北海道にYZF R-25で行ったときのこと(その4)
楽しい北海道旅行も終盤。この日は最東端の納沙布岬付近にある鈴木食堂に宿泊。
ここはライダーハウスを兼ねており、食事をすれば宿泊料が無料なのだ。有名な生秋刀魚丼と蟹汁に舌鼓をうつ。
たまたま、同じ時間帯に着いたライダーも生秋刀魚丼を食べていた。聞けば20代前半と、当時の私よりも若い。会社を辞めて岩手を起点に日本一周中という彼のバイクの後面には小さい黒板にチョークで、日本一周中とTwitterのアカウントが書かれていた。
旅の出会いは一期一会というが、この時Twitterのフォローだけでもすればよかったなと今になって思う。彼の目は始まったばかりの日本一周旅行への希望で煌めいていた。
宿に行くと、日本一周の彼の他に3名学生くらいの若者がいた。
どうもここでは私が年長者のようだ。2人は鈴木食堂に夏の時期だけ住み込みで働いているライダー、残り1人は自転車で日本一周をしているチャリダーの組み合わせ。
荷物を部屋において納沙布岬へ少し散歩。お土産屋さんにある昆布のパッケージにすら「北方領土は日本の領土」と書いてあったのには少し笑った。
また、このあたりの看板や標識には日本語の下にロシア語が書いてあるのが意外だった。
詳細は分からないのだがこのあたりはロシア人が多く住んでいるのだろうか?旅客船はないので、観光客はさほど多くないと思うのだが…
部屋に戻りライダー達と楽しく談笑し、この日は早めに床に就いた。
翌朝早朝、静かに着替えたのだが日本一周の彼を起こしてしまった。「どこへ行くんですか?」「日の出を見に行こうかなって」
なんといっても最東端から見える日の出はさぞ美しかろう。「僕も行こうかな」という彼を連れ立って二人で納沙布岬から昇る朝日を見た。
昨日は霧に隠れて見えなかったが、この時は遠くに歯舞諸島がきれいに見えた。いつかあそこにバイクで行けたらなと思いながらこの景色を味わった。近くではウミネコが鳴いていた。
ライハに戻り出発。この日は、釧路湿原を見ながら帯広に。
道中、厚岸にあった小さな食堂で牡蠣ラーメンを頂いた。当時は厚岸が下記の名産地ということを知らずに食べていた。やたらおいしくて後になって調べたらこの事実を知った。
釧路湿原展望台からは雄大な景色が広がっていた。
人とは贅沢なもので、開陽台、知床、摩周湖、納沙布と名だたる観光地を回ったばかりだったため、そこまでの感動があったかというと残念ながらそうでもなかった。
記事を書いている今当時の写真を振り返って改めて、釧路湿原の雄大さに気づいた。そういう意味では写真で当時の景色を簡単に手元に置いておき、それをブログに記載するという行為は、ツーリングを反芻できるとても良い趣味であると思う。現代技術に感謝だ。
午後からは雨が降ってきたので急いで帯広に向かった。
ライハにチェックインするとすぐに六花亭でスイーツと豚丼を楽しんだ。
帯広は道東の美食都市なのだ。
ライハに戻り、ライダーと自己紹介。2人ライダーがいて、一人は愛知の自動車学校の教習官。転職の為の有給消化で北海道をツーリングしているそう。
もう一人は、XSR乗りの大阪の食品系の商社マン。年も近いこともあり、北海道までの冒険譚をお互い語りあった。
私はこの日が北海道宿泊最終日だったので、積もり積もった北海道の苦労話、笑い話を多く語った。
雨脚が弱まったタイミングを見計らってお風呂は近くにある温泉へ、教習官の彼と一緒に訪れた。やはり教習官だけあってバイクに乗る姿はとてもきれいだった。彼と一緒にツーリングをしたら、帰ってくる頃には背筋はピンとなっているだろう。
温泉は、十勝岳の運び湯の温泉で、かすかにだが石油臭のするものだった。
そして翌朝。札幌での足止めが無ければ襟裳岬を経由して、苫小牧からのフェリーに乗船する予定だったが今回はあきらめた。なんと、XSR乗りクンの彼女が飛行機で今日千歳空港に来る予定で、途中まで一緒に走ることになった。
ヤフー天気を見ながら、大きい雨雲が通り過ぎたタイミングを見計らって出発。
かなり強い雨の中を2台で走る。一人だと心細い道だが、二人だとこんなにも安心感があるのか。
日高周辺の山の中をひた走る。雨は強さを増し、とあるトンネルの出口で自衛隊の人が通行禁止の柵を立てている場面にも出会った。
もう少し遅かったら千歳方面も通行できなくなり大幅な迂回を余儀なくされただろう。
やっとの思いで千歳に到着。千歳空港方面に向かうXSRの彼と別れた。この時も連絡先とまでは言わないまでも、SNSを聞いておけばよかったなと今になって思う。
フェリーは夕方出航なので、それまでアウトレットや温泉を楽しんだ。
これをもって私の初めての北海道ツーリングは幕を下ろした。
書いていて思ったのは、ブログを書くのはとても楽しい。
皆様に北海道ツーリングの魅力を伝えたいと考えて筆を取ったのだが、実際書き始めてみると自分自身のあの時の楽しかった思い出を再体験することができてとても有意義だった。
私は幸運にもロンツーの機会に恵まれており、以下のロンツーに行った思い出がある。
①小田原から北九州 (記載済) (2016年2-3月)
②川崎から北海道(1回目)(今回のブログ) (2018年8月)
③川崎から鹿児島(1回目) (2019年4-5月)
④川崎から長崎※ (2019年10月)
⑤川崎から北海道(2回目) (2021年8月)
⑥川崎から鹿児島(2回目) (2021年10月)
⑦横浜から青森 (2023年10月)
※この時の写真だけなぜかデータがないので、記憶を遡っても思い出せない部分が多い。(2019年のことで、大分の別府温泉で日本対南アフリカのラグビー戦を見たこと、宿泊した浜松のホテルの女将の息子さんがヤマハに勤めていることなど、断片的には覚えているのだが。。。)
次は③の記事に書いていこうと思う。
それでは皆さん、良い旅を!!