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これからポートレート撮影を始めたい人へ
漠然とこれから人をとることを始めてみたいなって考えている方へ、少しでも参考になったらいいなと思って書いています。
少しでも参考になったら嬉しい限りです。
はじめに
この記事を書こうと思ったきっかけですが、自分自身、最初の記事でも書かせていただきましたが、大学時代の就職活動で必要に迫られたことから人を撮りました。
女性ファッション誌の編集者に入りたかったので、この時撮影したのは大学のクラスメイトの女の子。
アルバイトで貯めたお金でCanonの一眼レフカメラを購入し、大学や大学周辺で撮影を行いました。
雑誌の見開き2ページを作るという課題に望んだわけですが、撮影自体がとても楽しく、今までにない物の見方や考え方をするきっかけとなりました。
それ以降は写真を特に学ぶこともなく、人を撮ることもありませんでした。
ただ、その頃から10年以上経って、少し金銭的や時間的な余裕もできたので、もう一度人を撮影するといった経験をしたいと思い、試行錯誤しながら今に至っています。
最短距離でさまざま学ぶことも悪くないですが、この一年を振り返ってみると、わからないことをたくさん調べながら経験していくことも良いことなのかと思っています。
もしかしたら一見遠回りに見えることがいちばんの近道かもしれなかったり。
そこで今回は、僕自身がポートレート撮影を始めるにあたって調べたことや実際に参加してみての感想などを記してみます。
この中で自分にとって取り組みやすいなってものがあったら、そして少しでもポートレート撮影をしてみたいと思っているのなら、すぐにでも行動に移してみてください。
そこにはとても素敵な世界が広がっていると思います。
被写体を見つけるには
これが最初にして最大の難関かと思います。
家族をや友人を撮るといったことは、それはそれでとても素晴らしいことで、被写体になってくれた方と写真を見返した時に、その時の記憶とともにたくさん語ることができると思います。
ただ、今回は全く知らない人(モデルの方)を撮るのにはどうしてきたかを中心に書きたいと思います。
僕の場合、既出のとおり女性誌の編集者に興味があったので、被写体も女性ばかりです。
興味のあったファッションも女性のものだったので、今のスタイルに落ちつきました。
①講習会に参加してみる(難易度★☆☆)
まずはここからスタートしました。
ネットを検索すれば、ポートレート撮影を募集している方のインスタやXに簡単に辿り着くことができますが、全く作例のない自分にとって、いきなり撮影の依頼をするのは難しいと思いました。
もちろん、僕がモデルをしているとしたら、何を撮影しているのかわからない方の依頼は怖くて受けないかなと思ったこともあったので、最初は講習会がいいかなといった感じで探しました。
実際に使ったのは以下のサイトです。
そこで、モデルの方が用意されていて、撮影技法を含めた講義を実施しているものを探して参加しました。
座学で受けた内容をそのままその場で実践することができることは、知識をほとんど持たない僕が重視した点でもあります。
知識のレベルにもよるかもしれませんが、すでにある程度の知識がある方でも、他の方の撮り方や、第一線で活躍されている方の講座を受けるのは、実践をしていく上でとても有意義かと思います。
では、実際にどんなことを講座でやったのか。
僕が受けた講座は、ポートレート撮影においてストロボではなくLED照明(定常光)を使ったものでした。
ストロボの場合は、撮影したあとにカメラの画面上で確認するまでその仕上がりが確認できませんが、LEDの場合は、あらかじめ撮影したい状況を作り出し、それが見えた状態で撮影することができます。
初心者の僕にはこちらの方がわかりやすいものでした。
仕上がりがあらかじめ眼前に広がっているので、単純にわかりやすい。
ストロボの光の方が。。など色々とご意見はあるかと思いますが、僕の場合は最初に受けた講座の影響もあってか、照明はLEDで揃えています。
もちろんストロボもある程度は使えるようになるため、その後勉強しましたが。
多くの講座で同じかと思いますが、参加者が複数いる場合は
①お互いで自己紹介
②座学
③実践(撮影)
④参加者がお互いに写真を見せ合って感想などを述べる
⑤その日学んだことのまとめ
のように進んでいくかと思います。
特におすすめなのは③の「実践」が講座に含まれていること。
また、ここで撮影したものがSNSやホームページなどに掲載して良いものであることが重要な点かと思います。
SNSに上げることができるのであれば、作例としてモデルの方に紹介できますし、講座を受けてすぐの写真なので、結構まともなものが撮れると思います。
ライティング機材も用意していただける講座を選べば、自分はカメラがあれば十分です。
講座の金額はまちまちなので、記載されている内容に見合うなと思ったらそれが適正な金額なのだと思います。
僕の参加したものは2時間で6,000円程度でした。
逸れますが、15年近く前に購入したEOS 50Dを持って行こうとしたら、電源が入らずで壊れてしまっていたので、中古でEOD 6D(3万円台!)を購入しそれと安価なズームレンズを持っていきました。
今ではこちらも故障でダメになってしまいましたが、僕のフルサイズデビューでした。
(リスク覚悟で、メーカーの修理ができない機種なんかを選ぶのもアリですね。僕の場合、しっかり続けるかわからなかったので、とにかく安く済ませたかった。レンタルするのもありかもしれません。)
機材については、ミラーレス全盛期ではありますが、別に気にする必要はないと思います。
古い一眼レフでも全然問題ありません。
結局のところ、カメラの設定は「M」(マニュアル)で撮るので、どれでもたいして変わりません。自分の好きなもので良いかと思います。
中には最新機種を持ってくる方もいるので、色々話を聞いてみるのも良いかもしれません。
②撮影会に参加してみる(難易度★★☆)
何度かポートレート撮影を行った方だと難易度は下がりますが、何も経験のない状態からだとそれなりに難しいイメージです。
撮影会にもよりますが、おすすめは複数のモデルの方とカメラマンの方で大きめのスタジオを貸し切って行うスタイル。
この場合、基本的に機材は全て自分で用意します。
また、予約を取った後はモデルさんのSNSなどで衣装の調整などをするケースが多いかと思います。
私は一度しか参加をしていませんが、スタジオ貸切といっても全体でそれなりの人数なので、撮りたいところでずっと撮れるわけではありません。
とはいえ、一つの場所を占領するのは良くありませんので、10分くらいで交代するようなルールになっているところが多いかと思います。
こちらに関しては、ポートレート撮影を始めて半年くらいの時期に一度参加をしましたが、特に撮りにくいといった印象はありませんでした。
たまたま撮りたかった場所が空いていただけかもしれませんが。
よく参加する方達でコミュニティみたいなものが形成されていて、一部がやたら盛り上がっていると感じることもあり、若干のアウェー感はありますが、どこもそんなもんだと思います。
チャレンジするなら飛び込んで行って話題に混ぜてもらっても良いかもしれません。
とはいえ孤高スタイルでも全然やっていけます。
撮影をお願いしたモデルさんとはたくさん話しましょうね。
そして、必要ならライティングのセットを忘れないように。
僕は自然光が綺麗に入る場所を探して撮影したかったので、ストロボもLEDも持参しませんでしたが困ることはありませんでした。
撮影スポットを変える際に荷物をたくさん持って移動するのも嫌だったので。
手順のまとめとしては、
①撮影会主催者が開設しているホームページで日程確認
②予約フォームでお願いしたいモデルさんを選んで予約手続
③撮影会ホームページにリンクが貼られているモデルさんのSNSで衣装の相談
④現地で精算(当日)
⑤撮影(当日)
といった感じです。
僕が参加したのはフォトパートナーというところです。
運営の方もフレンドリーで参加しやすい環境だと思います。
事前にスタジオの感じもわかるので、覗くだけでも是非。
別に回し者ではありませんが、モデルの方も素敵な方ばかりです。
③モデルの方に直接連絡する(難易度★★★)
最後ですが、ポートレート撮影を行ったことがない方にとって、いちばんハードルが高いのがこの方法ではないでしょうか。
モデルとカメラマンの双方が登録するマッチングのサイトやSNSのDMで直接やりとりする方法です。
マッチングサイトの場合は、目的が撮ること・撮られることなので、話が早いです。
ただ、カメラマンとしては作例をある程度準備した方がマッチングする可能性は高いかと思います。
そして、モデルの方の気に入っている作例なども確認できるため、自分の撮りたいテーマにあった方に相談することが可能かと思います。
私が使ったことがあるのは以下。
手数料が結構高いですが、必要なものだと思って割り切りが必要かと思います。
都内の方が多いので、関東にお住まいの方は割とマッチしやすいかと思います。
予約が成立した後の流れは撮影会と変わりませんが、運営の方はいないので、集合場所の設定やスタジオ等の手配は自分で行う必要があります。
もちろん、撮影が野外限定の方もいますので、その辺りは事前にしっかり確認してから臨みましょう。
SNSでの場合は、良いなと思った方にDMなどで連絡を行う方法です。
募集をしていない方にいきなりモデル依頼を送っても失礼なだけなので、モデルとして活動していることがわかる方に送りましょう。
また、ご依頼の際は、「撮影したいです!」とだけ送るのはナンセンスです。
もし自分がそのDMを受け取ったとして、どこで何時間くらいでどんな感じのものを撮りたいのかわからなかったら、返信すら面倒ですよね。
そのため、
①簡単な自己紹介
②考えている撮影テーマや雰囲気
③撮影地域
④撮影場所(屋外・スタジオ)
⑤おおよその日程
⑥撮影の時間(2〜3時間など)
などの情報はあらかじめ伝えていただくと良いかと思います。
(モデルの方から聞いた話なので、リアリティがあるかと思います)
こちらのメリットは手数料がないため、その分をモデルの方に還元できたり、スタジオや衣装代に充てられます。
また、マッチングサイトに登録している方以外にもご依頼できるため、分母が非常に大きくなります。
必ず作風にあった方が見つかるかと思いますので、撮影に慣れてきたら利用してみてください。
僕の場合はInstagramかXでの連絡が多かったかと思います。
たくさん作例も見れるので、作風のイメージに合った方を探せると思います。
自分はどうしたのか
僕の場合、一度講習会で撮影の雰囲気を掴んだ後にすぐ、マッチングのサイトでご依頼をさせていだだきました。
運良く返事をいただくことができて撮影も行うことができました。
そしてこの時点で、ライフワークにしたいなと思ったのでカメラも一式揃えました。
「EOS 1DXMark2」僕にとってはスーパーオーバースペックですが、カメラが足りない技術を補ってくれると信じて。
そして、初めからフラッグシップを選んでおけば他に目移りしないと思ったから。
(実際は沼にハマっていくのですが)
話を戻して、
初回の撮影は死ぬほど緊張しました。
平静を装っていたと思いますが、綺麗で素敵なモデルの方を前にして、できることがあまりにも少ない自分に嫌になることもありました。
とはいえ、最初はみんな初心者。
隠してもしょうがないので、これが僕の人生初のポートレート撮影であることをお伝えして、足りない技術はモデルさんにたくさん補っていただきました。
そしてこの時うまく撮れなかった経験が、その後の努力につながっていったと思っています。
今でもその方とは毎月1〜2回の撮影をしているので、とてもありがたい存在であるとともに、毎回足りない何かを気づかせてくれる貴重な方です。
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ライティング機材がないから、カーテンの隙間からの自然光で。
最後に
どうでしょうか?
大きな一歩を踏み出すきっかけになれていれば大変嬉しいです。
もし、参加する講習会や撮影会がうまく見つからない場合は、僕に直接ご連絡をいただいても構いません。
その場合は是非一緒に撮影しましょう!
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単純に僕の好きなカット