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手すりひとつでも変わる!〜自宅を安全にする簡単リフォームのアイデア
「手すりをつけるだけでも転倒のリスクが減る」これは本当でしょうか?
実は手すりは、設置するだけでは意味がなく、その人に応じた正しい場所に適切な種類を選ぶことで初めて効果を発揮するものだと思っています。
福祉用具プランナーのひとりとして、自分の体験や介護現場での経験を踏まえながら、
住宅改修(工事)で設置する手すり
福祉用具として設置できる手すり(工事不要)
100円ショップなどで手に入る便利アイテム
について簡単ですが紹介し、転倒防止と介護負担の軽減に少しでもつながる活用法をお伝えできればと思います。
1. なぜ高齢者の転倒が危険なのか?
高齢者の転倒は骨折や寝たきりの原因になりやすく、転倒防止対策はとても重要です。特に大腿骨骨折をすると、歩けなくなり、そのまま要介護状態になるリスクが高まります。
転倒しやすい原因
筋力の低下 → 足腰の力が弱くなり、踏ん張りが効かない
バランス感覚の衰え → 体の重心をうまく調整できない
視力の低下 → 段差や障害物が見えづらい
反応速度の低下 → つまずいた際に瞬時に体勢を立て直せない
こうした理由から、自宅のわずかな段差や滑りやすい床が「大きな危険」 となるのです。そこで役立つのが 「手すり」 です。
2. 住宅改修(工事)で設置する手すり
手すりは、しっかり固定することで安全性が向上します。住宅改修では、以下のような手すりを設置できます。
主な種類
壁付け手すり(横型):廊下・階段・トイレ → 立ち座りや歩行の補助
壁付け手すり(縦型):玄関・トイレ・浴室 → 立ち上がりや段差昇降の補助、姿勢維持
L字型手すり:トイレ・浴室 → 座った状態からの立ち上がりの補助
U字型手すり(折りたたみ式):ベッドサイドやトイレ → 使用時のみ展開
住宅改修で手すりを設置する際のポイント
設置場所を検討する(その人に応じた使いやすい場所になっているか)
壁の強度を確認する(間柱か補強下地などにしっかり固定できるか)
適切な高さに調整する(身長や体格に合っているか)
補助制度を活用する!
介護保険の住宅改修を利用すると、工事費用の一部(上限20万円まで、そのうち自己負担が1割〜3割)が補助されることがあります。市区町村の福祉窓口や地域包括支援センター、ケアマネジャーに相談してみましょう。
3. 工事不要で設置できる福祉用具の手すり
住宅改修が困難であっても、工事不要で設置できる手すりがあります。
吸盤式手すり(浴室用) → タイル壁などに吸着し、簡単に取り外し可能
置き型手すり(玄関、ベッドサイド、トイレなど) → 工事が不要で設置でき、移動することもできる
つっぱり式手すり(トイレ・廊下など) → 床と天井で突っ張って固定をするため、壁を傷つけずに設置可能
おすすめの使い方
お試しで使いたい場合は「レンタル」を活用(介護保険適用可能)
賃貸住宅の場合でも、「置き型」や「つっぱり式」なら壁を傷つけない
4. 100円ショップやホームセンターなどで買える便利アイテム
「本格的な手すりは難しいけど、転倒防止に何かできることはないの?」
そんなときに活用できるのが、100円ショップやホームセンターなどで簡単に手に入る便利アイテムの数々です。参考にいくつか挙げてみたいと思います。
滑り止めマット(100円ショップ・ホームセンターなど)
→ 玄関・浴室・ベッドサイドに敷くと、転倒防止に役立つ
滑り止めシール(100円ショップなど)
→ タイル床やフローリングに貼るだけで、足元の滑りを防ぐ
椅子の高さ調整パッド(100円ショップなど)
→ 椅子の座面を少し高くすることで、立ち座りの負担を軽減
これらを組み合わせることで、転倒リスクを下げつつ、費用を抑えた安全対策ができます。他にも様々なアイテムがあると思うので何か工夫できないか考えながら店舗内を見て回るのも、気分転換になって良いかもしれません。
5. 「手すり」を活用し、介護負担を軽減する
育児や家事、仕事をしながら介護をしている方にとって、介護の負担を少しでも減らすことはとても大切です。手すりがあるだけで、「介助が必要な場面」を減らし、介護の負担を軽減できます!
こんな場面で手すりが役立つ!
外出時がスムーズに! → 玄関の手すりで靴の脱ぎ履きが楽になる
トイレの介助が軽減! → トイレのL字型手すりで自立をサポート
入浴介助の負担が減る! → 浴室の手すりで転倒防止
6. まとめ:手すりで安心・安全な生活を!
手すりを適切に設置することで、転倒のリスクを軽減しよう!
住宅改修や福祉用具、100円ショップなどもうまく活用し、安全対策をカスタマイズ!
手すりを活用することで介護の負担を減らし、少しでも育児や家事、仕事との両立をしやすくしよう!
「まだ大丈夫」と思っているうちに対策することで、転倒事故を未然に防ぎ、安心して暮らせる環境をつくることができます。実は私の父も心筋梗塞で病床にありましたが、手すりがないところで転倒事故を起こし、それが結果として致命傷になってしまいました。そのようなことが起きないよう、そして介護の負担軽減も視野に入れながら「手すりのある生活」を早いうちから整えていきましょう!
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