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免許取得(初めてバイクに乗った日のこと)

なけなしの貯金を握りしめて私は、橋本にある二輪専門の自動車学校の門をたたいた。当時、淵野辺からすずかけ台に通学していた私が、あえて通学ルート外にある橋本の学校を選んだのは単純にそこが一番取得費用が安かったからである。

当時の私は23歳であり同年代のほとんどが就業している中、大学院進学の道を選んでおり、懐事情も大学生と変わらず寂しい状況であった。(むしろ、研究に忙しくほとんどバイトできていなかったので、尚悪い状況だった。)

そのため、教習で必要なプロテクターはもちろんヘルメットの購入すら事欠いており、全て教習所が貸与する汗の臭いが染みついたものを装備していた。

初めての中型バイクに四苦八苦しながらもなんとか教習をこなし、順調に判子をもらうのに並行しバイクの検討も進めていた。
当時の教習者はCB400SFであり、周りの知人もバリオス2に乗っていたことから、私も自然にネイキッドバイクを検討していた。

当時考えていた私の求めるバイクは下記の通り
①諸経費込みで30万円以下であること
②排気量は250CC
③ネイキッドバイクであること
④耐久性が高いバイクであること

①と②を両立することは、現在はなかなか難しいと思うが当時であれば走行距離や、年式に目をつむればいくつか選択肢があった。
また、中古店での購入を当時検討していたが、アフターサポートの充実感=大手中古車ショップという短絡的な考えからレッドバロンの購入を検討していた。(実際に購入後、頻度は少ないながらもトラブルを起こした際には面倒を見ていただきこの選択は誤っていなかったと思う。)

というわけで、近所のレッドバロンに赴いて、バイクを紹介していただいたがいまいちピンとくるものがない。そんな中、ネットを見ていると一台気になるバイクを見つけた。それはHonda VTRである。
レッドバロンでおすすめされていた、Suzuki BanditやHonda Jadeと比べて比較的年式も新しく、2気筒であるため上記の4気筒に比べてトラブルが少ない。また、価格も安価に済むとまさに三拍子そろったバイクであった。

最寄りのレッドバロンに、各店でVTRの在庫はあるかと聞くとまさかの各店毎の在庫照会はできず別店舗の車両は写真のみでの確認、現車をみたいのであれば取り寄せになるというとんでもないシステムであった。
(推察になるが顧客が照会在庫の店舗を聞き在庫店で購入して場合、問い合わせ元の店舗の売り上げにはならないのではないと考える。)

当時もフザケンナと考えたが恐らく上の推察が正しいのだろうと考え、今度は近隣店舗に片っ端から電話をかけていくローラー作戦で在庫の聞き出しお行った。

すると、平塚のとある店舗に以下の条件の在庫があるという。
①2003年式
②走行距離は約4万キロ
③フルノーマル

すぐさまバイクとバスを乗り継いでレッドバロン平塚店で現車を確認した。

青いVTR250
鮮やかなカラーリングに一目ぼれ

その後、代金を支払い納車と相成った。(ちなみに貯金は自動車学校で使い果たしており、全て親からの借金となった。それは10年以上経った今も一円たりとも返済していない。)

それから私とVTRの2年9か月に渡る付き合いが始まり、それは以後10年のバイクライフの始まりであった。

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