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【言語観察ノート vol.03】「フォニックス」が英単語学習を助ける?

こんにちは。少し春めいた空気感を感じますが、風の強さで「気のせいだったかな」と思い直す今日この頃です。

みなさまいかがお過ごしでしょうか。花粉症の生徒さん達がすごくしんどそうなので、花粉症のみなさま、どうぞご自愛くださいね。

さて、いかだはその後、無事に専門学校の学期末テスト作成も終わり、あとは採点を残すのみとなりました。

春まで少し時間ができるので、今後のnoteの活用方法も考えていきたいなと思っていたところで、最近言語学系のトピックに触れていなかったことに気づきました。

ということで、今日は学習法、英単語学習について触れていきたいと思います。

私は塾や専門学校で検定試験対策(主に英検)の授業を教えているのですが、そこで学習している生徒さんに共通するお悩みとして、「単語を効率よく覚える方法を知りたい」というものがあげられます。

単語を覚えるのが得意、苦手、という違いは生徒さんの個人差によってばらばらですが、「単語を覚えたい」という生徒さんのうち、「発音と単語が一致しない」というお悩みはかなり多いです。10人生徒さんがいたら8人程度はそう言っています。

そこで私が利用しているのが、「フォニックス表」です。生徒さんに単語と発音を一致させる第一歩として、授業でお渡ししています。

フォニックスとは?

フォニックスとは、アルファベットの一つ一つの文字、特定の文字に対して、その読み方を記したものです。例えば以下のような表の形式で学習します。

(以下の画像はフリー素材サイトイラストACさんからお借りしました。)

アルファベットの読み方

まず"a"を見てみましょう。
アルファベットでは「エー」と呼びますよね。

これは"a"そのものの名前であって、実際単語の一部として発音される際、"a"は「(ェ)ア」と読まれます。(カタカナで書くと「ア」ですが、実際は「エ」と「ア」に近い発音です。)

この表に照らし合わせると、例えば、j(ジュ)+o(オ)+b(ブ)の並びは、「ジュオブ(=ジョブ)」と読むのではないか、と推測できるわけです。

とても便利な表ですよね。

上の表のような母音、子音のみならず、連母音などでも、英語では決まった読み方があります。


上のようなフォニックス、すなわち発音規則を覚えれば、7割程度の英単語が読めると言われています。

このように便利なフォニックスは、英語のネイティブスピーカーにおいては、5、6歳の頃に習うことが一般的とされています。

日本語母語話者にとってもこれを覚えるメリットはあって、これらの規則を覚えることで、「日本語風の英単語の読み方(=五十音、ローマ字に従った読み方)」と「ネイティブの英単語の読み方」のギャップを埋めてくれるわけです。

私が中学生の頃、英語の先生から最初に授業で教わったのが、このフォニックスでした。その時私は、「ローマ字とアルファベットの読み方って違うんだ」とはっとした記憶があります。

"aiueo"は「あいうえお」だと思っていた。けれどフォニックス風に言えば、"aiueo"は「あいああお」や「あいあえお」になるのです。

しかもネイティブの発音は話すスピードが速くなるほどあいまいになるので、「あいあああ」となる場合もあります。ほぼ全部「あ」が支配してしまうなんて。恐ろしい世界。

このような違いがあると知らなければ、英単語の習得でつまずいてしまうのも無理はないと思います。

「フォニックス不要論」とは


日本では、学習指導要領で「フォニックスを使いなさい」という規定があるわけでもないですし、「フォニックスを使うかどうか」の方針は、その授業をする先生やその学校の教育方針にゆだねられています

先生によっては、「フォニックスは不要」という方もいるようです。
いかだは授業の教材で使用するために、度々「フォニックス」をブラウザで検索するのですが、必ずサジェストに「フォニックス 意味ない」などが出てきて、「どうして?」と考え込んでしまう時間が発生します。

こんなに便利なんだよと伝えたい。
困っていた生徒さんにも「これ、すごい!」「早く知りたかった」と言われることが多いです。個人的に、フォニックス表はとても良い教材だと思っています。

フォニックスについてもう少し語りたいのですが、少し長くなりそうなので、また次回。

次の更新時には、この「不要論」について、どのような意見があるのか等詳しく見ていきたいと思います。



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