に入って初めてデータ通信を使ったときからカウントが始まる。24x7時間後に7日間のトッピングが切れる(この時間はメールでお知らせが来る)。切れてから次のトッピングを購入する。

povoサイトによると、購入する時はネットワークにつながってなくてもよいそうである。ちょっと妙な気もするが、考えてみるとたしかに、ネットワークにつなぐためにトッピングを買うのだから、ネットワークにつながってないと買えないというでは困る、ような気がする。どうやってるのか仕組みはよくわからないが。ただ私はホテルでWiFiのある時に購入したので、ほんとにネットワークなしで購入できるかは未確認である。

スマホの設定としては、「設定」-「モバイル通信」で、「データローミング」をオンにすること。それ以外は必要なかった。

【海外対応キャリアの選択】
Android機は日本通信のSIMだったが、日本通信は海外通話は対応していないとのことだった。なので海外対応してるところへSIMを変更する必要がある。

選択肢はいくつかあるのだろうが、深く考えずにpovoにした。ひとつは、povoなら新たに海外通話のしかた等調べなくて済むこと。上記の通り、調べるのけっこう苦労したので、また同じことをしたくなかった。もう一つは、予備として回線保持する費用が安いこと。povoはトッピング何も買わなくても180日回線を維持できるので、最低ラインだと半年に1回いちばん安いトッピング(300円くらい)を買えばよい。以前日本通信を選んだのは、当時としては月290円は破格に安かったからだが、povoはそれ以下である。

そもそも予備のスマホって必要か?という人もいるだろうが、私の使い方としては、ネットのサービスでアカウント作るのにSMS認証が必要、というものがけっこうある。しかしセキュリティ上怪しげなサービスに番号晒したくない、というときにこの予備の番号を使うのである。予備のスマホはほとんど使ってないし個人情報も入れてない、金の動くサービスも入れてないので、万一こちらから何か流出してもほとんど痛くない。そういう目的で保持している。今回の旅行準備で、海外旅行時のバックアップ、という用途がもう一つ増えたが。

また話がそれるが、日本通信を解約するときはウェブページで数回クリックするだけで面倒なこともなくあっさり解約できた。ここは日本通信、良心的だなと思った。

スマホアプリ、サービス他

今回の旅行のために入れたスマホアプリやサービスについても書いておく。

【WhatsApp】
ホテルの予約サイトを見ていて、「WhatsAppでの連絡先」を載せているところがちらほらあった。まあ連絡目的ならば電話がないということはないので電話で済む話かもしれないが、一応入れておこうか、と思ってWhatsAppをインストールした。WhatsAppというのは、一言で言うとLINEみたいなものである。メッセージを送る他、LINEオーディオみたいな感じで音声通話もできる。ただ、いちおう入れたものの、結局使わなかった。

【Uber】
日本では規制のためウーバーはほとんど使えないが、海外ではかなり一般的らしく、市内の移動や空港-市内の移動でUber(やLyft)を使った、という話は最近多く見る。私は日本ではウーバーもウーバーイーツも使っていない。旅行でも使う予定はなかったが、これも万一に備えて選択肢を増やしておくため一応スマホにUberアプリを入れた。ただ、結局これも使わなかった。エクアドルはタクシーも悪徳ドライバーで危険な場合があるとのことで、Uberはタクシーよりはましだそうだがやはり不安はある。なので結局バスと地下鉄しか使わなかった。

booking.com
booking.comのアプリというのがあったのでスマホに入れていった。必須というわけではないが、フライトとホテルの予約をまとめて見れるので多少便利である。予約の情報はメールでも来てるのだが、メールの数が多いと目当てのメールを探すのが手間だったりする。私の今回の場合は特に、フライトもホテルも全てbooking.comで予約したのでこの点はだいぶ楽になった。

【たびレジ】
アプリではないが、「これこれの期間、どこそこの国へ行く」と外務省に登録するやつである。海外に行く人で、特に脛に傷を持つ人でなければ登録しない理由はないだろう。テロ等の不測の事態があった時には必須になる。ネットで簡単に登録できる。

登録すると、その国の危険情報やら何やらをメールで知らせが来る。出発の数週間前には、グアヤキルというエクアドル第二の都市で、ゲリラがホテルで暴れて観光客も犠牲になった、みたいなニュースがたびレジから来て「大丈夫か…」となっていた。出発直前には、エクアドルの元大臣が収賄か何かで指名手配され、政治迫害だと言ってメキシコ大使館に逃げ込み、外交特権でエクアドル警察が手を出せず保護されていたのだが、突如警察が大使館に入ってきてその元大臣を連行していき、メキシコ政府が激怒してエクアドルと断交を発表した、というニュースがあった。これにも私は「なぜ俺が出発する直前にそんな騒ぎを起こすんだ…」と頭を抱えていたのだが、この件はなぜかたびレジは全く触れなかった。政治の話で治安には影響ない、ということだろうか。

なお日本政府関係ではこの他に Visit Japan Web というのがあるのだが、これは使わなかった。これがなくても、紙の税関申告書をその場で書けばいいそうで、特にやるメリットがなかった。コロナの時はワクチン接種証明みたいなのも付いていてそれなりに意味があったのだろうが、コロナ対応が不要になった今となってはほぼ意味がないと思う。

【ESTA】
これもアプリとかサービスというのとはちょっと違うが。米国にノービザで入国するためには必須。ネットで簡単に申請できる。最大72時間で結果がわかるそうだが、今回は24時間もたたないうちにApprovedになっていた。

スペイン語

非英語圏に旅行する時は、その国の言語をほんの少しでも勉強してから行くようにしている。今回はスペイン語の入門的な本を一冊買って半分くらいまで読み、あとDuoLingoのスペイン語を1日10-15分、ひと月ほどやった程度である。

もちろんこのくらいでは外国語としては全くモノにはならないのだが、それでも少しでも知っていると街の看板や注意書きがある程度断片的に読める程度でもけっこう役立つものである。スペイン語は文字がアルファベットなだけ楽な方で、韓国・タイ・ロシア等に行った時は文字を覚えるだけでひと苦労。裏を返せば、文字が読めるだけで(意味はわからなくとも)街歩きがだいぶ楽になる。バスや電車で降りる駅/バス停がわかるだけで大進歩だ。

今回の旅行では、フードコートのメニューを読むのにいちばん役に立った。pollo(chicken)とかarroz(rice)とかをしっかり覚えたのだ。心残りは、数字をちゃんと覚えてなかったこと。ひとケタの数字までは覚えたのだが、ふたケタまでは手が回らなかった。ふたケタがわかると買物が格段に楽になるのだ。

旅行とはあまり関係ないが、私はチリコンカンがかなり好きなのだが、'con'=with、'carne'=meatで、「チリ with meat」なのだということを知ったのが今回スペイン語を学習したいちばんの収穫であった。

直前の準備

旅行直前にしたこと、気をつけたことをいくつか。

病気やケガになって行けなくなるのがいちばん怖い。危ないこと、やったことのないことはしない、危なそうな物は食べない。出発の10日くらい前から安全運転モードの生活をしていた。

私はふだん週に一度ジョギングをしているが、何度か転倒したことがあり、それでケガをしたこともある。なので出発直前の週は走るのはやめてウォーキングに切り替えた。

持ち物を少しでも減らして荷物を軽くしたい。爪切りは持っていきたくない。手の爪は大体約10日で切りたくなる程度に伸びるので、出発直前に手足の爪切りをした。今回は10泊11日相当なので、まあぎりぎり爪切りなしで行けるだろう。ということで爪切りは持っていかなかった。細かいようだが、こういう小さいところの積み重ねでぎりぎりまで荷物を軽くするのである。2週間以上の旅行だと持っていくしかないのだろうな。

髪も出発一週間ほど前に切った。旅行中に床屋に行くのは時間が無駄だし、言語の点から難しい。伸びてうっとうしい髪のまま歩きたくはない。

旅行中の生活設計

旅行の計画というと、どこに行って何を見るか、のようなところにばかり目が向きがちだが、旅行中の生活(衣食住、その他の生活習慣)をどのようにするか、も忘れてはならない重要な要素である。言うまでもなく、ふだんの家での定住生活と、ホテルからホテルを移動する旅行中の生活ではかなり様相が異なる。本章ではこれらの点を細かく見ていく。

服装と洗濯

まず前提として、旅行の荷物は「機内持ち込み可のキャリーケースと、身の回り品用ショルダーバッグ」の2つ、である。飛行機に乗る際預けるスーツケース類は持たない。これは主に、いわゆるロストバゲージ、つまり預けた荷物がちゃんと乗った便で運ばれず、運ばれなかったりどこか別の所に運ばれてしまうトラブルの可能性をなくすためである。私は旅行にせよ他の何にせよ、トラブルの可能性は事前に可能な限り考慮して極力排除する、という方である。トラブルもまた楽しみのうち、という人もいるかもしれないが、私はそうではない。避け得ないトラブルというものは確かにあり、会った時はしかたないので臨機応変に対処するが、避け得るものは避けておくべき、という考えである。

したがって着替え類はこの荷物の中に入る程度に抑える必要がある。キャリーケースのサイズは前述の通り25x35x55cmで、これはかばん屋などでは「3泊程度まで」と注意書きがあることが多い。

今回の旅行では、持っていった衣服類は次の通りである。

・肌着上下(上はTシャツ)及びくつ下、各3着ずつ
・(下着でない)シャツ、及びズボン、各1着ずつ
・トレーニングウェア上下、各1着(ねまき用)
・薄めのベストとジャケット各1着(寒い時用)

肌着とくつ下は毎日替える。シャツとズボンはおおむね3日ごとに替える。暖かい日なら上はTシャツのみでシャツは着ないが、今回はシャツは着てることが多かった。ねまきは10日程度なら洗濯せず。ベストとジャケットも洗濯はなし、というか今回は寒い日がなかったのでそもそも一度も着なかった。

キャリーケースに入れたのは、これら衣服と、洗面具、あと(紙の)本を2冊ほど、である。この程度ならば小さめのキャリーケースでも余裕で入る。

これだけの着替えで済むのはもちろん、旅行に行く時期を選んだからである。夏や冬だとこうはいかない。また、仕事の出張でスーツを着る場面があったり、高級レストランやコンサートに行くため正装するような必要もないことが前提である。

さて、あと問題は、洗濯をどうするか、である。選択肢としては、1)洗濯しない(日数ぶんの着替えを持っていく) 2)ホテルのクリーニングに出す 3)ホテルのコインランドリーを使う 4)自分で手で洗濯する などが考えられる。

1)は荷物サイズの制約から不可能なので除外するしかない。2)はお金に余裕があればやってもよいのだが、私としてはこれも除外することにする。理由は、ひとつは貧乏旅行を旅行の基本としているので気分的にやりたくない、ということ。もうひとつは、できるだけ他人の手を介することはトラブル回避のため避けたいのである。特に海外の場合、何かを他人に頼むと、手違いの可能性が無視できない。クリーニングを頼んだのに、翌日出発の時にできてなかった、というのでは困る。そういう可能性をゼロにしたいのである。

3)だが、国内旅行の場合は、最近はコインランドリーのあるビジネスホテルがけっこうあるので、3日に一度はそういうホテルを選び、その日にまとめて洗濯をする、というのが最近よくやるパターンである。しかし海外では、コインランドリーがあるホテルというのはほとんど見かけない。ネットで旅行情報などを見ていると全くないわけではないようだが、私がホテル予約サイトを見ていたかぎりでは全く見つからなかった。そこでこれも除外とした。つまり、4)手で洗濯する、に決定である。

旅行中に手で洗濯するというのは、肌着とくつ下だけならば以前バンコクや大連に行ったときに経験済みであり、だいたい勝手はわかっている。ただ、シャツやズボンはやったことがなかった。バンコク大連の時はたしかシャツズボンは2着ずつ持っていき、洗濯なしで済ませたと思う。(2着ずつ持ってもキャリーケースには十分入った。)

手洗濯の具体的手順を記しておこう。洗面所のシンクのふたをして、貯めた水が流れないようにする。(実はここで問題が起こることもある。後述する。)ぬるま湯くらいの温度でお湯をシンクに貯める。ボディソープ(海外でもたいていのホテルにある)を、手のひらに乗るくらいとり、お湯に溶かす。服を湯につける。服に湯をしみこませてから、服からしみこませたお湯をしぼりだすような感じで手で押し付ける。それからまた手をゆるめて服をほぐし、また湯をしみこませる。これを7,8回繰り返す。こうすることで、服の繊維の間をお湯が行き来して洗い流すようにする。シンクのふたを開けてお湯を流し、服をしぼってソープ分を流す。この後、ソープなしの真水で同じことを2回繰り返してすすぐ。肌着上下+くつ下くらいなら、慣れると15分くらいで終わる。普通に汗をかいた程度の汚れならば、これで完全に汗臭さ等は取れることを確認している。洗った服は、クローゼットのハンガーにかけたり、椅子の背にかけて干す。

肌着とくつ下は、夜洗ってきちんとしぼれば、翌朝にはほとんど乾いている。だがシャツやズボンは一晩ではあまり乾かない。湿った服をキャリーケースに入れて移動するのはケース内に湿気が移りそうで避けたい。ここの対策が必要になってくる。

2日あればさすがに乾くので、同じホテルに2泊以上するのならば、着いた日の夜に洗濯すれば、1日半干しておき、翌々日の朝には乾いた状態で荷作りできる。うん、これならいけそうだ。…と思ったのだが、今回の日程では、行きのマイアミで2泊するが、それ以外は2泊同じホテルに滞在する予定がないのだ。

キトの3泊は空港近く-市内-空港近く、で、これをどこかで2泊連続にすることもちらっと考えたが、やはり到着日と出発日は空港近くにしたいし、かといって2泊めを空港近くにするのも余分な空港-市内往復が増え、そのぶん観光時間が減るので避けたい。洗濯だけのために1泊伸ばすというのはさすがにばかばかしいだろう。

そこで考えたのは、キトの1泊めか2泊めの夜に洗濯し、翌日の空港-市内間の移動の時は湿った服はキャリーケースでなく別のビニール袋に入れて運ぶ、というものである。手荷物の数が増える(キャリーケース、身の回り品用かばん、洗濯袋)のが多少気にはなるが、バスで1時間半程度の移動らしいのでまあなんとかなるだろう。…と、旅行前の計画段階ではこんな風に考えていた。

ところが、実際にはこうはしなかった。出発後、現地であるアイデアがひらめき、そちらに変えたのである。

海外でも、ホテルにはたいていドライヤーは置いてある。これを見て、「ドライヤーで洗濯物を乾かせるんじゃないか?」と思いついたのだ。私はふだんはドライヤーというものは全く使わないので、家で計画を立てている時は全く思いつかなかった。

やってみたところ、シャツやズボンだと30分くらいドライヤーを当てると、完全に乾くまでには行かないが、翌朝には生乾き程度にはなっていそうなくらいにはなることがわかった。だいぶ進展したが、もうひと押しなにか工夫が必要だ。今までは、洗濯したものは乾燥させて荷物にしまい、翌日は替えの服を着る、というのを前提にしていた。そうでなく、洗濯したものを生乾きのまま翌日すぐ着る、としたらどうだろう?

別件で、生乾きくらいの服を着ていると体温でしばらく(2,3時間)すると乾く、ということは知っていた。体温というのは乾燥機としてかなり優秀なのである。湿った服を着るというのは全く気にならないわけではないが、寒い日でなければ許容範囲だし、肌着でなければ影響もかなり小さい。

というわけで、シャツとズボンに関しては「夜洗濯した後、ドライヤーに30分ほど当ててある程度乾かす。翌朝、生乾きの状態のまま着て、自然乾燥を待つ」という運用になった。これで移動中に余分なビニール袋を持つ必要がなくなり、かなり楽になった。これはけっこう気に入っていて、次回以降の旅行でもこの手法は使っていこうと思っている。

ここまで考えると、「これなら実はシャツとズボンは替えを持つ必要ないんじゃないか?」とも思える。夜洗濯したものを翌朝またすぐ着るのだから。ただ、服が破れたりすることもあるので、さすがに替え全くなしはつらいか、ということになった。まあ現状でキャリーケース容量はまだ余裕があるので、そこまで荷物削減を突き詰めることもないか。

ホテル選び

ホテルの選び方は旅行のたびに頭を悩ます事のひとつである。ホテルに何を求めるか、何を重視するか等で人それぞれ、千差万別だろう。ここでは、今回の旅行でホテルに何を求め、どういう基準で選んだか、を記していく。

【ロケーション】
まずロケーション。今回の場合、「フライトの日は出発・到着共空港の近くに泊まる」と決めていたので、ホテル全9泊のうち、キトの2泊めを除いて全て空港の近くである。これだけでだいぶ絞られる。booking.comだと「**空港の近くのホテル」という検索ができるので、これで出てきた中から選ぶことになる。

【アクセス手段】
そして空港からホテルまでの交通手段。日本だと鉄道やバスでだいたいどこでも行けるが、海外はそうとは限らない。仮にバスがあっても、どういう路線があるのか、時刻表は、といった情報を事前にわかっていないと使えない。バスがあっても、一日に数本、ということもあるのだ。

今回は、LAとキトでは、「空港近く」で出てきたホテルのうち、「空港までの送迎シャトルあり」とあったところを選んだ。それも、「30分おき発着」などと明記しているところ。マイアミでは、空港直結のホテルというのがひとつだけあり、そこにした。これなら交通手段の心配はない。けっこう高かった($~300/泊)のだが、移動が必要ないのは大きい。

私は「ホテルの空港送迎シャトル」というものを今まで海外で使ったことがなかった。ホテル->空港はまあフロントで聞けばいいのだが、着いた時に空港からホテルに行く場合、いつ、どこに車が来るのか、は事前に確認しておく必要がある。booking.comの場合、ホテルの予約をするとそのホテルとメッセージのやりとりができるようになっている。これで事前に確認しようとしたのだが、ここでもまたトラブルがあった。この点の詳細については後ほど書く。

キトの2泊めはキト市街中心近くのどこかであればよい、という程度で、バスや地下鉄でアクセス可能ならまあどこでもよかった。

【衛生面の懸念】
事前にネットでいろいろ海外旅行情報を見ているうち、「ホテルでトコジラミがいる事案が増えてるらしい」というのを見かけた。荷物にまぎれこまれて、家で増えられたりすると、被害相当額は100万円でも足りないくらいである。それで、ホテルに関してはまず絶対トコジラミはいないようなかなり高級路線にした。結果、LA・マイアミはおおむね$200以上、キトは$100程度、のところを選んだ。米国はそもそも最近高いのでどうやっても$200くらいはかかるのだが、キトは安くあげようと思えば$50とかそれ以下のところはけっこうある。だが今回はトコジラミ対策ということでこうした。

【設備】
国内旅行だと、ホテル予約の時にはだいたい以下の点をチェックするようにしている:
・冷蔵庫
・WiFi
・シャワートイレ
・コインランドリー
・近くにコンビニがあるか

最初の3つは、国内だと安めのビジネスホテルでも最近はたいていある。コンビニも、私の場合はある程度大きい都市の中心部に泊まることが多いので、たいてい不自由はない。あとコインランドリーがあるのは3軒に1軒くらいなので、3日に1日はコインランドリーのあるホテルにしてその時に洗濯する、としている。

私は国内旅行ではたいてい朝食なしの素泊まりにして、コンビニで夜の酒&つまみと翌朝の朝食を買い、冷蔵庫に入れておく、というのがパターンである。(私はふだんほぼ毎晩酒を飲んでいる)

ところが海外ではこれらがなかなか実現しない。まずシャワートイレは、海外のホテルではまずない。私は今まで日本の外でシャワートイレを一度も見たことがない。これ、あるところってあるのだろうか?先日某記事で「米国の高級住宅街では日本のシャワートイレがカルト的人気を誇り…」みたいな記事をみかけた。まあ皆無ではないのだろうが、カルト的というくらいだから相当ニッチなのだろう。

私はどうしているかというと、ホテルのトイレはたいてい洗面所のすぐ横にあるので、トイレットペーパーを何枚か多めにたたんでおき、洗面所の水道で水をしみこませてウェットティッシュのようにして使っている。水をかけるというのではないが、乾いた紙より濡れた紙を併用する方がかなり改善される。

コインランドリーも、海外のホテルではまずない。ネットのレビューを見ていると全くないわけではないようだが、私が予約サイトで見ていた限りではこれも一度も見かけなかった。それで手洗濯にした、というのは前述の通りである。

冷蔵庫はけっこう多くのホテルにあるが、ない所にはない。今回の場合、マイアミの空港内ホテルには冷蔵庫がなかった。まあ空港内なので、いざとなったら空港内の売店に行けばいいだろう、という読みで、冷蔵庫なしでもよしとしたのだが。ここは予約の時にチェックした方がよい。

WiFiは、(私が見た範囲では)たいていある。あることはあるが、ホテルによっては有料のところもあるようだ。予約サイトを見ていて、WiFi有料というのはいくつか見かけた。ここも要チェックである。今回は全ホテルでWiFi無料だったが。

コンビニ(というか、食品や酒を買える店)は、場所による、としか言いようがない。今回の場合、

LA: たまたますぐ近く(300m以内くらい)にセブンイレブン、食品スーパー、ファストフード等揃っていた
マイアミ:空港の売店があることはチェックしていた。スナック程度は売っているとは思ったが、酒はないかもしれないなと思っていて、案の定なかった(米国は酒の販売はけっこう厳しい)
キト(空港近く):空港の売店があることはチェックしていたが、何があるかまではわからなかった。行ってみたら食品も酒もあった
キト(市内):近くに食品スーパーらしきものがあるのをGoogle Mapで確認していた。行ってみたらやはり何でもあった

という感じである。(LA、マイアミ、キト(空港近く)は、行きも帰りも同じホテルをとっている)

LAは、予約のときは空港の送迎だけ見て決め、近くに何があるかは全く確認してなかった。予約した後でチェックしたら何でもあって助かったのだが、全くのまぐれあたりである。ホテルを予約するときに、予約サイトのホテルの情報だけでなく、Google Mapなりを開いて周辺にどんな店があるかまでチェックする、というのはかなり面倒なのだが、やはりやるべきなのだろうか。しかし、海外だと店名がわかったところで何の店かわからないことも多いし酒を売ってるか確認できないことも多い。この辺、どうするのがよいのか私もいまだ決定版がないというのが実情である。今回の旅行では、いろいろ場当たり的に対策してなんとかしのぎきった、というところである。

【各種トラブル】

海外の(というのは主語がデカすぎるかもしれない、少なくとも米国とエクアドルの)ホテル、予期せぬトラブルがとにかく多い。今回の旅行中、エアコン絡み2件、洗面所のシンク関連3件、ブレーカが落ちた1件。部屋を替えてもらったのが2回あった。今回遭遇したホテルのトラブルについて以下にひとつずつ書いていく。

4/19 LA:エアコンをつけても、少し動いた後すぐ止まってしまう。フロントに電話し、しばらくしてエンジニアが来たのだが、ちょっと見て「これは治らない」、と。でまたフロントに電話し、部屋を替えてくれるよう依頼。無事替えてもらえた。

4/20 マイアミ:洗面所のシンクの底のふた、蛇口の後ろの棒を押し引きして開け閉めするようになってるはずなのだが、この棒を引っ張るとなんとすっぽ抜けてしまった。で、ふたが開いたまま閉まらない。手洗濯するのにこれでは困る。フロントに電話し、しばらくしてエンジニアが来たのだが、これまたちょっと見て「これは治らない」、と。どうせぇっちゅうんねん。しょうがないのでこの日はシンクでなくバスタブにお湯をためて洗濯した。しゃがんでやるので腰が痛くなったのだが、他にしょうがない。

4/22 キト市内:ちょっと寒めだったのでエアコンの暖房を入れたのだが、動いているようなのだがいつまでたっても暖かくならない。フロントに電話すると「今の季節はエアコンは冷房オンリーになっている。今ヒーターを持っていくから待ってろ」と言われる。しばらくしてエンジニアが電気ストーブっぽいものを持ってきた。これをつけると、まあそばにいれば暖かいようになった。これで一件落着。…と思ったのだが。

ヒーターで部屋を暖めながら洗面所で洗濯をし、ドライヤーで服を乾かしていると、突然ドライヤーが止まった。?ん?ん?何が起こった?コンセントを抜き差しし直しても動かない。しばし調べたところ、どうやらブレーカーが落ちてる模様。天井の照明はついたままなので最初気づかなかったが、照明系と足元のコンセントは別系統なのだろう。フロントに電話…しようと思ったが、電話機もコンセントが死んでるためうんともすんとも言わない。しかたなくエレベーターで1階まで行き、フロントに直接言う。で部屋に戻って待っているとさっきのエンジニアがまた来る。この人英語ができず、スペイン語しか話せないらしい。コンセントを指差してから腕をクロスさせてバツ印を作って、とか身振りでいろいろやってたらそのうちなんとか伝わったようで、廊下に出てどっかをいじったら復旧した。

4/23 キト空港近く:ここの洗面所のシンクの底、ふたが開閉できず固定(開けっぱなし)になっている。え!?こんなのそもそもあるの!?ホテルでこれは初めて見た気がするが。このホテル、2日前にも泊まったのだが、その時は普通の開閉できるシンクだった。それでまたフロントに行き、まともなシンクの部屋に替えてくれるよう依頼。そういう部屋を探してみると言われて若干時間がかかったが、結局無事部屋を替えてもらえた。なおここのホテルはバスタブがなくシャワーオンリーなので、シンク使えないからバスタブで洗濯、とはいかないのである。

4/25 LA:洗面所のシンクの底のふたが開閉できず。またエンジニアを呼んだが、「完全には治らない。開けっぱなしを閉めっぱなしにすることならできる。閉めっぱなしにするか?」と聞かれたが、閉めっぱなしはさすがに困る。また洗濯は最終日のためしないので、開けっぱなしのままでいいと答えた。

…という感じで、とにかくトラブル続きだった。しかし不思議なのは、なぜ修理しないのか?あとエンジニアの仕事とは一体何なのだろう。見に来ては「治らない」と言うだけで、やったことと言えばヒーター持ってきたのとブレーカー上げたことくらいなのだが。

ちなみに私は国内旅行は今まで百回以上行ってると思うが、ホテルで部屋替えてもらったというのは1回しか記憶がない。たしかかなり古いホテルで、換気の管の系統のせいで、禁煙の部屋だったのだが他の部屋のタバコの臭いがしてきた、だったと記憶している。主に5千〜8千円/泊程度のビジネスホテルに泊まってて、だ。シンクのふたが閉まらんだのエアコンが壊れてるだの、ありえんだろ…という印象だったのだが。海外恐るべし、というかこういうもんだと覚悟して行く必要はあるだろう。そしてこれで$200-$300/泊である。安宿だと一体どうなるのであろうか。

【空港シャトルの使い方/ホテルとのやりとりの落とし穴】
私は今まで、海外で空港近くのホテルをとってホテルの送迎シャトルを使うというのをやったことがなかった。今回LAとキトでそのサービスを使った。これでけっこうとまどったので、少しこの点について書いておく。

ホテル予約サイトを見ていると、「空港シャトルがある/ない」は書いてあるが、具体的に何をどうすればよいのかまでは書いてない。「24時間」とか「30分おきに発着」くらいは書いてある場合もあり、そういうホテルを選んではいるのだが。まず送迎の「送」の方、つまりホテルから空港に行く方については特に問題にはならない。前日からホテルに泊まってるのだから、前日の晩にフロントに聞いて、何時に出るか、どこで待つか(たいていホテルのロビーだが)、を確認しておけばよい。問題は「迎」の、空港->ホテルの方である。空港に着いた後、どうやってシャトルを見つけ、乗るのか?

booking.comの場合、ホテルを予約するとそのホテルとメッセージをやりとりできるようになる。booking.comのページで会員としてログインするとそういう画面があるのだ。まずLAのホテルの方は、予約するとすぐに、けっこう長文のメッセージが来る(たぶん自動で送っている)。その中にシャトルの説明もある。いわく「無料シャトルは24時間、週7日やってる。30分おき、毎時00分と30分に出る。使うなら連絡しろ。電話xxx-xxx-xxxxだ。着いたら、空港の出発階の各ターミナルに"Hotel & Private Parking Shuttle"という赤い看板があるからそこに行け。うちの車は白と黒のバンで、ホテルのロゴが入っている」と。それで「シャトル乗りたい。で質問:連絡というのは今するのか、空港に着いてからか?フライトはxxxだが、遅れ等ありえるので現時点では何時に着くかはっきりはわからない」と送った。

すると「yyy(担当者の名前)はただいま休暇中です。お急ぎの方はyyy@zzz.comへ連絡ください」と返ってきた。アメリカではよくある、休暇中の人間に仕事メールを送ると自動で返ってくるやつである。だが、このyyy@zzz.comに送るのはよくない。この担当者が悪徳で、やりとりを見られたくないために公式以外のやりとりに誘導している可能性もあるからだ。それでその後もう一度booking.comからメッセを送ったのだが、全く反応がない。いちおうメアドもbooking.comにあったのでそこにも送ったが、それもダメ。

このホテルはMariott系列だそうなので、Mariottのサイトからアクセスできないか、ちょっと見てみた。すると「ホテルへのご意見」みたいなページがあったので、そこに「booking.comで予約した。質問のメッセを送ったが返答がない。どうなってるのか」と書き込んだ。翌日「どういう用件か?」と返事が来た。これはそのLAのホテルでなく、Mariottの本部(?)の人間っぽい。それで「空港シャトルの使い方を知りたい。具体的には〜」と書き込んだ。すると「ホテルに連絡した。近いうちに返事するはず」と来た。更に待つと、ようやくホテルから「空港に着いてから電話しろ」と回答が来た。予約してから5日後である。

これでとりあえず「空港に着いて、(必要なら買物等して、ホテルに行く準備ができたら)シャトル待ち場に行き、ホテルに電話する、30分以内に来る」なのだな、とわかった。実際に空港に着いてからこのとおりにして、無事乗ることができた。

後からわかったことも含めてまとめると、

・「毎時00分と30分に出る」のは、ホテルを出る時間。ホテルを出てから空港の各ターミナルを回り、乗る人がいればピックアップする。したがって空港から乗る場合は、00/30分の十数分後に来ることになる。(空港前の道路は慢性的に渋滞している)

・乗り降りする人がいないターミナルは素通りするので、「空港から連絡が必要」なのは、シャトルの運転手がどのターミナルで人を拾うかを把握するため。電話では「どのターミナルにいるか」も言う。なおLAの空港は、1,2,3,B,4,5,6,7,8と9つのターミナルがU字型に並んでおり、それぞれ200-300m離れている。

いっぺん行けばわかるのだが、初見だとなかなかわかりづらいのである。それで他にも迷う人いるかと思い、ちょっと詳しく書いてみた。以上はLAの話だが、マイアミの空港もやはりターミナルがいくつか並んでいて、ところどころに"Hotel & Parking shuttle"の看板があったので、同じようなシステムだと思われる。

以上はLAの話。キトは全然違う。こっちは予約した後、やはり自動とおぼしきけっこう長文のメッセを送ってきたのだが、なんとスペイン語。コノヤロウ… ためしにネットで翻訳してみたら、「当ホテルは環境保護のためプラスチックボトルは使わない。飲料水のファウンテンはあるからマイボトルを持ってきてくれ」だそう。なんじゃそりゃ… それで持ち物リストに水筒を追加。

シャトルについては何も書いてないので、「シャトルどうやって乗るのか」とbooking.comメッセで聞いてみた。すると「フライト名と到着時刻を教えろ。着陸後のゲートのところでお前の名前入りの看板を持って待ってる」とのこと。「着陸後に空港で少し買物したいんだけど、待っててもらえるのか」と聞くと「遅くなっても大丈夫」、と。ちなみにここのホテルはメッセ送ったら翌日には返事がちゃんとあった。

実際に行ってどうだったかというと、空港に着陸して税関やらを通って一般ゾーン(到着ロビー)へ出ると、誰かが私の名前入りの看板を待ってる…はずだったのだが、そんな奴はいない。あれぇ?まあ時間にルーズな国なのかもしれないし、私は預け手荷物がなくあのカルーセルでスーツケースを待つのをスキップしているので、出てくるのはもうちょい後だろうと思ってるのかもしれない。

それで、空港内のショップ状況を確認しておきたかったので、空港すぐ向かいのビルのショッピングセンターへ行き、どんな店があるか、何を売ってるかをチェックしていた。これがあるのは事前にネットで調べていたのだが、ページがスペイン語で何書いてあるかよくわからなかった。ブラウザも「翻訳しますか?」と聞いてきたりこなかったりだし、翻訳しても画像だと訳されない。そんな広いとこではなく、20分ほど見てまわっていた。

で空港到着ロビーに戻ってまた人を探すと…ホテルの名入りプレートを持った人を発見。話しかけると「探してたんだよ!」と言われた。ついていってシャトルに乗ると、他に7,8人いた。私が最後だったようで、私たちが乗るとすぐに発車した。みなさん待たせてしまったようで申し訳なかった…

今回泊まったホテルは空港の「お得意さん」らしく、そのホテル専用のバス停みたいな看板が空港前の道路の隅にあった。他のホテルの看板は見当たらず、他のホテルはどうしてるのか知らんが、バス停は駐車場の目の前だったので、たぶん駐車場に止めて到着ロビーで看板持って待ってるのだろう。(到着ロビーで看板持ってる人は他にも見かけた。)

このホテルはキトに着いた日と出発前日の2泊して、上記は着いた時の話。出発前日の方は、前日キト市内に泊まってそこからバスで空港に来るので、フライト名とかそんなものはない。それで「市内から来る時はどうするのか」とメッセで聞いたら「その場合は、空港出て右に行ったところに車が止まってるからそこに行ってくれ」とのこと。これだけではよくわからなかったが、まあこれは着いた日に聞いとけばいいか、と思い、旅行前はいったんそこでやりとり終了。

で旅行に行ってキトに着いてから、ここもシャトルはホテルから30分ごとに出てるというので、空港で買物するためにホテルからまたシャトルに乗り、その時「30分くらいしてからホテルに戻るのだが、その時はどっから乗るのか」と聞く。で口で説明されたがよくわからんので、「私を降ろした後、今度は空港からホテルに行く人をピックアップするんだろう?だったらその場所まで乗せてってくれないか?」と頼む。普通はホテル->空港の人は出発階で降ろし、その後シャトルは到着階に行ってピックアップするのだが、私を出発階で降ろさないで到着階まで行ってくれ、ということである。で「別にかまわんよ」と言うのでそうしてもらい、到着階のピックアップ場所を確認。その後買物した後、先ほどのピックアップ場所に行って無事シャトルでホテルへ戻った。

というわけで、LAでもキトでも無事シャトルを使えたのだが、使うための準備にはけっこう手間をかけている。ここ、他の人はどうしているのだろう?まあ同じ場所に何度も行くのであれば1回やればわかる話なのだが、私は同じ場所に何度も旅行したりはほとんどしないので、初見でトラブルなく行きたいのである。タクシーなり送迎サービスなりを使うという手もあるのだが、金がかかるという他、南米のように治安の悪いところだとタクシーも悪徳な場合があるということで、タクシー使うのもそれはそれで気をつけなくてはならないのだ。やはり初見ノートラブルを目指すなら、手間をかけてホテルと事前に十分やりとりしておく他ないのか。

食事

旅行中の食事をどうするかというのも人それぞれだろう。腹がふくれればそれで十分という人もいれば、食事こそ旅行のメインの目的、という人もいる。

私の場合は、旅行では現地の人の生活を見る・体験するのがいちばん楽しい、という方なので、食事ならば現地の人がふだん食べている物を食べてみたい、と思う派だ。日本を訪れる外国人旅行者にたとえて言うと、銀座の高級すし屋に行くよりもココイチとか松屋とかその辺でカレーや牛丼やラーメン等が食べたい、となる。

ただ朝食だけは昼・夜と要求が異なる。先に朝食の話からしておこう。朝はやはり外には出たくない(というか海外だと朝食を食べられる/買える店が近くにあるかわからない)のでホテルで食べることになる。ここで、ホテルの出す朝食を食べるのと、前日に店で買っておいて部屋で食べる、という2つの選択肢がある。

国内旅行だと、私は大体いつも後者である。国内のビジネスホテルならば普通素泊まり(朝食なし)のプランがあるのでそちらを選ぶ。(温泉旅館とかだと朝食付きプランのみの場合もあるが、私はそういう所には泊まらない。)で、前日にコンビニ等で朝食を買っておく。ホテル選びで冷蔵庫の重要度が高いのは食材をしまうためである。冷蔵不要の物で揃えることも全く不可能ではないがかなり満足度が低くなってしまう。

国内のホテルの出す朝食を食べたことはあるが、大体メニューは変わり映えしないし、あと高い。コンビニで自分で選ぶ方が安いし満足度も高いのである。

しかしながら海外だとまた事情が異なる。まず、素泊まりプランのないホテルも多い。予約サイトで見たところ、素泊まりプランのあるところもないところも両方見受けられた。そしてホテルの価格自体が高い:米国で$200以上、エクアドルでも(高級路線なら)$100以上はする。一方朝食代はせいぜい$20程度なので、ホテル代の変動に比べて朝食代の割合が小さく、朝食付きで安めのホテルの方が朝食なしのホテルより安い、といったことも多いため、素泊まりにこだわるメリットがあまりないのである。

それで今回は、ホテル選びでは朝食付きか否かよりも他の要素を優先して決めた。その結果、LAとキト市内は朝食付き、マイアミとキト空港近くは素泊まりとなった。

素泊まりならば、前日にどこかで朝食を調達しておかなくてはならない。また素泊まりでなくても、私はほぼ毎日晩酌する習慣なので、その晩の酒とつまみを調達しておきたい。それでいろいろ苦労して店を探した、というのは先に書いた通りである。実は、キト空港近くの1泊めは好みの朝食が店で見つからず、素泊まりで予約したが結局当日ホテルのレストランで別料金を払って朝食を食べた。

それで今回旅行して気づいたのは、「ホテルの朝食もたまにはいいかも」ということである。LAホテルの朝食はまあ普通だったが、キト空港近く及びキト市内のホテルの朝食では、セビーチェやフミタス等、エクアドル近辺のローカル料理がいくつか出された。どちらもバイキング形式で、好きなものを好きな量食べられる。それで(別料金でも)$20程度。レストランだとセビーチェ単品でも$20近くしたりする。「現地の料理を食べたい」という私にとっては、比較的安い値段で現地料理をいろいろ食べられたのはけっこうありがたかった。なので、知らない土地で泊まる時は1、2泊は高級なホテルに泊まって朝食をとってもいいかな、と今回思い直した。

次に昼と夜について。昼と夜は外でレストラン的なところで食べるのが基本であるが、海外だとまたいろいろ問題がある。ひとつは言語の問題。英語ならまだわかるが、それ以外の言語だとそもそもメニューに何が書いてあるかわからない。注文の時も伝わるかどうかわからない。もうひとつは、チップ。私はこのチップという習慣がどうも苦手だ。何も考えずに適当に払っておけばいいのかもしれないが、いくら払うか頭を使わされるのがわずらわしいし、何より「価格表に乗ってないコストが発生する」のは実質詐欺じゃん、という感覚なのである。まあ余計なことを考えすぎなのだろうが、そう思ってしまうのだからしょうがない。

それでレストランに入るのは苦労がつきまとうのだが、最近は解決策が見えてきた。それは「ショッピングモールのフードコートで食べる」である。最近は多くの国で大都市ならショッピングモールがある。バンコクも大連もキトもそうだった。大きめのモールならたいていフードコートがある。メニューが写真入りで、値段も明示してある。品名を言うだけならば非英語でもけっこうなんとかなるし、メニューを指差すこともできる。そしてチップは不要だ。海外レストランのわずらわしい部分がほとんど解消されている。選択肢は多いし、値段は多少高めなことはあっても(店を選べば)バカ高いことはまずない。

もちろんモールはそうそうどこにでもあるわけではないので、ホテルはモールが近くにある、または交通的に行きやすいところを選ぶ、などといった考慮は必要となる。また、市街中心部に泊まるときはいいが、今回のように空港の近くに泊まる場合、近くにモールがあることはあまり期待できない。ただ空港には通常いろいろ店があり、国際空港なら外国人向けに写真入り英語入りメニューがあることも多いので、空港送迎シャトル等を利用できるなら、食事のために空港に行く、という手はある。

人によっては、言葉が通じないところをなんとかして注文して伝えるのが楽しい、予想と違った物が出てくるのも一興、という人もいるだろう。ただ私は食べ物に関しては、食べたいと思った物が狙い通りに出てきてほしい、という方なのである。

その他もろもろ

海外でアニメを見る

【背景】
私はけっこうなアニメオタクで、今期(2024年春クール)は毎週12本のアニメを見ている。無料のネット配信で見えるのは配信開始から一週間である。そして(Abema、ニコ動等の)日本のアニメ配信は海外からは視聴できない。一週間以上の海外旅行に行くと、一話を見逃すことになってしまい、ストーリーがわからなくなってしまう。これを何とかしなくてはならない。

まあ有料の配信サービスを契約すればたいてい過去番組も見えるので金で解決しようと思えばできるのだが、今回は「海外でアニメを見れないだろうか」と考え、試してみることにした。

欧米でcrunchyrollというアニメ配信サービスがあることは以前から情報として知っていた。そこで今回はcrunchyrollでアニメを見ることにトライする。なお違法アップロードのアニメサイトというのはいくつかあるのだが、善良なるアニメオタクとしてはそんなサイトを見るわけにはいかない。

事前に調べたところ、海外での合法アニメ配信サイトというのは大体各国に一つしかないらしい。欧米だとcrunchyroll。アジアだとAniplusというところらしい。エクアドルには残念ながらサービスはないようなので、LAかマイアミで見ることにする。

私の旅程だと、4/17(水)は成田泊なので見れるとして、4/18(木)・19(金)の配信分は4/27(土)に東京に戻った時には配信が終わっている。今期私が見ているのは、木曜配信は 魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだがどう愛でればいい?(まどめ)、ゆるキャン、ダンジョン飯 の3本。金曜配信の作品はない。なのでこの3本が最優先。他の曜日の作品も、あまりたまってしまうと後追いで見るのがつらくなるので、できるだけ旅行中に見れるものは見ておきたい。

ネックは、事前にあれこれ試すことができないという点。アニメのようなコンテンツは、ある国での配信は他の国からは見れないというのが一般的らしい。ブラウザでcrunchyrollのサイトを見ても、ほとんど真っ暗で何もわからない。日本にいる間にcrunchyrollをインストールしてちゃんと見えるか事前に試す、というのができず、実際に行ってから現地でぶっつけ本番で試すしかない。もちろんネットでわかる情報はできるだけ事前に調べておくのだが、実際にやってみないとわからない部分はどうしても出てくる。なおVPNで試すというのもちらっと考えたが、おそらくメジャーなVPNは対策されてブロックされるだろうと思った。まあそこまでする気も起きなかった。

【試行結果】
というわけで、最初にLAに着いた晩にさっそく試してみた。まずはスマホアプリのインストールから。ノートPCなどという重い物は当然持っていない。国内旅行でアニメを見る時は、スマホにAbemaアプリをインストールしてそれで見ている。スマホのブラウザで見ようとすると、いちおう見始めることはできるものの、たいてい途中で何かしら問題が発生して最後まで見ることができない。それでスマホではアプリで見るものだと思っている。

スマホは2台持っている。メインがiphone、サブがAndroid。まずiphoneの方からトライ。AppStoreを開き、crunchyrollを探すと…あれ?ない?検索しても出てこない。日本では出てこなかったけど、米国に来たら出てくるんじゃないのか?

この件、少しネットで検索したところ、どうやらiphoneにはアカウントの「国籍」があるらしく、その国籍に基づいてどのアプリを許可するか決まっているらしい。設定で国籍を変えることは一応可能だそうだが、それをやると今度は日本のアプリ(Abemaとか)が使えなくなるだろう。それはさすがに面倒だ…ということで、iphoneはあきらめ。

次にAndroidでGoogle Playを試すと…おぉ、こちらは出てきた。crunchyrollアプリを無事インストール。アカウントも作成。表示も(真っ暗にならず)ちゃんと出る。さっそく前述の木曜配信の3本を検索。まどめはあり、無事見れた。あとの2本はプレミアム会員のみ。さすがに数日の旅行のために有料会員になる気はない。

どんな作品が見れるのかざっと見てみた。新作だと、私が今期見ている12本はそれぞれ以下であった。

無料で見えた:3本
変人のサラダボウル A Salad Bowl of Eccentrics
魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? An Archdemon's Dilemma : How to Love Your Elf Bride
ワンルーム、日当たり普通、天使つき。 Studio Apartment, Good Lighting, Angel Included

1話のみ無料で見えた:1本
怪獣8号 Kaiju No. 8

プレミアム会員のみ:5本
デート・ア・ライブ5 Date A Live
声優ラジオのウラオモテ The Many Sides of Voice Actor Radio
響け!ユーフォニアム3 Sound! Euphonium
この素晴らしい世界に祝福を!3 KonoSuba: God's Blessing on This Wonderful World!
ゆるキャン3 Laid-Back Camp ※1期は無料で見えた

ない(検索してもタイトルが出てこない):3本
龍族 -The Blazing Dawn-
ダンジョン飯
ブルーアーカイブ

龍族はこの時は見つからなかったのだが実はあったようで、英語タイトルのDragon Rajaで検索すると出てきた。この時は検索のしかたが悪かったのかもしれない。ブルアカは韓国の会社がからんでるので版権とかその辺のせいだろうか?ダンジョン飯はその後調べたところどうやらNetflixが独占契約してるんだとか。

ざっとの印象だが、新作は無料会員が見れる範囲はAbemaよりはだいぶ少ない模様。過去作も少なめだが、私が見た時点ではゆるキャン1の他SPYxFAMILYは全話見れるようになっており、その他有名作品もいくつか見れた。

番組を見てて気がつくのは、オープニングとエンディングの曲の間はskipボタンが出る。米国人はアニメで主題歌を聞く趣味はないらしい。私は以前5年米国シリコンバレーに住んでいて、その時TVの日本語放送(当時あった、今つぶれたそうだが)でエヴァやポケモンを見ていたが、TVだとそもそもオープニングとエンディングの曲がなかった。文化の違いなのか、そういうもんらしい。アニソンがヒットチャートの上位になる日本の状況は連中には理解不能に違いない。なおこれも後で知ったのだが、日本でもDMM TVではskipボタンがあるらしい。

番組途中にはさまれる広告を見ていると、ゲーム関連が多い印象。日本でAbemaでアニメを見ていて出てくる広告は、サラ金、婚活、競輪アプリ、等々、割と広い範囲の暇人層を対象にしているようだが、それと比べると米国でcrunchyrollに来るような層はやはりギークな人たちが多いのかもしれない、日本ほどアニメが浸透はしていないということか。

ただ、やや話はそれるが、今回旅行していて、日本のアニメ・マンガが浸透してきてるなーという印象はけっこう受けた。後でまた書くが、マイアミの図書館やキトの書店では日本のMANGAのなかなか大きい専用コーナーがあったし、らき☆すたのこなたをスマホ待受けにしている米国人のおっさんや、「進撃の巨人」と漢字で入ったパーカーを来たエクアドル人の少年を見かけた。日本のアニメオタクとしては非常に心強く感じたものである。

なお、結局ゆるキャンとダンジョン飯は一話見逃したのだが、ダンジョン飯は東京に戻った時ちょうど過去話全話無料をやっててすぐ見れ、ゆるキャンも2,3週ほど後に過去話全話無料をやっていた。その意味で結果的には別にcrunchyroll見る必要はなかったのだが、まあ米国のアニメ事情がかいま覗けて興味深かった。

南半球の星を見る(挫折)

私は天文マニアというわけではないが、星を見るのはそこそこ好きである。都内に住んでいるので満天の星とはいかずせいぜい二等星くらいまでしか見えないが、一等星なら全てどの季節にどのあたりに見えるかくらいは把握している。

全天には一等星は21個あるが、そのうち日本全土から見えるのは15個。全土ではないが東京からならぎりぎり見えるのが1個(カノープス)。あとの5個はもっと南に行かないと見えない。そこで南米に行くとなったとき、この5個を見れないだろうかと思って調べてみた。(なおオーストラリアに行ったときはまだ星を見る趣味がなくて見ていなかった。)

キトは赤道直下なので南半球の星すべてが見えるわけではないが、4月ならば5個のうち4個は見えることが判明。このことを調べるのには In-The-Sky.org というサイトが非常に役に立った(もちろんこれも検索で見つけた)。世界中のどこであれ、場所と日時を指定すると、その場所その時の星空の様子を示してくれる。下図は4/22 21時のキトの南の星空である。

南十字星(Crux)の2つの一等星アクルックスとミモザ、ケンタウルス座の2つの一等星リゲル・ケンタウルスとハダル。この4つが南南東に見える。残る一つ、アケルナルはもっと南に行かないかぎり秋でないと見えない。これはまた次の機会にしよう。

…という計画を立てていた。キトでは3泊するのでまあ1日くらいは晴れるだろう、そう思っていたのだが。実際に行ってみるとまさかの3日連続雨模様で、南半球一等星観測計画はあえなく挫折したのだった。

キトの4月はいちばん降水量の多い月であることは把握していたが、東京の6月と同じくらい。東京は梅雨でも3日連続で雨が降り続くことはまずないので、キトもそうだろうとタカをくくっていたのだが、甘かった。もっとも他にも気温や日照時間等の条件もあり、降水量が多いからといって旅行を他の時期にするわけにはいかなかったのでやむをえない。

実はこれらの5つの星は、那覇でもぎりぎり南の地平線近くに見えるらしい。行ったことはないが、沖縄に春と秋2回行くくらいなら南米よりははるかに気軽に行ける。いつか南天の星リベンジのため行くつもり。

細々とした比較

旅行していて「あ、日本と違うな〜」と感じた点をいくつか思いつくまま挙げてみる。あくまで私が短い日程の間に見聞した範囲なので全体の適切なサンプルになっているかは知らない。

・マスク
LA&マイアミでは、マスクをしている人はごくたまに見かける程度。体感2,3%といったところか。キトではほとんど見かけなかった。今の日本だとどうだろう、マスクをしてるのは3割くらい?私はというと、個包装の使い捨てマスクを日数分持っていき毎日替えていた。

・店のレジ
QRコード決済は米国でもキトでも全く見かけなかった。米国に関しては以前からクレカがかなり普及していたので、QRが後から入り込む余地がなかったのだろうか。

ちょっと検索してみたところ、以下のような記事が目についた。やはり米国でQR決済は少ないらしい。

アメリカのスマホ決済の現状は? 米国在住の筆者が2024年現在の状況を解説
https://www.hanacell.com/users/life-in-america/smartphone-payment-in-usa/

アメリカの​キャッシュレス事情に​迫る!​実は​最も​使われているのは​現金?
https://squareup.com/jp/ja/townsquare/cashless-world/us

セルフレジは、米国空港内の売店ではよく見かけた。水やスナック等を買うのに私も使った。自分で商品をスキャンし、クレカで決済。空港以外の店は米国ではあまり行ってないのでわからないが、どうなんだろう。空港の客は飛行機に乗れる程度にはお金を持ってる層だが、米国のその辺の街中でやったら万引きが多発しそうな気がする。キトでは全く見かけず。

また話がそれるが、大連に行った時は5年前の時点で既にQRコードが使えないと若干不便だった。当時は外国人が使うのはハードルが高かったのだが、最近は外国人も簡単に使えるようになったそうで、今度中国に行く時はAlipayかWechatPayに登録していこうと思っている。

・環境対策

米国でもキトでも、「環境のために**をやってる」というのがけっこうあった。

ペットボトル)
旅行記の章でくわしく書くが、LAの空港の売店で水のペットボトルを探したが見当たらず、探し回った末にペットボトルでなくメタル缶で売られてることに気づいた、ということがあった。おそらくだが環境のためペットボトルを使わないようにしてるのだと思う。ただマイアミでは普通にペットボトルの水を売ってたので、米国内でもカリフォルニアとフロリダでは違うらしい。

マイアミのペットボトルにもよくみると"REFUND 5¢"と書いてあり、どっかに飲み終えたペットボトルを持っていくと5セント返ってくる模様。昔の日本みたいだ。(50年くらい前の日本では、飲み物はガラス瓶が一般的で、瓶を店に持っていくと10円もらえた。)旅行中そこまでやってる時間がなかったので試せなかったが。

キトのホテル(空港近く)では、予約するとメッセージを送ってきて「当ホテルはペットボトル削減のため、飲料水のファウンテンがあるから各自水筒を持ってきてくれ」とあった。高めのホテルだと今までは水のペットボトルがサービスで1本ついてることがよくあったのだが、それの代わりらしい。

レジ袋)
日本での習慣が身についてて買物はいつもマイトートバッグに入れるので(旅行にも持っていく)レジ袋はほとんどもらわなかったが、頼めばくれるのか有料なのかはわからず。一度だけ、LAのセブンイレブンで買物したらただで袋に入れてくれたことはあった。

ホテルアメニティ)
歯ブラシ歯磨きはLAマイアミキトどこのホテルにもなかった。くしもかみそりも見かけなかった。どこでも共通してあったのは、バスタオル・ハンドタオル・シャンプー・リンス・ボディソープくらい。私は歯ブラシ歯磨きは元々持参し、あっても使わない方だが。

・きっぷ、改札
マイアミのMetroRailは、買うときに1回かぎりのきっぷか再利用可能なカードかを選ぶ。私は1日券(きっぷタイプ)を買った。改札への入出場は、きっぷでもカードでもタッチ方式(飲み込んで吐き出すのでなく)。

MIA moverとMetroMoverは無料なので改札はない。

キトのメトロのきっぷはQRコード方式。

なんというか、薄っぺらでレシートみたいな感じ。日本の鉄道も近々こうなるのか?

しかしふと思ったが、QRタイプの場合定期券ってどうなるのだろう?1回のきっぷなら番号をチェックすれば重複使用を防げるが、定期だとコピーして別々の時間に使われるとどうやってチェックするんだろう…

・ライドシェア(Uber等)
私は全く使わなかったが、空港内の道路に「ライドシェア待ちはここ」という看板があるくらいで、米国ではライドシェアは完全に日常の一部らしい。

エクアドルのことは不明。いちおうサービスはあるらしいが。ただエクアドルではタクシーも悪徳ドライバーがいて気をつけるべしとのことで、Uberも個人的には使う気がしない。

しかしUberってどうなんだろう。使った人は便利だと言っているが、それはたまたまトラブルがなかったからで、事故ったりすると相当面倒になりそうな気がする。たしかLAだったかで、Uberのドライバーやってて事故った人向けの弁護士の広告、みたいなのを見かけた。私は正直よっぽど追い込まれない(他に選択肢がない)限り使う気にならない。まあリスクをどの程度許容するかの問題で、人それぞれなのかもしれないが。

・ペット
マイアミではスーパーの中を犬が歩いていた。入ってもいいらしい。

キトではバスターミナルの中に犬が寝そべっていた。

LAとマイアミのホテルは"Pet friendly"と謳ってた。ペットといっしょに泊まれるらしい。
この辺の感覚はようわからん…

キト最新公共交通事情

キトの公共交通にはここ数年でいくつか大きな変化があった。地球の歩き方のエクアドル最新版は2019年発行で、それ以後の変化については当然載っていない。エクアドルの日本語ガイドブックというのはたぶん他にはないので、最新情報を知らずに行くとけっこうとまどうと思われる。そこでこれからキトに行かれる人のために、この章ではキトの最新公共交通事情についてまとめておく。

【変化その1:Aeroservicios Busがなくなった】
少し前までのガイドブックやネット記事では、空港から市街へ行くにはAeroserviciosというバスが便利、という情報をよく見かける。私もそういうネット記事をいくつか見ていて、Aeroserviciosのサイトへのリンクがあったのでクリックしてみたのだが、Not Foundになる。おかしいな…つぶれたのか?と思いつつ確証はないまま現地に行ったのだが、空港で聞いたところやはりつぶれたとのこと。

じゃあ空港からどうするのかというと、タクシーかUberかローカルバスか、になる。私は1)タクシーは悪徳ドライバーもいるらしい、Uberも似たようなものだろう 2)ローカルバスの方が圧倒的に安い の2点からローカルバスにした。

【変化その2:メトロ(地下鉄)が開通した】
2023年12月にキトに地下鉄が開通した。南端のQuitumbeから、旧市街、新市街を通り、北端のEl Labradorまで。全線一律料金$0.45である。ホテルや観光スポットは大体旧市街か新市街にあるので大変便利である。警備員もいて、治安もよさそうだった。

下図は、地球の歩き方の地図にメトロの駅の位置と名前をオレンジで書き込んだものである。参考にしてほしい。図中、'Inaquito'駅の名は、正確には2文字めの'n'は、ティルデ(波形)のついた'ñ'である。画像編集ソフトでこの文字が出なかったのでこうなっている。ご了承いただきたい。なおこの地図はQuicentroショッピングセンターの位置が間違っていて、青いバツがその位置、青い丸が正しいQuicentroの位置である。この情報もついでに載せておいた。

【変化その3:もろもろ値上がりしている】
空港-Quitumbeのローカルバスは、地球の歩き方では$2とあるが、2024年4月現在$2.45となっている。EcoviaやTrolebusは同じく$0.25とあるが$0.35になっている。

以上を踏まえて、空港から市街への移動をどうするか?だが、私のお勧めは「空港からQuitumbeまでローカルバスで行く。そこからメトロで市街へ」である。$2.45+$0.45=$2.90。もちろんタクシーやUberがいいという人はそちらを使えばよい。だが公共交通派の人には、ローカルバスは空港からQuitumbe行き、Rio Coca行き、Carcelen行きと3つあるのだが、ほぼQuitumbe行き一択だと思う。理由は
1)Quitumbe行きがいちばん頻度が多い
2)Quitumbeからメトロ(or Ecovia)に乗り換えて市街へ行ける
の2点である。1)に関しては、私は空港のバス停で30分待ったが、その間にQuitumbe行きは3本発車した(3本めに乗った)。その間、Rio Coca行きとCarcelen行きはどちらも一度も発車しなかった。2)に関しては、Rio CocaからはEcoviaがあるが、CarcelenからはBRTでないローカルバスに乗らねばならない。この乗り方が少なくとも私にはわからない。

以上、簡単だがキトの公共交通事情についてまとめてみた。

旅行記

旅行中の出来事を時系列順に書いていく。

4/17(水)

家を出る。いつも成田へ行くときは、京王線〜新宿〜日暮里〜京成線で行ってたが、今回は気分を変えて新線新宿〜馬喰横山:浅草線乗り換え〜押上〜京成線、で行こうと思い立つ。浅草線に乗ったら高砂まで各停とのことで、押上で快速だか急行だかに乗り換えればいいのかな、と根拠なく思って押上で降りたが、押上-高砂は各停で行くしかない模様。で、いったん降りた押上で10分後にまた各停に乗って高砂へ。無駄に10分ロスしたがまあ急ぐことはない。高砂から急行で成田へ。成田駅近くのビジネスホテルに泊まる。夕食は駅前の餃子の王将。ホテルすぐ近くのヤオコーで今晩の酒とつまみと明日の朝食を買う。

フライトのチェックインは24時間前から受付開始とのことなので、夜にホテルでスマホでのチェックインを試す。ここで本旅行中最初のトラブルに遭遇。

スマホでUnitedのサイトに行き、チェックイン用のページに行く。ここにネット予約時にもらった予約番号とlast nameを入れると予約者のfirst nameが出てくるのだが、そのfirst nameがおかしい。私のfirst nameはEikiというのだが、'EIKIMR'となっている。

予約時にたしかに'EIKI MR'と表示されたのは記憶しているが、そのMRはもちろん男性を表すもの。first nameとして表示されるのはおかしい。まあたぶん性別のことなのだろうとは思うが、booking.comが性別のつもりでMRと入れたのが、United側はfirst nameの一部として間違って登録した可能性はないとは言い切れない。

国際線のこの辺の手続きは最近非常に厳しく、予約の名前とパスポートの表示が一字でも違っていると最悪搭乗できない可能性もある。なので、明日窓口で確認してからチェックインしようと思い、スマホの事前チェックインはとりやめた。

4/18(木)

このホテルは通常10時チェックアウトだが、予約時に料金同じでチェックアウト12時までになるセールをやってたので、11時すぎまでホテルでのんびり。それから出発。空港からホテルのシャトルがあるとのことだったのだが、10-14時は便がないと言われる。通常10時チェックアウトなので客はいないはず、だからか。これは盲点だった。まあ電車でも大した問題ではないので電車で空港へ。~12:30空港着。

16:50発の便だが、Unitedの出発フロアの窓口へ行くと「3時間前から受付開始」との看板が出てて誰もいない。自動チェックイン機が数台並んでいたが、パスポートを機械に飲み込ませて読み取らせるらしい。人のいない時にそんなことをやって、機械トラブルでパスポートが詰まって出てこなくなったりしたらまた余計なトラブルで焦ることになってしまう。で自動チェックイン機はあきらめ、いったん離れて昼食へ。

LA行きだとたぶん離陸後すぐに夕食になると予想したので、昼は軽めに抑える。昼食後もまだ窓口オープンまで間があるので、屋上の展望エリアでぼーっと過ごす。

ちょっと早めだが13時すぎに出発フロアへ戻ると、もう窓口が開いていた。さっそく並ぶ。開いた直後で、2人め。いつもはもっと並ぶのだが。チェックインはスムーズに終わった。やはりあのMRは性別だったらしい。しかしあの表示はまぎらわしいので何とかしてくれんかUnited。この後のフライトは全てスマホチェックインしたが、American,LATAM,ANA共こんな問題は起きなかった。Unitedだけ際立ってクオリティが低い。

続いてセキュリティと出国。「持ち込める液体は100mlまでとなりました」と表示がある。元々液体は機内持ち込みダメと思ってたので支障はない。特にトラブルなくセキュリティを通過。

出国はカメラで顔認証&パスポートも機械読み込みで、人が介在しない。2019年の大連の時はたしかまだ人がやってたと思ったが。必要はないが記念ということでパスポートにスタンプを押してもらう。人がいるのはこのためだけ。

まだ出発までだいぶ時間がある。地球の歩き方情報で「米国では国際線の出発はセキュリティチェックがきびしく、3時間前に通過を推奨」とあったので日本もそうかと思ったのだが、日本はそこまできびしくなかった。で、待つ間にセキュリティ内の売店を隅から隅まで見て回る。セブンイレブンがあったので水を買うため並ぶ。

水は機内ではCAに頼めばもらえるとはいえ、余計なやりとりなく飲みたい時に飲めるようにしておきたいのだ。しかし水を持ったままではセキュリティを通れないので、セキュリティエリア内の売店で水を買うしかない。これはこの後も飛行機に乗るたびに毎回やることになる。

で搭乗、出発。10時間フライト、長げぇ… 離陸後の夕食でビールとワインをもらって飲んだのだが、それでも眠れず。まあまだ17時台なのだからしょうがない。そもそも到着は日本時間で02:45だが、ふだんならまだ起きてることもけっこうある時間だ。結局着くまでほとんど寝なかった。事前にスマホに入れといた電子書籍を読んだり(私はBookwalkerユーザである)、あと紙の本も文庫/新書サイズのを3冊ほど持っていったのでそれを読んだり。電子書籍はやはり紙よりは目が疲れる。それに機内はすぐカーテン閉めて暗くなるので余計に目に悪い。

映画も見た。2018年のバンコクの時は「放送タイプ」、つまり、決まった時間に番組を流していて、見たいならその時間に合わせて見なければならなかったと思うが、今回はオンデマンドになっていた。つまり、自分が見たい時間から見はじめる、ポーズもできる。Abemaビデオみたいな感じ。まあ今なら当然といえば当然かもしれないが、少しずつこの辺進化してきている。選択肢もかなりいろいろあった。今回は「バービー」字幕版を見た。あの単語、ヴァジャイナって発音するのね… ふだんはまず音声で聞くことがない単語なので知らなかった。

10時間はかなり疲れたが、なんとかしのぎきって無事着陸。最初の関門はスマホの開通。ここで多少トラブったが、キャリアを手選択することでなんとかクリアした、というのは「スマホ回線」の章に書いたとおり。

次に入国審査。外国人と米国民で列が分かれるが、外国人側に並んでたのは目測で50人くらいだったろうか。待つこと約15分。前の人たちを見てると、日本人はおおむね通りいっぺんのことを聞かれただけですんなり通ってる模様。これなら大丈夫かな…と思ったのだが。

いよいよ私の順番に。「入国目的は?」「エクアドルに行くので、その乗り継ぎで。」「どこだって?」Ecuador、が聞き取れなかったのだろう。南米の、をつけて"Ecuador, South America"と答える。するとその後、エクアドルのどこに何しに行くのか、全旅程を見せろ、フライトのチケットを全部見せろ、マイアミで2泊してるがその間何をするのか、等々いろいろ詰められる。

チケットと言われてもeチケットなので紙はない。スマホでbooking.comのアプリを開ければ全部見せられるのだが、あいにくこの時はまだ電話はできたがデータ通信ができてなかったので、たぶんダメだろう。過去メールは読めたのでそれを探すが、メールは予約のたびごとに来るのでバラけている(NRT<->LAX, LAX<->MIA(マイアミ), MIA<->UIO(キト) と3回に分けて予約した)し、そもそもメール自体他にもたくさんあるので探すのはけっこう手間がかかる。

ともあれ時間はかかったが何とか全部見せて納得してもらい、無事入国。30分かかった。他の日本人はほぼノーチェックなのになんで私だけ…と思ったが、考えられるのはやはりエクアドル行きというとこか。麻薬の売人じゃないかとか疑われたのか?「ロサンゼルスとサンフランシスコを観光して帰ります。USA万歳!ウェーイ!」とか言ってればすんなり通れたのだろうか。

税関は申告する物もないのでスルーし、米国入国。前回米国に来たのはたしか2004年、20年ぶり。

まずは空港内を見て回ろう。そう思って歩きだした直後、ショルダーバッグのベルトの金具が壊れた。このかばん、ビジネス用のPCとかを入れるやつで、会社勤めの頃からだいぶ使いこんでいる物。10年近く使ってるか?しかしよりによって旅行開始直後に壊れるとは…

ベルト側の金具をかばん側についている輪っかにひっかけるタイプで、ベルト側の金具が壊れて、ひっかけてもすぐ外れるようになってしまったのだが、ベルトを金具ごと輪っかに通し、ベルトをひものように輪っかに結んでみたらなんとか使える程度の応急処置にはなった。肩にかけて歩ける。やはり手に持つよりは肩にかける方が動きやすさが段違いによい。結局旅行中はずっとこれで通した。

歩き出す。到着したのはUnited用のターミナル7だが、帰りの出発ターミナルはターミナルBなのでそちらに売店はどんなものがあるか等チェック。ターミナル7は、到着階にはスナック等を売ってる小さな店が一つあるだけ、出発階には全く店がない。LAX空港のフロアマップは事前にネットで見ていたのだが、店の類がほとんどないので「これおかしくないか?空港なら店たくさんあるだろ普通」と思っていたのだが、本当になかった。なぜなんだろう?後で行ったマイアミ空港は普通に店があったのに。LAXだけこうなのか?なおターミナルBだけは例外で、いくつか店がある。国際線は例外?よくわからん。

ターミナルは1〜8とBがあり、U字型に300-400mくらいの間隔で並んでいる。歩いても行けなくはないが、ターミナル間を回る無料バスもある。バスと歩きとを交えて一周してた。

一通り見た後、次の関門:ホテルの空港シャトルに乗る、に挑戦。事前のやりとりでかなりトラブったため、また何か起こるんじゃないかと心配してたが、今度はスムーズに進んだ。まずスマホを使えるようにする。これは着陸直後に少しやり、通話だけはできるようにしておいた。次に"Hotel & Parking Shuttle"の看板のところへ行く。これも歩き回ってる時に場所を確認しておいた。で、ホテルに電話。+1-412-..にダイアル。つながった。「空港にいる。シャトルに乗りたい」と言うと「どこの航空会社だ?」と聞かれる。「乗ったのはUnitedだが、その後動き回って今ターミナル3にいる」と伝えると「わかった、待ってろ」。待つこと十数分、ホテルのロゴのあるバンが来た。無事乗車。

しかしここでまた頭の痛い問題が:シャトルの運転手にチップをやるべきか?これもわからない。やるのなら、事前にお金をくずして1ドル札にしておく等、準備も必要なのだ。結局この時はチップはやらなかった。

このホテルは行きと帰りに1泊ずつ、シャトルは往復で計4回乗ったのだが、行きの2回はチップなし、帰りの2回は1ドルずつ渡した。運転手側の反応は、あげてもあげなくてもほとんど変わりはない。あげるともちろんthank youくらいは言うが。周りの人を見ていると、あげる人もいるしあげない人もいた。

私の個人的意見としては、チップという制度そのものがよくないと考えている。チップの目的は、店員がチップをもらえるよういいサービスをするから、という店員の動機づけなわけだが、よく考えてみると、店員のサービスが悪かったら、客は店員個人を嫌うわけではなく、「あの店は嫌だ」となるのである。つまり、店員のサービスを質を保つのは店自身の利益なので、そのためのコストは客でなく店側が持つべきだ。したがってチップという制度は、本来店が負担すべきコストを客に押し付けているのである。チップなどなくても店員がまともなサービスをするよう、店側が管理・教育すべきなのである。

ちなみに私が米国に住んでいた5年の間は、チップのいるような店にはほとんど行かなかった。会社でランチには何度か行ったが、その時はたぶん幹事役が何とかしていたのだろう(幹事役はやったことがない)。

話がそれた。さて、シャトルでホテルに着いたのが13時前。まだチェックインはできないので、それまでフロントに荷物(キャリーケース)を預かってもらう。フロントが紙のタグを半分にちぎり、片方を荷物につけ、片方を渡される。受け取る時は渡されたタグを出すと、同じ番号のタグのついた荷物をくれる。この辺は日本のホテルといっしょ。

ここも旅行計画の際のひとつのポイント:チェックインの前、またはチェックアウトの後、フロントが荷物を預かってくれるか?私の経験上は、国内でも海外でもほとんどのホテルはやってくれる。ただ私は一度だけ、断られたことがある。国内の安めのビジホだが、「うちは預かりはやってない、どっかのコインロッカーを使え」と言われた。ここはフロントにも常時は人がいない、電話番号が書いてあって必要なら電話してくれ、というところで、ぎりぎりまでコストダウンをしている、預かりサービスも切った、そのぶん値段は安いよ、ということなのだろう。その点はわからないでもない。ないのだが。

ホテルというものに一体何を期待できるのか?予約サイトでは、このサービス(or施設)はある/ない、というのはいろいろ書いてあるが、「荷物預かりをやる/やらない」は書いてない。やるのが当たり前、だからだ。預かりサービスをしない、そのぶん値段を下げる、ということ自体は悪いことではない。ただそのことが予約の際にわかるようにしてほしいのだ。預かりが不要なことも当然あるので、その時はサービスなしで安い方がむしろありがたい。しかし、当然あると思い込んでいて使う予定でいたサービスが実はなかった、というのは困るのである。

また話がそれた。荷物を預け、ロビーでしばし休憩した後外出。事前にホテル周辺の店はGoogleマップで確認してあり、ホテルから400mほどのところにChipotleというメキシカンファーストフードの店があるのを確認していたのでそこへ。私はメキシカン大好きなのである。

地球の歩き方によると、LAX空港のすぐ東のエリアは「治安が悪いので入らないように」とのことで、空港そばのこのホテル近辺もそうなのかと心配だったのだが、事前にストリートビューでホテル近辺を見てみたところそれほどひどくなさそうで、昼間に400m歩く程度なら問題ないだろうと判断。

店に入る。並ぶ前にメニューを見つつ、初めての店で勝手がわからないので他人の注文のしかたを見ている。まあ見ててもよくわからなかったのだが、店員がこれはどうするあれはどうすると聞いてくれるのに答えているとなんとか注文できた。

注文方法とか書こうかと思ったが、他の人が既に記事にしてくれてるのでそちらを参照:

【激ウマ】私が愛するメキシコ料理のファーストフード「チポトレ」
https://pittabi.com/usa/chipotle/

たしかBeef Bowlと頼んだ気がするが、レシートを見るとBarbacoa Bowlとある。barbacoaというのがChipotleではビーフのことらしい。お値段$12+tax$1.14=$13.14。

最近日本の物価が欧米に比べてものすごく安くなってるという話をいろんなところで見かけていて、今回の旅行では米国でその実態をちょっと見てみようと思っていた。いきなりの洗礼。ファストフードのランチで2,000円超か、高っ…とは思うが、昨今の米国では当たり前の模様。まあおいしかったのでよしとする。

ホテルのすぐ向かいが小規模なショッピングモールで、スーパーや他のファストフード店等いくつかあり、帰りにそれらを覗いていく。スーパーで見た感じ、野菜や果物は日本とそんなに差がないか、若干高いくらい。ビールも日本よりやや高め。野菜もビールも、20年前は日本よりだいぶ安かったのに… 外食はざっと日本の2倍くらいか。

ホテルに戻ると14時すぎくらいで、一応15時からということになってたがダメ元で聞いてみたらチェックインできた。機内ではほとんど寝てないし、時差ボケもある(LAの14時=日本の翌朝6時、徹夜したのと一緒)ので、この後は観光等行かず、何もせずホテルで休憩するつもり。

…なのだがここでまたトラブル。部屋がちょっと肌寒い感じだったのでエアコンをつけるが、まともに動かない、というのは「ホテル選び〜各種トラブル」の章に書いた通り。で部屋を替えることに。やれやれ。替えてくれたのはいいんだけど、疲れてるうえ徹夜で眠くてすぐ休みたいのに、部屋替えるためにしばし待たされ、また荷物をまとめて動かなくてはならない。替えればいいってもんではないのだ。

2軒隣にあるガソリンスタンドにセブンイレブンが併設されている。これも事前にストリートビューで確認しておいた。なおGoogleマップではガソリンスタンドは表示されるもののセブンが併設だとはわからない。全部マップとストリートビュー両方見るのも大変なのだが、事前準備でどこまでやるか、難しいところである。で夕方ここで買物。酒とつまみ。昼が多めだったので、夕食はつまみのポテチとかで兼用。20ドル札で払ったら、おつりが1ドルコインだった。20年前は1ドルはほぼ札で、コインはめったに見かけなかったのだが。ここも変わってる。

夜は明日のフライトのスマホチェックイン。Americanのサイトは問題なくチェックインできた。その後シャワーを浴び、肌着とくつ下の洗濯・乾燥。これでこの日するべきことは全て終了。晩酌を開始。

酒を飲みながら、crunchyrollのインストールトライ開始。最初iphoneでやったが失敗した、というのは「海外でアニメを見る」の章で書いた通り。

これで1日終了。この日は時差のため40時間ある長い1日だった。

4/19(金)

朝食はホテルのバイキング。おおむね普通のアメリカ的朝食だが、一つ面白かったのはワッフル焼き器があること。ソフトクリームの機械みたいなのからホットケーキミックスを練ったようなのが出てきて、それを紙コップに取り、ワッフル焼き器の型に流し込む。ふたを閉めて2分ほど待つと焼き上がり、できたてのワッフルが食べられる。私もやってみたが、焼き立てはやはりおいしい。これはけっこう人気があり、多くの人がやっていた。

チェックアウトは12時。今回の旅行で予約したホテルは4つとも全てチェックアウト12時だった。フライトは13:25発で、10時半にホテルから空港行きのシャトルに乗る。

LAX空港のターミナルに沿ったU字型の道路は、慢性的に渋滞している模様。急停車するやつとか、突然発車して割り込んでくるやつとか。国内線でも2時間前には着いてろというのは、こういうのも見越してのことなのか。

空港に着いてまずセキュリティを通るのだが、ここでまた待たされる。セキュリティゲートの入口から一階下の階段を降りたところまで列ができている。私が列に並んでる時に撮った写真だが、列は階段昇って上まで続いてる。


20分くらい並んだろうか。ここでも液体は持ち込み不可で、ドリンク類はここで捨てるようになっている。

セキュリティのチェックでは靴まで脱ぐ。めちゃくちゃきびしい。

セキュリティを通過して搭乗まで待つのだが、ここでまた一つとまどう。セキュリティエリア内には売店はいくつかあり、水を買おうとしたのだが、どこへ行っても水らしきものが見当たらない。唯一Evianのガラスのボトルは見つかったのだが、ガラスは重いし、値段が$4.19。いや水にそれはないだろ…

でしばし途方に暮れていたのだが、よく考えるとさすがに水を売ってないのはありえないだろう。まわりを見ていると、エナジードリンクっぽいメタル缶を飲んでる人がやたら目につくが、そんなにエナジードリンクをみんな飲むのも妙な気がする。もしかしてこれエナジードリンクじゃない?と気づき売店で手にとって見ると、成分が「蒸留水、微量のミネラルを添加」とある。…ってミネラルウォーターじゃん!

というわけで、初めてLAに行かれる方はご注意。LAでは水はペットボトルではなくメタル缶に入っている。メーカーとしてはsmart waterというのとDasaniというのが2大ブランド?らしい。500mlくらいの缶で前者$3.99、後者$3.39。やっぱ高けぇ…

しかし日本だと「**山脈の深層水に自然に溶け込んだミネラルが…」とかの宣伝文句になるところ、米国は「蒸留水にミネラルを添加」w この辺も文化というか感性の違いなのか…などと思っていた。

ちなみに後でマイアミに行ったら、水は普通に透明なペットボトルに入っていた。なぜなんだろう、カリフォルニアでは環境規制がうるさくてペットボトルは禁止、とかなんだろうか。

前日にスマホでチェックインした時「出発ゲートはXX」と連絡が来たのだが、そのゲートXXに行ってみると「フライトZZは出発ゲートYYに変更」との表示がある。でゲートYYに行って待ってたのだが、いつまでたっても私が乗る予定のフライトZZの案内が出てこない。もしや…と思ってゲートXXに戻ってみると、しれっとフライトZZの案内が出てる。どうなっとるんや…

ともあれ無事搭乗。約5hのフライト。機内ではドリンクだけ出た。席を立った拍子に斜め前のおっさんのスマホ画面が目に入ったが、待受けがらき☆すたの泉こなたで噴きそうになった。

時差が+3hなので21:21着。日本の空港は、少なくとも私がよく使う羽田・成田・千歳はどこも、出発する人と到着した人のエリアが分かれてるが、マイアミ空港では分かれていないらしい。到着した人とこれから出発する人が混じる。後で見たLAもそうだった。もちろん国内線のみの話で、国際線は入国や税関があるので別だが。

ここでまたトラブル。マイアミ空港のターミナルDは全てAmerican専用なのだが、この中にゲートがたくさんあってターミナルが細長い(2kmくらい?)。で、ターミナル内を移動するためのSkyTrainという無料電車がある。前日にチェックインした時もらったメールに「SkyTrainは現在メンテで休止中。シャトルバスがある」とのことだった。しかし到着後あたりを見回しても、シャトルバスの案内は見当たらない。

歩き回っていると「SkyTrainはこちら→」というサインがあったので、そこにシャトルの案内があるかもと思って行ってみた。が、ない。おかしいな…と思ってしばし考えてると、他の人もぽつぽつやってきて電車を待ち出す。

そうこうしているうちに、何と電車が来た?!一体どうなってるんだ…

案内をよく聞くと、どうやらメンテ中なのはSkyTrainのいちばん端のひと駅だけで、それ以外の駅間は動いているらしい。何じゃそりゃ…だったらあたかも全線止まってるような文面のメール送るなよ…

セキュリティエリアを出て一般エリアへ。マイアミ空港は(LAXと違い)一般エリアにも店がたくさんある。この時もう22時近く。Cuban Sandwichの店があったので夕食に買う。$10。

ヨーロッパ風な感じ?キューバは中南米の中でも独立したのが遅く、文化的に旧宗主国スペインの影響が濃いらしい。

売店をいくつか巡るが、アルコールは見つからず。明日の朝食になりそうなスナックを買う。

ホテルの入口は空港内にあるはずなので探すが、なかなか見つからず手間どる。22時すぎようやく見つけてチェックイン。部屋でCuban sandwichを食べる。

それから洗濯…と思ったら、洗面所のシンクが壊れててふたが閉まらないorz 今から部屋を替える気はしないので、しかたなくバスタブで洗濯。

この後、Androidにcrunchyrollをインストール。今度はうまくできた。まどめを見る。

空港でアルコールを買えなかったのでこの日は晩酌なし。ホテルの自販機でファンタオレンジ$3.39を買う。高けぇ…

4/20(土)

朝食はきのう買ったキットカットと、日本で買った柿の種の残り。今回の旅行中いちばんわびしい食事だった。

今日は一日マイアミ観光予定。空港からまずMIA Moverという無料電車でセントラル駅へ。そこからメトロレイルに乗って市内中心部へ。1日券$5を買う。メトロレイルはきっぷを買ってそれをタッチする、という方式。最近の日本のニュースで、JRが改札機をきっぷを通すタイプからQRコードに変更するとあったが、きっぷを通すタイプは過去の遺物となりつつあるのか。

メトロレイルの路線図を見ると空港駅から市街まで直行できるように見えるのだが実際はそうではなく、空港駅と次のEarlington Heights駅を往復するだけの便でEarlington Heights駅へ行き、そこで乗り換える。この路線図は完全に詐欺だろ…

Government Center駅で降りる。メトロムーバーという市内を一周する無料モノレールっぽいのがあり、それに乗り換えるためにその駅へ向かったのだが…あれぇ?またも様子がおかしい。ホームに電車があるのだが、誰も乗っていない。というかそもそも誰もいない。後からぽつぽつ人が来たが、彼らもとまどってる模様。しばらくすると駅員(?)らしき人が来て"Out of service!"と叫ぶ。よくわからんがどうやら動いてないらしい。はい解散。みんな三々五々散っていく。

…いやいや、おかしいでしょ?日本の電車だって時々止まるけど、止まったらそれがわかるよう表示されるよね?どういうことなのこれ?

でメトロムーバーはあきらめて歩き出す。第一目的地はWhole Foods。以前米国に住んでた時愛用していた自然食品スーパー(の別支店)である。その後アマゾンに買収されて闇落ちしているが、それでも行きたかった。

距離1km足らず。市内の中心部のはずだが、ほとんど誰も歩いてない。そして悪臭がする。この辺、もしかしてヤバい所?周りを見たところ怪しい人とかはいなさそうだが、ちょっと身の危険を感じ、足早に歩く。なんとか到着。

店内の雰囲気はあまり変わってない。懐かしい… 

犬を連れて歩いてる人がいる。ホテルでも"pet friendly"を謳っているところはけっこうあったが、米国のトレンドなのか?しかしさすがに食品スーパーではまずい気もするが…

Whole Foodsからベイサイドパークを通ってベイサイドマーケットまで散歩。暑い。4月だが30℃近くある。マーケットは完全に観光地という雰囲気。

ここからバスでマイアミビーチへ向かう予定だったのだが、少し探したのだがバス停が見当たらない。であっさりあきらめる。さっきのメトロムーバーがちょっと衝撃的すぎて、あの調子でいざ帰ろうとした時にバスが動いてない、なんてことになりホテルに戻れなかったりしたら目も当てられない。公共交通(というか社会インフラ)に対する信用というものがいかに重要かと痛感。

マーケットからまた歩いてGovernment Center駅へ。途中メトロムーバーの別の駅があったので寄ってみたが、まだ動いてない。この駅は"Out of service"と表示が出ていた。全駅に出してくれよ…

しばしこの周辺を見て回る。Brite Lineという最近できた鉄道の駅を見に行ったが、誰もいない。というか列車が一日数本しかなく、あと数時間は発着がないらしい。インフラはやたら立派なのだが、作る意味あったんだろうか、これ… 経済対策の公共事業、とかなんだろうか。

また歩いていて図書館があったので中に入ってみる。かなり大きい、建物も立派。

日本の図書館だと十進分類にしたがって各本棚に番号がついてると思うが、ここの本棚は

なんとポストイットに手書き!この辺、立派なのか抜けてるのかよくわからんw

日本のマンガコーナー(もちろん英訳版)を発見。かなり広い。これ↓全部マンガ。

米国のコミックというとバ*トマンとかスーパ*マンとかあまり興味をそそられないのが多いが、今やそういう米国発コミックより日本のMANGAの方がメジャーになりつつあるっぽい。

再びメトロレイルに乗って今度はBrickellまで行き、リトルハバナ目指して歩き出す。Calle Ocho(8th St.)に入ったあたりから看板がスペイン語一色に。元々マイアミはどこでも英語とスペイン語併記が多い(時々クレオール語と3つ併記)が、ここは英語もない。

何か食べようかと思ってたのだが、これは注文通じそうにないかと思ってあきらめ。歩いてて目に入ったセブンイレブン(看板はスペイン語)となぜかあったアジア人向けアジア食材の店で、酒つまみ朝食を買う。

帰りは来る途中見つけといたバス停からバスでBrickellへ戻る。この時ほぼ16時。そしたらようやくメトロムーバーが復旧してたので、乗って市内を一周。

その後Government Centerからまたメトロレイルで空港へ戻る。この時また小サプライズ。
メトロレイルのBrickell駅は2本の線路の間に島があるタイプ。電車は右側通行、つまりどちら行きもホームから線路に向かって右側から電車が来る。線路は片方が空港方面行き、もう片方が反対方向。私は空港方面行きの方で待っていた。

ホームには次の電車の時刻が掲示される。各方向大体20分おきくらい。空港行きがあと5分ほど、反対行きはもう少し先、という時。突然ホーム上で大声でしゃべりだした人がいた。早口でよく聞き取れない。突然叫びだすおかしな人というのはまあたまにいるのでスルーしていた。

そろそろ空港方面行きの電車が来るはず、という時、私が待っていたホームと反対側に電車が来た。線路に向かって左から。つまり、空港方面に向かっている。反対方面行きの線路を逆走してるわけだ。

えぇえ?!?!これにはちょっとパニックになった。これは…空港行きなのか?しかし反対側のホームに来るなんてことあるのか?

だが停車時間は数十秒、考えてる暇はない。1本逃すとまた20分待たされる。たぶんこれが空港行きなんだろう、と賭けて電車に乗った。

結果的にこれは正解で、電車はEarlington Heights駅に着き、空港行きに乗り継ぐことができた。

それにしても、何がどうなったのか…真相はわからない。どっかで故障かトラブルでもあったか?しかし反対方向に走るとへたすると正面衝突するわけで、普通はやらないはずだ。ちなみにBrickell駅から2、3駅行ったところでふと気づくと、線路が変わって本来の右側通行に戻っていた。

後で考えるに、あの突然叫んでいた人が駅員で、「次の電車は反対側のホームに来る」と言ってたのだろう。私以外の周りの人は全くあせった様子がなかったし。しかしこれも日本なら駅の構内放送でアナウンスするところで、まさか駅員が来て生声で叫ぶとは想定外である。放送だったらもっと真剣に聞き取ろうとしたのだけど。

ともあれこうして無事空港に戻れた。まずフロントに、シンクのふたが壊れてることを伝える。少ししてメンテの人が来たが、「これは治らない」でおしまい。まあいいや、もう何も期待しまい。

夕食を探しに空港内の店を回る。クレオール料理というのがあったのでそこにする。メニュー6種類ほどあるが、一見するとどれもほぼ同じに見える。たぶん具が鶏か牛か魚か、くらいしか違わないのではなかろうか(推測)。Jambarayaを選択。本来ニューオーリーンズあたりの料理かとも思うが、まあどれも大差ないだろう。大きめの弁当箱みたいなのに米をぎっしり詰め、シチューのようなおかずをだーっとかける。かなりボリュームありそう。$9。

ちなみにマイアミでクレオールと言ったらハイチ(旧フランス領、マイアミのすぐ近く)のそれを指すらしい。クレオール語併記の看板とか時々あったが、フランス語ともかなり異なり全く何書いてあるかわからなかった。

部屋に戻り、夕食。それからシャワー、洗濯。そして晩酌。このホテルは冷蔵庫はないかわりに各階に氷を出す機械(無料)がある。買っておいたビールにベトナム風(?)に氷を入れて冷やして飲む。飲みながら翌日のフライトのスマホチェックイン。

4/21(日)

朝食はきのう買った食料。チェックアウトタイムは12時、フライトは15:50発なので11時頃チェックアウト。

また暇なので、例によって空港内をくまなく歩きまわる。何箇所か Hotel and Parking Shuttle の看板があるのはLAXと同じ。あと Ride Share の看板もある(LAXにもあった)。UberとかLyftとか用。ライドシェア、米国では完全に根付いている感じである。私は今回は全く使わなかったけれど。

セキュリティのチェックは相変わらずきびしいが、出国の手続きはすんなり終わる。セキュリティエリア内でまた店を回る。キトには夜着く予定で、空港の様子が事前に調べてもいまいちわからず買物できるか自信がないので、買えるものはここで買っておきたい。

空港の免税店というやつには今まで入ったことがなかった。どうせ高級品ばっかで俺には関係ないよ、と思っていたわけだが、酒を売ってるというイメージはあったので、安めの酒はないかなととりあえず覗いてみた。ここで掘り出し物を発見:Fireball Whisky というやつ。33%のウイスキー500mlで$10なのだが、ポイントは50mlの小ボトル10パックというところ。

これは何がうれしいかというと、2本までなら空港のセキュリティを通れるのである!液体持ち込みの条件は「100mlまで、携帯用の小ボトルに入れる」なのだ。全くの私の想像だが、この商品のコンセプト、「(私のような)飲んべえが空港に酒を持ち込めるように」というのを狙って作ってる気がする。

キトには3泊の予定だが、8本はキトで飲むとして、2本は帰りにマイアミまで持っていく。マイアミでは空港では酒は買えないが、この2本はその晩飲める。33%x100mlではちょっと物足りなくはあるが、全くないよりははるかにマシである。

…と喜んでいたのだが、実は結局帰りのマイアミでは別の酒を飲み、その翌日のLAでこのFireballを飲むことになる。この話はまた後で述べる。

そして搭乗。免税店で物を買うと搭乗ゲートで品物を渡される(店で買った時はもらえない)。受け取って乗る。今まで免税店で買物したことなかったので初めて知った。

LATAM Airlineというチリの航空会社のマイアミ-キト便。いちおう機内アナウンスはスペイン語と英語両方あるが、CAが話すのはデフォルトがスペイン語で、アウェー感が強くなってくる。約5時間のフライト。途中軽食が出た。

着陸。南米大陸タッチダウン成功!これで今回の旅行の最大の目標は果たしたわけで、ひと安心。ここまで来れればあとは、帰りにトラブルがあろうが遅れようが、日本にたどり着ければそれでよい。

ホテルのシャトルでホテルへ。空港出口で人が待ってるはずだったのだが見つからずにしばし探した、というのは「ホテル選び〜空港シャトルの使い方」の章で書いた通り。無事ホテルに着く。ただし空港で買物したかったのだができなかった。

チェックインして部屋へ。すごい、すごいぞ…この部屋、なんと欠陥がない!LAとマイアミでは痛い目に会ったので、今回の旅行で欠陥のない部屋は3軒めのこのホテルが初めてなのである。ものすごくレベルの低いことで喜ぶようになってしまった。バスタブがなくシャワーのみだが、私は元々シャワー派なので問題なし。

シャワー、洗濯の後、マイアミで買った酒とつまみで夕食がわり。Fireball Whisky、ウイスキーにシナモンと唐辛子が入っていて、辛い。あと2日はフライトがないのでスマホチェックインはなし。

iphoneの「探す」で家族を探すと距離が出る。1.4万kmだった。ちなみにマイアミは1.2万km、LAは8千kmだった。

キトに来たら南十字星を見ようと思っていたのだが、曇ってて見えず。

4/22(月)


ホテルは素泊まりで予約してたのだがゆうべ買物できなかったので、お金を払ってホテルで朝食を頼む。バイキングで、普通の洋食の朝食メニューの他にセビーチェ(魚の冷製スープ)やフミタス(とうもろこしのちまき)等のエクアドル近辺の名物料理もある。これらを少しずつ食べられたのはよかった。

見慣れない果物があって、「これ何すか」と聞いたら「グラナリーダ」と聞こえた。よくわからんがとりあえず取ってみた。割って中を見たら「あれ、見たことあるな?何だっけ…」となった。後で調べたらパッションフルーツだった。ちなみに'granadilla'だった。

ところでパッションフルーツの食べ方だけど、あれ種食べるんですかね?私はバリバリ噛み砕けそうだったので種ごと食べてしまったんですが。

チェックアウトし、ホテルのシャトルで空港へ。ここからローカルのバスで市内中心部へ行く。

地球の歩き方やネットの情報によると、空港からのローカルバスは市南部のQuitumbe行き、市北部のCarcelen行き、市中心に近いRio Coca行きの3つがあるそう。なおこの他に旅行者向けのちょっと高級なAeroserviciosというバスもあるという話だったのだが、ネット記事のそのバス会社へのリンクをクリックしても Not Found になる。「おかしいな…つぶれたのか?」と思ってたが、空港で確認したところやはりつぶれてたらしい。コロナのせいか。

で、まあ中心に近い方がいいかと思い、空港のインフォメーションで「Rio Coca行きのバスに乗りたい」と言う。さすがに空港のインフォメーションは英語が通じる。時刻表はないかと聞いたが、そんなものはないらしい。え、そうなの?人のよさそうなおばちゃんで、親切にバス停(50mくらい先)まで連れてってくれる。Rio Coca行き、Quitumbe行き、Carcelen行きの3つのバス停が隣り合って並んでいる。3つそれぞれのバス停に行き先が書いてある。で、Rio Coca行きのところで「ここで待てばいい」と言われて待ちだす。この時11:05くらい。

しばらくしてQuitumbe行きのバスが来た。Quitumbeからでも地下鉄を乗り継いで市中心部へ行けるのでこれに乗ってもよいのだが、まあRio Cocaの方が近いし、もう少し待つか、となった。しばし停まってた後、Quitumbe行きのバスは発車していった。

もう少しして、今度はCarcelen行きのバスが来た。しかしこれはその後、私が出発するまでそこに停まっていた。

次はまたQuitumbe行きが来た。うーんどうしようかと迷ったが、もう少し待つことにして見送った。少ししてまた出ていった。

その次もまたQuitumbe行きが来た。さすがに「ダメだこりゃ」となり、あきらめてこれに乗った。少しして出発した。このとき11:30くらい。

結局、Quitumbe行きは10分間隔で発車してることはわかったが、Rio Coca行きとCarcelen行きは1本も出るのを見なかったので頻度はわからずじまい。しかしあのインフォのおばちゃんも、バスの頻度くらい把握しておき、「Quitumbe行きがいちばん多いから便利だよ」くらい言ってくれてもよかったのではないか…

さてこのローカルバスは、旅行者専用というわけではなく、途中あちこちに止まって市民が足として利用している。見ているとバス停っぽいものが全然ないところでも乗ったり降りたりしていて、全然わからない。空港始点、Quitumbe終点だから私としては最後まで乗ってればよいが、途中で乗り降りとかは一見の旅行者には難しい気がする。

バスは運転手と車掌の2人体制。料金箱なんてものはなく、誰かが乗るごとに発車した後で車掌がその人のところに行って集金する。一度に大量に乗ったりしたらどうするのだろう。よくわからんシステムである。空港->Quitumbeで$2.45。ちなみにエクアドルの通貨は米ドルである。これもある意味ひどいのだが、まあそこはツッコむまい。

走行中でも運転手と車掌がしゃべってたり、運転手が誰かとスマホで話しだしたりする。けっこうスピード出してて、バス停をオーバーランすることもあった。何というか気が気でなかった。

地球の歩き方によると、バスの中ではスリに気をつけるべし、だそうで、荷物には気をつけていたが、平日昼間で空いていたこともあって、この時は特に問題はなかった。しかし帰りはこのバスで痛い目を見ることになる。

空港から1時間ちょいでQuitumbe着。遠距離バスのターミナルである。しばらくターミナル内を見て回る。犬が座ってる。

"15:50 PM"という表記は初めて見た気がする

トイレは有料で、入口に集金人がいる。男は小$0.15、大$0.20。女は$0.20。

しかしこういうのも途上国特有なんだろうな…先進国だと料金徴収者の人件費の方が料金収入より高そう。

ここからEcoviaに乗って市中心部にあるホテルの近くへ。地下鉄を使う手もあったが、景色が見たかったのでEcoviaを選択。Ecoviaというのは、道路の専用レーンを走る2両連結のバスである。路線上の道路では、真ん中2レーンがこのバス専用になっている。信号はあるけど渋滞はない。ところどころに入口/出口付きの停留所があり、そこで乗り降りする&料金を払う。全線一律で$0.35。使い方としては市電みたいな感じである。BRT(Bus Rapid Transit)、というやつだろうか。南米にはこのタイプのバスけっこうある模様。これ、地下鉄や市電よりはインフラ費用かからなくていいと思うのだけど、日本でももっとやっていいのでは。たしか大船渡で見た記憶があるが。

Baca Ortiz停留所で降りる。ここからホテルまで500mほどを歩く。この時も警戒していたが、まあ昼間に街中を歩くぶんにはそんなに警戒しなくてもよさそう。このあたりも、事前にネット等で調べた情報と実際に行ってみての感覚ではかなり違うことがけっこうある。

ホテルに着く。まだチェックインには早いので荷物(キャリーケース)を預ける。地下鉄に乗るためEl Ejido駅まで歩く。

地球の歩き方のエクアドル編の最新版は2019年発行だが、地下鉄ができたのは2023年12月で、当然載ってない。地下鉄の駅の位置等は事前にネットで調べておいた。

できたての地下鉄、かなり立派。しかしきっぷは窓口で人から買うw 自販機代より人件費の方が安いのか。きっぷはQRコードで、改札の読み取り機にかざすとゲートが開く。日本のJRも近々これに替わる、と最近ニュースで見た。



地下鉄も全線一律料金$0.45なので、降りる時はきっぷは不要で、一方通行のゲートを通って出るだけ。

San Francisco駅で降りる。この辺はセントロと言われる旧市街で、世界遺産。まずはSan Francisco寺院へ。中は彫刻やら絵画やらでさすが豪勢。

この↓像が立ってる丘はパネシージョの丘という有名な観光地で、徒歩30分くらいで行けるらしいが、「観光客が歩いていくと必ず強盗に会う」のだそう。必ず強盗、パワーワードだ。行くならタクシーかウーバーだそうだが、私はタクシーも怖いので行かなかった。ていうかここから見えてるし。


しばしセントロの観光ポイントを巡った後、今度はTrolebusという別のBRTに乗る。セントロのSt. Domingoから乗り、Mariana de Jesusまで行こうとした、のだが。Marianaより手前のColon停留所で、私とあと2人くらいを除いて全員降りてしまう。??何かあったのか?と思いつつそのまま乗ってたら、なんとバスはUターンして反対レーンの停留所に止まった。え、路線の端から端まで行くんじゃないの?

まあしょうがないのでUターンしたところで降りる。もう16時だし心が折れたので、Mariana行きは今日はあきらめて明日にし、歩いてホテルへ戻ることにする。

ちなみにこれ↓が路線図。上の図の、オレンジの横線がTrolebusである。下の青線がEcovia。上の図だけ見て端から端まで往復するもんだと思いこんでいたが、下の図を見るとC1とかC2とかあってどうやらColon終点というのもあるっぽい。気づいてなかった… というかそういえば事前にネットでそういう情報見かけてたような気もする。忘れていた。

歩いてホテルまで戻り、チェックインした後再び外出。まず近所にあるSupermaxiへ。ここは事前にストリートビューでホテルの周りを歩いて見つけていて、スーパーだろうとは見当はついたが、どんな店で何があるのかはよくわかってなかった。大きめの食品スーパーだった。ただ大きめサイズの商品が多く、手頃なのがあまりない。それでここでは買わず、近くに小さな商店っぽいのもあったのでそちらへ。

ちなみに米5kg $9。そんなに安くないのね…

テイクアウトの夕食なにかないか探しながら歩いてて、これが目についた。ここでLoco sandwich $2.50を買う。

$1〜$2.5くらいのサンドイッチばかり。辞書を引くと 'loco'=crazy だそう。あれこれたくさん入ってる、てことか。

また別の店でビールやポテチを見つけて買い、ホテルへ戻る。まずは夕食。

ちょっと寒かったのでエアコンをつけたが暖かくならず、フロントに電話したら「今の季節はエアコンは冷房のみ。今ヒーターを持ってく」と言われたのは「ホテル選び〜各種トラブル」の章に書いた通り。

それからシャワーを浴び、洗濯。きょうは3日に一度のシャツ・ズボン洗濯日なので、ドライヤーでの乾燥に時間がかかる。そしてヒーターとドライヤーを同時に使ったらブレーカーが落ち、電話もできずフロントまで行くはめになった、というのも先に書いた通り。

この日もずっと雨模様で南十字星は見えず。

4/23(火)


朝はホテルのバイキング。ここもセビーチェがあった。

9時すぎチェックアウトして荷物を預けて出発。まず歩いてMulticentro shopping centerへ。いくつかショッピングモールを周り、フードコートがあるなら見てみる、というのが目的。事前にネットで近くのショッピングモールらしき場所をチェックしておいたのだ。しかしこのMulticentroは小さめのモールで、よさそうなフードコートもなかった。

次の目的地はMall El Jardin。きのうMarianaから行こうとしていた所である。これも15分ほど歩く。もう昼間の街は徒歩でも安全と判断。

El Jardinはかなり大きなモール。日本のイオンモールやアリオと遜色ない。店もいろいろ揃っている。しばし見て回る。

本屋を発見、入ってみる。スペイン語なので細かいことはわからないが、英語と似ている単語も多いのである程度はわかる。Literatura Universal(世界文学)のコーナーでは日本の作家もちらほら。川端康成、三島由紀夫はまあ定番か。あと村上春樹とか、川上弘美もある。どういう基準なんだろう。川端はノーベル賞、村上は米国でプロモーション活動をしたそうだが、それ以外はたまたま海外の編集者の目に止まったのか。海外の編集者で日本語読める人なんてほとんどいないだろうし、そういう超少数な人の好みにたまたま合致した、という運も必要なのか。



"Yo, el gato"(I, the cat) - 吾輩は猫である、と日本語がついてる




正面の壁の左端2つの棚はMANGA。その右2つがCOMICS。マンガとコミックは別物らしい。中身はこちら。

日本のMANGA、そこそこ広いスペースをとっている。マンガ、じわじわ世界に浸透しつつあるなー。そういえばEcoviaに乗ったとき、高校生くらいの男子が「進撃の巨人」と漢字の入ったパーカーを着てたのを見かけた。マンガ・アニメオタクとしては心強い限りである。

ここはフードコートもあった。かなり広い。よさそうなのもいろいろあったが、次もあるのでまだ食べずに次へ。

カロリーナ公園という細長い公園を南から北へ突っ切る。市中心部の一大公園。バレーコート、バスケットコート、テニスコート等スポーツ施設もいろいろあり、みんな遊んでいる。陸上のトラックもあり、どっかの学校の部活?みたいなとこがトレーニングしている。

この公園内にキト植物園というのがあるので入ってみた。入園料$5。


なぜか日本庭園がある。アジサイが咲いてる。現在4/23。キトは4月がいちばん雨が多い。そのせいかな。


ふだん見かけない変な植物がいろいろ。見てると楽しい。

公園を北端まで行ったところにQuicentroがある。キト最大のショッピングモール。ちなみに2019年版の地球の歩き方の地図ではQuicentroの場所が全然違う所になっている。大丈夫か地球の歩き方。「キト最新公共交通事情」の章のマップに、正しいQuicentroの位置を書いておいた。青い丸が正しい位置、青いバツが間違った位置である。

この件から我々が得るべき教訓は、地球の歩き方の情報をうのみにしてはいけないということだ。

なおこのことも、事前にストリートビューで知った。Quicentroのあるはずの場所に行ったが、ない。それで検索して調べたら別の場所だった。たまたま気づいたのだが、知らずに行ったらけっこうあせってただろう。

Quicentroはかなり広い。日本の基準でもかなり大きいモール。高級店も多い。キトの人口230万。エクアドルの1人当たりGDPは$5,500、日本の2割程度。庶民ではたぶん手が出ない気がするが、富裕層だけ相手でも十分商売になるのだろうか。

ここにも本屋があり、MANGAコーナーがある。メジャーだなーマンガ。

フードコートも当然ある、かなり広い。中心に広い場所を取ってるのはスシ屋。スシもメジャーとは言わないがそこそこある。ホテルの近くにもスシ屋があった。

さて何にしようか。できるだけ現地の人が普通に食べてるもの、かつ現地らしいものがいい。短い間ながらキトの街を歩いていて、どんな食べ物屋が多いのかはチェックしていた。サンドイッチ、ハンバーガー、ピザ。この辺りがなんだかんだ言っていちばん多い。ゆうべはサンドイッチだったが、やはり何もキトで食べなくても…という気はする。セビーチェはまあエクアドル的なのだが、現地の人がふだん食べるものではなさそう。日本でいうと天ぷらとか寿司とか、そういう感じだろうか。「日本食」の代表ではあるけど、実はそうひんぱんに食べるものではない、みたいな。もっと身近な、日本で言うならカレーやラーメンのようなものを探したいと思っていた。

そういう観点から何かないかな…とフードコートを一周していて目に止まったのがこちら。

米と豆と鶏のプレート。これもけっこう街で見かけた。特別なごちそうではないが、日本にも米国にもちょっとない感じ。日本で言うなら焼魚定食みたいなポジションだろうか。

これで$4.99。エクアドルでは高めなのだろうが、Quicentroでは安い方。しかし、メニューには$4.99とあるのだが、注文したら"five dollars"と言われる。$4.99でしょ?と思ったが、まあほぼ$5なので$5支払う。店員は当然のように受取り、おつりもよこさない。セコいのかルーズなのかわからないが、もうツッコむのもめんどいので放置した。$5.01の物を頼んだらどうなるのだろう?

味は、まあ見た目から想像できる通り。特別おいしいとは言わんが、キト庶民の味が味わえたと思っておこう。

鶏、豆、米、サラダの他、なんか唐揚げみたいなのがある。何かなと思って食べてみたら、なんと!焼きバナナだったw ここでバナナか… まあエクアドルはバナナの大産地で安い、安いのでいろいろ料理にアレンジして使われるのだろう。日本でいうとキャベツやもやしみたいな存在か。まあ何というか、こういう驚きがあるから海外旅行は面白いよな、と思うのである。

Quicentro近くのNaciones Unidas停留所からまたEcoviaに乗り、Rio Cocaへ。空港へ戻る時に今度はRio Cocaから行けないかと思って偵察に来た。行きと帰り、なるべく違うルートを通りたいのである。

しかしRio CocaにはQuitumbeと違ってターミナルビルらしきものが見当たらず、インフォメーションもなさそうだったので情報収集ができなかった。私の探し方が悪くて見落とした可能性もあるが。まあここはあっさりあきらめ、帰りもQuitumbe経由で帰ることにする。

またEcoviaでBaca Ortizからホテルへ戻る。荷物を受取り空港へ出発。今度は地下鉄でQuitumbeに行くことにして、El Ejido駅まで歩く。

歩きだしたとたんに雨が土砂降りになり、すぐ隣のホテルに入って雨宿り。15分ほどして小降りになったところでまた出発。El Ejidoまで行き、そこから地下鉄に乗ってQuitumbeへ。

Quitumbeのターミナルのインフォメーションで空港行きバスの乗り方を聞く。ここも英語が通じる。来た時は気づかなかったが、ここのバスターミナルは乗車エリアが他の区画と分離されていて、一般エリアから乗車エリアに入るのに入場料$0.35を支払う。でEcoviaはその入場料だけで乗れる、というふうになっている。

そういえばEcoviaもTrolebusも、どの停留所でも入口と出口があり、入口はお金を払う、出口は一方通行だ。

また話がそれるが、Ecoviaに乗っていると時々物売りが乗ってくる。スナックとか小さなアクセサリーをズラッと並べた台を持ってて、突然車内で大声で宣伝を始める(スペイン語なので何言ってるかわからんがたぶん宣伝)。で車内を一往復しながら売り歩く。一往復したら降りていく。

なんでこんなことが可能かというと、この停留所システムのせいだろう。いったん降りても、停留所から出ずに次のバスに乗るぶんには追加料金不要なのだ。(もちろんその他に、車内で大声を出したり物売ったりするのに寛容なメンタリティもあるだろうが。)日本のようにバス車内に乗るor降りる時に払うシステムだとこうはいかない。

ある車内で一往復した後は、それ以上往復しても売れる可能性は低い。それよりも(無料で)別のバスに移る方が売れる可能性が高いのだろう。そして、別のバスに行くのに料金がかかるのだったら、売ってる物の値段と売れる頻度から考えてコストが見合わないのだろう。

あ、あと物売り以外に、なんかキリスト教の布教っぽいことをEcovia内でしてた人もいた。(何言ってるかわからんが、断片的に聞こえる単語から推測。)日本でもたまに街頭で宗教の辻説法してる人がいるが、たぶんあんな感じ。

さて話を戻して、$0.35払って乗車エリアに入る。ここにも自動改札なんてものはなく、係員の前で箱にコインを入れ、ゲートのバーを手動で押して入る。

ここで、さて空港行きのバス乗り場はどこだろう、と見回していると、後ろからポンポンと肩を叩かれた。振り向くと若い女性。怪しげな勧誘?いやさすがにバスターミナルの中では…などと思っていると、スペイン語で何か話しかけてくる。「ノ・エスパニョール(スペイン語わかりません)」と言うと、何やらスマホに打ち込みだす。そして画面を見せられる。"where is he going?" 翻訳ソフトを使ったらしい。しかしなぜ"is he"なのか。"are you"ではないのか。「アエロプエルト(空港)」と答えると、手招きして歩き出す。どうやらターミナルの案内係らしい。東洋人が荷物持ってきょろきょろしてたので、迷ってると思って声をかけてくれたのだろう。ありがとう親切なお姉さん、そして疑ってすまん。とあるバス乗り場まで連れていかれ、「ここで待ってろ」と(スマホで)言われる。「グラシアス(ありがとう)」。彼女が去った後しばし待っているとバスが来て、無事乗れた。

ちなみにスペイン語の発音はほぼローマ字読みで、カタカナ発音でもだいたい通じる。非英語言語としてはかなり楽な方である。

それにしても、エクアドル人ほんと英語しゃべらないな。日本人も英語下手だけど、"where are you going?"くらいは8割の人は言えるのではないだろうか。学校で英語教育ないのかな。よくわからん。

また話がそれるが、エクアドルの通貨は1990年代終わりに独自通貨からUSドルに変わったのだが、コインだけは独自のを作っている(札はUSのもののみ)。この理由は、USのコインは金額が"FIVE CENTS"のように英語で書かれてるだけでアラビア数字がない(札にはある)。それで国民がわからないから、だったそうである。まあコインは子供も使うしね…

さてこのバスで、今回の旅行中最大の失敗をすることになる。その事を書いていこう。

私の荷物は、小さめのカバン(ビジネス用の、PCとかが入る、ショルダーバッグにもなる)とハードキャリーケース(機内持込み可サイズ)のふたつである。バスの2人がけ席に座ると、両方ひざの上に乗せるのはかなりつらいのでキャリーケースは隣の座席に置いていた。

始発であるQuitumbeを出た直後は空いていたが、このバスは市民の足としても使われており、だんだん人が乗ってきて混んできた。たしか出たのが17時くらいで、ラッシュに入りかけてたのかもしれない。

だいぶ混んできたとき、車掌が近寄ってきて、私の方を向いて私のキャリーケースをトントンと叩く。混んできたから荷物を席に置くな、ということだろう。しかしひざの上はつらいし、頭上に荷物用の棚もたしかなかったと思う(あったとしても落ちると危ないので無理)。困っていたら、車掌はキャリーケースを持っていき、助手席にあたる運転手隣の車掌用スペースに置いてしまった。

これで私は焦りまくった。地球に歩き方によるバスでの注意点その一:スリには気をつけるべし、荷物は抱えてろ。荷物が置かれたのは前方のドアのすぐ近くで、降りる誰かがひょいと持っていくと手が出せない。誰かが持っていくんじゃないか、という心配で頭がいっぱいになった。

私の席は前から2番めの右端、つまりドア側である(エクアドルの車道は右側通行)。荷物に手は届かないが見える位置にある。それで、停車して誰かが降りるたびに、不審な人がいないか、荷物に手を出さないかずっと見張っていた。

そうして警戒しながら1時間ほど。混んでるせいか、来る時より時間がかかっている。スマホのマップで時々位置をチェックしていた。最後にチェックしたとき、空港から5kmくらいのところまで来ていた。もう19時近く、真っ暗である。もう少し、もう少しで着く、と自分に言い聞かせていた。

バスが停車した。ほとんどの客がぞろぞろ降りだす。やった、着いた!まだ荷物はちゃんとある。よかった盗まれなかった。私も急いで前方に行き、取り上げられてたキャリーケースをつかんで、車掌に「グラシアス!」と声をかけた。彼は指を前方に繰り返し突き出すしぐさをしている。降りたら前の方に進め、そっちに空港ビルがある、ってことか。

バスを降りた。バスが去っていく。そこで気づいた:ここ、まだ空港じゃない!空港内のエリアではあるのだが、整備場のようなところで、降りた人はみなそこに勤める人だったようで、みな同じビルに吸い込まれていく。シフトが始まる時間かなんかで一斉に降りたらしい。車掌のしぐさは「降りるところはまだ先だぞ」と言っていたのだ。

治安の悪い場所での鉄則その一:暗い場所は絶対歩くな。ここから空港ビル(ホテルのシャトルに乗れる場所)までの距離、5kmは切ってるはずだが、正確にはわからない。まだ2,3kmあるかもしれない。それをこの暗い中、重い荷物を抱えて歩くのか?強盗に会う可能性は格段に高くなる。絶望のどん底に突き落とされた気分だった。

だが、ここに至ってはしょうがないだろう。他に方法はない。空港ビルまで歩くしかない。私がマヌケだったのがすべて悪いのだ。強盗に会ったらとにかく抵抗せず全て差し出そう。いのちだいじに。

そう思って覚悟を決めた、その時。奇跡が、起きた。天は私を見捨てなかった。

ふと見上げると目の前の建物に、見た覚えのある"Wyndham"のサインが。そう、なんとこの場所、泊まるホテルのすぐ裏だったのである。もちろんまったくの偶然である。少し歩くとすぐ入口に着き、無事ホテルに入れた。

この時の気持ちは、ほんとどう表現していいかわからない。絶望の渕に立っていたのが、一瞬にして全て救われていた。人生、こんな事があるのか… この世に神は実在したのか!という気分である。

安全管理の世界で「1件の大事故の背後に、30件のヒヤリハット事故がある」という言葉がある。ヒヤリハット事故とは、ヒヤリとした、ハッとした、危ないところだったがたまたま事故には至らずに済んだ、という事案のことである。今回の件、一歩間違えば大事故になっていた、完全なヒヤリハット事故であった。

敗因としてはひとえに「荷物を取られてパニックになっていた」ことに尽きる。落ち着いてスマホマップを確認していれば、まだ空港でないことはわかったはずなのだ。それを、荷物が不安なばかりに、一秒でも早く降りたい、という思いに囚われて冷静さを失って先走ってしまった。

こうして無事にチェックイン。この後、買物するためにホテルのシャトルで空港に行き、帰りのシャトルを待つ場所を確認してから買物した、というのは「ホテル選び〜空港シャトルの使い方」の章に書いた通り。酒も見つかり、酒つまみ朝食を買う。

ここで見つけた逸品はこれ:

下にはゆでた枝豆、上にはコーン?が入っている。コーンは日本のとなんか形が違う。枝豆をこうやって売ってるのはよい。日本でもどっかやってくんないかな。なおこれ、要冷蔵である。

ホテルに戻り、洗濯しようとしたら洗面所のシンクのふたが固定タイプで閉まらないため部屋を替えてもらった、というのは「ホテル選び〜各種トラブル」の章で書いた通り。

シャワー・洗濯の後、明日のフライトのスマホチェックイン。この日も雨で、結局キトでは3日とも星は見えず、南十字星を見ることはできなかった。

これで一日終了。この日で今回の旅行でやりたかったことは全て終わった。あとはキト->マイアミ->LA->成田と、来たときのルートを戻るだけ。ホテルも来たときと同じ。もちろん最後まで気は抜けないが。家に帰るまでが海外旅行です。

4/17に出発してから一週間経過。だいたい経験的に、一週間くらい旅行してると精神も肉体も疲れてきて、あとは「早く帰りてー」という状態になる。この時もほぼそうなってた。まあ時間的なことの他、「やること全部終わった」という気分の問題もあるのだが。私の旅行がいつも一週間からせいぜい10日程度なのはそういう理由もある。

4/24(水)


朝食はゆうべ買った物。

その後TVをつけてしばらく見てる。私はふだんTVは全く見ないが、旅行先ではどんな番組があるのか興味があり時々見る。ドラマのチャンネルを3つほど見る。セリフはスペイン語でわからないが、3つに共通していた点:男女が出てくる。男の方が(どうやら)能天気な or 自分に都合のいい事をぺらぺらしゃべる。女がだんだん険しい表情になっていき、ついにキレてどなったり暴力をふるったり。

10:30チェックアウトし、ホテルのシャトルで空港へ。おみやげ屋をのぞく。ここの店員も英語話さない、数字も言えない。空港の店員がそれでいいのか…1個いくら、合計何ドル、くらい言えた方がいいと思うのだが。

セキュリティと出国審査を通貨。あっという間に終わる。日米に比べると超イージー。液体がダメという表示もなかった。「野生動物の密輸は犯罪」みたいなビデオは流れてた。

また免税店で酒をチェック。マイアミで飲むぶんならここで買っても持っていける。高級品が並ぶ中、$5の安酒があったので買う。17% 350ml、一晩で飲める量だ。Fireball 2本(33% 100ml)ではちょっと物足りない。

14:05出発。Americanの便。18:50着陸。スマホ回線は来たとき同様AT&Tにして、今回はスムーズに行く。

しかし入国審査の列が超絶長くてしんどかった。


写真1枚めが並び始めた時にとったもの。今私がいる場所(写真手前)は、写真まん中へんに並んでいる列の続きである。間は通路なので空けている。むこうの列の後端とこっちの列の先端に係員がいて、むこうの列が少し空くと、そのぶんの人数だけむこうの列に移るようこっちの係員に指示される。

この列が、写真に見える廊下のずっと奥まで続いている。その奥で左に曲がって別室に入るのだが、その別室がまた広くてその中でも長い列が続く(写真2,3枚め)。全部で何人いるんだろう、数百人いるのは間違いない。へたすると千人いるかも。

19:11に列に並び、私の審査の番が来たのが20:50。1時間40分列に並んだのは人生初である。最初並んだ時は何も考えずにぱっと並んだのだが、こうなるんだったら並ぶ前にトイレに行っとくべきだった。30分くらい並んでまだまだ先が見えないあたりから、途中でトイレに行きたくなったらどうしよう、と心配でしかたなかった。トイレのために列を抜けてまた1時間並び直し、なんてなったら目も当てられない。

しかし普通、こんなに列ができるなら、もっと審査官を増やすなり対応するのではないだろうか。マイアミ発着の国際便は当然中南米が多いわけだが、これは米国政府の中南米移民への嫌がらせの一環ではないのだろうか?などと邪推していた。

列は異様に長かったが、審査自体はあっさり終わった。一週間前にさんざん聞かれたからか。当然前回の入国記録は見てるのだろうし。

マイアミ空港は2回めだし前回さんざん歩き回っているので、今回は迷わずホテルへ。チェックインの後また出て夕食を探す。もう21時すぎなのであまり探し回る気力もなく、目についたSUBWAYに入る。

The Mexicaliというのを注文。$11.99とあるが、税が7%で$12.83のはず。…なのだが、クレカを機械に差して支払おうとするとチップ10%/15%/20%を選択する画面になる。0%というボタンも見えるがここは暗くなっていて、押しても反応しない。いつもの私なら抗議するところだが、入国で疲れていたので日和って10%を選択。計$14.11。SUBWAY絶対許さねぇ。あと他の店でも水と食料を買う。

ホテルに戻り、シャワー&洗濯。そして晩酌。Fireballと、さっき買ったZhumirというエクアドルの酒。スピリッツにフルーツフレーバー、という感じ。けっこういける。

米国に戻ったのでまたcrunchyrollを見る。あと明日のフライトのスマホチェックイン。

4/25(木)


朝食はきのう買ったもの。

povoは来るとき「海外レギュラー7日間3GB」というトッピングを買ったのだが、これの使用開始がLA時間の4/18 10時頃(着陸時)。ここから7x24時間後に期限が切れるので、11時頃に次のトッピングを買う。今度は「アメリカ3日間1GB」¥780。期限が切れないと次のを買えないらしい。

12時前にチェックアウトし、しばらくまた空港内(一般エリア)をうろうろした後、セキュリティを通過。ここも少し並んでたが、20分程度。きのうの入国を思えば… セキュリティエリア内をまた見て回る。


なんか子供の集団がいる。どうやら「親の職場見学」みたいなので、空港職員の子供たちに空港内を案内するツアーみたいのをやってるらしい。

いつもは飛行機に乗る直前は、機内で腹を壊したりするとまずいので物は食べないのだが、きょうのフライトは16:15発予定で、それまで全く食べないのもどうかと思い、カフェっぽいところに入ってサラダだけ頼んだ。するとここも、値札$5.95に税0.49、それにチップ$1足されて計$7.44。ぐぬぬぬ…マイアミ空港はどうなってるんだ、無法地帯なのか。

空港の待合室で、スマホ充電用のUSBの口がちょこちょこある。その一つに差して充電していた…のだが、しばらくして見てみたらまったく充電されてない。あれ?どうもこの口が壊れてるらしい。他の口に差したらピコンと音がして充電マークがつく。今度はokそう。しかしこういうとこも、壊れたの直さず放っとくんだよね…

16:15出発予定だったのだが、16:45に遅れるとアナウンスがあった。しょうがないので待つ。16:45に搭乗は始まったが、乗った後また飛行ルートがどうこうとアナウンスがあって待たされ、結局離陸したのは18:00。5時間のフライト-時差3時間で20:00 LAX空港に着陸したが、今度は駐機予定の場所に別の飛行機がいるとかでまた待たされ、飛行機降りたのが20:20。予定より2時間遅れた。

きのうの入国に続き、連日の2時間遅れ。まあうんざりはしたが、この後はホテルに行くだけなので大した影響はない。こういう遅延やトラブルは付き物だと思って、あることを前提に余裕のある計画を立てることはほんと重要だと思う。まあそうは行かない場合もあるだろうが。今回は、余裕のあるスケジュールにしといてよかったなと心底思った。遅れたために何かの予定をキャンセルすることに…とかなるとまたパニックになったり腹が立ったりするのだ。平穏な心でいられるのは大きい。

空港を出てHotel & Parking Shuttleのエリアに行くが、泊まるホテルのバンがちょうど去っていくのが見えた。やれやれ。ホテルに電話したが、シャトル30分おきに出るので30分待つことに。ホテルに着いたのが21:30。降りるときチップ$1を渡す。

チェックインしてすぐ夕食のため外に出る。来たときと同じホテルで、目の前にセブンイレブンとモールがある。モール内のEl Pollo Locoという別のメキシカンの店を狙ってたのだが、行ったのがちょうど22時すぎで、22時に閉店したばかりだったorz ざっと見渡したがほとんどの店がもう閉まっている。唯一開いてたのがIN-N-OUTというハンバーガー屋で、そこに入る。

チーズバーガー$4.1 + フライドポテト$2.3 + 税$0.61(9.5%)で$7.01。チップがない!Yay!安いからか他が開いてないからか、かなり混んでて繁盛してる。味は…まあ普通だったが。

あとセブンイレブンでビールとつまみを買って帰る。帰って夕食(ハンバーガー)、シャワー。最後の日なので洗濯はなし。ビールとFireballを飲み、crunchyrollを見る。翌日フライトのスマホチェックイン。

4/26(金)-27(土)

フライトは12:30発。今まででいちばん早い。いちおう目覚ましをかけといたが、無事目覚ましに頼らず起きられた。

朝食はホテルのバイキング。来た時と同じ。

9:30チェックアウトし、ホテルのシャトルで空港へ。また降りるときチップ$1渡す。

セキュリティはまた20分ほどかかる。出国審査はあっさり。

LAの空港のトイレで「人身売買を止めよう」みたいなステッカーを発見。LA怖ぇ…

セキュリティ内の店を見てまわる。LA->マイアミの時とは別ターミナルなので店も違う。本屋でまたマンガコーナーを発見。ここでは'GRAPHIC NOVELS'となってる。

LPレコードも売ってる。日本でも最近LPちらほら売ってるけど、どういうことなの…コルトレーン$44.99だった。

12:30搭乗。席はエコノミーの中で一番前で、目の前が仕切り板なのだが、この席は広くてよかった。脚をゆうゆう伸ばせるスペースがある。

問題は、普通の席だと手荷物は離着陸時には前の座席の下に置くのだが、この席の場合は上の棚に入れることになる。貴重品もあるので目の届かない所には置きたくないのだ。今回は隣の席が空いてたので、そこに置いてシートベルトで固定すればokと言われ、そうした。次回以降はどうしようか、迷うな…貴重品だけ抜き出して残りを棚に置けるようにしておくか。

帰りの便はANA。日本語がなつかしい…

機内ではまた映画がいろいろ選べる。「翔んで埼玉2」を見る。あと、日本のマンガ家のマンガ制作過程を取材した番組というのがあり、見ていた。マンガ好きで日本に来る外国人のためのコンテンツなんだろうなあ…

12時間のフライト後、着陸。日本の入国はまあ楽勝。税関申告書の紙ぺら1枚書いたくらい。

そして成田から空港で日暮里〜JRで新宿〜京王線で家へ。家に着いてまず、あと数時間で配信が終わる「怪獣8号」を見た。


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