蚊に刺され体調不良に🤒9月は、活動が活発
子供の場合異常に腫れるのは「小児ストロフルス」?高熱が出たら「デング熱」の可能性
9月は蚊の活動が活発になるシーズン。
今年の暑さは、例年以上です。10月になっても活動が収まらないかもです。
刺されると、かゆみで気が散ったり痕になったりとやっかいだが、まれに、より重い症状や体調不良を引き起こすことがある。
害虫防除技術研究所所長で医学博士の白井良和さんは、「小学校低学年くらいまでの子供が蚊に刺されて異常に腫れる場合は、『小児ストロフルス』かもしれません。また、蚊に刺されて高熱が出る場合は、『デング熱』か『蚊刺過敏症(ぶんしかびんしょう)』の可能性があります」と話す。
小児ストロフルス
子供が蚊に刺されて異常に腫れてしまって心配になった人はいないだろうか。白井さんによれば、「小児ストロフルス(急性痒疹)」という症状の可能性がある。
「蚊などの唾液に過敏に反応して、痕が異常に赤く大きく膨らむ症状で、8歳くらいまでの子供に起こります。免疫反応である『遅延反応』が過剰に出てしまっている状態と言えます。遅延反応は、一度腫れが引いてもう一度赤く腫れ、長くかゆみが続く反応です」
ただし、「それほど深刻に心配する必要はない」そうです。
「対処にはかゆみ止めを使いますが、かゆみが強い場合や熱が出ている場合は皮膚科を受診してください。
なお、小児ストロフルスは学年が上がっていくとともに自然に発症しなくなっていくものなので、あまり心配しすぎなくても大丈夫です」
デング熱
デング熱は、蚊がデングウイルスを媒介する感染症。発症すると高熱や発疹、嘔吐などの症状が出て、まれに重症化した場合は治療が遅れると命にかかわる。日本では直近で2019年に感染が確認されている。コロナ禍以降、国内での感染例はないが、白井さんは「いつ発生してもおかしくないですよ」と注意を促す。
「デング熱は、感染者を刺した蚊がウイルスを取り込んで、さらに他の人を刺すことで広がっていきます。日本のヒトスジシマカもウイルスを媒介します。今はコロナ禍も明け、海外からの人の移動も活発になっているので、注意したほうがいいでしょう」
厚生労働省は、蚊に刺されてから3~7日程度で高熱のほか、発疹、頭痛、骨関節痛、吐き気、嘔吐などの症状が出ればデング熱の可能性があるとして、デング熱を疑う症状があれば、近くの医療機関にかかってほしいと呼びかけている。また、海外からの帰国後に症状が出た場合は、受診の際、海外への渡航歴を合わせて申告してほしいとしている。
蚊刺過敏症
「デング熱が確認されたというニュースもないのに、蚊に刺されると必ず高熱が出るという人は、非常にまれですが“蚊刺過敏症”の可能性があります」
高熱のほかにも、以下のような症状があるとのこと。
★刺された場所が異常に腫れあがって水ぶくれになる
★喘息の発作が出る
★じんましん
★鼻水が出る
など
蚊刺過敏症は「平たく言えば、免疫の異常による病気」 「健康な人も90%かかっている『EBウイルス』というウイルスが、免疫細胞であるNK細胞に感染すると蚊刺過敏症と診断されます」 受診の目安については、「蚊に刺されると毎回38℃程度の高熱が出るようならば内科か皮膚科の受診を」と勧める。「ただし、症例が少ないため、詳しい医療機関も少ないのが現状。治療するにはステロイドや抗がん剤の免疫化学療法などがありますが、完治するのは難しいと言われています。一番有効なのは蚊に刺されないようにすること。
実際に蚊刺過敏症の方に話を聞いたところ、徹底的に対策をしているそうです」
誰にでも経験がある蚊による虫刺されだが、思いもよらぬ症状に発展してしまうことがあるようだ。もし受診の目安に当てはまっていたら医療機関で医師に相談してみてほしい。